マイケル・サンデルのレビュー一覧

  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    難解だが、章ごとに積まれていく問いと事例と判断が、結末に向けて収束…ではなく混沌としてくるところが面白かった。
    正義のためには対話が大事かも。

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    2026年06月09日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    35冊目『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』(マイケル・サンデル 著、鬼澤忍 訳、2011年11月、早川書房)
    ハーバード大学教授による「正義」とは何かを考える哲学書。過去の哲学者たちの思想をひとつひとつ検証しつつ、彼らの主義が果たして現代に「善き生」をもたらすのかを検証する。
    大学の講義が基になっているだけあって初心者にも易しい。

    〈もしも、自国の物語を現在まで引き継ぎ、それに伴う道徳的重荷を取り除く責任を認める気がないならば、国とその過去に本当に誇りを持つことはできない〉

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    2026年05月30日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    例えば、ハリケーン(台風)が過ぎ去った後、家の屋根に損傷を被った被災者に対して、業者が通常の数倍の金額で屋根の修理を受注すること(価格設定は需要と供給の関係で決められるもので本来自由である、また高い価格設定で多くの業者が参入し復興が早まると容認する見解もある)。例えば、戦争で外傷を負ったり死亡した兵士に与えられる国からの勲章が、PTSDなど心的障害を負った兵士には与えられないこと(心的障害は敵の攻撃によって生じたものでなく因果関係も明らかでないと現状を肯定する見解もある)。例えば、経営破綻した大手金融機関に税金から公的な救済資金が支払われたにもかかわらず、その企業の役員に莫大な金額のボーナスが支払われること(当該企業の株式の大半を政府が保有することになるので、納税者のために早期に不良債権を処理するには有能な人材の確保が必要であり、それに見合う報酬が必要と容認する見解もある)。そんな具体的事実や事例をもとに、本当の「正義」とは何かについて考えるのが本書の内容です。

    この他にも、課税という富裕層から貧困層への富の再分配、貧困層の臓器売買、現在を生きる世代とは関わりのない歴史的過ち(ホロコーストなど)についての謝罪や補償、代理出産、同性婚。妊娠中絶の是非などについても、個人の権利、倫理的・道徳的な判断も含め、正しいことなのか、すなわち正義という観点から、様々な考え方について提示してくれています。

    本書では、これらのような「正義」について考えるアプローチとして、
    ①幸福の最大化、
    ②自由の尊重、
    ③美徳の促進、
    の3つの観点が存在するとしています。

    ①は功利主義的な立場で、例えば1人あるいは5人のどちらかをやむを得ず殺さなければならない状況ならば、1人殺すべきだという、少しでも多くの人間が幸福になれる方向をとる、最大多数の最大幸福こそが正義なのだとする考え方。
    ②は正しさは善に優先するという立場で、正義とは対立し合う意見に対してすべて中立であらねばならず、個人が「自由に選択できること」こそが正しさであり、正義なのだという考え方。
    ③は相互的尊重という立場で、人間は多種多様であり満場一致で決めることは出来ないのだから、考え方をすり合わせた「共通善」を目指していくことが正しさ、すなわち正義であるという考え方。

    本書では日本では関心の薄い宗教的な要素も記述されていますが、いずれにせよ、「個人の自由と権利」をどこまで認めるか、「社会としての幸福」をどこまで求めるか、その2つの要件から「法律」をどのように規定するか、ということを様々な考え方を紹介するとともに、著者が考えるその判断基準を述べているのかと思います。

    私の以上の解釈で正しいのかどうか自信はありませんが、「正義」について、上記の通り様々な要因で多種多様な考え方がある中で、誰もが納得する正解を得ることは難しいと思います。ただ「感情」ではなく「理性」で判断することが大事ということは同感で、その判断が理性に従っているかどうかを確かめるには、『自分の主張が最高裁判事の意見として提示されたら、どう感じるだろうか』と自問してみるといい」、と書かれていた部分には思わず付箋を貼りました。

