あらすじ
“原作者”と“盗作者”の緊迫する駆け引きに息を飲む。受賞間違いなしと自信を持って応募した推理小説新人賞が、何者かに盗まれてしまった! 盗作をいくら主張しても誰も信じてくれない。巧緻極まる仕掛けが全編に張り巡らされ、その謎が解き明かされていくときの衝撃、そして連続する衝撃! 叙述トリックの名手・折原一の“原点”に位置づけられる名作、改訂が加わった新装完全版。
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作品の盗作、登場人物たちの倒錯が本作の特徴であり、トリックを読み解くのにポイントとなる。主人公山本安雄は月間推理新人賞に向けて、小説を書いており、その原稿を友人の城戸に預けた。しかし城戸がそれを誤って電車内に置いてきてしまった。それを永島一郎が偶然拾ったが、当時の永島はお金に困っており、原稿を読んだ永島は、新人賞に応募したら大金を獲得できるのでは思い、白鳥翔という名で実際に応募した。ここから物語は複雑に入り組んでいく。本作は山本が盗作した人物が誰なのか、また永島(白鳥)が作品の盗作がバレないようにどう繕うのか、というところが面白い。
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始:外では寒風が吹き荒れていた。
終:今でも、命があるなんて、とても信じられないくらいだ。
叙述ものとしてこれでもかというほどの二転三転、しかもそれぞれのインパクトが強く、ページを捲る手が止まらない。
その余りの展開のせいで読んでる途中に意味がわからなくなってくる。
『箱男』にも似た構造の難解さが、良い余白を作っている。
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おすすめ度 ★★★★★
どんでん返し度 ★★★★☆
まさにどんでん返し作品で
映像不可であり、作者を見事に騙してきた最後警官の話で頭がはてな?っていっぱいになった
ほんまにまだ終わらんのちゃうか?って思うほど
物語がどんどん変わってきて読みやすくて
一気読み
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どんでん返しの名手として知られる折原一の初期の名作。山本安雄が推理小説新人賞のために書き上げた「幻の女」が別の人間に盗作されてしまい、復讐を誓う、というのが大筋のストーリー。なのだが一筋縄でいくはずもなく、叙述×メタ×パロディの要素が複雑に絡まりあって唯一無二の作品になっている。どこがどうどんでん返しになるかは最後の辺りで解説されていて分かりやすいのも良かった。「この作品は江戸川乱歩賞を受賞することで完成する」という言葉の意味が分かった気がした。
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叙述トリックの名手の異名を持つ作者の代表作。
叙述とメタ構造と作中作にパロディと色んな要素をこれでもかとぶち込んで、まさにタイトル通り「倒錯」を味わえる作品となってます。
文章は良くも悪くも平坦なのでグイグイ読むことが出来たけど、いかんせん色んな要素が入り混じって、かなりややこしくなっているので、最後の種明かしのシーンはページを行ったり来たりしてましたw
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受賞間違いなしの小説新人賞応募作品が盗まれた!
原作者は執念で盗作者を追い詰める…
折原作品初読みだったが文体がめちゃ好み!
最後の一行まで楽しめた!
ただ、倒錯しすぎて私の理解力では真相を理解しきれなかったので⭐️を一つ減らした。
続きが気になって読むのが止まらなくなり楽しめたけど、真相の部分で読後は少しもやもやも残るかな。
他の作品も読んでみたい!
