マイケル・サンデルのレビュー一覧

  • ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)

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    正義、善、これらの説明にあたって難しい表現が多かったが、身近な例を挙げたり、学生との議論があったおかげで楽しく読めた

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    2025年05月05日
  • ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)

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    自然権、仮言命法・定言命法あたりはちょっと難しかったが、全体的に学生との会話形式なので読みやすく面白かった
    カントの自由の解釈についてもっと知りたくなった

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    2025年05月03日
  • 平等について、いま話したいこと

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    不平等についての2人の対談は、大変面白かった。色んな不平等が存在する中で我々人類が、いかに平等に、かつ幸福に生きるためのヒントが詰まっています。
    しかし、政治や大学入試にくじ引きを使う案は、想像もしませんでした。

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    2025年04月26日
  • 平等について、いま話したいこと

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    欧米を代表する知識人の対談を編集した書物ということで期待は大きかったものの、当たり前ではあるが対談がベースであるため、通常書物であれば解説されるようなことが両者間の知識のレベルによって省略(当然の前提として)されるため、理解が及ばないことが多々あった。また議論が噛み合わない点も多く、サンデルが多くを語らずに終わるテーマがあるのが残念。
    それでも欧米の分断の背景等は説得力のある背景分析が語られ一読に値する。分量もなく2・3時間もあれば通読できる。

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    2025年04月05日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    改めて読むと2024年までのアメリカにおけるポリコレの根っこが理解できる。この本に書かれていることとして、正義の追求には反対、一定マスの道徳に従うべきとあるが、大きく賛同する。
    アメリカのポリコレは行き過ぎた自由主義が暴走したといえよう。

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    2025年03月19日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    前半は、有名な「トロッコ問題」や「臓器移植の是非」に対して多角的な視点を挙げており、倫理観を育める内容だった。後半は、内容以前に難解な文章で読むのに疲れた。

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    2025年03月16日
  • 平等について、いま話したいこと

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    不平等は経済的なものに留まらず、仕事・生き方への尊厳にも及ぶ。そもそもあなたと私が何者かを定義しようとするから不平等が発生するのでは?鈴木大拙の「東洋的な見方」で論じる“西洋の二分的な見方”を思い出した。

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    2025年03月08日
  • 平等について、いま話したいこと

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    世代的に、僕がかなり影響を受けた二人の思想家の対談本。特にピケティの『21世紀の資本』を読まなかったら今の道に進んでなかったかなとも思うので感慨深いです。内容はピケティが一方的に喋ってて、ほぼ単著でしたが、能力主義によって不平等が正当化されてしまい、その反発として反エリート主義(トランプ現象)に繋がってるというのは、頭に入れなければならない考え方だなと思います。

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    2025年02月05日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    頭でっかちのインテリの考えにもともすると見えてしまうが、国という大きなものを舵取りするためには通らなきゃいけない道だなと思う。 
    具体的なエピソードが全部面白いのでそれなりに楽しめる。

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    2025年01月03日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    近代に入るまでは身分制度があったので、人間は良い意味で不自由であった。身分が違うので農民が貴族に憧れるということはなかった。しかし、人間が自由を持ったことで、人に対する羨望やそれに対する絶望が蔓延するようになった。能力主義を絶対的な正義とする今日の世の中で、成功すれば自分の努力の賜物、失敗も自分のせいという風潮になり、ますます格差が生まれる世の中になった。能力はそれを必要とされる世の中に生まれてこそ発揮されるものであって、それは単に運に過ぎない。例えば、大谷選手が中世のヨーロッパに生まれていたらあんな活躍は恐らくなかったであろう。成功はあくまで運であり、謙虚になることが求められる。

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    2024年12月08日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    アメリカでトランプ氏が復権した時代に、きわめて弱い声かもしれないが、聞かなくてはいけない主張がここにあるような気がした。

    自由な選択を尊重するリバタリアンも、全体の幸福を目指す功利主義も、正義の観点からは疑問符がつく。カントも、ロールズも、いまひとつだ。ではどうすれば?

    多元的社会では、道徳も共通善も一致しない。でも、他者の尊重の名のもとに、議論を回避すれば、「偽りの敵意」が生まれかねない。公共の言説の貧困化につながりかねない。(実際そうなっている)。だから、道徳や共通善を考えるという、困難な道筋をあきらめてはいけない。市民道徳を育み、公民的生活基盤の再構築を目指すべし――。

    道徳に関与

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    2024年11月15日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    「正義」に関する哲学の理論体系が整理されている。
    ハーバードの授業が元になっているだけあって、網羅的だ。

    正義を功利主義(効用の最大化)として捉えることも、リバタリアニズムやリベラリズム(選択の自由、平等)で考えることも、限界がある。
    道徳や価値観は人によって異なるが、その差異を無視するのではなく、個別のテーマについて議論を深めることで、共通善を探っていくことが必要だ。

