三木由記子のレビュー一覧
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ネタバレ主人公のノブオは、学校でも、家庭でも居場所がない。担任なんて、ノブオの気持ちなんて全くわかってくれない。そういうささくれ立った心のノブオが迷い込んだクレヨン王国。フクロウ隊長が見つめるノブオのひび割れそうな心が痛々しく、自分のことのように悲しくて・・・。
けれど、クレヨン王国で「パトロール隊長」として働き始めるノブオ。最初は自分勝手だったり、戸惑ったりで、うまくいかないことも多いけれど、さまざまな困難に立ち向かい、たくさんの人?と出会い、ノブオは大きく成長していく。
そんなノブオと同様に、この本を通し、私にも「責任」と「大人になること」を教えてくれたように思える。ジュニアのみなさんにはぜひ読んでいただきたい作品です。 -
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クレヨン王国のシルバー王妃と共に、12の町を旅する少女・ゆかの成長を描いた児童文学の名作。
大晦日の夜。
世界の光が、逃げた!
金色と光を司るクレヨン王国の王様。そんな彼が逃げ出したのは、お妃であるシルバー王妃が原因でした。
散らかしぐせ、お寝坊、嘘つき…美しい王女が抱えていた十二の悪癖。それをすべて直すまで、王様は帰らないというのです。
王妃とともに旅立つゆか。十二の町を彩るのは季節の植物やユニークな動物たち。それぞれの町で、たくさんの人々と出会います。
ゆかとともに過ごす十二ヶ月の旅の中で、彼女の悪癖はひとつひとつ、愛らしい美点へと変わってゆくのでした。
小さな子どもの皆さんにはもちろん、大きな子どもの皆さんにも、読んでほしい作品です。
読み返すたびに、少女の頬が、少年の瞳が帰ってくるような、新鮮なワクワクが溢れてきます。
読んだことのない方はもちろん、むかし読んだという方も、もう一度手に取ってみてください。
何度でも、新しいクレヨンの箱が開かれるはず。 -
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ネタバレ小学生のころに大好きで何度も読み返していました。ノブオやワレモコウのこころの痛みや孤独。愛されたいという純粋なきもち。うまく伝わらない優しさ。当時からひとりでいるのが好きで、いつも教室で静かに休憩時間に本を読んでいました。不器用で可愛いらしく笑う女の子の輪にうまく入れずに、静かに読んでいたら自分のように感じてノブオの冒険がうまくいくように祈る気持ちで読んでいたのを思い出します。考えなくてもいい走るんだ、と蛇の子供に叫んだノブオ。本当に大切ならばときには、頭で何かを考えることと同じくらいに相手へ行動で示してゆくことが大切だなあと思いました。大切な思い出の本。間に歌が入っていて巻末に楽譜も載っています。ピアノで弾いて音程を確かめて「こんなかんじなんだ」ってそのイメージを膨らませることができたことも嬉しかったなあて思いました。
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「悪い癖の無くなったシルバー王妃なんて、なんか物足りない、魅力が無い」
そんな風に思われるようになってしまったシルバー王妃が旅に出て、本来の自分を取り戻す話です。
っていうと、「自分探し、自分磨き」をする流行に乗った女性の話っぽくなってしまいますが、ここは児童書。ファンタジー。
不思議な旅のお供たち(野菜)が程よく身勝手に、楽しくシルバー王妃をサポート(?)します。
野菜たちのキャラクターが際立っていて、脳内で声のイメージとかを勝手に想像してしまいます。
これを読む前に「12ヶ月の旅」を読んでおくことをおススメします。
ってか、王妃ともなると愛される程度にわがままで人間ができてなくちゃいけないんですね。たいへんだ。 -
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2011.03.23
中学受験に失敗し、希望を失っていたまゆみは、青年・三郎と出会い、クレヨン王国へと足を踏み入れる。
子ブタのストンストン、ニワトリのアラエッサと共に4人で始まった「月のたまご救援隊」の冒険の物語。
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この物語に出会ったのは小学生のとき。
当時自分より年上だったまゆみは年下に、三郎とは、見た目に関していえば同い年になった。
わたしは、サードという名前より三郎という名前のほうが好きだ。
三代ごとに生まれる第三王子は、生まれる前からきっと「サード」と呼ばれていたのだろう。
それは三郎にではなくその特殊な役割に付けられた名前である。
三郎がまゆみに「三郎」と名乗ったのは、自分を一人の人間として見てほしいと思ったからなのではないか。
憎しみを浄化して光にかえる黒髪の婆
しかし絶えず人間は憎しみを生み出し、原子爆弾という形でさらに婆を追い詰めた。
「まんぞくしないものが、まんぞくしているものを攻撃する、これが人間の歴史だよ。ーーだからまんぞくしてると、危険なのだ。」
という三郎の言葉がある。
この物語は25年も前に書かれたものであるが、なんら人間は変わっていない。
話のいたるところにまゆみの詩は、まるで挿絵のようである。
生きて帰れるかもわからない旅の読者の緊張をほぐすような、そんな役割も果たしていると思う。
続刊がないほうがよかったという声も多いが、わたしはどこか心に穴があいてしまったままのまゆみを見ていることはできない。 -
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6年生のまゆみは、自分だけ入試に落ちどん底の気分で学校のグラウンドにいた。そこで偶然出会った見知らぬ青年・三郎の運転するトラックでしばらく走り続けると、いつのまにかクレヨン王国に入っていた。そこで、まゆみは、三郎、ブタのストンストン、ニワトリのアラエッサとともに、「月のたまご」を救出することに――。それは、危険がいっぱいで無事に戻ってこられるかどうかすら分からない任務だった。家出四人組はナルマニマニ博士の作った第三ピアスに乗って月のたまごを目指すが・・・。
どうしても手元に欲しくてネットで探したものの中古以外見つからず、大手書店に直接かけあってようやく見つけたシリーズ第一作目。
小学生のときどんな本よりも多く読み返してしまうほどに一番好きな本でした。いや、今も好きだ。ちょうどまゆみと同じように中学受験に落ちた私は、サードたちと一緒に本の中で冒険して現実逃避したとも言えるかも。そしてとてもハッピーエンドとは言えない結末に泣いた。これしかなかったとは思えても、まゆみやサードの気持ちを思えば涙が出た。初めてそれほどまでに「お話」にのめり込んだ本でもあります。月のたまごは救われて人間界は無事なわけですが、そのために払われた犠牲は大きい。おまけにそれは何の罪もないクレヨン王国が危険をおかしてくれたおかげ。私たち地球の人間はなんて身勝手で恐ろしい自然破壊者なんだろうと思いました。今から25年も前に書かれた小説なのに、妙に当てはまってしまう現代が悲しくもある。