あらすじ
地味なOL生活を送っていた美咲は、アイドルのように中性的で、若くお洒落な彼氏と付き合っている。ようやく捕まえた愛しい彼のため、美咲は借金の連帯保証人にまでなっていた。だがある日、彼の口車にのって引き合わされたのはヤクザな男たち。まんまと彼氏に騙され、美咲は風俗に売り飛ばされることになったのだ。自暴自棄になった彼女は、走ってきた車に思わず身を投げるのだが――。 『太陽のあくび』で〈メディアワークス文庫賞〉を受賞した有間カオルが、受賞後1作目として放つのは、死の薫り漂う異色のミステリアス・ストーリー! ユナイテッド・シネマ シネマプロットコンペティション2008のグランプリ受賞作。
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Posted by ブクログ
読み終えた後なんだか続きが読みたいと思わせてくれる作品でした。
黒木と正塚が他の人と関わっている物語が読みたいなと感じました。
最初は絶望しきっていた美咲が最後に自分と向き合おうとするところはだれでもありえる事なのではないでしょうか。
ものがたりも読みやすくて、グロイ表現も怖さもあって私の好きな作品の一つになりました。
Posted by ブクログ
かなり読みやすくはあったけれど、謎な部分が多かった。
結局黒木は美咲をどうしたかったんだろう?
でも、いい話でした。
私自身、なんの取り柄もない人間なので、ちょっと元気づけられました。
死神と桜ドライブ、いいタイトルです。
Posted by ブクログ
遺体ブローカーのお話
男に騙されてヤクザに売られて風俗に連れて行かれる途中で車の前に飛び出して轢かれて自殺したはずが、事故した車の賠償のために乗っていた人達の仕事の手伝いをさせられる事になった地味めな28歳OL美咲
ヤクザからは逃げられたけど、ヤクザとは違った闇の世界囚われた感じ
病院から連絡を受けて遺体を自宅に運び、葬儀は他の葬儀社に任せる
いわゆる遺体ブローカー
そりゃぁ家族を亡くした人が、病院の霊安室で悲嘆に暮れているときに「ご遺体を自宅に…」と言われて断れる人はそうそういないわな
そしてその連絡を入れてもらうためには病院指定の業者になるか、一報を入れる看護師や病院の関係者と懇意になっておかなければいけない
ノンフィクションの「エンジェルフライト」で、ひどい業者がいるって事が書かれていたので、まぁそんな事してる人も実際にいるんだと思う
でも、作中でも書かれてあるように、死を非日常として忌避してきた結果、近親者の死を迎えた際にどうすればいいかわからないというのも道理だと思う
葬儀関係者への差別や偏見というのも、映画 おくりびとで描かれていたようにあるしね
個人的な印象で言えば、葬儀会館のスタッフは感情の表し方がプロだなと思った事がある
殊更悲しむでもなく、さりとて全くの無関心というわけでもなく遺族の感情に寄り添おうとする表情が絶妙な人がいた
まぁ、中には元気すぎて「こいつ、この仕事に向いてねー」って思った人もいるけどね
なので、葬儀関係者といっても千差万別なんだろうね
ってか、主人公の美咲の無知というかバカさ加減に呆れる
まぁ、物語だからといえばいいんだけど、もうちょっと疑ったりしないものかね?
敏士もバカだしね
黒木と正塚の正体は結局謎
不思議は不思議のままという終わり方はなんだかなぁ
ってか、損傷や死を肩代わりさせる能力?
有間カオル作の印象としては、不思議な能力を持ってるっぽい印象を与えつつも、現実的にありえるもので描く系なんだけどね
終盤の展開はまぁ王道でよい
そんな緑の花が咲く桜が存在する事は知ってたけど、何で知ったんだっけかな?
Posted by ブクログ
お人よしすぎる美咲が読んでてイライラした。
普通彼氏の連帯保証人になんかならないし、自分を売った相手をそこまで無条件で信用しないでしょ。
結局美咲は絶望から立ち直って生きていくの?
多分無理だと思う。やめたほうがいい。
それでも最後の桜の場面は好き。
黒木と正塚の正体は比喩じゃなくて本当に死神なの?
