折原一のレビュー一覧
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フリーライターの克哉は、六つ首村の白兼家に後継者候補として招かれる。そして彼は、三十年前に起こった連続殺人の生き残りでもあった。村には事件をもとにした作品を書いた小説家や未だに事件の考察を試みる郷土史家などが在住し、彼らにも取材を重ねながら克哉は白兼家と過去の事件の真相を暴こうとする。そして再現ドラマの撮影が控える中、新たな事件も起ころうとしていた。横溝作品のオマージュにも満ちた、楽しさ満載のミステリです。
タイトルからして分かるように、「八つ墓村」オマージュ。それ以外にも有名ミステリのネタが多く使われていて、ミステリファンには大サービスの内容。しかし本家以上にトリックてんこ盛り、仕掛けも大盛 -
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貴志祐介 先生の『クリムゾンの迷宮』を思い出させるような文調。主要登場人物は少ないわりに、たくさんの要素を詰め込んでいる。緻密に大量に蜘蛛の巣のように伏線を張る。最後の種明かしが特に見どころで、これまで少しだけ引っかかっていたような違和感が全て繋がり、(*゚Д゚)オォォ...と放心させられる。余韻もいいね。
プロット展開も見事だけど、文章自体もリズム感があってよい 。モノローグ、3人称、インタビュー記事など、いろいろな文体で工夫しており、一つ一つが良い区切りとなり、テンポよく読み進めることが出来る。それぞれの表現にも作品全体を意識したものを感じさせる。
細部から全体まで楽しめました。 -
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本を破る、という言葉に後ろめたさとともに、なんだか甘美な響きがあります。もちろん実際にそんなことはしないのですが、その行為が稀に許される本があります。『袋とじ』です。本書は結末部分が袋とじになっており、ピリピリと本を破くわけです。楽しい。
フリーのカメラマンをしている石原綾香は、十年前に同じ中学校を卒業した友人たちを取材するという企画を考えていた。偶然、連絡の途絶えていたクラスメートから電話があり、再会した友人から、一通の謎めいた手紙を届けられたことを告げられる。差出人不明の手紙には、十年前に埋めたタイムカプセルを掘りだすために集まりましょう、という内容が書かれていた。当時、現場に立ち会 -
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ということで本作は、『天井裏の散歩者 幸福荘殺人日記(1)』の続編にあたります。まずは先にそちらを読むことをおすすめします、というか、作品自体にも『先に読むように』という言葉が添えられています。続編がそれ単体でも楽しめるように作られている作品も存在しますが、すくなくともこれに関しては読んでいたほうが良い気がします。前作を読んでいることを前提の仕掛けもあるので。
一巻、二巻、両方を通して、物語の構造そのものを使った物語が好きなひとや創作者たちの悲しい鍔迫り合いが好きなひとにぜひ読んで欲しい作品で、二転三転して、物語の発端にさえ疑いを投げる必要が生じる展開は、圧巻です。 -
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ミステリー界で名の知られた小宮山泰三が住み、その名を慕って作家志望者が集まり、手塚治虫のトキワ荘のような状況になった二階建てのアパート『幸福荘』。本作はそのアパートに住むことになった作家志望者や評論家、編集者が、ひとりの美貌の少女小説家を巡って、様々な騒動を繰り広げる作品になっています。
まさに奇人、変人のオンパレードみたいな作品で、途中までは、それぞれの作品がワープロのフロッピーに入っていた、という体裁で、連作短編集の形で話が進んでいき、各エピソードも大変楽しいのですが、後半はひとつの長編として、意外な真相が浮かび上がってきます。これは盲点でした……。