三木由記子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ中でも上位に入るほど好きな話。子どもの頃は、春の小川の色とりどりの美しさともうすぐ春が来るという高揚感に加え、登場するものすべてが可愛らしく大のお気に入りだった。落ちたヤブツバキの赤い花に虹の小びん、ホワホワのかくれ雲ホワリー、雪女の末娘ミーシャとハートのジャックの恋など心躍る可愛いトピックが満載だが、中でも極めつけはリットルドレスの町。子どもの頃憧れに憧れたが、今読んでもため息が出そうなほど可愛い。
そして春の小川と言えばうすく切ってカリカリに焼いたベーコン。数ある本メシの中でもインパクトは強烈。ぜひベーコンを用意して読んでほしい一冊。 -
Posted by ブクログ
盲腸の手術をした正くんのもとに、おばあちゃんが差し入れてくれた12色のクレヨン。そのクレヨンが語る色とりどりの12の物語だが、タイトルとあらすじから想像する可愛らしさからは少し離れた作品が多い。自分の悪口を聞いてどんどん性格が歪んでいく『ドングリのかくれんぼ』、友情の嫉妬に狂った月が世界を破滅の危機に追いやる『ラッパふきのエンゼル』、住処を理不尽に奪われていく『野原のひっこし』、自らに想いを寄せるカレイを食材としてしか見ていない少女が登場する『水色の自転車』。中でも『ブタ別荘』の玉光のセリフ「いちばんすきな人が、いちばんこわい人なのだ。育ててくれた人が、ころそうとする人なんだ。」は心にずっしり重く響く。今読んでも十分楽しめる。
もちろん『レールの中のスミレ』や『北風フーと青空スー』のような児童文学らしくほっこりするものもあるので安心して読める。 -
Posted by ブクログ
自然破壊・環境問題について深く考えさせられる作品。山へハイキングへ行ったちほの兄・健治と同じ班の児童3人、校長先生が悪魔のアオザメオニによって虫や鳥、魚などに姿を変えられてしまう。ちほと飼っているウサギのロペは兄の救出へ向かう。
ヒキガエルが毎年産卵する池へ向かう途中に高速道路が敷設され、多くの仲間が死んでしまったり、せっかく水辺を見つけても洗剤などで汚されていたり、無数の生き物が棲息する池が工事により枯渇の危機に陥ったり。生き物の目線から描くことで、自然破壊の影響を間近に感じることができる。
ヒキガエルのエピソードは特に印象的で、幼少期から深く心に残っている。今はカエルや虫とふれあったりはできないが、生き物側の視点は忘れてはいけない。
レモン色の満月と白いヤマボウシの花の描写がとても幻想的で、やさしい挿絵もたまらなく好き。