最後がなければ読後感スッキリだったのに、最後に最後でモヤモヤした。
でも、確かに葬式って驚くほど料金がかかるなと気付かされた。
Posted by ブクログ
可もなく不可もなし。
印象に残ることもないだろう。
でも、読んでいる間はそこそこ楽しかった。
時間潰しには良いのではないだろうか。
それ以上、特に感想はない。
Posted by ブクログ
恋愛詐欺にあった美咲と。
葬儀屋の名の元の遺体ブローカーの社長、黒木の周囲にまつわる事件の物語。
美咲の浅はかさには信じられないレベルと。
黒木と社員の正塚に関する謎も結局分からないまま終わった感じ。
終盤の桜ドライブはスリリングだったけど。少し消化不良な作品でした。
緑の桜「御衣黄」は、新潟市江南区のとある公園でも見れます。
やはり希少価値の桜だそうで。
Posted by ブクログ
太陽のあくびに続いて二作品目
共通項は主役級が青すぎて読むのが辛いところ
でも、読みにくいとは思わないのが魅力か
幽体離脱の描写が少々理解不能だが、葬儀屋には死を保留にする能力がある、と想像するといいのかな
その保留にした死は本人でなくとも誰かに背負わせなければならないとか?今回は婦長がその役目を負っているのだろう
助手がその痛みを受け入れる箱の役割、死に相当するダメージを受け止め、自由に他人に背負わせることができる、その能力は葬儀屋が持っていて助手はただの箱の可能性もある、むしろそう考えた方がつじつまが会う
葬儀の暗部は以前バラエティー番組のネタにされていたので驚きはしなかったが、彼らを悪役として描いてはいけないと当時感じた、今作を読んでいても婦長をはじめ看護師がみな一律に描かれていたのが残念。葬儀屋側の言い分はスペースが割かれていたのになぁ
ハッピーエンドは確定している作者なので安心して読みたいときにおすすめ
Posted by ブクログ
不思議で謎がいっぱいで真っ黒なお話。
かすかに桜色があるような、ないような感じ。
にしても、主人公がお馬鹿すぎる。
不思議な感じや謎は本を閉じても続きます。
お馬鹿な主人公の最後の選択はとても良かったと思います。
それなりに幸せになってほしいです。
黒木葬儀社の2人も謎が残りますが、魅力的な人物です。
面白かったです。
Posted by ブクログ
兎にも角にも主人公が馬鹿過ぎるのだが、実際こういう女はいそうだ。そう考えるとリアル。何せ、男を見目がない女はとことん無くて、何度も付き合わなければ良かった風な男と付き合い続けて何度も後悔する。そんな定石を上手く踏み、そこから生まれる悲喜劇を描いている気がする。
また、主人公の元彼の男も、またコイツが食わせ者で、すっげえ嫌な奴なのですが、こういう男も実際いて、いつだって女を食い物にする。ああ、表紙の爽やかさと違って、なかなかダークな話だ……。
しかし、造詣は深まる。うん。葬儀社ってのはこういう風に仕事を得ているのか、しかも死体ブローカーってのも凄いな……色々と感慨深い。
物語の後半でタイトルの『死神と桜ドライブ』の意味が判明した時は、ははーんよく出来ている、と思った。個人的には、後半に入ってからの方が面白かったかな。それから、本作はやろうと思えばシリーズものに出来るなあ、設定はとても良いと思う。
そういえば、オチはどういう意味だったのだろう……。あれだけは不可解だったなぁ。【285P】
Posted by ブクログ
謎めいた部分は解き明かされずに、不思議は不思議のまま終了。全てが夢であったような不安定な感覚は好きです。しかし主人公、アホかお前は!中盤部分までそんな風にしか考えられませんでした。どうにも好感が持てるキャラクターが少なすぎる気がします。感情移入は出来ません。終盤の主人公に明るい兆しが見える展開は好きですが桜の枝を勝手に折ってしまうのはどうかと…束になるくらいって、相当な量ですよね?せめて許可を得て欲しかったなぁ。むしろ桜の枝1本だけでも良かったような気がするのですが。最初の展開から終盤に向けての挽回が好きなのでその部分だけは本当に残念です…!
Posted by ブクログ
死に対するスタンス。遺族側とそうでない側とで
もの凄くその意識は変わってきますよね。その中に
介在する葬儀屋...凄く不思議な職業です。正直人生を
やり直す事が出来たなら、なりたかった職業の一つです。
ここに書かれているような葬儀の暗部的は部分は、この
作品の参考文献などですでに知られているので、あながち
フィクションではないんでしょうが、実際にこの「黒木」の
ようなブローカーが存在してもおかしくないと思わせる点は
いい題材なのかもです。
ただ、その黒木達の存在をやや不可思議に描いているため、
読者としてはどう読んだらいいのか分かり難い部分がチト
残念。ファンタジックな部分と現実部分の境界が
ボヤっとしてて...。もっとどっちかに寄って欲しかったかも?
Posted by ブクログ
彼氏に借金の連帯保証人にさせられ、しかも自分の体までも風俗に売られてもなお、彼氏に思いをよせてるってどんだけこのひとお人よしなのよ
なんか読んでて嘆かわしくなったな
現実みろよ