マイケル・サンデルのレビュー一覧
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ネタバレ頂点に立つ人びとは、自分は自分の手にしている境遇にふさわしい人間であり、底辺にいる人びともまたその境遇にふさわしいという独りよがりの信念を持ちやすい。
リベラル派 保守派
左派 右派
民主党 共和党
主流派 反主流派
ヒラリー トランプ
道徳的に行動する責任を負わせることと、われわれ一人ひとりが自分の運命に全責任を負っていると想定することは全く別である。
神は正義に叶う、神は全能、悪が存在 この三つの見解を同時に取ることは難しい
→人間の自由意志 悪への責任を神から人間へ移行する考え
リベラリズムの先駆者
しかし、自由意志を認めれば神の究極の贈り物である十字架にか -
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昨今の世の中の混乱を西洋におけるプロテスタント倫理の崩壊と言う意見を聞くようになりました。
本書でもそのあたりを『自らの健康とささやかな成功を神に感謝する考えから、健康で成功するためにきちんとできる人間である事は神に愛されている証と言う考えに変わり、健康で成功するために努力する事が神に愛される原因と考えるようになり、健康で成功するための努力そのものが個人の選択と能力により獲得できるものと考えるようになり、ついには自分の運命は自分が握るものと言う考えに至った』とページを割いて説明しています。
自分の運命は自分で切り拓くものと言う考えは実に人間本位の考え方だと思います。
多分ですが、今の私がある -
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当たり前だと思ってきた「能力主義」というものを根本から考え直させられました。
努力すれば報われる、教育機会を広げれば公平になる…リベラルな考えに比較的共感してきて、これまで善意だと思っていた考えが、実は「成功できなかった人は失敗者」という偏見を助長しているのではないか、と気づいて少し衝撃を受けました。
私たちは生まれてから受験、就活、昇進とずっと選別され続けています。何かしらの基準で「優れている」「劣っている」とラベルを貼られるのが当たり前になっていて、達成した人は驕り、達成できなかった人は自分を責めてしまう。
でも本当に大事なのは、そうした基準を超えて、どんな立場の人も尊厳をもって生きられ -
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非常に示唆に富んだ本でした。
都議選を終え、参議院選挙を控えた今の時期にぜひ読んでほしい一冊です。
トランプの台頭、日本でも排外主義が蔓延し始めた状況に危機感を覚えつつも、ポピュリズムに一定の魅力を感じなくもないと私は思ってしまいました。
怖かったです。
だってヒトラーでも民主主義のプロセスの中から出てきたのだから、自分が誤った価値観で投票することが一票という小さな影響がしれないけれど日本を悪くしてしまうかもしれないと。
なので、勉強の一環としてこの本を手に取りました。
漠然としか認識していなかった、
能力主義
平等と公平
グローバリゼーションの物/人/金の違った側面
それぞれ -
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大学入試や議会選挙にくじ引きを導入すべき?
アメリカのトランプ大統領の言動に始まり、
世界中の国で格差が拡大している現在、これだけタイムリーなテーマがあろうか。
しかも、それを語るのが「21世紀の資本」の著者のピケティと、
「実力も運のうち」のサンデル教授!
