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「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。騒音問題、ストーカー、詐欺、空き巣――次々に住人が引き起こすトラブル。そして、最後に待ち受けていた大どんでん返しとは……。希代の名手が贈る必読の傑作ミステリー連作集。
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Posted by ブクログ
〈都会に住んでいると、両隣りの住人の顔を知らないことも珍しくない。まったく無関心だから、極端な話、凶悪な殺人者が潜んでいても不思議ではないのだ。だが、本当にやばい人間、例えば暴力団員のような人が住んでいたら、関わりを持つことでこっちに危害が及ぶおそれもある。〉 というわけで、本作はマンションが舞...続きを読む台。しかもこのトラブルに住む人間は曲者揃い。トラブルも頻発しているみたいで……。家族ほど密接ではないのに、同じ建物で暮らす身近で謎めいた存在、隣人。隠された住人の素顔が剝がされるたびに、異様な真実が浮かび上がっていき――。 連作ミステリとして、それぞれの短篇もとても面白いのですが、ラストにいたって物語全体を貫く強烈な真相もインパクト大でした。人間がどれだけ先入観を持って文章を読んでいるのか、思い込みを試される一冊になっています。折原作品はひとつが気に入れば、おそらく他の作品も気に入るだろう、と思うので、併せて、『天井裏の散歩者 幸福荘殺人日記(1)』『天井裏の奇術師 幸福荘殺人日記(2)』などもおすすめです。ちなみに現時点の個人的ベスト3は、『冤罪者』『沈黙の教室』『異人たちの館』ですので、良かったらこちらも。
ブレない人だなと思う。デビュー作以来殆どの作品を読んでいると思うのだが、叙述トリックを書き続けるということで一貫している。これだけ続けているとネタが尽きそうなものだけれど、本作を読むと、ますますさえわたっているという印象を受ける。建物を使ったトリックは筆者がよく使うパターンだと思うのだが、発想が変わ...続きを読むっていて新しさがある。もっと有名になってもおかしくない人だと思うのだけれど。
☆3.8 グランドマンション一番館には様々な人が住んでいる。 そこではトラブルが起こることもままあって…… 流石、折原一。 こういうことかなと考えながら読んでも、いつでも予想の上を軽々と行ってくれるので、こちらとしても気持ちよく騙される。 登場人物たちは、ちょっとこの人近所にいたらイヤ〜!と...続きを読むなる人もいて、その微妙に遠ざけたくなる気持ちもわかっちゃう。 絶妙な人間関係。 最初の一編「音の正体」を読んで、うん、そういう感じねとウムウム頷く。 そういうの、好きよ。 「善意の第三者」がとても良い衝撃でした。 「リセット」と「エピローグ」が連載を単行本化した際に書き下ろしたというだけあって、それまでに起きたことや出てきた人物たちが関係してくる。 このまとめ方もなんだか豪華に見えて、『グランドマンション』ってタイトルにふさわしい感じがした。
思っていたよりどんでん返し多め。 グランドマンションというタイトルだけあって 登場人物は多いけれど、そんなに読みづらさは感じなかった。文章が自分に合っていたのかもしれない。 ページ数は文庫にしては多めだけれど 3時間ほどで読み終えた。
