マイケル・サンデルのレビュー一覧

  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    授業の教科書として、この本と出会った。この本を通じて、多くの新しい視点を得て、あたりまえだと思っていた現代の社会制度などに疑問をもち、考えることができ、知恵がついた気がする。

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    2025年08月19日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    「正義」という言葉はあまりピンと来ない。

    日常的に使う言葉ではないからだ。もちろん、子供向けの特撮ものや、映画のなどには「正義」の味方がたくさん登場する。それは世界制服を企む、街を破壊するなど、はっきりとした悪が存在しているからだ。その対比として、正義の味方が存在する。悪がいなければ、正義の味方の出番はない。

    改めて、「正義」という言葉を知るために辞書で引いてみると、「人の道にかなっていて正しいこと」とある。この定義であれば、ふだんの生活の中で、「正義」を選択する場面は多くあるのではないだろうか。

    駐車場から出ようとしている車に道を譲るのは正義か?
    電車でお年寄りを見かけ、席を譲るために

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    2025年05月27日
  • 平等について、いま話したいこと

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    格差と分断を是正する為に。エリートによるリベラルエリート批判。左派衰退の原因は、経済構造の在り方を問い直してこなかったこと、その経済構造の中で勝者の立場だったこと。雇用創出への左派の鈍感さの指摘はまさに。累進課税の強化、保健医療や教育の「脱商品化」。くじ引き民主主義や富裕税導入などの思考実験は面白いが…

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    2025年04月19日
  • 平等について、いま話したいこと

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     さすが、現代の知性の先鋭同志のぶつかり合い、丁々発止のやりとりが続いて、圧倒される。
     タイトルにあるように「平等」について、互いの考えを披歴し合うが、キーワードは「脱商品化」と「再分配」か。

     言うは易し、行うは……の話ではあるが、サンデルさんが言う
    「自分の成功は自分の手柄と考え、自身の成功を胸いっぱいに吸いこみすぎて、その過程で幸運や恵まれた環境に助けられたことを忘れ、自分が恩恵にあずかっていることを — あなた(=ピケティ)がおっしゃるように、ほかの人たちのおかげで成功できたということを — 忘れてしまうからです。」
     この反省に立って、考えることだという学びがあった。

     今、行

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    2025年03月04日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    言葉が難解で時間をかけて読みました。努力したから結果が出たんだと言われたこと、思ったことがあるはず。でも、そんな実力主義だと、努力できる環境ではなかった人にとって平等ではないのでは?という感じの内容だったと捉えています。だから、頑張れる環境であったことに感謝できる謙虚さをもちなさいということだった気がしますが、、、言葉が難解できちんと読めているか怪しいです。

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    2025年03月02日
  • 平等について、いま話したいこと

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    書き方は平易だけど、内容は難しかった。今の政治をみていると、二人が目指しているような、不平等の解消を目指す社会の実現は、非現実的に思えてしまう。本の最後にある、「より平等な承認、敬意、尊厳、尊重を実現すること」に世の中が少しでも向かって欲しい。

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    2025年03月01日
  • それをお金で買いますか 市場主義の限界

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    自分の周りにある様々な"お金に結びつくもの"(例えば広告や企業のロゴなど)やビジネスモデルについて、社会へ浸透させる上での限界点を考察した一冊。

    経済的に見ると合理的な事が人間の感情によって不合理になっていく様子が書かれており、どこまでだったら自分らの生活に入り込んでも大丈夫か、お金お金し過ぎて気分を悪くする人が増えないかなど、社会へのお金(ビジネス)の訴え方について、社会/個人とのバランスが非常に大事であることを改めて考えさせられた。

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    2025年02月22日
  • 平等について、いま話したいこと

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    対談の採録。
    少し散漫かな。

    それぞれの本を読む方が面白いと思う。

    「成果・結果」を出すことを支える「公共財」への目配り
    「成果・結果」に応じて配分される「報酬」の多寡

    当たり前、と思いがちなことも、必ずしも当たり前ではないことに気をつけていきたい。

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    2025年02月11日
  • 平等について、いま話したいこと

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    まだ自分の知見が浅くて3割もわかんなかったけど、平等な社会について考えたいと思った。論じているのは平等というか公平なのかなとも思った。もう少し勉強してから読み直したい。ただ、全然わからなくても読ませてしまうマイケル・サンデルはやっぱりすごい。

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    2025年02月09日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    成功や失敗が単に個人の努力や能力だけでなく、運や環境の影響を大きく受けていることに気づかされた。私たちはしばしば、「努力すれば報われる」という信念に基づいて、成功者を称賛し、失敗者に自己責任を負わせる傾向があるが、この考え方には盲点があるというサンデルの指摘は、価値観を見直すきっかけとなった。

    特に印象に残ったのは、教育や経済システムが不平等を助長し、一部の人々に有利な立場を与えているという点。社会において成功を手にするための機会が平等でないことは、実力主義の名のもとに隠されている不公平さを浮き彫りにしている。これに対して、どのように公正な社会を構築していくべきか、考えるべき課題は多いと感じ

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    2024年09月16日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    著者が哲学者だけあって正直言い回しが難解でわかりにくかった。
    ただ伝わってきたのは、人間はそれが身体的なものであれ経済的なものであれ持って生まれて得たものにかなり左右される事。
    著者もいろいろ提案してるけどそのうちの何割かでも世に(主に大学に)適用されれば良いな。

