有間カオルのレビュー一覧
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ネタバレ子供の頃から見えない物が見えていた茂鳥直希。田舎から東京の大学へ進学し、学生課でアルバイトを探していたら『Y研究室 雑用係募集』とあり、怪しく思いながらもその指定された研究室へと向かう。そこは超常現象を研究する所だった…
幼少期のトラウマから、見える事を隠してきた直希にとって、氷住は頼れるべき人なんでしょうが、飄々とした性格で何とも掴みどころのない人ですが、度々振り回されてしまうけれど、師弟コンビとしては申し分ない気がしました。
お気に入りは「顔を奪われた女」。
自分が叶えられなかった夢を娘に託し、それをさり気なく誘導する姿が恐ろしかったです。顔が奪われて自我がなくなる程の強い怨念 -
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ネタバレどのお話も、これから希望があるような締め方をしていました。最後の主人公の話がものすごくあっさり終わってしまったけど、しっかりと前を向けたようでよかったです。
花宮さんの掴みどころのない感じ、人のことをしっかりと見ていて何もかも見透かしているような感じ、ふわふわとした雰囲気で優しい感じ…いろんな部分が見えるから、不思議で少し不気味な人だなと思いました。実は人間じゃないのかな? とか思いましたが、全然そんなことはなさそう…
知らない植物が沢山あって調べながら読んでいました。ギンピー・ギンピーという、嘘みたいだけどものすごく危険な植物が存在していることにびっくりしました。 -
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冴えない大学生の隣室に、自称魔法使い見習いが引っ越してきて、魔法使いの試験にパスするために、困っている人の手助けに使い魔として協力するお話
魔法使いと言ってもファンタジー的なものではなく、ハーブの効能や自身の洞察力、推理力で解決する系の現実的なもの
それっぽい描写もないわけでもないけど、多分ファンタジー的な魔法はないんじゃなかろうか?
この辺は「魔法使いのハーブティー」と同様
そう言えば、喫茶店からハーブを融通してもらっているとか、タレ目の魔法使いなんて言っているので、あっちと繋がった世界線なんでしょうね
そして、マダムという存在の謎は謎のまま……
メインのエピソード3つ+前日譚を含む -
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植物に寄生された病気 ボタニカル病の患者と樹木医のお話
植物の声が聞こえるという樹木医の雨宮芙蓉
心療内科医の朝比奈匡助はボタニカル病の患者を芙蓉に紹介する
病気を治すには本人の治す意思が必要らしい
そもそも、ボタニカル病とは?患者は何故罹患したのか?どんな症状なのか?
希少な奇病を巡る樹木医のお話
収録は4編
・春ノ章 花咲ける病
咳と共に白梅を吐く少女
・夏ノ章 透ける花の思い
雨が降ると山荷葉のように透明になる男の子
・秋ノ章 最後の花の宴
100年に1回咲くと言われる竜舌蘭が咲きそうな庭の家に一人で住む老女
・冬ノ章 多幸感とその代償を与える花
沙羅双樹が体中を侵食してしまっている -
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ネタバレ花を吐き出す者。
その花の特性を引き継いだ者。
そして植物に寄生された者、いや共生している者というべきか。
ボタニカル病と一口に言っても、関わる花の種類も症状の出方も様々だ。
中には日常生活に支障の出るものもあるが、共通してどれも美しく、そして植物たちは総じて優しい。
宿主に優しい。
それはきっと、作中で最大の患者に対しても。
ボタニカル病自体がファンタジーじみているが、どうしてボタニカル病になったのか、その患者が抱えている背景を読み解くのは現実的なミステリ仕立て。
でも、季節が進み後半になるにつれて、じわじわと現実から遠のいていく。
不穏さが増していく。
どうしてだろうと思っていたら、前述 -
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シリーズ3作目
これが最終巻だと思ってたけど、まだ続くのね
2016年刊行なので4年も新刊が出てないけど、本当に続編が出るのか?
今回のエピソード
・三毛の迷い猫
・神社の相続について
・コンサルの弟子希望者
・篠原の会社の案件
英会話教室のフランチャイズのおばさん
町工場のふわっとしたお見合い話
話の本筋は伯父の病気により、神社の権利やら何やらで存続の危機ってあたり
正式に神社としての登録がされていなくても、信じる人がいて救われる人がいるならそれで十分だと思うんだよね
まぁ、世の中にはそれで騙そうとする悪徳な宗教もあるけどね
最終的な着地点ってどこなんだろうなぁ
神社の存 -
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遺体ブローカーのお話
男に騙されてヤクザに売られて風俗に連れて行かれる途中で車の前に飛び出して轢かれて自殺したはずが、事故した車の賠償のために乗っていた人達の仕事の手伝いをさせられる事になった地味めな28歳OL美咲
ヤクザからは逃げられたけど、ヤクザとは違った闇の世界囚われた感じ
病院から連絡を受けて遺体を自宅に運び、葬儀は他の葬儀社に任せる
いわゆる遺体ブローカー
そりゃぁ家族を亡くした人が、病院の霊安室で悲嘆に暮れているときに「ご遺体を自宅に…」と言われて断れる人はそうそういないわな
そしてその連絡を入れてもらうためには病院指定の業者になるか、一報を入れる看護師や病院の関係者と懇意にな -
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怪我、失業、失恋で傷心の女性が瀬戸内海の島でリハビリがてらのんびりすごすお話
恋人に逃げられて田舎に行く料理人の女性という設定は「食堂かたつむり」みたいだな
島は猫がたくさんいる観光地だけど、ほとんどの観光客は数時間の滞在で宿泊はしない
そんな中、田舎のおばあちゃん家に帰省したかのような民宿に1ヶ月滞在予定の実果
猫に導かれてお参りした神社の帰り、またまた怪我をしてしまった実果が偶然たどり着いたところは「気まぐれ食堂」という看板の建物
食堂と言いつつ中には誰もいないし、レジスターやその他お店らしきものはないところ
そこに訪れた三河にご飯をもらった事と、その御礼のために再び訪れた事をきっかけ -
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わすれな荘シリーズ(?)の2作目
続編あるの知らなかった まぁちゃんと調べればわかるのにね
ってか、千花ちゃんの存在感が薄れてる?というか今回は他の人にスポットが当たってる
翔太に片思いのバネッサ、スディールの郷愁、橋島オーナーの少年期
片思いってどうしようもないよね
千花ちゃんも絵描きという職業に片思い
二人に対するビッグマムのアドバイスがとてもよい
情熱的であることもいいけど、大事なことはささやく
人生まっすぐだけが正しいわけでもないんだよね
スディールに関しては1作目でそんなにいい印象ではなかったけど、本人視点で描かれると好印象になる
そしてクオンは結構適当というのもまぁ面白い