    あらためて「正義」について考えるには有益な一冊で、著者の話をもっと詳しく聞いてみたいと思いました。

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    2026年05月11日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    おもろかったーーー
    カントについてなんとなくでも理解できて良かった。難解やけど一番読んでて楽しかったな

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    2026年05月11日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    長らく気になりつつ敢えて読んでいなかったけれど、やっぱり読んでよかった。

    特に第2章
    「最大多数の最大幸福こそが善悪の尺度である」で有名なジェレミー・ベルサムのところが面白い。

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    2026年05月03日
  • 平等について、いま話したいこと

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    左派の勝ち逃げ

    米国の政治哲学者マイケル・サンデルとフランスの経済学者トマ・ピケティの対談本。共に移民に悩まされている国の学者がこんな問いを巡って話し合っている。

    サンデル「われわれのような人間は、資本やモノの規制なき自由な国家間移動には批判的ですが、寛大な移民政策、つまりヒトの国家間移動には賛成しがちです。一方、中道右派の人たちは移民の増加を批判しながらも、資本とモノの自由な移動は支持して促進しています。矛盾しているのはどちらでしょうか?」
    ピケティ「やはり私の答えとしては、資本移動と貿易のほうをより厳しく規制すべきだと思います」(本書より)

    矛盾しているのは、君たちだよ。君たちは大学人だから、留学できない世界が考えられないだけではないの?
    古代ローマ帝国は民族移動の影響で滅んだではないか。人の移動は、文明の存続にかかわるのだし。
    でもまあ、サンデルはソクラテス風の問答法の学者だから、自分の答えは頭にあるけれど、こういう問いかけをするスタイルの人なのだと思っている。民主社会主義を標榜するピケティにこう問題提起する。

    サンデル「移民問題はわれわれに国境の倫理的意味とは何かという疑問を投げかけ、こうした疑問にもっと満足のいく答えを用意できるかどうかに左派の政治の未来がかかっている」
    ピケティは答える。「要するに左派の問題は、経済構造のあり方を問いなおしてこなかったこと、そしてあなたご自身がきわめて明確に示していらっしゃるように、その経済構造のなかで常に勝者の立場だったことだと思います。この問題にはまともに目が向けられてきませんでした。現在の左派は基本的に、「国際合意を取りつけるべきだ、国際合意が必要だ」という姿勢ですから。それで、国際合意が取りつけられなかったらどうするのでしょう?何もしません」(本書より)

    何もしません、って、え?勝ち逃げ? ピケティおまえな。。。
    サンデルは現代の特権階級の問題をきちんと議論したいようなんだが、ピケティは乗り気でなく、やっぱり民主社会主義にしていくのが大事なんだろうてなことを言っている。こういうのが今の左派の限界なんだろうな。

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    2026年03月27日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    1章1章が非常に考えさせられる良本でした。
    そして、1章ごとに知識と前提が積み重ねられ、10章に著者の専門の政治哲学を語るに至る。
    各章のメモ書きが大変な量になりました。

    やはり哲学は面白い。そして意味と価値がある。

    少しずつでも学び、著者のように生活や活動に活かせられるようななりたい。

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    2025年12月20日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    ネタバレ

    頂点に立つ人びとは、自分は自分の手にしている境遇にふさわしい人間であり、底辺にいる人びともまたその境遇にふさわしいという独りよがりの信念を持ちやすい。
    リベラル派  保守派
    左派     右派
    民主党    共和党
    主流派    反主流派
    ヒラリー   トランプ