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    2024年06月28日
  • それをお金で買いますか 市場主義の限界

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    お金があればなんでもできる?できそう、でも何かが違う。そんな例をいくつも紹介。買えるが倫理を失う。色々な事例紹介があり、それに対する筆者の感想をまとめた本。よく言えば広い知見、悪く言えば淡々と事例を述べてるだけ。総合的な評価は普通かなぁ

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    2024年05月07日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    能力主義は差別を解決しない
     "努力して得た能力によって差別を乗り越えた"
     は美談ではない。美談にすると差別が温存され
     る。
     努力は素晴らしいが、そもそも差別がない社会を
     目指すべき。

    能力社会
     能力/学力社会は最後の偏見であり差別。
     他の差別は糾弾されるが、能力勝者は見下し、
     差別を認識もしておらず、むしろ正当化されてい
     る。これが見えない差別を生む。
     特に高学歴が差別に敏感かつ無意識差別をする。
     労働者、不細工、太ってる、低学歴なんて
     努力できるはずなのに!

     教育の限界
     チャンスを平等にしても結果は平等でない。
     
     欧州
     努力を過小評価

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    2024年04月03日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    ネタバレ

    ・感想
    現代の正義、善についてあらゆる哲学者の理論や具体例を交えながら模索している本。
    納得したり反感もったりそもそも書いてる内容が理解できなかったり。
    正義なんて「人によって違う」ものだけどその「人によって違う部分」をもっと掘り下げて考えてみましょうという本。
    著者がコスモポリタニズムの第一人者らしくやはり結論はそっち向きになってた。
    読みながらそんなこと言われたって一般大衆(私含めて)ってあんたが思ってるより馬鹿なんだよなって気持ちになってしまった、
    まぁだからこそもっと思考して考えて議論して、生きなさいと説いている。

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    2024年03月06日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    ハーバード白熱教室のマイケル・サンデルによる能力主義社会に対する警鐘。
    2016年の大統領選でトランプがヒラリー・クリントンを破って当選した。そこで明らかになったのは、富める者と貧しい者の間の断絶だった。そしてそれはアメリカが80年代から目指してきた能力主義の行き過ぎにより招かれた事態であると、かつては人種の違いや出自によって生まれた差別を解消する者として、その人の能力で人を評価しようとする能力主義は素晴らしいものに思えた。
    しかし、それは能力を安易に測る手段として学歴偏重を生み、結局、社会の流動性を高めるのではなく、裕福な家庭に生まれた者が、様々な手段で高学歴を得て、そのような手段を得られな

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    2023年11月20日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    難しい。というのか、欧米人と日本人の違いなのか、一般人と哲学者の違いなのか。途中、引き込まれる部分もあったけれど、よく分からなかった。なにを重要視してるのかがそもそも違うのかな。僕が自分のことを分かってないだけなのかも。

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    2023年03月21日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    功利主義やリバタリアニズム・リベラルといった思想の具体的な内容と限界、そこから導かれる「道徳」の必然性を、様々な事例とともに理解できる一冊。例えば、功利主義(="最大多数の最大幸福")と基本的人権は両立しない(功利主義は、少数の人権を蔑ろにして多数の効用が向上することを是とするから)等、あの有名な考え方にはこんな弱点があったのか!と目から鱗な点が多数あった。
    が、全体としてそれらが整理されておらず、似たような話がダラダラ続いたり、逆にいきなり主題が切り替わったりして、かなり読みにくい印象も受けた。講義としては面白いのかもしれないが、本の構成(≠内容)としてはあまり良い出来と

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    2023年01月06日
  • サンデル教授、中国哲学に出会う

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    マイケル・サンデルそのものではなく、オマージュというか、マイケル教授の思想、論文を学者が講評しているような内容だ。詩的、いやまさに哲学という事だが、中国の故事に触れ、アジア的な価値観の源泉も辿るような感覚もある。

    例えば、「礼」の具体的事象。通勤の途中で通り掛かる人におはようと言って微笑み、その人が同じように挨拶を返してくれれば、二人はお互いに前向きな姿勢を徐々に高め、相手を気遣うようになる。相互に親切であろうとする心構えができるであろう。儒教の理想はこのような「礼」の実践を通じて同胞への気遣いや情を養うこと。

    孔子は我々が刑法を頼りに社会を管理すればトラブルを避けられるかもしれないが「恥

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    2022年12月17日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    NHK『ハーバード白熱教室』で放送され、人気となった本。
    正義は物事を評価する正しい方法に関わる。とにかく難しい。

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    2022年08月11日
  • ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)

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    「犠牲になる命を選べるか」「徴兵制の是非」「同性婚について」など馴染みやすい命題で議論が展開されますが、理解するにはある程度、哲学用語の知識が必要だと思いました。

    「格率」自分で自分に定めた行動の法則。信念とも言い換えることができる。
    「道徳法則」人間界には従わなくては道徳法則があるとカントは考えた。道徳的な行いを善しとする理性は人間だけに先天的に備わっているからである。
    「定言命法」道徳法則は目的を達成するための手段ではなく、目的そのものでなくてはならない。
    例:人に親切にすることに目的はない。なぜなら親切にすること自体が目的だから。
    自分の利益や要求、特別な状況がほかの人のそれよりも重要

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    2022年07月30日