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Posted by ブクログ 2024年01月16日
どんでん返しの名手として知られる折原一の初期の名作。山本安雄が推理小説新人賞のために書き上げた「幻の女」が別の人間に盗作されてしまい、復讐を誓う、というのが大筋のストーリー。なのだが一筋縄でいくはずもなく、叙述×メタ×パロディの要素が複雑に絡まりあって唯一無二の作品になっている。どこがどうどんでん...続きを読む返しになるかは最後の辺りで解説されていて分かりやすいのも良かった。「この作品は江戸川乱歩賞を受賞することで完成する」という言葉の意味が分かった気がした。
Posted by ブクログ 2023年11月27日
叙述トリックの名手の異名を持つ作者の代表作。
叙述とメタ構造と作中作にパロディと色んな要素をこれでもかとぶち込んで、まさにタイトル通り「倒錯」を味わえる作品となってます。
文章は良くも悪くも平坦なのでグイグイ読むことが出来たけど、いかんせん色んな要素が入り混じって、かなりややこしくなっているので...続きを読む、最後の種明かしのシーンはページを行ったり来たりしてましたw
Posted by ブクログ 2023年03月14日
登場人物クズしかいないな〜!!!!でもリアルなクズ加減で心が痛んだ!私もクズなので
読み進めていくたびにどうなるんだ?という予測不能な感じと、些細な違和感を抱いていたけど、最後の院長の言葉で情緒がめちゃくちゃにされた!そういうことか!!面白い!!!!あと、途中に挟まれる筆者の言葉に何なんだろう......続きを読むと疑わされるのも楽しかった
解説のロンドも大変面白くて、折原一先生の作品にとても関心を持ったので他のも読んでみたいと思います
Posted by ブクログ 2022年11月13日
1回目を読んで、スッキリしない部分が多かったので2回目を通読。最初の評価は「言われているほど名作か?オチも…」という他の方と似たような感想だったが、2回目で「だからこういう表現なのか!ここはダブルミーニングだ。ここはこうでないと物語が成立しない!」などと、折原さんの細やかな伏線の一つ一つに驚く。中に...続きを読むは途中でネタバレまがいの記述もある。若干後出しの情報や不親切でずるいなーと思う部分も感じつつ、それでも星5つ!
噛めば噛むほど味が出る職人芸、といった感じ。作品自体は初読でも素直に読める。折原作品はこれが初めて。早く他の作品も読みたい。
Posted by ブクログ 2023年08月01日
この本は、物語が180度変わってはまた変わりとどんでん返しの展開でおもしろかったです。
物語にある、表現の違和感や緻密な描写が全て繋がるのが流石です。
しかし、どんでん返ししすぎて逆に楽し水来店もあるようにも感じました。
Posted by ブクログ 2023年07月13日
すっごいどんでん返し。
なんとなく予想はしていたけど、あくまで一部でした。
ちょっとずるいかなとも思いましたが、ちゃんと気づけるように伏線もあったので、文句は言えないですね。
個人的に衝撃は大きくないが、複数回に分けてどんでん返しがあるのは良かった。
そして何より、これが「完成版」っていうのも...続きを読む面白い。
以前に書かれたものと完成版とでは受け取り方とかも違いますかね。
それはそれで面白い。
やっぱり小説って読むタイミングが大事ですね。
個人的には今、完成版を読めてよかった。
Posted by ブクログ 2023年06月17日
ところどころ違和感を感じつつ
色々と推理もしつつ
やっぱり と思う部分もあったけれど
結局はだまされてしまった。
なるほどそうきたか、と楽しい気分になった。
ただ筆者の言葉はいらなかったかな。。
Posted by ブクログ 2023年04月22日
最初で少し感じた違和感が、「あ、やっぱり!」となってしまってそこが少し残念ポイント。でも非常個性的な作りというか感性で面白かった。欲を言えば、ネタバレ解説的なモノを大々的に知らせず、物語の中で自然に解き明かしてくれるほうがよかったな〜
Posted by ブクログ 2022年10月21日
ビックリした!なんで主人公の話もっと聞いてあげないのって思いながら読んでた。そういうことだったのね!