確かに、ピケティの言うとおり、昔っから世の中は不平等だった。
ある意味ここ数百年はましになってきていた。
しかし、ここにきて世の流れは富を集中させる方向に行きつつある。
ピケティが一番問題視するのは、GAFAMに代表される、
多国籍企業の莫大な利益に税金が取れないこと。
21世紀の資本はこれに真っ向から取り組み、国際的な累進課税を -
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不平等ineaquality(格差disparityではない)をアメリカの哲学者ハーバード大学教授マイケル・サンデルとフランス経済学者のトマ・ピケティとの対談本。
不平等がもたらす人間個人と社会のマイナスを累進課税とか大学入学を親の経済力ではなく能力プラスくじ引きで入学させると提案したり、アメリカアイビーリーグの出身者が社会で高い地位についているとの現実を学歴主義から脱皮させようと論じている。左派の論が経済富裕層をより富ませて民主党がアメリカの分断に拍車をかけ、トランプの支持を高めたと説いている。
地球温暖化、環境破壊も西欧社会が作ったもので、グローバルサウスに負担を強いるような西欧の対 -
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早川書房ってこんな本も出すんだね。感動したよ。
作者だけでなく出版社も選ぶタチなので、これから狙いつけておく。
マイケル・・サンデルもトマ・ピケティも気にはしてたけど読むのは初めて。いきなり「再分配と脱商品化」から対談が始まってうれしかった。私のいまの関心事は教育や介護など公共物の民営化の危険性なのでドンピシャだ。さっそくノートを用意して構えを作った。
熱いトマと沈着冷静なマイケルが共感しながらも火花を散らしながら考えを交える。サスペンスフルだ。だから早川か。
市場勝利主義や能力主義が新自由主義と結んで現れるとき結局被害者になるのは我ら普通の国民。豊かさとは縁遠い自分のような人間はほんとに平等 -
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市民の『尊厳』という視点を失った国家は分断が進み、やがて全体合意が取れず前進できなくなるというダイナミクスがイメージされる。読んでいるとドキドキする。
トランプのような人物が生まれる背景についても実直に議論していて、非常に納得感がある。
対談形式なのでライトに読み進められるし、読めるところだけ掻い摘んでも今の世界構造に対する解像度が上がると思う。
多くの東海岸の住民たちが同時にこの対談に触れたら、その時彼らはなにを思うのだろうか。
昔からマイケル・サンデルの思想は自分にめちゃくちゃフィットするのだけども、同じような方向を向きつつ違う視点での提案をするトマ・ピケティの話もおもしろかった。今まで -
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ネタバレ不平等の3つの側面=経済的側面、政治的側面、そして社会関係-尊厳、身分、尊重に関する側面、について語り合う。
トランプやル・ペンを生み出したものは左派がそれらについて置き去りにしてきたからだ、という。そしてそれらを解決していくためには、経済の脱商品化、累進課税の強化、大学入試や議員をくじ引きで・・と、幾つもの提案がなされる。二人の考えは、微妙に異なるが、大筋では合意されながら議論は進んでいく。
読者の覚悟が求められています。平等であるべきだ、とすれば3つの側面で大胆な改革を進める必要があることを明白で、それを現実の政治に引き付けて考えれば、各政党の今の主張、施策は平等を拡大するもの -
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我々の幸福の大前提である「人間の尊厳」そして誰もが従う「正義」に照らして「能力主義」は人間の尊厳を踏み躙る平等主義の間違った理想であり、正義ではない、という話。
能力ですべてを決める。能力はその人の努力の賜物である。そうすると、努力しても社会が認める能力を持てない人には自信の喪失、屈辱と敗北感、そして貧困が待っている。すべての子供に教育の機会を与えるというACジャパンのCMや、高校の授業料無料といった施策が善とされる。しかし、お金や機会の問題ではなく勉強ができない人は逃げ場がなくなる。成功した者は「機会の平等」を与えれば解決すると思い込んでるが、それは平等ではなく能力を基準とした不平等の再配 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に、こうして本に収めたい対談ですね、感謝。
ピケティの頭の中ーそれを世界に、伝える体力と精神力。
サンデル教授も、自分の言いたいところちゃんとついてくる+まとめるのうますぎる。
何を今話しているか、きっと常に宇宙から衛星で眺めているんだろうね。
サンデル教授が問いを重ねて、ピケティの持論が展開されていく、
という問答スタイルに一見感じる部分も多いのだけれど、
最後にはサンデル教授の論、
つまり、これまでの著作で主に論点として議論されてきた、
グローバリゼーション、リベラリズム、
金融化、商品化、
能力主義、学歴偏重主義、
について、
ピケティもそれに合わせて話している -
Posted by ブクログ
ネタバレ行き過ぎた資本主義は、全ての物をお金で取引できる市場主義へと変えてしまった。お金の為に人身売買や臓器売買までもが需要と供給によって成り立ってしまう場合だって有るのだ。そこには道徳やモラルが歯止めになる事もあるが、当事者同士が双方利益を享受出来るとしたら、そして市場として成り立ってしまったら、そう考えると恐ろしい世界になってしまうだろう。イスラエルの幼稚園では、時間になっても子供を迎えに来ない親を如何に減らすか、対策として罰金を設ける事にした。結果はどうだろう?意に反して子供を迎えに来ない親が増えてしまった。親たちは、罰金を料金と受け止めてしまったのだ。
などなど、色んな考えさせられる事例がこの