あらすじ
落日の光景に浄土往生のイメージを重ね、路傍の石仏や小さな神を愛で、日本人は、古来より豊かな宗教心を育んできた。しかし、世俗化とニヒリズムに覆われた現代の社会で、もはや宗教の言葉は、人々の心に届かなくなっている。この大いなる空虚の時代を、我々はいかによく生き、よく死ぬか。本書は、無常観・霊魂信仰の問題から、臓器移植・宇宙時代の死生観といった問題まで、山折宗教学・日本学のエッセンスを、叙情豊かに語った講演集である。本書の目次は以下の通り。 ●第1部 〈日本人の心の原型〉宗教心を失った日本人/なぜキリスト教は日本に根づかなかったのか/「たたり」に見る日本人の霊魂信仰 ●第2部 〈自然への信仰〉中世日本人は自然をどう見たか/「小さき仏」への愛情/芭蕉が見た落日/宇宙に開かれる神秘体験 ●第3部 〈生と死を問う〉宇宙時代の死生観/移りゆく時代の宗教の力/あらためて問われる「生老病死」
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
この大いなる空虚の時代を、いかによく生き、よく死ぬか。
無常観・霊魂信仰の問題から、臓器移植・宇宙時代の死生観といった問題までを、叙情豊かに語った珠玉の講演集。
[ 目次 ]
第1部 日本人の「心」の原型(宗教心を見失った日本人 なぜキリスト教は日本に根づかなかったのか 「たたり」に見る日本人の霊魂信仰)
第2部 自然への信仰(中世日本人は自然をどう見たか 「小さき仏」への愛情 芭蕉が見た落日 宇宙に開かれる神秘体験)
第3部 生と死を問う(宇宙時代の死生観 移りゆく時代の宗教の力 あらためて問われる「生老病死」)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
始めは、なんだかすごく主観的だなぁという印象をもったが、読んでいくと、「宗教を専門にしてる人はこんな風に世界を観るんだ」と素直に引き込まれた。童謡「夕焼け子焼け」が仏教の根本的な精神を歌っているという話や、寺と教会のならす鐘の意味の違いの話、「高さ」や「速さ」が人間に与える宗教的な体験の話など、とても斬新なようで妙に納得できる、興味深い話がたくさんあった。学問としての宗教じゃなくて、日々の生活の中で身体で感じる宗教についての本。