折原一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ翻訳家の大沢の仕事部屋からは、向かいのアパートの201号室が見える。昔、この部屋で若い女性が殺される事件があり、その死体を大沢は窓越しに見てしまったのだ。それが彼のアルコール依存症の原因となる。
その部屋はしばらく借り手がなかったが、ある日また女性が入居してきた。
実は覗きの趣味がある大沢は、しばらく我慢していた屋根裏部屋からの覗きをまた始めることになり、それに伴い、入院して治療した依存症も再発してしまう。
201号室の地方から東京へ就職で出てきた若い女性の日記に綴られる日常や彼女の母親との手紙のやり取り、変態大沢の日記、それに加えて大沢と同じ病院に入院していたコソ泥の曽根。語り手は次々と目 -
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ネタバレ【一言で評価】
折原一の作品らしく,読んでいるときのサスペンス感は抜群。しかし,オチが釣り合っていない。竜頭蛇尾というイメージの作品
【感想】
1993年に出版されたが,あまり売れず2002年に講談社文庫版が出版されたが,これもあまり売れず。2018年に本屋大賞の発掘部門で「超発掘本」となり,文春文庫で3度目の文庫化。あとがきでは,著者の折原一自らが,マイベストに挙げている作品
あとがきによると「倒錯の死角」や「倒錯のロンド」のような叙述トリックの創出に汲々とするようになっていたところで,複数の太いスト―リーを並行して書いていき,途中で混ぜ合わせ,叙述トリックはサスペンスを盛り上げる要素と