    道徳的に行動する責任を負わせることと、われわれ一人ひとりが自分の運命に全責任を負っていると想定することは全く別である。

    神は正義に叶う、神は全能、悪が存在 この三つの見解を同時に取ることは難しい
    →人間の自由意志 悪への責任を神から人間へ移行する考え
    リベラリズムの先駆者
    しかし、自由意志を認めれば神の究極の贈り物である十字架にかけられたキリストという犠牲の意味を損ねる、神の恩恵を前にしての謙虚さが自らの努力に対する誇りに取って代わられてしまう
    神に選ばれることは自力では決して不可能であり、そのために功績を上げてチャンスを増やそうとすることが冒涜である
    →断固たる反能力主義
    ただ労働的な考えだと天職について頑張ることが救済のしるしだと見なし、これが選ばれる原因だとすり替わっていく
    自分たちが神に選ばれたと確信しているせいで、宗教的貴族社会は地獄に堕ちる運命にあるように見える人々を軽蔑して見下した
    →能力主義的おごりの初期バージョン

    選ばれたものは自力?自力でなく神の恩寵? 当時
    成功は自力?幸福は制御できない要因?   現在

    オバマはテクノクラート的な考えそのもの
    テクノクラート的なものとしてではなく、権力、道徳権威、信頼にまつわる民主社会に生きる市民にとっての問題としなかったことが問題 
    このようなことが現在のポピュリストの不満の政治であり、能力主義とテクノクラシーの失敗に向き合うことが共通善に向けた一歩

    人びとが能力主義に不満を訴える場合、理念についてではなく、理念が守られてきないことについての不満であるのが普通だと

    能力主義はもっと根の深い問題だとしたら?実現できないのではなく、理想に欠陥があるとしたら?
    能力主義完全実現は正義にかなうか、いささか疑わしい
    能力主義の理想は不平等の解決ではなく、不平等の正当化
    才能を自分の手柄ではないと認めれば能力主義的信念は疑問にさらされる。才能の道徳的恣意性を無視し、努力の道徳的意義を誇張してしまっている。

    ハイエクの自由市場リベラリズム 才能に対する世の中の価値の尺度が違っているから受ける報酬も変わるわけでそれはただの運である 

    ロールズの福祉国家リベラリズム 才能のあるものが得た報酬を運に恵まれない人に分かち合う 努力の意欲さえ恵まれた家庭や社会環境によるもの
    これが立証されるかはそのコミュニティから恩恵を受けて、共通善に貢献する義務があるかどうか

    ハイエクの考えでも功績と価値の区別はできてるけど、お金が尺度となる市場経済の前ではほぼ能力主義と一緒

    ナイトの考えだとハイエクの考え➕市場価値と社会的貢献は一致することが疑わしい
    薬の売人 高額 小さな価値
    教師   低額 大きな価値

    平等主義リベラリズムは結局のところ、エリートの自己満足を咎めていないことを示唆しているのかもしれない

    大学入試を適格者内でくじびき
    能力を一基準として、最大化すべき理想としない

    グローバリゼーションプロジェクトは消費者の幸福を追求し、外部委託、移民、金融化などが生産者の幸福に及ぼす影響をほとんど顧みなかった。労働の尊厳の喪失
    改善に向けて
    生産者として役割 貢献の真の価値は賃金ではなく、対象の道徳的、市民的重要性
    低賃金労働者への賃金補助、税負担を労働から消費へ
    税務政策は道徳的側面を持つ、労働よりも投資の税率が低いのはgdp増加が目的、それは道徳的前提?
    実体経済にとって無益で賭博めいた投機に悪行税を課す
    能力の時代が破壊した社会の絆を修復する
    完璧な平等を必要なのではなく、多様な職業や地位の市民が共通の空間で出会うことは必要

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    2025年11月30日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    能力主義の世の中、能力とされている内容は、純粋な自分の能力ではなく、偶然や機会・環境によって構成されている。

    では真の能力主義を実現するためにはどうするべきか?