正直エピローグ(つづき)はなくても十分楽しめたけど、ここでは折原さんが自分で本作品の評価を書いているということになる?まさにそこに書いてある評価の内容で本作の賛否が分かれているんだろうなぁ。客観的に...続きを読む良く見ていらっしゃる。
Posted by ブクログ 2022年09月10日
どんでん返しの名作の1つといわれる作品。
読んでいるときは、山本視点が「手記」となっていたためこっちに何かしらのトリックが隠されているのかと思っていたら、まさかの白鳥翔に仕掛けが施されていたとは思わなかった。まず最初に山本安雄が白鳥翔が既にデビューしている作家を新人作家と勘違いし、その小説の写しを作...続きを読むり小説に明るくない永島一郎が取ってしまった事で、更におかしな展開になっていくという所が構成がとても面白かった。
盗作された(と思っている)山本と盗作した(と疑われている本物の)白鳥の掛け合いはテンポが良く読みやすい物となっていながら、両者とも勘違いしたまま話が進んでいるのがそれなのに全く読者に秘密を悟らせないという構成がとても上手いと感じた。クライマックスに行くにつれて何重もの罠が一気に解かれ、読み切ったと思ったら、最後に衝撃の結末。まさか最後にあの人がそんなことをするのかと、彼のためとはいえ凄く切ないと感じてしまいました。そして、後書きのような最後の部分はフィクションかノン・フィクションかとても深い作品と思いました。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
山本安雄:神谷浩史
白鳥翔:東地宏樹
城戸明:関智一
立花広美:内田真礼
Posted by ブクログ 2022年05月25日
叙述トリックミステリーとして何度か紹介されていてずっと気になっていた作品。
面白かったけど再読はないかな。。
叙述トリックの作品として、オチが「精神疾患持ち」「夢落ち」などはちょっとがっかりしてしまうためあまり好みではなく。。
完成版ならでは?の現実ともリンクしている構造は面白かった。
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”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。受賞間違いなし、と自信を持って推理小説新人賞に応募しようとした作品が、何者かに盗まれてしまった! そして同タイトルの作品が受賞作に。時代の寵児になったのは、白鳥翔。山本安雄がいくら盗作を主張しても誰も信じてくれない。原作者は執念で盗作者を追いつめる。巧緻極まる仕掛けが全編に張り巡らされ、その謎が解き明かされていく衝撃、そして連続する衝撃! 叙述トリックの名手・折原一の”原点”に位置づけられる名作、32年越しの改訂が加わった新装完成版。
Posted by ブクログ 2022年03月31日
衝撃の事実を突きつけられて終わるかと思ったら、そこから2回ほどの「まさか」が折り重なった。
自分自身、今読んでるものは何なのかわからなくなっていき、まさに登場人物の倒錯のロンドに自分も巻き込まれていくような不思議な感覚があった。
しかし、トリックとしては少し強引な感じが否めず、『葉桜の季節に君を想...続きを読むうということ』や『ハサミ男』なんかに比べると少しズルいような気がした。
トリック自体は首をひねってしまうものもあるが、題材が面白く最後までキレイにまとまってることや難しい表現はなくスラスラと読みやすいこと、終わるかと思ったら隠し玉がまだあって驚かされたことなどを考慮して★4つにする。
サラっと読めるのでオススメの作品です。
読んでいるうちに何が何だかわからなくなって、迷路に迷い込んだような感覚に陥り、
前のページに戻ったり、なんとかラストに辿り着いたという感じです。
疲れた。
面白いという感想に素直に辿り着けない。
少し時間が経ってからもう一度読もうかなと思うけれど、
今すぐはもう、ちょっと無理。
この本自...続きを読む体の感想ではないけど、
いろんな作品をもっと読みたいと思わせてくれた作品。
Posted by ブクログ 2021年11月26日
折原一さん「異人の館」に続いて2作品目でした。
やはりこの方は叙述トリックに非常に長けていますね(何様だ笑)
読みながら違和感を感じつつ、終盤の解説を読んでスッキリしました。
まさか主人公が最初から狂っていたとは思いませんよね笑
道尾秀介さんの「向日葵の咲かない夏」を思い出しました笑
そして最...続きを読む後の解説も面白かったです。
Posted by ブクログ 2021年05月19日
叙述トリックを見抜いてやろうと慎重に読んでいると、後半に進むにつれて頭の中で混乱を起こしてしまう。最後にはわかりやすく解説されていったので、すっきりした。
Posted by ブクログ 2021年05月25日
いままで読んだミステリーの中でもトップクラスに秀でたタイトル回収。何重にも重ねられたトウサクに、筆者の遊び心を感じます。
とはいえ読んでるこっちまで狂ってしまいそうな展開に、他のミステリーと違い「一度読むと二度読みたくなる」とはいかないかも。読後感が爽やかとは言えず、最終章付近では更なる情報の追加に...続きを読む少し戸惑いやシラケを感じてしまいました。
Posted by ブクログ 2021年01月16日
