海野幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家計簿と日記。男性には似つかわしくない、このギャップ感に惹きつけられます。
電機メーカー課長の周平は、34歳童顔のゲイ。とってもお金に細かい倹約家で、主婦も顔負けの金銭感覚です。家計簿が趣味で、財布の紐は恐ろしく堅い!そんな彼が会社の寮から火事で焼け出されてしまい、社内で「王子」と呼ばれ女子社員の憧れの的となっているイケメン伏見と同居することに。
生まれも育ちも違う二人の同居で、金銭感覚の違いというのは一番の問題点です。周平の徹底した倹約振りは、ちょっと所帯じみてるけど感心しました。定価のコンビニでは買い物しないとか、100均でも単価確認するとか、細かいけど理にかなっています。テレビを主電源から切る、風呂は間隔を空けずに入る…書いて壁に貼っておきたいww
でも、それは何となく味気ない生活でもあって。
対する伏見は、王子じゃなくてパナシでした。つけっぱなし、あけっぱなし、やりっぱなし。会社とは別人のように、普通でテキトウな暮らしぶりです。
周平は伏見の態度にはじめはイラつきます。でも、一緒に暮らすうち、彼のやり方も悪くないことに気がついていきます。
だらしないところもあるし、お金の使い方も大ざっぱなんですが、伏見は日々の生活をちゃんと楽しんでいるんです。そして、同居する周平のこともいつも考えてくれています。
伏見がすごくカッコいいです。会社での王子っぷりもステキだけど、家ではズボラという落差に周平と同じく、きゅんとしてしまいました。伏見のつきあってきた女の子たちが、そこに幻滅したっていうのもわかりますけどね。
夏水りつセンセのイラストがイメージにぴったりです!課長のかわいさはセンセならでは。そして、伏見のカッコよさにガン見です。
すれ違ったり諍いがあったり、誤解や思い込みから生じるトラブルもいろいろあるのですが、好意を感じあうことで価値観もだんだん妥協していけるんだなと、胸キュンにさせられました。
まさにおためし夫夫生活で、とても楽しかったです。 -
購入済み
可愛かったー。けど。
描写などは普通に読めるぐらいで絶賛というほどではありませんが、タキくんのような自信無さげな純ドジっこが大好物な人ならとても楽しくお読みいただけると思います。
最後のアレは別にあれじゃないほうが逆によかったのになーとも思いましたが。
ただ残念なのが、挿絵の琥狗ハヤテさん検索で引っかかり、内容も好きそうだしと、買ったのに、挿絵も表紙絵も小さすぎてがっかり。拡大しても粗くなるばかりで…というわけで星一つ削りました。 -
Posted by ブクログ
狐、インキュバスに続く駄目ッ子のファンタジーです。今回は見た目二十歳の、座敷わらし。
千早は1Kのアパートの1室に住み着く座敷わらし。今までの住人を幸せにしようとして、ことごとく失敗してきたので、今度こそはと張り切っているところに越してきたのが、大学院生の冬樹です。
千早が出会いのところで冬樹に変質者扱いされたのは受けました。冬樹はパッと見無表情で、情が薄い男なのかな?と思わせますが、実はとても優しいんです。
そして、そんな冬樹に幸せになってもらおうと、尽くして尽くしまくる千早がとても健気でかわいいのです。でも、ちょっと駄目ッ子なところがあって、失敗もしばしば。裸エプロンに吹いた!天然過ぎる。
冬樹のために一生懸命頑張る千早の姿にきゅんきゅんきて、頑張りすぎて失敗したり落ち込んだりするところではウルッとさせられたり、後半ではほんとに感情を揺さぶられました。
ファンタジーものとしては、最近他にもいい作品がいろいろ出ているので比較してしまいますが、負けず劣らずいい作品。クライマックスでは思わず胸を熱くさせられます。想定内の展開とわかっていても、引き込まれる話。
ダメダメでも冬樹の幸せのためにあれこれ頑張る姿を、口数は少なくともちゃんと分って感謝している冬樹にも好感。
かわいい花嫁修業的な要素にツボりました。
エロが若干物足りなかったのが惜しいです。感情の起伏のない攻が、かわいすぎて辛抱たまらんみたいな状態になるところが見てみたいです。
