マイケル・サンデルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
上巻を読んでから随分経つので、またイチからだったのだけど、とても刺激的で面白い議論が展開されていく。
私が生きることと哲学は切り離せない。
偶然、今日読んだ本の中でも、まさに東京大学で交わされたような、日本人が戦争中に起こした過ちについて謝り続けるべきか?というテーマが論じられいた。
私が培ってきた思想や価値観、つまり考えの土台となる部分はこの国の教育が成したものだ。
私のアイデンティティの少なからずは日本的なものと結び付いているし、離れたいとも思わない。
この意味でコミュニタリアンの言わんとすることに重なる部分もある。
例えば自分の家族が過ちを犯したとして、私にその責任を負う義務が -
-
Posted by ブクログ
前回に引き続き面白い議論がたくさんあった。やっぱりハーバードなだけあって、学生の鋭い視線もすごい。指摘や批判も的確。そのような多様な意見を拾って、議論を上手にファシリテートするマイケル・サンデルも素晴らしい。自分も多角的な視点を持てるようになりたい。
同性婚、愛国心・忠誠心のジレンマ、アファーマティヴ・アクションなど社会問題は判断が難しい。自分でも何が正しいのか結論が出せない。
quote:
この講義の目的は理性の不安を目覚めさせ、それがどこに通じるかを見ることだった。我々が少なくともそれを実行し、その不安がこの先何年も君たちを悩ませ続けるとすれば、我々は共に大きなことを成し遂げたというこ -
Posted by ブクログ
法哲学を学ぶ上で非常に参考になる本。億万長者のビルゲイツに巨額の課税をして、富の再配分を強制することを正当化できるか?5人の命を救うために1人の命を犠牲にすることは道徳的に許容できることなのか?これらの問題を功利主義、リバタリアニズムの立場はどう評価するのか説明している。
ベンサム、ミル、ロック、カントなどの思想を例を挙げて分かりやすく説明し、法哲学という難しい学問の魅力を伝えていることが印象的であった。
マイケルサンデルのプレゼンも非常に巧妙だと感じた。議論を対話式で進め、賛成、反対の意見をぶつけ合わせている。矛盾している意見も全否定から入るのではなく、多様な意見をを自然に反映させて、筋 -
-
-
-
Posted by ブクログ
面白かった。話の内容はもちろんだけど、議論の運び方とかが上手い。何か明確な答えが出るわけでもないが、その過程がいかに重要かってことを再確認させられる。
上巻に比べて急に議論が高度化する印象だけど、じっくり読めば理解に難くはないはず。
上下巻どちらも巻末にサンデル教授の東大での講義が前後編にわかれて収録されていて、なんでこんなややこしいことするんだと思ったが読んで納得。東大での講義はハーバード大での講義を圧縮したもので、つまり上巻での議論と東大講義前編の議論が対応している。下巻についても同じ。読んでみればいっそう理解が深まるし、ハーバード大の生徒と東大生の違いというか、アメリカ人と日本人の考え方 -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
「成果主義的な競争社会」が格差を正当化し、社会結束を損なっている。努力や能力(能力主義)によって得られる地位や報酬を過度に称賛する風潮は公平を謳っているが、不平等を生み出し、社会的連帯を崩壊させると言う。公正な社会を目指すなら、功績だけでなく「努力の背景」「機会の平等」「社会的支援の分配」も考慮すべきだと主張しており、その公平性と機会の平等の実現には、教育・雇用・社会政策における介入が不可欠、だと主張している。結局、人材育成のための労力を惜しまず、教育の平等化を推し進めることを優先すべきだと言うことか。幾ら哲学的に平等と述べても、社会及び組織で難しい点は上司等の評価の違いであったり、その的確な
-
Posted by ブクログ
サンデル先生を知ったのは『これからの「正義」の話をしよう』が最初ですが、そちらは読んでいません。何となく読もうと思ったのはこちら。一応読んだとは言えるが、アメリカの社会状況を理解していない部分があるのと、少々議論が長すぎて端折って読んだ部分もありで私は十分理解したと言えるかどうか。
親ガチャという言葉ができたのはいつ頃だっただろうか。そのひとことで語れるものではないが、この本の特に第4章の内容はその親ガチャという言葉の内容とかなり重なる。学力によらず入学を認めるようになっている大学が日本でも上から下まである。体育系以外の領域へのスポーツ推薦入学。女性優遇枠。在籍年月の分の学費を払えばよしとして