マイケル・サンデルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「金で買えないもの、買えるが買うべきでないものはどこに線引きされるべきか」
ハーバード大学名物教授による市場主義の問題提起。
・良かった点
2012年出版。世相を見るに慧眼だなーと。日本はアメリカより10年遅れる、とよく聞くけど予言書みたいな現実に「おわ~~」と呻きながら読む。「金が全てじゃねぇが、全てに金が必要だ」って漫画にもあったよなー。
・よくなかった点
「ファストトラック」「インセンティブ」「非市場的規範」「商業主義」・・・問題の根っこは同じなので早めにまとめに入ってほしいのですが結構堂々巡りしていて長い。あと多分「お金で買えない道徳的・市民的善というものがあるべき」という論旨なん -
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Posted by ブクログ
ネタバレなかなか難解な一冊でした。
社会経済と道徳をどう考えるかというのが本書の大きなテーマ。
その中で、第1章では「行列に割り込む」、第2章では「インセンティブ」、第3章では「いかにして市場は道徳を締め出すか」、第4章では「生と死を扱う市場」、第5章では「命名権」を例にあげ、経済学的に金銭でそれを購入することと、道徳的にそれはどうかということを論じている。
奥が深すぎる。
説明
内容紹介
国民的ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』のサンデル教授、
待望の最新刊登場! 現代最重要テーマに、教授はどう答えるか?
結局のところ市場の問題は、実はわれわれがいかにして共に生きたいかと -
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Posted by ブクログ
うそをつかない=カントは嘘も方便は賛成していないが積極的な嘘でなければ許容している。
ロールズ=無知のベール。功利主義を批判した。
公正な機会均等=能力主義、これだけでいいか。才能に恵まれて得た富を分配する方法を変えればいい=格差原理。恵まれた者は恵まれない者の状況を改善するという条件でのみ、その幸運から便益を得ることが許される。
アファーマティブアクション
テキサス大学のロースクールの合否決定基準。人種で差別することは違法か。多様性の促進とどちらを取るか。
アリストテレスにとって正義とは、人々に値するものを与えること、与えられるべきことを与えること。
最高のフルートが与えられるのは、最 -
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Posted by ブクログ
-「私は誰かの息子か,娘であり,どこかの都市の市民であり,この一族,あの民族,この国民に属している」「したがって,私にとって善いことは,このような役割を生きるものにとって善いことであるはずだ。私は自分の家族,都市,民族,国民の過去から,様々な夫妻や遺産,期待や義務を受け継いでいる」
-「本当に有徳な人は、最も遠い他人を助けるためにも、友人に対するのと同様に迅速に駆けつける」「完全に有徳な人に、友人はいないだろう」
-すべての正義は差別を内包する
本全体があんまり一つの主張をしないのでちょっと強い感想を持ちにくいんだけど、個人的に残ったのはここら辺かな。人類皆に公平というか正義を持つなんてのは -
Posted by ブクログ
-凄い昔に途中まで読んだことあったけど終わらず。実家帰った時に本棚にあったので持って帰ってきて読んでみた。
-授業のテンポとか、内容が難しくなりすぎたときのユーモアとか、議論の誘導の仕方とか「授業をする」ということに対して凄い技術をもったエンターテイナーだなーって思った。
-でも本としては凄く難しかった…理解するのに何度も読み直したw
-そういう意味で授業ついてってる学生凄い。ただきっとこれ授業のないところで相当な量の課題図書出されてるんだろうなー。その上でのこの授業だと考えると、ちょっと学生時代思い出してゾッとしたw
-ハーバードの学生の議論聞いた後の東大の学生のレベルの低さが凄い。これって -
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Posted by ブクログ
内容が難しいので読むのに凄く時間がかかった。
実際にNHKで放送されたものも見ていたけど、映像を観た後でこの本を読むと、サンデル教授の議論誘導の仕方の上手さを感じる。
映像では分からなかったけれど、文字になると、見当違いな話をしようとしている学生を上手くいなしたり、纏まっていない発言を短いセンテンスに集約したり、ということを頻繁に行っているということがよく分かる。
生徒がどういう発言をしてくるか分からない中で、きちんと目指した方向へ議論をみちびいていく手腕は本当に素晴らしい。
『正義』という議論しづらいものに真っ向から取り組んでいる授業内容自体も面白いけれど、サンデル教授の手腕が素晴らしくて -
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