    本来の能力以外の部分を平準化する「平等」の実現が必要である。

    一個前に「これからの『正義』の話をしよう」を読んでいたので、スッと入ってきた。

    サンデルの他の本を読んでから読むことをおすすめ。

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    2025年11月23日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    昨今の世の中の混乱を西洋におけるプロテスタント倫理の崩壊と言う意見を聞くようになりました。
    本書でもそのあたりを『自らの健康とささやかな成功を神に感謝する考えから、健康で成功するためにきちんとできる人間である事は神に愛されている証と言う考えに変わり、健康で成功するために努力する事が神に愛される原因と考えるようになり、健康で成功するための努力そのものが個人の選択と能力により獲得できるものと考えるようになり、ついには自分の運命は自分が握るものと言う考えに至った』とページを割いて説明しています。

    自分の運命は自分で切り拓くものと言う考えは実に人間本位の考え方だと思います。
    多分ですが、今の私があるのは私一人の手柄ではなく、親や友人や先生や他の誰や神様や運命が私に与えてくれたものと考える事が第一歩なんだと思います。
    一度こう言う考えに立ち返る事で、私たちの価値や能力は本来は他の誰かとの関係性の中でしか評価できないものと気付けるのかもしれません。

    人間には社会生活に積極的かつ生産的に参加したいと言う要素があり、これが満たされる事、つまり他人を承認し他人から承認される事を抜きにしては、分配だろうと流動性の向上だろうと、小手先のテクニカルな政治的な対処ではもはや意味を持たない事も良く理解できました。

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    2025年11月14日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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     入試にくじびきを導入することを提案することが有名なサルデルのメルトクラシー Meritcracy に関する著書。本書のテーマである能力主義やアメリカンドリームといった一見もっともらしいものと、いわゆる公共善との間の矛盾を鋭く、というより丁寧に指摘している。
     私は、このような観点について公平か平等か、といったよくある議論どまりの視点しかもっていなかったが、平等というもののロールズやハイエクの主張が無批判にいわば常識として自分に刷り込まれていたことに気付かされた。

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    2025年09月28日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    当たり前だと思ってきた「能力主義」というものを根本から考え直させられました。
    努力すれば報われる、教育機会を広げれば公平になる…リベラルな考えに比較的共感してきて、これまで善意だと思っていた考えが、実は「成功できなかった人は失敗者」という偏見を助長しているのではないか、と気づいて少し衝撃を受けました。

    私たちは生まれてから受験、就活、昇進とずっと選別され続けています。何かしらの基準で「優れている」「劣っている」とラベルを貼られるのが当たり前になっていて、達成した人は驕り、達成できなかった人は自分を責めてしまう。
    でも本当に大事なのは、そうした基準を超えて、どんな立場の人も尊厳をもって生きられることなのだと思います。

    サンデルの提案する改善策は正直まだ現実味が薄い部分もあると思いますが、それでも「この社会の常識を一度立ち止まって疑う」きっかけを与えてくれる一冊でした。

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    2025年08月26日
  • それをお金で買いますか 市場主義の限界

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    多くのことがお金になったこの時代で、大事にするべきことをよく教えてくれる本である

    仮に全員が経済的に得することであったとしても、社会的規範という側面を考えていきたい

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    2025年08月10日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    少し長めの本であったが正義について、多くの哲学から紐解き説明している点は面白い
    カントやロールズ、アリストテレスなどの本を読んだことはなかったが、それぞれの主張も丁寧に説明している

    また、各テーマに対してロースクールや寮での話などの具体的なケースを引用しているところが多く理解しやすかった
    最後の市場原理の話も面白く、「それをお金で買いますか」という本も読んでみようと思う

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    2025年07月20日
  • 平等について、いま話したいこと

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    非常に示唆に富んだ本でした。
    都議選を終え、参議院選挙を控えた今の時期にぜひ読んでほしい一冊です。

    トランプの台頭、日本でも排外主義が蔓延し始めた状況に危機感を覚えつつも、ポピュリズムに一定の魅力を感じなくもないと私は思ってしまいました。

    怖かったです。

    だってヒトラーでも民主主義のプロセスの中から出てきたのだから、自分が誤った価値観で投票することが一票という小さな影響がしれないけれど日本を悪くしてしまうかもしれないと。

    なので、勉強の一環としてこの本を手に取りました。


    漠然としか認識していなかった、

    能力主義
    平等と公平
    グローバリゼーションの物/人/金の違った側面

    それぞれが明確な形を持って切り取られ議論されています。
    何がいいか悪いかの結論はすぐに出るものではありません。問題点の輪郭がはっきりとしたのが、すごくよかったです。

    グレーな問題に対して自分はどういう立場を取るのか、どんな社会を望むのか、これからよく考えていきたいと思います。

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    2025年07月09日
  • 平等について、いま話したいこと

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    大学入試や議会選挙にくじ引きを導入すべき?