    分断が進む社会での示唆にも富む名著。

    日本はアメリカほど分断が進んでいないと実感したので(富裕層も公立の学校に行きたがる、公営の病院が機能しているなど)、維持されてほしい…

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    2024年09月13日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    著者曰く、昨今米国内で起きてる分断の要因は、メリトクラシーからなる学歴格差であると説く。

    クリントン元民主党代表がトランプに大統領選で負けた要因を米国内におけるメリトクラシーによる分断と米国がどのようにしてメリトクラシーによる価値観が強固となった歴史を紐解きながら哲学している。

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    2024年07月13日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    誰にでも平等に機会が与えられているが故に
    学歴が高い人は努力した人
    学歴の低い人はチャンスがあったのに掴まなかった人
    といった評価がなされる。
    身分制度があった頃は、自分の不遇な境遇を制度のせいにできたが、能力主義の現代では、自分の不遇を自分のせいにできてしまう。
    それが昨今のエリートとブルカラーの軋轢を生むというのは納得である。
    とはいえ、学歴の高い人は経済的に恵まれた家庭である傾向が高く、そもそも努力できる力というのも先天的なものである可能性も高い。
    それなのに、学歴の高い人はあたかもその個人の努力だけで勝ち取ったと評価し、恵まれた職業につけるようなシステムは、それこそ差別的と感じる。

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    2024年06月18日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    正直なところ読むのに苦労した。理解しきれていない部分もあるので何回か読み返して理解を深めたいと思う。
    アメリカンドリームに代表される能力主義は本当に称賛されるべきことなのか、という問いに対してアメリカの政治家、経済学者の発言や、過去の事例を参照しながら考えを述べていく内容。
    個人的に興味深いと感じたのは、学歴偏重主義の話。国を統治する上で必要なのは名門大学の学位を有していることではなく、「実践知と市民的美徳」であるという主張には説得力があると感じた。(事実ワシントン・リンカーン・トルーマンは大学の学位を持っていない。)
    アメリカの話がメインではあるが、日本に置き換えられることも多いので、読んで

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    2023年12月10日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    能力主義というか日本の学歴主義はもう崩壊していると思います。イギリスも。官僚だけでなく、経験値やエネルギー、ひらめきが力と感じてます。、

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    2023年10月13日
  • 実力も運のうち 能力主義は正義か?

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    大卒者とそれ以外の学歴者の差異が、社会階層の分断線となっていて、その分断線が、世代を超えて固定化している。さらに、大卒者の中でも、トップ校と、それ以外の差が大きくなり、その分断も、世代を超えて固定化している(トップ大卒の子どもはトップ大に入り高給取りの「勝ち組」となり、大学に進まなかった親の子どもは大学に進まずに「負け組」となる)。

    この構図については『学歴分断社会』(吉川徹)等でも取り上げられていて、アメリカでも日本でも同じだと認識したが、この本では、その動きを支える「メリトクラシー」の負の側面に踏み込んでいる。

    優秀な人を責任あるポジションにつけるという「メリトクラシー」の理念そのもの

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    2023年09月29日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    ◯自由に行動するというのは、(中略)目的を目的そのもののために選択することだ。(144p)

    ◯カントにとって、自殺は殺人が誤りであるのと同じ理由で誤りだ。どちらも人格を物として扱っており、それ自体が究極目的である人間性を尊重していない。(160p)

    ◯幸福とは心の状態ではなく人間のあり方であり、「美德に一致する魂の活動」なのである。(255p)

    ★カント、ロールズの哲学を少しでも知ることができて良かった。

    ★何が正しいのか、どう生きるべきか、知りたい。

    ★翻訳本ってやっぱり難しい。

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    2023年09月25日
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

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    やっと読めた。

    功利主義やリバタリアンといった社会正義の捉え方の変遷を辿りながら「正義」はどうあるべきかを考えさせられる本。
    特に序盤、「あーそういう考え方もあるかー」と思った直後その反論が提示され「たしかになー、その目線が欠けてたわ」となり、また別種の反論が提示され…と自分の思考がどんどん揺り動かされるのが理解できて面白かった。

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    2023年07月27日
  • それをお金で買いますか 市場主義の限界

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    ネタバレ

    2012年刊。

    それをお金で買いますか?というテーマの一例…
    ・刑務所独房の格上げ…一晩82ドル
    ・インド人代理母による妊娠代行サービス…6250ドル
    ・米国移住権…50万ドル
    ・欧州で企業が1トンの炭素を排出する権利…13ユーロ
    ・製薬会社の安全性臨床試験で人間モルモット…7500ドル

    この世であらゆるものにプライシングされ、お金さえ払えば大体のものは買えるのだ、という態度について考えさせられる。
    いい指摘はしているが、翻訳本なので読みづらく、読書中何度も眠くなった。
    機会あれば再読して価格をつけることのモラルについて考えたい。

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    2023年06月17日