原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。受賞間違いなし、と自信を持って推理小説新人賞に応募しようとした作品が、何者かに盗まれてしまった! そして同タイトルの作品が受賞作に。時代の寵児になったのは、白鳥翔。山本安雄がいくら盗作を主張しても誰も信じてくれない。原作者は執念で盗作者を追いつめる。...続きを読む巧緻極まる仕掛けが全編に張り巡らされ、その謎が解き明かされていく衝撃、そして連続する衝撃! 叙述トリックの名手・折原一の”原点”に位置づけられる名作、32年越しの改訂が加わった新装完成版。
文庫化された時に読んだ記憶があるので、28年ぶりの再読。ここまで来ると、もはやギャグの域である。
Posted by ブクログ 2024年03月28日
ストーリーはとても面白いし読みやすく、すいすい一気読みできた。白鳥(本物)と山本の電話のあたりで違和感を感じ、「白鳥は本当に盗作していなくて山本の妄想っぽい流れだな」と気付き始め
この白鳥と永島はおそらく別人物。というところまで推理できたものの
ではどこからが山本の妄想?幻の女の本当の作者は?と少々...続きを読む混乱しながら読み進めた。
結末まで読んでまさかそういう時系列だったか~と驚き。
これは偶然だが、今作の前に読んだ別作者の作品も主人公が実は狂人で妄想混ざってましたオチだったので正直またか…。と読み終わった時の後味が悪くなってしまった。
何年も読んでみたかった作品だけに少しハードルを上げすぎたのか、構成が複雑で難しいしどんでん返しも物足りなく感じた。
Posted by ブクログ 2023年09月18日
前半は非常にテンポも良く進んで、どんどん先が気になる作品。途中から「アレ!?」という違和感と共に、その謎を気に留めながらモヤモヤと読み進めました。
伏線もしっかり書かれていて、フェアな作品かつ面白い作品でした。
Posted by ブクログ 2023年09月09日
どんでん返し。しかししっかりと伏線が散りばめられておりフェアだなと思いました。
登場人物全員が狂っている、かつ、誰が誰なのかわからなくなります。
前半めっちゃ面白くて後半の結末が少し物足りないかなという感じ。
途中で折原さんの一言みたいなのが入っており少し冷めましたw
Posted by ブクログ 2023年07月09日
この本に興味がある人は、叙述トリック、
どんでん返しを期待していると思う
騙され続けるのは快感だが,
ここまで転がされ続けるとちょっとお 腹いっぱい
総じて折原一著書の装丁が固く、
文書も固いだろうと勝手に想像し敬遠していたが
全くの逆で平易な文書で読みやすい
20年の時をかけて完成版に仕立て...続きを読む上げるといのは
熟成ウィスキーのようで高尚に感じる
この本を勧めるネタには丁度よい
Posted by ブクログ 2023年04月02日
昔読んだはずだが、内容を全く覚えていなかったので再読。この著者の作品を読む場合は人物誤認や時間誤認を気にしながら読むのが癖になっている。身構えても真相は看破はできないですが。
この作品も何となく人物の違和感を感じつつも、細かい部分の辻褄合わせまで見破れなかった。
Posted by ブクログ 2023年03月14日
久々に叙述トリック物を読んだが、やはり二度読みは必須だなと感じた
そして不思議な感覚に陥る良い作品だった
うまく作者のミスリードに引っ張られた
基本的な構成は日記調で進んでいくため読みやすい
真相が判明してからはなるほどなーという反面、安雄が少々おかしくなっていたということを鑑みてもそんなこと起...続きを読むこり得るか?(要約すると21回目を20回目と勘違いして送り逆ギレ)
自分の読みが浅いのかもしれないがご都合主義感があった
ただ前述した通り全体的に読みやすい良い作品であり二回目からは別の観点から読めるため苦にならない
Posted by ブクログ 2022年06月19日
面白かった。
が、初版当時ならもっとびっくりしたかも。
まさにタイトルの通りだった。
要所要所で作者の煽り演出もあり、かなり身構えながら読んでしまった。もっと気楽に楽しめば良かった。
ラストは丁寧な種明かしがあり良心的だが、
ロンドで踊らされて目が回った感。
しかしどこか京アニ事件が脳裏をよ...続きを読むぎり、事実は小説よりも…、と時折ゾッとした。
Posted by ブクログ 2022年05月21日
折原さんは初。
中盤から面白くなってイッキ読み。
テンポがよく読みやすい。
ラストの「どんでん返し」……。
なんとなく予想できちゃったので、衝撃度はいま一つ。初版が1989年とあるので、当時読んでいたら絶賛していたかも。
僕が叙述トリックに麻痺しているのもありますが、「やりすぎ感」が否めないです。
...続きを読むなので読後、スッキリよりモヤッとが強く、期待が大きかった分、反動で☆3。
ゴメンナサイ
Posted by ブクログ 2021年12月10日
叙述トリックものでは殿堂入り文句なし。アイラ・レヴィン「死の接吻」、筒井康隆「ロートレック荘事件」と並ぶ名品だ。
作家として生きるため、賞を狙う主人公「山本」の努力と苦闘がなんとも生々しい。終盤、「衝撃的などんでん返しが、あなたを待っています」と挑戦状ともいうべき文章が。これだけハードルを上げ...続きを読むていいのか?と身構えてページをめくったが、見事に乗り越えてきた。脱帽!