    アメリカのトランプ大統領の言動に始まり、
    世界中の国で格差が拡大している現在、これだけタイムリーなテーマがあろうか。
    しかも、それを語るのが「21世紀の資本」の著者のピケティと、
    「実力も運のうち」のサンデル教授!

    確かに、ピケティの言うとおり、昔っから世の中は不平等だった。
    ある意味ここ数百年はましになってきていた。
    しかし、ここにきて世の流れは富を集中させる方向に行きつつある。

    ピケティが一番問題視するのは、GAFAMに代表される、
    多国籍企業の莫大な利益に税金が取れないこと。
    21世紀の資本はこれに真っ向から取り組み、国際的な累進課税を訴えていた。
    そう、累進課税。
    ひところは80-90%が最高税率だったものが、
    新自由主義でどんどん引き下げられた。私が敬愛するフリードマンがその主張者だった。
    なので私も当初は、稼ぐやる気をなくす高すぎる累進課税はよくないと思っていた。
    でもね、、
    昨今の世襲議員やら、東大生の年収1000万以上の親ばかりで、
    そいつらが行う政治が血の通ってないろくでもないものになっているのを見ると、
    運よく稼いだ者から吸い上げた富を運悪く貧しい人に再配分することは重要、
    と考えるようになった。
    もちろん、与えられた金で酒ばかり飲まれては無駄な金だが、
    少なくとも、ヤングケアラーやら、奨学金という名の借金で大学を出ても結婚すらできない、
    なんて状況がいいわけがない。最初から若者に負債を背負わせてはいけない。

    これは日本の話で、ピケティやサンデルが直接言ってることじゃないけど、
    でも、言いたいことは一緒。
    5割が大卒未満なのに、なんで議会は9割が大卒なのか!と。女性の割合は増えたのに、と。
    ・・・日本はここすらまだまだ行ってない。
    大学入試も、まず一定数試験で絞った後はくじ引きにすれば、富裕層じゃない子が入れる確率は増えると。
    それだけでは足らんでしょ、とピケティは鋭いが。

    右、左という言葉がどんどん出てくる。ここでは資本主義が右、社会主義が左、なのだが、
    今の資本主義は社会主義要素はどんどん入っている。それをどこまでにするか、何に重点を置くか。
    そもそも今の日本のように、所得の低い人からも5割を税金で持って行っていて、何が資本主義だ。
    むしろ富裕層は株だので上限2割しかとられない、とか逆転現象すら起こっている。

    ベーシックサービスの話が結構出ている。
    貨幣経済によらない無償のサービスを提供すればよいのではと。
    これもやり方は難しく、下手するとソ連のような品質低下になりかねないが、
    工夫すれば、、というところか。

    しかし、今の参院選の各党の主張を聴く限り、こんなレベルにはなく、
    「我々が貧しいのは海外から安い労働力が入るからだ!」になってしまう。
    安い労働力じゃないと零細企業がつぶれちゃうからでしょう、、
    この構造自体がまずいんだよ、大企業はろくに税金も払わず、高い報酬を得る経営陣。
    そういえばこの本で、10対1が限度だろう、といってた。
    そう思う。今100対1だもんな。日本ですら。サラリーマン社長ですら。

