有間カオルのレビュー一覧
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友人と起こした会社が倒産し、東京の片隅にある神社にやってきた和巳。
古い割に綺麗に保たれた境内。
招き猫が祀られた本殿。
しばらく暮らすにはいいか、と荷物を降ろしたその夜、出た。
金魚柄の着物を着た二人の子ども。
着流し姿の目つきの悪い色男。
彼らは神社に住んでいる化け猫だった。
回想が暗ーい和巳の太々しい態度。
だけど、それを吹き飛ばす二人の子どもの憎たらしさと虎猫の態度のデカさ。
猫に振り回され、神社にやってくるご近所さんたちに揉まれ、和巳の視界が広がっていく。
ちょっとベストキッドと重なった。
掃除って心も綺麗に整えるものなのかも。
自分中心だった和巳がだんだんと人のために動くようにな -
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シングルマザーの母親が亡くなって、親戚を転々とする勇希。
夏休みの間、身を寄せることになったのは横浜の伯父。
ハーブティーのカフェを営む伯父から、告げられる約束の一つ。
「偉大なる魔女が遺した館の後継者として、真摯に魔法の修行に励むこと」
荒れた庭の不機嫌な曽我部さん。
庭の枇杷を盗んだ克哉。
トラブルメーカーの陽斗。
謎めいたマダム。
いろいろデジャヴで、あれ、真夜中のパン屋さん?とか、これ、妖怪のアパート?と思いつつ。
ようやく一息つけた勇希に、迫る危機。
大人の身勝手さが歯痒い。
先生にも謎がありそうだし、陽斗も決着がまだかな。
続くんだろうなあ。
「その願いが本当に心から望むこと -
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突如として呼び出された『接待』の雑用係をした主人公。
気になって後をついていってしまった芸者のせいか
妙な世界に紛れこんでしまった。
自分は現代の人間なのか、ここでの一番下っ端なのか。
ぐるぐると回っていく世界に、不正解なのか正解なのか。
合格判定(?)が出てくるので、判別はしやすいかと。
とはいえ、時間が決まっているし、抜け出さないと
大変な状態になるだろうし、でどうしたらいいのか。
過去の自分を、と言われても、大抵の人は目をそらすもの。
強制的に向けさせられないと、どうしようも…。
どうしたら抜けられるのか、どうしたらいいのか。
未来は考えられても、過去はどうしようもないですから。 -
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ネタバレ文体が読みやすくてよかった。
大人びて、でも安心できる居場所がない不安に常にさらされている主人公、勇希視点で物語は始まる。
先生と勇希の会話の中に、月の光や、ハーブティーという自然のものに触れる楽しさが伝わってきて、癒されるけど、勇希のバックグラウンドがすごいハード。
不倫の末、未婚の母ととなった勇希の母。そんな母をお堅い職業の伯父たちは恥だと思い、勇希の母のことや勇希自身を、受けた迷惑の鬱憤はらしに代わりに責める。
そんな中で7年も過ごしてきた勇希は本当に大変だっただろうに。。。
勇希の両親を悪くは言いたくないけど、継いだDNAは変わらないんだから、せめて認知はし(させてあげ)ようよ、と -
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東京にあるドヤ街、山谷を舞台にしたゲストハウス・わすれな荘を舞台にした人情系飯テロ小説。
前回は色んな国の料理を組み合わせながら千花の葛藤や奮闘を描いていました。
今回も基本的にそれは変わらないのですが千花の奮闘も葛藤も落ち着いている感じがします。
わすれな荘と仕事に根を張る覚悟ができて落ち着いているからかな?
でも出版社の男はヒドイ。
そして飯テロ部分はスープ。
私、スープものが好きだからどの料理も食べてみたくなりました♪
最後の橋島さんの話は悲しいやら寂しいやらだったなぁ。
職場が西成にあるから雰囲気はわかるのでなおさら。
女の人、どこに行ったんだろう・・・。 -
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あいかわらず神社の一角に住み着いている主人公。
彼の所にやってきたのは、結婚式をあげたいという人と
裏切った元友人。
主人公の過去もちらっと出てきますが
こんな育ち方したら、それは信じないでしょう。
荒療治、と言った『元友人』の言葉も分かりますが
それにすら気がつかない人には無理なのでは?w
キャラクターと結婚したい、という男と
結婚詐欺として誤魔化した女。
母親の幸せを願う子供…は、すごく良い子に育ってます。
前回の中学生も出てくるわ、元友人は登場するわ。
そして、昔の回想。
なんだかこう…過去に後悔した事は? と
聞かれている気がします。