「折原一」のミステリ連作集『グランドマンション』を読みました。 『漂流者』に続き、「折原一」作品です。 -----story------------- 「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと...続きを読む、アクの強い人たちが住んでいる。 騒音問題、ストーカー、詐欺、空き巣──次々に住人が引き起こすトラブル。 そして、最後に待ち受けていた大どんでん返しとは……。 希代の名手が贈る必読の傑作ミステリー連作集。 ----------------------- 隣人問題、騒音問題、虐待、不法侵入、年金不正受給、振り込め詐欺、火事…… アクの強い住人たちが、これでもかとばかり次々に問題を引き起こす「グランドマンション一番館」を舞台にしたミステリ連作集、、、 奇想と騙りが炸裂する、不可解で愉快なグランドマンション… 叙述トリックの連続で、何が起きるかわからないドキドキ感が愉しめる作品でした。 ■音の正体 ■304号室の女 ■善意の第三者 ■時の穴 ■懐かしい声 ■心の旅路 ■リセット ■エピローグ ■解説 杉江松恋 202号室に住む騒音に敏感な「沢村英明」は、真上の302号室に住む子どもの足音や赤ん坊の泣き声等の騒音に悩んでいた… 「沢村」の我慢は限界に達し、育児放棄や虐待を繰り返しているらしい母親に苦情を、、、 その後、子どもの生活感が全く感じられなくなり、子どもたちは母親の手で殺められたのでは!? という疑惑が「沢村」の頭に浮かぶ… 被害者かと思った人物が、実は加害者だったという、どんでん返しが愉しめる『音の正体』。 303号室の「松島有香」は、グランドマンション二番館の販売事務所に勤めており、所長の「大田原浩平」と二人で事務所をやりくりしていた… ある日、「牧野麻子」と、その婚約者「杉崎大介」が事務所を訪ねてきて304号室を成約、、、 その後、「有香」は、鍵の紛失、携帯の紛失、さらに、不審な電話と不穏な出来事が続き、そして、「麻子」が「大介」と「有香」の不倫を疑い、ある罠を仕掛けてくる… 「麻子」や「大田原」の住居について、意外な結末が愉しめる『304号室の女』。 206号室の「高田英司」は、高齢の母親「筆子」と暮らしていた… 彼は民生委員をやっていて、305号室に住む「久保田綾香」に想いを寄せていたが、ある日偶然、「綾香」の婚約者「立川茂樹」の浮気現場を発見し、その事実を善意の第三者と名乗り、手紙と証拠写真で「綾香」に知らせる、、、 さらに正義感の強い「高田」は、「綾香」の祖母「ミヨ」の年金不正受給を暴こうと、ある行動を起こすが、それによりある事実を知ることに… 叙述トリックを使って、30年の時間軸の差を巧く使った『善意の第三者』。 203号室の「瀬沼富男」は無職で家賃滞納中、ミステリマニアで多数のミステリ稀覯本を持っている「瀬沼」は204号室の老人「佐久田芳子」が多額のタンス預金をしていることを知り、ミステリ作品の密室犯罪を参考にしながら「佐久田」の金を奪うことを計画する… しかし、「瀬沼」は犯行を実行する前に自室で殺され、しかも、そこは完璧な「密室」であった、、、 「瀬沼」は殺される直前、警察に電話して犯人は管理人だと告げていたが、管理人にはアリバイがあった… 密室を扱うという本格ミステリのパロディっぽさが愉しめる『時の穴』。 105号室の「多賀稲子」がオレオレ詐欺で500万円を騙し取られ、続いて106室の「塩崎俊夫」が200万円を騙し取られ、301号室の「塚本ハル」のところにもオレオレ詐欺らしい電話があるが、「塚本ハル」は騙されず、逆に犯人を出し抜こうとする… 民生委員の「高田」は104号室の「岡安亮太」が怪しいと疑う、、、 意外な人物が犯人でしたね… 被害者かと思った人物が加害者だったという叙述トリックを愉しめる『懐かしい声』。 103号室の「武藤留子」は、突然、部屋を訪れた男を思わず殴ってしまった… その男は救急車へと運ばれていくが、その後、「留子」は男が落としたであろう鞄を拾い、鞄の中に入っていた手帳に書かれていた、ある少女の壮絶な日記を読むことになる、、、 叙述トリックを使って時間軸を錯覚させることで、謎めいた物語りに仕上げてある『心の旅路』。 105号室の「多賀稲子」は、窓のカーテンを開けると戦慄が走った… なんと、目の前にあったはずの「グランドマンション2番館」が消えてなくなっていたのだ、、、 「稲子」は痴呆が始まっており、他の住民と話がかみ合わない… そんな中、民生委員の「高田」が年金の不正受給で逮捕され、106号室の「塩崎」も事故に遭う。 