折原一のレビュー一覧

  • 異人たちの館

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    ネタバレ

     半年程前に富士の樹海に消えた作家志望の男「小松原」、かつて神童とまで呼ばれた才能の持ち主であった彼に何が起こっていたのか? 同じく作家志望の「島崎」は彼の母親から依頼を受け彼の伝記を書くことに、調べるうち明かされていく小松原家の歪んだ過去と彼の周りに巣食う謎の「異人」。  そして島崎の周りにも「異人」の影が現れ・・・。 過去、現在、手記、インタビュー、数多の断章で構成された謎の記録。

     多重視点ながらインタビューと現在の視点はきっちり交互に展開されむしろ読みやすかったです。 序盤は主人公と共に過去の詮索を行っていき、徐々に主人公は事件の渦中に巻き込まれ、終盤は読者に大きな謎を投げかける。 

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    2023年01月18日
  • 冤罪者

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    ネタバレ

    ある殺人で無期懲役の判決を受け服役中の男がいた、主人公のライターはその男から自身の無実を証明してくれと頼まれる。 悩みそして怒る主人公・・・なぜならその男が殺したのは主人公の婚約者なのだから・・・。
    事件は冤罪だったのか、新たに起こる犯罪は何を意味するのか、登場人物を複雑に書き分け真相に迫っていく。

    ミステリとして極めて複雑だったと思います。 折原さんの作品でもトップレベルで登場人物多いんじゃないかな。 本シリーズ特色として実際の事件がモデルとして背景にあります。 冤罪、警察の応対、加害者の人権、そして遺族の憤慨、モデルとなった事件は存じなかったのですがどのような事件だったのか想像がつくよう

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    2023年01月18日
  • 失踪者

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    意外性のある犯人ではないが推理していく楽しみは味わえる作品でした。結末・真相は大変面白いと思ったのですが、作者は犯人当てに主眼をおいたのかラストの進行は性急なものになっているのが残念。
    過去と現在の事件描写と手記の多方向から紡がれるストーリーは複雑さ故に人を選びそう。通勤通学中に少しづつ読んでいける作品ではないですね、じっくり腰を据えて推理したい人向けです。

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    2023年01月18日
  • ポストカプセル

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    短編のトリックばかりに気を取られて物語の大筋のトリックに気づかなかったのが悔しい。やはり面白かったです。
    これだから折原一はやめられない笑


    15年前に出したはずの手紙が何故か「今」になって届く。その手紙が色々な波乱を巻き起こします。



    再開 ★★★☆☆
    遺書 ★★★☆☆
    礼状 ★★★☆☆
    脅迫状 ★★★☆☆
    受賞作なし ★★★☆☆
    待ち人来らず★★★☆☆

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    2022年12月09日
  • タイムカプセル

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    久々に読んだ折原一。
    そうそうこんな感じと読み進めてた。
    袋とじは、ワクワクしたけど、
    ちょっと無理がある場面も

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    2022年11月05日
  • 沈黙者

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    ネタバレ

    叙述トリックだと分かってはいても見事に騙され、最後まで息をつく暇がなかった。しかし、現実に照らして考えると無理がある場面が幾つか見られた。読書メーターの他の方が述べているように、沈黙者が名前を頑なに拒む動機が弱すぎる。そして、姉が留置所を訪ねた際に看守なり警察なりに自分の弟だと告げれば、彼は沈黙者から開放され、長い刑期を迎えることにならず、ひいては殺しを犯すこともなかったのではないか。

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    2022年10月20日
  • 異人たちの館

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    ネタバレ

    これはまたすごい作品を読んでしまいました。
    ストーリーは単純で、1年前に富士の樹海で行方不明になった作家志望の青年の伝記を、彼の母親の依頼で書くことになったゴーストライターが取材をしていくにつれ、徐々に明らかになる青年の周囲にある過去の闇と、ライター自身が巻き込まれていく現在が混じり合い…。
    あれ?全然単純じゃないね。

    まず、天才少年だった過去を持つ作家志望の小松原淳というのが、幼年期から内向的で虚弱体質で、だけど自尊心が強くて生意気で、お坊ちゃん育ちだから余計に鼻持ちならなくて。
    天才の自分が書いた小説が認められないのは、見る目がない編集者や読者たちのせいだと信じ、自らを省みることがない。

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    2022年09月17日
  • 灰色の仮面

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     昭和の香りがぷんぷんするレトロなミステリ。真犯人は誰なのか気になって一気に読んでしまった。昭和って適当すぎないか?と笑えてしまうほど、個人情報の管理や主人公が自ら暴行魔を捕らえようと思う心理、終わり方など、現代の感覚では考えられない(しかしそこが面白い)。暴行魔は誰なんだろう、とワクワクしていたのにまさかの正体!今の感覚でのリアルを追求してないところが面白かった。主人公もアホすぎて、ミステリというかもはやコメディ。

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    2022年09月08日
  • 水の殺人者

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     著者初読み。〇〇者シリーズをちまちま集めて積読を充実させている最中だが、お試しでシリーズ外を読んでみた。携帯は普及しておらず、個人情報もバンバン入手できる平成初期が舞台だが、現代でも楽しんで読めた。あり得ない展開の連続だが、殺人者は誰なのか、殺人リストの人物たちのつながりなど謎が気になり一気読み。古き良きの匂いが感じられて、著者他作品への期待が高まる。
     殺人リストに挙げられた人物のうちの1人に、昔仕事でお世話になった方と同姓同名(漢字も一緒)の人がいてぞわぞわした。

