山折哲雄のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
≪目次≫
はじめに
エリア1 鶴岡八幡宮とその周辺の寺社
エリア2 荏柄天神社から瑞泉寺、滑川沿いの寺社
エリア3 小町・大町(鎌倉駅東域)の寺社
エリア4 材木座周辺の寺社
エリア5 扇ヶ谷と佐助周辺の寺社
エリア6 長谷界隈と極楽寺、さらに腰越の寺社
エリア7 北鎌倉駅からめぐる山ノ内の寺社
エリア8 大船駅周辺と市の北域の寺社
付けたり 鎌倉とゆかりの深い市外の三寺社
≪内容≫
PHP新書の寺社巡りシリーズ第6弾。京都、奈良、東京と来て鎌倉となった。まあシリーズなので買ったが、鎌倉は中学時代から庭のように歩き回り、かつてのブルーガイドをそれこそ暗記するほど読んだので、こ -
Posted by ブクログ
一口に仏教と言っても、日本で論ずるときには注意が必要だ。まず釈迦の考えた「仏教」があり、弟子達が考えた「仏教」があり、日本で文化的・世俗的に融合された「仏教」がある。また統一的な教典を持たない仏教は解釈が多様で、実質仏教と定義できるものはないといっていいだろう。
また筆者は現代における宗教の役割について懐疑的だが、それは自分も同感。「神様」「天国」を無垢に信じることのできた時代の信仰と「科学」の進んだ時代の信仰とは自ずと性格が違ってくるだろう。新書故にそこまで突っ込んで深く論じてはいないが、宗教論はその点を含んで研究しないと意味がなくなるだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
こころが定まらない―。
こうした思いを抱きながら、わたしたちは日々を送っている。
日本人のこころに衰えが兆しているのではないか。
他者と共感する力。
人間の背後に隠されている“崇高さ”あるいは“凶悪さ”への感受性。
死に対する態度。
定まらぬこころがこれらを不確かなものとしている。
本書は、長年日本人のこころを見つめ思いを巡らせてきた著者による、揺るぎないこころを持つためのレッスンなのである。
[ 目次 ]
第1章 こころの原風景
第2章 「語り」の力
第3章 人間、この未知なるもの
第4章 私の死の作法
第5章 精神性について
第6章 伝統のこころ、近代のこころ
第7章 眼差 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
親鸞の教えと『歎異抄』の間には絶対的な距離がある。
この距離の意味を考えない限り、日本における「根元悪」の問題も、「悪人」の救済という課題も解けはしない。
中世以来、あたまの人々の心を捉え読み継がれてきた『歎異抄』は、弟子・唯円の手になる聞き書きであった。
だがその唯円は、「裏切る弟子」=ユダではなかったか。
本書は、現代社会に濃い影を落とす「悪」という難題に正面から対峙して立つ。
―著者の親鸞理解の到達点。
[ 目次 ]
1 悪と罪
2 「宿業」と「不条理」
3 裏切る「弟子」
4 唯円の懐疑
5 唯円とユダ
6 正統と異端
7 個とひとり
8 「親鸞一人」の位相
9 「自然 -
Posted by ブクログ
遺骨の供養にかかずらうなと言ったブッダの教えに背いたアーナンダにはじまり、仏教はときにはブッダの言葉を裏切りながら、様々な変化を経て現在へ続いている。その是非を問うよりかは、そのような現実を受け入れアーナンダの徒として我々はこれからいかに仏教と向き合うか。新しい時代で仏教はどの様にあるか。おそらくそのような内容の本。
個人的には日本において仏教が日本固有の山岳信仰、浄土観、遺骨信仰と結びついて独自の発達をしたという日本仏教の個性という章と、民族仏教の背景という章が印象に残った。神道もまざってひっちゃかめっちゃかであり、とても興味深い。
しかし入門書としてはあまりおすすめしない。 -
Posted by ブクログ
■「歎異抄」は刺激的だが、弟子唯円の筆によるものでもあり、やはり親鸞自身が著した「教行信証」もひも解くべきである。
■「教行信証」のテーマは、「父殺しは救済されるか」というものであり、親鸞の結論は「善き教師」と「反省」があれば救済されうるとするもの。すなわち条件がある。
■これは「悪人正機説」とやや矛盾するように聞こえるが、そうではない。
・・と、いうようなことが書かれてある(ようだ)。
著者 山折の本は初めて手に取ったが、ずるずるとしたエッセイのようで、思いつきのように論旨が飛んだり、くだくだしい繰り返し!が出てきたりして、何ともいえない味わい。本書は第6章「親鸞を読む〜日本思想史の最も戦 -
Posted by ブクログ
「『源氏物語』のストーリーを紹介しつつ、その舞台となった京の都の各所を紹介して、『物語』に溶けている風光を見ていく」(p.188)という本。新書にしてはやや分厚め。内容としては、ストーリーの要所を紹介しながら、メインは源氏物語に登場した架空のスポットを、ここではないかという推測のもとに紹介し、訪れてみる、という感じになっている。
源氏物語の内容を知っており、かつ京都を訪れることがあるならば面白い本だと思う。観光情報も載っており、京都御所などの参観要領や、観光に際したちょっとしたアドバイスなども含まれている。実際、この本を元に、「清水寺は早朝がおすすめ」とか、「JR宇治駅からよりも京阪宇治駅