マイケル・サンデルのレビュー一覧
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ネタバレ不平等の3つの側面=経済的側面、政治的側面、そして社会関係-尊厳、身分、尊重に関する側面、について語り合う。
トランプやル・ペンを生み出したものは左派がそれらについて置き去りにしてきたからだ、という。そしてそれらを解決していくためには、経済の脱商品化、累進課税の強化、大学入試や議員をくじ引きで・・と、幾つもの提案がなされる。二人の考えは、微妙に異なるが、大筋では合意されながら議論は進んでいく。
読者の覚悟が求められています。平等であるべきだ、とすれば3つの側面で大胆な改革を進める必要があることを明白で、それを現実の政治に引き付けて考えれば、各政党の今の主張、施策は平等を拡大するもの -
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我々の幸福の大前提である「人間の尊厳」そして誰もが従う「正義」に照らして「能力主義」は人間の尊厳を踏み躙る平等主義の間違った理想であり、正義ではない、という話。
能力ですべてを決める。能力はその人の努力の賜物である。そうすると、努力しても社会が認める能力を持てない人には自信の喪失、屈辱と敗北感、そして貧困が待っている。すべての子供に教育の機会を与えるというACジャパンのCMや、高校の授業料無料といった施策が善とされる。しかし、お金や機会の問題ではなく勉強ができない人は逃げ場がなくなる。成功した者は「機会の平等」を与えれば解決すると思い込んでるが、それは平等ではなく能力を基準とした不平等の再配 -
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ネタバレ本当に、こうして本に収めたい対談ですね、感謝。
ピケティの頭の中ーそれを世界に、伝える体力と精神力。
サンデル教授も、自分の言いたいところちゃんとついてくる+まとめるのうますぎる。
何を今話しているか、きっと常に宇宙から衛星で眺めているんだろうね。
サンデル教授が問いを重ねて、ピケティの持論が展開されていく、
という問答スタイルに一見感じる部分も多いのだけれど、
最後にはサンデル教授の論、
つまり、これまでの著作で主に論点として議論されてきた、
グローバリゼーション、リベラリズム、
金融化、商品化、
能力主義、学歴偏重主義、
について、
ピケティもそれに合わせて話している -
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ネタバレ行き過ぎた資本主義は、全ての物をお金で取引できる市場主義へと変えてしまった。お金の為に人身売買や臓器売買までもが需要と供給によって成り立ってしまう場合だって有るのだ。そこには道徳やモラルが歯止めになる事もあるが、当事者同士が双方利益を享受出来るとしたら、そして市場として成り立ってしまったら、そう考えると恐ろしい世界になってしまうだろう。イスラエルの幼稚園では、時間になっても子供を迎えに来ない親を如何に減らすか、対策として罰金を設ける事にした。結果はどうだろう?意に反して子供を迎えに来ない親が増えてしまった。親たちは、罰金を料金と受け止めてしまったのだ。
などなど、色んな考えさせられる事例がこの -
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能力は、神の恩寵でなく努力の賜物である。だから能力が重視されるのである。そのためには能力を評価するための平等な仕組みは必要であり、社会は (学歴や労働の面で) 平等と思われる仕組み作りに奔走してきた。能力があるものが社会やコミュニティへの貢献度が高い。だから富や権力を得るのは当然であり、それが社会を発展に導く。
と、皆思っている (思わされている) がそうではない、が著者の主張。
能力 (とりわけ知的な) は努力だけでは測れない要因 (広く言えば諸々の環境) が多々ある上、厳密に平等を実現するのは困難である。平等を突き詰めれば、より明確な勝者と (言い訳のできない) 敗者が生まれ、敗者は -
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個人的には期待以上の本であった。確かに掘り下げた議論になっておらず、噛み合っていなかったり上手くかわしているだけのところも多いのだが、対談録と言うことで、具体的なデータや筋を追ったわかりやすい議論、ましてや一定の結論を示すというのはそぐわないであろう。むしろ、議論の中から浮かび上がる「平等」と言うテーマに対するスタンス、アプローチの違いこそが重要で、それを把握した上で、自身なりの考察をするに当たって、大変良い本と思う。中でも解説が大変分かりやすく、思考の整理に役立った。
個人的には、サンデルは平等を社会が追求すべき「善なるもの」の定義に関わる前提条件の一つとして捉えている様に思われる。社会が共 -
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能力主義とは、一般に、家柄などのような本人の意思では変えることのできない属性により生涯が決まってしまう貴族制よりも、公正な制度だと一般に考えられている。 しかし現実には、高額な教育費を支払える富裕層の子は名門私立大学に進学するうえで明らかに有利になっている。現代社会で能力を推し量る最大の目安となる学歴が、親の資産である程度決まってしまうのである。
そのような現実にも関わらず、高学歴のエリートたちは、努力さえすれば誰でも能力の許す限り高い地位を得ることができるという建前を主張する。能力主義を主張することは、エリートたちにとっては自らの現在の地位が己の努力によってのみ獲得したものとみなせる反面、非 -
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ネタバレ十数年前にサンデル教授の「正義論」を学び、
議論し続けることの大事さを訴える実践的な講義に感銘を受けました。
今回この著書をあらためて読み、
政治哲学を経済学との関係で考え議論することが不可欠であることを再度学びました。
すべてが売り物になる懸念として挙げられていた2点は、
1、公正の議論:お金のあるなしがあらゆる違いを生み出す
2、腐敗の議論:あらゆる領域の価値観を侵食する
不平等、格差、公平についての倫理基準の考え方は、経済と政治を議論するうえで主要なトピックであるように思いますが、
本書では、とくに2点目の腐敗の議論に焦点を当てられています。
商品なると腐敗、堕落したり -
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正義を考えるためには善を考えることが必要。
善を考えるためには「原理と具体例を相互に往復しながら考えていくというアプローチを取るべき」
by ロールズ(反照的均衡)
カントの考えでは、人間が自律的に行動していると言えるのは、義務という名の下に何かを追求している時だけで、自分の個人的な利益のためではなく義務のために、何か善い道徳的な行為をしているときだけ。
その行為は自由から生じている。
なぜなら強制されたのではなく、道徳法則を受け入れることを自分で選んだから。
道徳法則は主観的な条件に左右されないので普遍的な法則である。
純粋理性とはどんな外部条件にも左右されず自分自身に適用されるも -
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哲学というのは人をして距離を置かせ、衰弱させるような活動のため、精神が未熟なうちにしてしまうと社会との距離のバランスがとりづらくなってしまう。
①どこから、基本的な権利はきているのか?
②公正な手続きはどんな結果も正当化するのか?
③同意の道徳的な働きは何か?
ベンサムの功利主義をジョン・スチュアート・ミルが発展させた
「満足した豚より、不満足な人間である方がよい。満足した愚者より不満足なソクラテスである方がよい。」by スチュアート・ミル
「正義とは道徳の最も神聖な部分であり、他とは比べようもないほど拘束力の強い部分である」by ミル
ノージックは分配の公正さは
①「取得の正義」ま