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叙述トリックミステリの作品。小説の真の作者、それを盗作した男、そしてその原稿を盗んだ男。これが複雑に絡み合って殺人やら殺人未遂やらを起こしていく。どいつもこいつも頭が狂っているものの、手記に関しては一応作家としてのプライドがあるのかしっかりとしている。でも少しずつ違和感を積み重ねていってラストにバーンとネタバレさせる展開は面白かった。作家ってマジで大変なんだな…てなる。
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終盤で改めて「この本のトリックについて」問われるも全然読み解けておらず(確かにところどころ時系列に疑問を覚えることはあったが…)。笑
最後の解説と該当ページを何度も行ったり来たりしていた。
手記形式×叙述トリック×メタ要素といった組み合わせが、あまり他にはない構成に感じて面白かった。
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細かくいうと★3.7くらいの気持ち。
読みやすかったが感情移入できない分、読み返しが発生した。院長と警察の話で全体の整理できたが、それ以降はむむむ…。とにかく複雑だったという印象。
途中で別人物では?という推理ができてしまい、それをさらに覆すほどのどんでん返しはなかった。
面白かったけど前評判が良すぎて期待しすぎたかな…何も考えず、推理せずに読めばよかった。
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この本は、物語が180度変わってはまた変わりとどんでん返しの展開でおもしろかったです。
物語にある、表現の違和感や緻密な描写が全て繋がるのが流石です。
しかし、どんでん返ししすぎて逆に楽し水来店もあるようにも感じました。
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すっごいどんでん返し。
なんとなく予想はしていたけど、あくまで一部でした。
ちょっとずるいかなとも思いましたが、ちゃんと気づけるように伏線もあったので、文句は言えないですね。
個人的に衝撃は大きくないが、複数回に分けてどんでん返しがあるのは良かった。
そして何より、これが「完成版」っていうのも面白い。
以前に書かれたものと完成版とでは受け取り方とかも違いますかね。
それはそれで面白い。
やっぱり小説って読むタイミングが大事ですね。
個人的には今、完成版を読めてよかった。
迷路のような本
読んでいるうちに何が何だかわからなくなって、迷路に迷い込んだような感覚に陥り、
前のページに戻ったり、なんとかラストに辿り着いたという感じです。
疲れた。
面白いという感想に素直に辿り着けない。
少し時間が経ってからもう一度読もうかなと思うけれど、
今すぐはもう、ちょっと無理。
この本自体の感想ではないけど、
いろんな作品をもっと読みたいと思わせてくれた作品。
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著者作は『異人たちの館』に続き2冊目。
普段は1冊を1週間〜10日くらいで読むのだが、これは2日で一気読みした。
以下ネタバレ。
後半、女が殺されるあたりから、あれ???となった。山本が最初から狂ってたというのはちょっと安易な気もする。何度か読み直さないと入れ子構造を理解できないかも。
全体的には『異人たちの館』の方が好きかな。
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どんでん返し、叙述トリックという読み手をワクワクとさせる手法わとりつつ、メタ的な要素もあり、読んでいく中でだんだんわかるところと、段々よくわからないところという濁流に飲み込まれていく作品。色々と構造を複雑にしている部分や信用できない語り手を入れるところ、怒涛の解説と少しお腹いっぱいになってしまうところがある。
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叙述ミステリーランキングやブク友さんの本棚でもよく見かけるのでずっと読んでみたかった。
【自信を持って推理小説新人賞に応募しようとした作品が盗まれてしまった!そして別人の名前で同作品が受賞作に…】
自分が書いた『幻の女』が盗作されたといくら主張しても誰も信じてくれない。
ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』の「誰も自分のことを信じてくれない」というシーンと重なる。
スラスラ読めるのですぐに読み終わるけど、最後がなかなかややこしい。
頭の中で整理し直す作業が大変だけど楽しかった。
あっさりしていてコミカルにも感じる何とも言えない読後感。
エピローグで奥行きが深くなるところが良かった。
★3.5
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なるほどとは思ったけど、え!まじで?すごいっ!
みたいな感動がなかった。主人公にもその相手にも好感が持てなかったからだと思う。最初に殺された友達が1番いい人だった。最後に主人公の母親が急にサイコパスになったのはなぜでしょうか…
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ストーリーはとても面白いし読みやすく、すいすい一気読みできた。白鳥(本物)と山本の電話のあたりで違和感を感じ、「白鳥は本当に盗作していなくて山本の妄想っぽい流れだな」と気付き始め
この白鳥と永島はおそらく別人物。というところまで推理できたものの
ではどこからが山本の妄想?幻の女の本当の作者は?と少々混乱しながら読み進めた。
結末まで読んでまさかそういう時系列だったか~と驚き。
これは偶然だが、今作の前に読んだ別作者の作品も主人公が実は狂人で妄想混ざってましたオチだったので正直またか…。と読み終わった時の後味が悪くなってしまった。
何年も読んでみたかった作品だけに少しハードルを上げすぎたのか、構成が複雑で難しいしどんでん返しも物足りなく感じた。
Posted by ブクログ
前半は非常にテンポも良く進んで、どんどん先が気になる作品。途中から「アレ!?」という違和感と共に、その謎を気に留めながらモヤモヤと読み進めました。
伏線もしっかり書かれていて、フェアな作品かつ面白い作品でした。
Posted by ブクログ
どんでん返し。しかししっかりと伏線が散りばめられておりフェアだなと思いました。
登場人物全員が狂っている、かつ、誰が誰なのかわからなくなります。
前半めっちゃ面白くて後半の結末が少し物足りないかなという感じ。
途中で折原さんの一言みたいなのが入っており少し冷めましたw
Posted by ブクログ
この本に興味がある人は、叙述トリック、
どんでん返しを期待していると思う
騙され続けるのは快感だが,
ここまで転がされ続けるとちょっとお 腹いっぱい
総じて折原一著書の装丁が固く、
文書も固いだろうと勝手に想像し敬遠していたが
全くの逆で平易な文書で読みやすい
20年の時をかけて完成版に仕立て上げるといのは
熟成ウィスキーのようで高尚に感じる
この本を勧めるネタには丁度よい