有間カオルのレビュー一覧
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兎にも角にも主人公が馬鹿過ぎるのだが、実際こういう女はいそうだ。そう考えるとリアル。何せ、男を見目がない女はとことん無くて、何度も付き合わなければ良かった風な男と付き合い続けて何度も後悔する。そんな定石を上手く踏み、そこから生まれる悲喜劇を描いている気がする。
また、主人公の元彼の男も、またコイツが食わせ者で、すっげえ嫌な奴なのですが、こういう男も実際いて、いつだって女を食い物にする。ああ、表紙の爽やかさと違って、なかなかダークな話だ……。
しかし、造詣は深まる。うん。葬儀社ってのはこういう風に仕事を得ているのか、しかも死体ブローカーってのも凄いな……色々と感慨深い。
物語の後半でタイトルの『 -
Posted by ブクログ
愛媛の片田舎の村の少年部の奮闘の物語。
みかん農家の息子、陽介は高校3年生で少年部のリーダー。
祖父の代から苦労して開発を進めた新種のみかんは
甘さを追求する時流に逆らい、酸みもバランスよくあり
果汁もたっぷりで自信を持って世の中に出せるものに。
そんなみかんを通販TV番組で取り扱って貰えることになったのだが、
初回の放送でとんでもない失敗をしてしまい、ほとんど売れずに
在庫を抱えてしまうことに…
その状況からどんなふうにして巻き返していくかを描いた物語。
まぁ、大筋はよくあるパターンですね。
でも、それよりも面白さを感じたのは、
高校生という多感な頃の心情をうまく描いていることかな。
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Posted by ブクログ
謎めいた部分は解き明かされずに、不思議は不思議のまま終了。全てが夢であったような不安定な感覚は好きです。しかし主人公、アホかお前は!中盤部分までそんな風にしか考えられませんでした。どうにも好感が持てるキャラクターが少なすぎる気がします。感情移入は出来ません。終盤の主人公に明るい兆しが見える展開は好きですが桜の枝を勝手に折ってしまうのはどうかと…束になるくらいって、相当な量ですよね?せめて許可を得て欲しかったなぁ。むしろ桜の枝1本だけでも良かったような気がするのですが。最初の展開から終盤に向けての挽回が好きなのでその部分だけは本当に残念です…!
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これからどうするんだろう、どうなるんだろう。常にそんな気持ちを抱えながら読んでいた気がします。とにかく先が気になるのでノンストップで読んでしまう勢いがあり、あっという間に読み終えてしまいます。全体的に爽やかな雰囲気の印象を受けるのはミカンの描写が多いからかもしれませんね。個人的には陽介と幸彦が和解するシーンが好きです。やはりきちんと話し合って気持ちを伝える事は大事だな、と。
ただ、陽介と直弥のコンビには感情移入できた部分が多々ありましたがその他の登場人物達はあまり好きにはなれなかった気がします。好みの問題もあるかもしれませんが、個人的にはそれでいいのか…。と言いたくなるシーンがちらほらありま -
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死に対するスタンス。遺族側とそうでない側とで
もの凄くその意識は変わってきますよね。その中に
介在する葬儀屋...凄く不思議な職業です。正直人生を
やり直す事が出来たなら、なりたかった職業の一つです。
ここに書かれているような葬儀の暗部的は部分は、この
作品の参考文献などですでに知られているので、あながち
フィクションではないんでしょうが、実際にこの「黒木」の
ようなブローカーが存在してもおかしくないと思わせる点は
いい題材なのかもです。
ただ、その黒木達の存在をやや不可思議に描いているため、
読者としてはどう読んだらいいのか分かり難い部分がチト
残念。ファンタジックな部分と現実部分の境界が
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Posted by ブクログ
清々しくて、懐かしくて、優しくて、そしてお腹が減る。そんな小説。
漫画を読むように、良いテンポで話が進んで行くので、読んでいて気持ちが良い。
こういう小説はやっぱりめでたしめでたしで終わるのが良いよね。読後感が爽やか。
それだけに、中途半端にキャラが立ってないのが残念。
せめて東堂や頼子、直弥あたりはしっかり文章の中で動いて欲しかった。
これじゃみんな良い奴で終わってしまう。
例えば、頼子の本心だとか、直弥と陽介が仲良くなった経緯だとか、東堂が仲間と仲良くなっていくプロセスだとか、そういったサブストーリーが欲しかった。
でも読んでで楽しかったです。