折原一のレビュー一覧
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ネタバレ半年程前に富士の樹海に消えた作家志望の男「小松原」、かつて神童とまで呼ばれた才能の持ち主であった彼に何が起こっていたのか? 同じく作家志望の「島崎」は彼の母親から依頼を受け彼の伝記を書くことに、調べるうち明かされていく小松原家の歪んだ過去と彼の周りに巣食う謎の「異人」。 そして島崎の周りにも「異人」の影が現れ・・・。 過去、現在、手記、インタビュー、数多の断章で構成された謎の記録。
多重視点ながらインタビューと現在の視点はきっちり交互に展開されむしろ読みやすかったです。 序盤は主人公と共に過去の詮索を行っていき、徐々に主人公は事件の渦中に巻き込まれ、終盤は読者に大きな謎を投げかける。 -
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ネタバレある殺人で無期懲役の判決を受け服役中の男がいた、主人公のライターはその男から自身の無実を証明してくれと頼まれる。 悩みそして怒る主人公・・・なぜならその男が殺したのは主人公の婚約者なのだから・・・。
事件は冤罪だったのか、新たに起こる犯罪は何を意味するのか、登場人物を複雑に書き分け真相に迫っていく。
ミステリとして極めて複雑だったと思います。 折原さんの作品でもトップレベルで登場人物多いんじゃないかな。 本シリーズ特色として実際の事件がモデルとして背景にあります。 冤罪、警察の応対、加害者の人権、そして遺族の憤慨、モデルとなった事件は存じなかったのですがどのような事件だったのか想像がつくよう -
Posted by ブクログ
ネタバレこれはまたすごい作品を読んでしまいました。
ストーリーは単純で、1年前に富士の樹海で行方不明になった作家志望の青年の伝記を、彼の母親の依頼で書くことになったゴーストライターが取材をしていくにつれ、徐々に明らかになる青年の周囲にある過去の闇と、ライター自身が巻き込まれていく現在が混じり合い…。
あれ?全然単純じゃないね。
まず、天才少年だった過去を持つ作家志望の小松原淳というのが、幼年期から内向的で虚弱体質で、だけど自尊心が強くて生意気で、お坊ちゃん育ちだから余計に鼻持ちならなくて。
天才の自分が書いた小説が認められないのは、見る目がない編集者や読者たちのせいだと信じ、自らを省みることがない。 -
Posted by ブクログ
継母と二人で暮らすのが嫌で、家出をしようと思っていた高城有美は、合コンで男性と知り合い、恋仲になります。
有美は何者かに誘拐されて監禁されます。
有美は、妊娠していて二人の娘を産みます。
産んだ一人目の娘は中西家の養女になり、中西安奈として育てられます。
もう一人はひまわり園にもらわれ、羽生さつきとなります。
有美が合コンで知り合った男性坂村孝太郎は、心臓発作で死んでしまった探偵の替わりに有美の行方を捜しているうちに、いろいろなおかしなことに気づきはじめます。
そして20年後の中西安奈と羽生さつきも、どうやら自分とそっくりな人間が近くにいることに気づきます。
そしてまた、中西安奈は時々 -
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信用と信頼の折原一長編はやはり面白い。保証制度濃厚なので、この600Pを超えるぶ厚い作品でも躊躇せず手に取ることが出来るし、やはりあっという間に読み終えてしまった。
連続婦女暴行殺人事件。被害者は真夜中開けっ放しの窓から侵入され陵辱された後、顔と足にガソリンを撒かれ火を放たれる。その容疑者として捕らえられたのが河原輝夫だ。彼は年月を経て拘置所からノンフィクションライターの五十嵐友也に冤罪を訴える手紙を出す。
最後の被害者 水沢舞の婚約者であった彼は一から事件を見直す事となる。彼自身の心の葛藤、そして複雑に絡まる人間模様は容赦無く予想打にしない結末をとして我等読者に突き立ててくるのだからもう堪 -
Posted by ブクログ
遅れて届く手紙が巻き起こすそれぞれの事件というか錯誤がそれぞれの手紙と共に描かれます。
プロポーズの手紙から、ストーカー、遺書、礼状から脅迫状まで15年たってから届けられる。
さて、それを受け取った主人公たちの人生にどのような変化が?
もうそれぞれがそれぞれだし、このマンション悪いやつしか住んでないなぁ。っていう印象。笑笑
ラストでマンションの住人がハタ、、と気がつく、
なんかおかしくねーか?
あ、気がついちゃった?のタイミングで、それぞれのはなしが集結されます!!!!!!!!
最初読んだときはナミヤ雑貨店のような本かなぁ。と思ったが。まぁ、構成は似たものの、全然違うので思う存分