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    2022年08月14日
  • 双生児

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    継母と二人で暮らすのが嫌で、家出をしようと思っていた高城有美は、合コンで男性と知り合い、恋仲になります。
    有美は何者かに誘拐されて監禁されます。
    有美は、妊娠していて二人の娘を産みます。

    産んだ一人目の娘は中西家の養女になり、中西安奈として育てられます。
    もう一人はひまわり園にもらわれ、羽生さつきとなります。

    有美が合コンで知り合った男性坂村孝太郎は、心臓発作で死んでしまった探偵の替わりに有美の行方を捜しているうちに、いろいろなおかしなことに気づきはじめます。

    そして20年後の中西安奈と羽生さつきも、どうやら自分とそっくりな人間が近くにいることに気づきます。

    そしてまた、中西安奈は時々

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    2022年07月16日
  • 冤罪者

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    信用と信頼の折原一長編はやはり面白い。保証制度濃厚なので、この600Pを超えるぶ厚い作品でも躊躇せず手に取ることが出来るし、やはりあっという間に読み終えてしまった。

    連続婦女暴行殺人事件。被害者は真夜中開けっ放しの窓から侵入され陵辱された後、顔と足にガソリンを撒かれ火を放たれる。その容疑者として捕らえられたのが河原輝夫だ。彼は年月を経て拘置所からノンフィクションライターの五十嵐友也に冤罪を訴える手紙を出す。
    最後の被害者 水沢舞の婚約者であった彼は一から事件を見直す事となる。彼自身の心の葛藤、そして複雑に絡まる人間模様は容赦無く予想打にしない結末をとして我等読者に突き立ててくるのだからもう堪

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    2022年04月01日
  • 漂流者

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    期待してた「者」シリーズとちょっと違った印象だった。早々に叙述トリックが見えてしまったからそう感じたのかな。

    とはいえ水が怖くて閉所恐怖症の私には十分怖いお話でした。

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    2022年03月03日
  • 沈黙の教室

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    燃え尽きた。。。
    どんどん増えていく謎の把握に神経を使い、叙述トリックか?と読み返し、先生、こんな名前だっけ?と読み返し、全てが明らかになるころには、疲れ切ってしまった。
    合掌。

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    2022年03月02日
  • 失踪者

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    ネタバレ

    弓子が最初に少年Aの家に独りで行ってしまったときの、独りになる無理矢理さと偶然さにその状況にさせるには周辺のこのキャラが少年Aだからだなと思いついてしまうので、そこはなんとかしてほしかった。

    折原作品のラスト直前までの緊張感は好きだけど、ラストの種明かし部分のコメディ感はテンション低くなるんだよね。

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    2022年01月08日
  • 倒錯のロンド 完成版

    購入済み

    迷路のような本

    読んでいるうちに何が何だかわからなくなって、迷路に迷い込んだような感覚に陥り、
    前のページに戻ったり、なんとかラストに辿り着いたという感じです。
    疲れた。
    面白いという感想に素直に辿り着けない。
    少し時間が経ってからもう一度読もうかなと思うけれど、
    今すぐはもう、ちょっと無理。
    この本自体の感想ではないけど、
    いろんな作品をもっと読みたいと思わせてくれた作品。

    #深い

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    2022年01月05日
  • 冤罪者

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    ネタバレ

    結構異質な状況のキャラがいて、何年もやり取りが続いているというところで何かあるなと思わせてしまうのは良くなかった。

    で、一夜を共にした女性とくればその理由に思い当たるので、あーこのキャラの正体があれだねと思わせてしまうのはあまり良くなかったかな。

    それでもなかなか読ませてくれる。

    正直な話、実在の事件に触発されたというのは不謹慎な気もしなくもないが、そういうのも含めてエンタメとして消化するというのは作者の力量が問われるね。

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    2021年12月27日
  • ポストカプセル

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    遅れて届く手紙が巻き起こすそれぞれの事件というか錯誤がそれぞれの手紙と共に描かれます。

    プロポーズの手紙から、ストーカー、遺書、礼状から脅迫状まで15年たってから届けられる。

    さて、それを受け取った主人公たちの人生にどのような変化が?

    もうそれぞれがそれぞれだし、このマンション悪いやつしか住んでないなぁ。っていう印象。笑笑

    ラストでマンションの住人がハタ、、と気がつく、

    なんかおかしくねーか?

    あ、気がついちゃった?のタイミングで、それぞれのはなしが集結されます!!!!!!!!

    最初読んだときはナミヤ雑貨店のような本かなぁ。と思ったが。まぁ、構成は似たものの、全然違うので思う存分

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    2021年12月10日
  • 異人たちの館

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    ネタバレ

    最初のページから叙述トリックが使われていたとは恐れ入りました。

    物語の序盤から伏線を忍ばせ、途中に何度か挟まるモノローグ。このモノローグにもやられました!

    終盤の怒涛の伏線回収、真実解明は気持ちの良いものでした。

    島崎が死んでしまったのが悲しい。

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    2021年10月24日
  • 死仮面

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    ネタバレ

    現実・幻想・虚像なのか、現在・過去なのか、入り乱れる感じが面白い。最後はどうなるのか、ハラハラしながら読んだ。不安、緊張感に包まれ一気読み。

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    2021年08月02日
  • 毒殺者

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    秀逸などんでん返しも魅力ですが、個人的に好みの文章リズムでとでも読みやすかったです。ラストの展開はお見事でした。

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    2021年07月28日