でも、健気萌えは大量なんですよね… -
Posted by ブクログ
893と刑事とか、893と交渉人とか、893と教師とか、いろんな893cpがありますが、税理士受って異色でどんな展開になるんだろうかと興味津々で手に取った前作。待望の続編登場です。
893と言っても加賀美は中古車会社経営で、そのスジからは遠ざかっていた男。そんな彼に発破をかけたのが、経営建て直しに身を粉にして尽くした税理士の黒崎です。常識的に考えると本末転倒な気もしますが、立場は違えど似たような辛酸を舐めている者同士、互いに共鳴するものがあったんでしょうね。
加賀美が組に復帰する覚悟を決めた経緯が男前だった前作に引き続いて、今回は黒崎が覚悟を決める番。この手のストーリーの鉄板です。加賀美の恋人でいる以上、カタギだとは断言できない微妙な立場になる黒崎です。
そして、ただの税理士だった黒崎が、北川組の組長と対面したり、加賀美の好敵手である東條から仕事を依頼されたり、かなりリスキーな問題が畳み掛けるように襲ってきます。
そういう場面で、黒崎のクールでちょっと意地っ張りなツンデレが最大限発揮されていて、これがたまりません。さすが黒崎!と読んでいて胸がすっきりするというか、拍手を送りたくなるというか。
お仕事ものとしても読ませてくれるし、それほど難解でもないので、そのホドホドな本格感がまた心地良いかんじ。黒崎の厳しい指導に随分慣れてきたミラー中古車店の社員も相変わらずで嬉しくなります。
でも、一番はやはり加賀美と黒崎の親密度が更にアップしているところです。互いを思いやってすごく大切にしているのが、言葉がなくてもわかるくらい、なのです。ベッドシーンはツンな黒崎が心の中でものすごーく焦ってドキドキしているのがかわいい。ふだんは容赦ない態度なのにベッドでは攻様にメロメロなんです。それだけ加賀美がカッコいい、ということの証明。
これはまた次回作がアリということでいいんですよね? -
Posted by ブクログ
この方の作品はいつも面白くて読み応えがあるのですが、このストーリーはさらに「税理士」というお仕事ものの話だとうっかり思い込んでしまう出来ばえ。そのまま、BLシーンなしでも気付かずスルーしてしまえるくらいお仕事に関しての描写も手抜きナシで充分面白い。でも、カタギ以上893未満の中古車販売会社を相手に孤軍奮闘する玲司の仕事ぶりに目を奪われるうちに、気がついたら彼の切ない片想いの行方を追いかけていることになります。
玲司が好きになった相手は、その中古車会社の社長である加賀美。経営に興味もなさそうで、かと言って893に返り咲く気もない昼間から着流し浴衣姿の男です。
従業員ひっくるめていい加減なその会社の経営を一生懸命立て直そうとするうちに、実は聡明で優しくデキる男の加賀美に玲司は惹かれてしまいます。
玲司が破綻しそうな会社を立て直すだけじゃなく、過去に捕らわれていた加賀美の中の「漢」を取り戻すきっかけも作ってしまうというのが面白い展開。その変化が加賀美の服装に表れるのもニクい演出です。玲司の服装についてもそう。表題にも黒衣とあるように、玲司がなぜいつも黒いスーツを着ているのかという疑問が、読み進むうちに理解できてとても切なくなります。クールに仕事をこなしツンツンしていても、実はろくでもない経営事情の会社相手に親身になって頑張っているすごく情のある玲司です。
そんな本心をちゃんと解って素直に従っている加賀美の器の大きさにも惚れ惚れするし、従業員が個性的で皆イイ奴だし。
顧客という事務的な関係からもっと深く関わるようになって、玲司は加賀美も自分同様理不尽な事がもとになって父親を亡くしていることを知り更に親近感を持つようになりますが、ゲイじゃない!と自分の気持ちを完全否定しながらの片想いという複雑な恋心。それが玲司をツンにしているのがちょっとかわいくてコミカルだったりします。
エロ的には、後半気持ちが通じ合ってからがいきなりなベッドシーンに感じられて駆け足っぽい感じ。ノンケ同士相思相愛になってそれに納得できていたので、無理に体繋げなくても満足だったのですが、読者サービスだったんでしょうか?