    字の大きい、150ページちょっとの本だったけれど、非常に考えさせられる本だった。


    第1章 なぜ不平等を懸念するのか
    第2章 お金はもっと重要でなくなるべきか
    第3章 市場の道徳的限界
    第4章 グローバリゼーションとポピュリズム
    第5章 能力主義
    第6章 大学入試や議員選挙にくじ引きを取り入れるべきか
    第7章 課税、連帯、コミュニティ
    第8章 国境、移民、気候変動
    第9章 左派の未来―経済とアイデンティティ

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    2025年07月07日
  • 平等について、いま話したいこと

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     不平等ineaquality(格差disparityではない)をアメリカの哲学者ハーバード大学教授マイケル・サンデルとフランス経済学者のトマ・ピケティとの対談本。
     不平等がもたらす人間個人と社会のマイナスを累進課税とか大学入学を親の経済力ではなく能力プラスくじ引きで入学させると提案したり、アメリカアイビーリーグの出身者が社会で高い地位についているとの現実を学歴主義から脱皮させようと論じている。左派の論が経済富裕層をより富ませて民主党がアメリカの分断に拍車をかけ、トランプの支持を高めたと説いている。
     地球温暖化、環境破壊も西欧社会が作ったもので、グローバルサウスに負担を強いるような西欧の対応はおかしいと言っている。
     不平等がなぜ問題か。
     ①すべての人による基本的な財の利用機会
     ②政治的平等 
     ③尊厳

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    2025年06月26日
  • 平等について、いま話したいこと

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    早川書房ってこんな本も出すんだね。感動したよ。
    作者だけでなく出版社も選ぶタチなので、これから狙いつけておく。
    マイケル・・サンデルもトマ・ピケティも気にはしてたけど読むのは初めて。いきなり「再分配と脱商品化」から対談が始まってうれしかった。私のいまの関心事は教育や介護など公共物の民営化の危険性なのでドンピシャだ。さっそくノートを用意して構えを作った。
    熱いトマと沈着冷静なマイケルが共感しながらも火花を散らしながら考えを交える。サスペンスフルだ。だから早川か。
    市場勝利主義や能力主義が新自由主義と結んで現れるとき結局被害者になるのは我ら普通の国民。豊かさとは縁遠い自分のような人間はほんとに平等な社会をもとめているよ。
    超富裕層には大幅に増税すべきだと思うし、株主優遇が第一の大企業などの内部留保などはきっちり吐き出させろと強く思う。だって自然に儲けが増えたわけじゃない。働く者が作り出した価値だろ。
    勝手に蓄えたやつに天罰降れ。
    米欧の中道左派がしゃんとせんから右翼ポピュリズムが伸びたとの指摘も同感。いま日本でも「ユトウ」と呼ばれる政党がバカな役割を得意げに誇ってるけど、いずれ歴史に裁かれるだろう。
    まだまだ読んで学びたい二人だ。

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    2025年05月25日
  • 平等について、いま話したいこと

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    市民の『尊厳』という視点を失った国家は分断が進み、やがて全体合意が取れず前進できなくなるというダイナミクスがイメージされる。読んでいるとドキドキする。
    トランプのような人物が生まれる背景についても実直に議論していて、非常に納得感がある。
    対談形式なのでライトに読み進められるし、読めるところだけ掻い摘んでも今の世界構造に対する解像度が上がると思う。
    多くの東海岸の住民たちが同時にこの対談に触れたら、その時彼らはなにを思うのだろうか。

    昔からマイケル・サンデルの思想は自分にめちゃくちゃフィットするのだけども、同じような方向を向きつつ違う視点での提案をするトマ・ピケティの話もおもしろかった。今まで読んだことなかったし、今度適当に手にとってみたい。

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    2025年05月12日
  • 平等について、いま話したいこと

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    確かトマ・ピケティは、途中挫折したけ、要約本を読んだか、程度で、歯が立たないと思ってたが、この本は対談だから読みやすくて良かった。
    私が特に感銘を受けたのは
    ・株主による企業の保有割合を半分までとする案
    ・金持ちとそうでない人の闘争にしようという案(昔はアメリカも高額所得者への税率が高かったことへの驚き)

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    2025年05月07日