「グランドマンション1番館」と「2番館」を誤認させるトリックと、管理人を誤認させるトリックの、二つの叙述トリックを愉しめる『リセット』。 『エピローグ』は、放火で焼失し、新しくなったグランドマンション1番館を売りに出している「大田原浩平」と「松嶋有香」の後日譚ですかね。 8つの物語の連作となっているのですが… 印象に残ったのベスト3は『音の正体』と『304号室の女』、『懐かしい声』かな、、、 そして、『時の穴』が次点かな… サクッと読めて、叙述トリックを堪能できる一冊でした。
初めての一っちゃん( ´ ▽ ` )ノ 何の前知識もなかったから無心に楽しめた( ´ ▽ ` )ノ 本格ミステリの人と知ってたら、むしろ敬遠してたかも……ああいう、人間が記号化してるような小説は苦手だから……(´ε`;)ウーン… あんまりミステリに詳しくない人間でも容易に先が読める展開で、...続きを読むとにかくスラッスラ読める( ´ ▽ ` )ノ 遅読の自分でも3~4時間で読めちゃった( ´ ▽ ` )ノ 社会問題や現代人の心の闇も描いてはいるけど、それはあくまで薬味ていど。(むかし学習雑誌の別冊ふろくによくあった)推理クイズブックというか、さまざまなトリックの それこそモデルルームみたいな連作短編集( ´ ▽ ` )ノ 肩がこらず、どこでも区切れて、出張新幹線のおともなんかに最適な一冊( ´ ▽ ` )ノ まあ、あの人とこの人、よくおなじマンションに住めるもんだなとか、こんなに犯罪が連発してたら完全に大島てる物件じゃないかとか、無理や不自然やご都合主義のオンパレードではあるけれど、こういうもんだと割り切っちゃえばどってことない( ´ ▽ ` )ノ マッコイの解説、ひょっとしたらふれないままで終わっちゃうのかとハラハラしたけど最後の最後でちゃんと「グランドホテル」の名前があげられていてホッとした( ´ ▽ ` )ノ 「グランドマンション」ってタイトルだもの、みんな「こういう形式」の作品を期待して本書を手に取るよね( ´ ▽ ` )ノ 2019/11/25
「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。騒音問題、ストーカー、詐欺、空き巣―次々に住人が引き起こすトラブル。そして、最後に待ち受けていた大どんでん返しとは…。
この人の作品を読むのはこれが初めてです。 どんな話を書く人なのかなどの前知識なしに読んだので、最初は油断してぼ~~っと気楽に読み始めてしまったんですが、そうすると時系列や整合性がこんがらがってしまって、あ、これは心して読もうと、途中で姿勢を正して一気に読みました。 うまいこと出来てるなと感心しきり。...続きを読む ゾワっとしてむむーっと唸ってハっと気付いてまたハテナ?となって…と、振り回されるのを楽しめた1冊でした。 連作小説であり長編小説です。
グランドマンションの住民たちの連作短編ミステリー。叙述トリックが効いてて私は結構好きな部類(*^^*)。それぞれのストーリーにぴりっと仕掛けが効いてて最後までワクワクして読み進め、ラストにそういうことだったのかー、と楽しく読めた。
「グランドマンション一番館」でおきる不思議の数々。 まぁ、一番館っていうのがミソだよねって思っていたら…。 でも、この住人がなかなか手ごわいのである。 つか、マンションって普通、似たような家庭や収入の人が住んでないの? って思うのは、私が田舎にいるからな…。 話がぐるぐるして、なん...続きを読むだかんだと着地するのが面白かった。 うん。 人生って、ある意味同じところをぐるぐるしているメリーゴーランドみたいなもんだもんね。 不思議と読後がほんわかしたのである。 全く、ほんわか要素なかったんだけどな。 なぜ??
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