以前、著者の『失踪者』を読んだら、面白くて。
そのすぐ後、本屋に行ったら、これの講談社文庫版が並んでいたので買って読んだことがある。
その時は、『失踪者』と比べたらイマイチかなーと思っていたのだが、この本、なんでも著者のマイ・ベストだとかで。
えぇー、そんなに面白かったかなぁーと、あらためて読んでみ
...続きを読むようと思ったら、とっくに絶版。
古本も、著者が「マイ・ベスト」なんて言うもんだから、猫も杓子も読んでみようと思うのか、えらく高いと。
その後の文春文庫版が出て、さらに数年。やっと古本の値段も下がったのと、久々に折原一モードになったので、読むころ合いはよしと読んでみた次第w
そんなこんなで読んだ感想は、あれ?こんな話だったっけ!?みたいなw
いや、大筋は合っていたんだけど、根本的な部分で記憶がごっちゃになっていたみたいで。
例の「お受験殺人事件」を題材にした話だと思っていたんだけど、「あれぇ、な~んか違う!?」とw
とはいうものの、「うーん。イマイチ、かなぁ…」という最初に読んだ時の印象は変わらなかったかなぁ…。
すごく凝った話になっていて、その辺は確かに面白いんだけど、悪役?犯人?敵役?がオールマイティーすぎるんだよね。
ま、物語の敵役というのは大概オールマイティーなもの、と言っちゃうなら、確かにそうなだけどさーw
でも、敵役のオールマイティーさに比べ、主人公(?)があまりに無力で。別に、そんなに入れ込んじゃうような主人公でもないwんだけど、それでも、読んでいてストレス溜まる!みたいなところがあるなーと思った。
つまりは、書く側の思い入れ=読者の面白さではない、ということなんだろう。
ただ、思い返してみても、大した展開があるわけでもないのに、約600ページを次々とめくらせちゃう不思議な面白さはあるように思った。
折原一は、最初に『失踪者』を読んだ時、すごく面白くって。
上にも書いたように、そのすぐ後にこの『異人たちの館』を読んだり、『~者』シリーズは出ると必ず読むんだけど、どれも『失踪者』を読んだ時ほどのコーフンを得られないんだよなー。
『失踪者』は、祭りのシーンも絡めたラストの緊迫感からくる興奮がよかったんだけど、折原一って、実はそういう作風ではないんだよね。
『~者』シリーズはほぼ全冊、その他も数冊(有名な『倒錯のロンド』はたぶん好みじゃないので読んでない)読んで、やっとそれに気づくって遅すぎだろ!と自分にツッコミを入れた(爆)