折原一のレビュー一覧

  • 倒錯のロンド 完成版
     どんでん返しの名手として知られる折原一の初期の名作。山本安雄が推理小説新人賞のために書き上げた「幻の女」が別の人間に盗作されてしまい、復讐を誓う、というのが大筋のストーリー。なのだが一筋縄でいくはずもなく、叙述×メタ×パロディの要素が複雑に絡まりあって唯一無二の作品になっている。どこがどうどんでん...続きを読む
  • 倒錯のロンド 完成版
    叙述トリックの名手の異名を持つ作者の代表作。

    叙述とメタ構造と作中作にパロディと色んな要素をこれでもかとぶち込んで、まさにタイトル通り「倒錯」を味わえる作品となってます。

    文章は良くも悪くも平坦なのでグイグイ読むことが出来たけど、いかんせん色んな要素が入り混じって、かなりややこしくなっているので...続きを読む
  • 丹波家の殺人 新装版~黒星警部シリーズ4~
    「折原一」の長篇ミステリ作品『丹波家の殺人 新装版: 黒星警部シリーズ4(『丹波家殺人事件』を改題) 』を読みました。
    『漂流者』、『グランドマンション』、『天井裏の奇術師 幸福荘殺人日記(2)』に続き、「折原一」作品です。

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    建設会社のワンマン会長「...続きを読む
  • 漂流者
    「折原一」の長篇ミステリ作品『漂流者(『セーラ号の謎 漂流者』を改題)』を読みました。

    「折原一」作品は6年ちょっと前に読んだ『七つの棺 ―密室殺人が多すぎる』以来なので、ホントに久し振りですね。

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    最後に生き残るのは誰か??密室海洋ミステリーの傑作...続きを読む
  • 倒錯のロンド 完成版
    登場人物クズしかいないな〜!!!!でもリアルなクズ加減で心が痛んだ!私もクズなので
    読み進めていくたびにどうなるんだ?という予測不能な感じと、些細な違和感を抱いていたけど、最後の院長の言葉で情緒がめちゃくちゃにされた!そういうことか!!面白い!!!!あと、途中に挟まれる筆者の言葉に何なんだろう......続きを読む
  • 異人たちの館
    倒錯のロンドに続いて折原さん2作め。仕掛けを警戒しながら読み進めるも、意外な展開に翻弄されました。折原さんだから、と仕掛けを打っているのはわかるので慎重に読み進めるとこれは誰のこと?章の最後は「…」で終えないで!先が気になる!ともやもや不気味な感じ。後半全てが紐解かれてスッキリ!登場人物が作家だと作...続きを読む
  • タイムカプセル
    タイムカプセルを埋めた10年後、不気味な案内状が届く。主人公はタイムカプセルを埋めるイベントに参加出来なかった...
    そしてメンバーは何かを隠していた。

    続きが気になって気になってしょうがなかった。気づいたらすぐに読んでしました(笑)
    怖いシーンは、追体験ができるぐらい没頭して読んじゃって、夜寝る...続きを読む
  • 倒錯のロンド 完成版

    やっぱり騙された

    騙されまい騙されまいと意識して読んでいてもしっかり騙される。
  • 倒錯のロンド 完成版
    1回目を読んで、スッキリしない部分が多かったので2回目を通読。最初の評価は「言われているほど名作か?オチも…」という他の方と似たような感想だったが、2回目で「だからこういう表現なのか!ここはダブルミーニングだ。ここはこうでないと物語が成立しない!」などと、折原さんの細やかな伏線の一つ一つに驚く。中に...続きを読む
  • 追悼者
    最後の最後まで正解が分からない… 様々な予測を全てひっくり返されるのが、なんだか楽しい。

    丸の内OLは何故殺されたのか…こんな執念深い悪意があるものなのか?と思ったけど、全ては因果応報に尽きる。
    殺される時に名前を言わなかったのは本当に分からなかったのか、それともそれを越える悪意で言わなかったのか...続きを読む
  • 愛読者 ファンレター
    作家さんが大好きになるって本好きにはごく普通にありそうな事だけど、ファンの一線を越えると、こんな感じになっちゃうよねという短編。
    短編とはいえ最後まで話は繋がっていて、覆面作家、西村香の人となりが徐々に分かってきて、それまで関わってきた登場人物も総出のワチャワチャ?
    が面白かった。

    バレそうでバレ...続きを読む
  • 天井男の奇想 倒錯のオブジェ
    最後の最後まで…え?どういう事?の連続なのに、その都度の状況は分かりやすい。それぞれの場面が分かりやすいがために、え?え?
    それが堪らなく面白かった。

    ラストの種明かし?は想像を越えてきた。
    やっぱり折原一さんはクセになります。

    天井男の言い方もなんか良かった。
  • 冤罪者
    久しぶりに折原一作品を読んだが、この狂気と拗れたプロットがクセになる。
    600頁超えの作品だが、リーダビリティはとても高く、一気に読み切れる。もはや登場人物が全員狂っているので、誰を疑えばいいのか分からなくなる。
    五十嵐の妻の正体ももちろんだが、河原が逆に監禁されていたという反転も面白い。一気に読み...続きを読む
  • 誘拐者
    大好きな「者」シリーズ。
    何を書いてもネタバレになりそうで具体的な感想が書けない。どの切り口も真実に繋がっていて…裏表紙の「ある一点をめざして急激に動きだす。」に納得。
    とにかく初めから最後まで隙なく意味ある一行一句だったように思う。
  • 冤罪者
    面白かった。

    これだけ枚数あると描写も丁寧だし状況が分かりやすい。その上2転3転4転…最後まで犯人がわからなかった。
    最後の最後まで読んで最後の一コマがカチッとハマって〜この爽快感。

    折原一さんの者シリーズ。まだ2冊しか読んでないけど大ファンとなりました。
  • 異人たちの館
    ある男の伝記を執筆する事になったゴーストライター島崎潤一目線で、一人の人間の生い立ちを探っていくというあらすじ。
    長編ながら、インタビュー形式だったり、作中作があったりと形式がコロコロ変わるので最後まで弛れることなくスイスイ読めました。もちろん内容的にもずっとどうなるのだろうとドキドキさせてくれるも...続きを読む
  • 沈黙者
    はじめての折原一さん、するする読みやすかった。

    2つの話がいい具合に絡み合って、どんどん引き込まれた。

    ラストの種明かし?が一捻りふた捻りで最後の最後まで楽しめた。

    しかし…自分の名前を明かさずに裁判、懲役、出所なんて出来るのかな?もし出来たら前科なしで社会復帰?この発想がすごいと思った。
  • 倒錯の死角 201号室の女
    プロットがかなり緻密。まさに折原マジック。まんまと騙されたが、これは気づけん。
    そしてこの"繰り返される"っていう構成も面白いし、本書の雰囲気も好き。


    ↓トリックを少し整理

    真弓がアパートに入居し、高野と不倫。大沢は真弓の写真を撮り、脅迫。
    真弓は日記を記している。
    その後高野が真弓を殺し、大...続きを読む
  • 倒錯の死角 201号室の女
    折原マジック!
    素直に騙されましたー!
    きちんと種明かししてくれるのも嬉しい。
    その種明かしも意外な人物に語らせる(そして折原さんを感じさせる)のも面白い。
    そしてオチの不気味さ。ぞくっとしますねー!
  • 螺旋館の奇想
    折原一さんの作品ってどれも同じような感じなんですけど、それなのにどれも面白いので不思議。折原作品、改めて全制覇したくなりました。