【感想・ネタバレ】六つ首村のレビュー

あらすじ

フリーライター・笹村克哉のもとに、義理の姉と名乗る女がやってきた。笹村は北関東の奥地に佇む「六つ首村」の名家・白兼家の後継者候補であり、30年前の連続殺人事件を生き延びた張本人だという。村を訪れた笹村は白兼家の秘密を探りはじめる。一方、並行して恐るべき殺人計画が……。連続殺人事件の再現ドラマをめぐって、さまざまな人間たちの思惑が絡み合い――。奇才・折原一が横溝正史に捧ぐ、渾身のダーク・サスペンス。

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Posted by ブクログ

 福島県と栃木県の県境にある通称〈六つ首村〉。その村ではかつて、七人が殺害される陰惨な事件が起こった。その事件を材に採った小説『六地蔵連続殺人事件』は大ヒットし、映画化もされ話題になったが、いまでは事件もその小説も忘れ去られつつある。自身の出生の秘密を知ったフリーライターの笹村克哉は、六つ首村へと向かうことになり――。

 ということで、折原一さんの最新作は一冊で長編3、4作分はある、一度入ったらそう簡単には抜け出せない大迷宮。かつて大事件が起こった寒村に、事件の当事者と関係のある人間が踏み入れた時、さらなる惨劇が生まれる、というあらすじだけでわくわくしてしまう内容です。様々な作中作が差し込まれ、様々な視点が入り乱れる、という複雑な構成をしつつも、読む手が止まらず、意外な方向へと着地する。最後までどう転ぶか分からない、そんな意外性のある展開がいつも魅力的な著者の作品の中でも、すごく好きな作品でした。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フリーライター笹村克哉の元に義理の姉と名乗る女性がやってきた。克哉は六つ首村の名家・白兼家の後継者候補で、30年前に起きた「六つ首村連続殺人事件」を生き延びた張本人だと言う。六つ首村についた克哉は事件と白兼家の秘密を探り始め、連続殺人事件の再現ドラマを巡り様々な思惑が絡み合う。

折原一さんらしく複雑に絡み合う人間関係や事件が面白い。油断しないように色々気をつけなが読んでも、やっぱり分からない。雰囲気も良い感じで良い作品。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

横溝正史を思わせる古めかしいミステリーをご堪能あれ! 粘り気のある人間関係が魅力な作品 #六つ首村

■あらすじ
身内の不幸つづきで苦心しているフリーライターの笹村克哉、ある日彼に名家、白兼家の後継者の打診を受ける。白兼家は六つ首村の名門であるが、かつて連続殺人事件が起こった家でもあった。六つ首村を訪れた笹村は、白兼家の交流を深めながら後継者になるか考えるも、村の秘密が浮き彫りになり…

■きっと読みたくなるレビュー
八つ墓村と津山事件(津山三十人殺し)をモチーフにしたミステリー。おどろおどろしい雰囲気はありませんので、ご安心ください。昔ながらの由緒ある名家が舞台になっていて、粘り気のある人間関係が魅力の作品です。

本作は三人称で進行しますが、さらに作中作や警察官の日誌など、様々な文章が入り乱れる小説です。しっかり読まないと筋を追うのが大変なので、ぜひじっくりと時間を取って読んでくださいね。

一番の魅力はやっぱり「古めかしさ」ですよね~。もちろん良い意味で言ってます、横溝正史の映画を観た時に感じた不気味さと同じ。古い映画って、なんであんなにも怖いんですかね。子どもの頃にガチで震えあがった記憶があります。

色恋のアプローチも、透明感が全くなくって、ひたすらにバタ臭くって品がないのよ。昭和を思わせる表現が懐かしくって、こんなんだったよなーと思わずにはいられません。

さて本作は、フリーライターの笹村がかつて連続殺人事件が起こった名家に関わっていく物語。怪しげな白兼家との交流を深める一方、過去の事件に何があったのか少しずつ浮き彫りされていく…という筋立て。

過去の連続殺人事件の犯人、現当主夢男の秘密、殺人計画など様々な謎が押し寄せる。その中でも私にとっては連続殺人事件が起きた理由、動機ってのが衝撃的でした。

そして密室、双子、瞬間移動、ミステリー好きにはたまらないキーワードが満載なんすよ。何がどうなるのかわかんないっていう、何でもあり感がイイ!

物語の終盤に恐るべき計画が進行するのですが… いつもこういった犯罪の背景にある人間を見ていると、胸にポッカリ穴があいたような気分になるんすよ。どうすれば救ってあげられるんでしょうね。

■ぜっさん推しポイント
義姉の美奈、妹の亜衣、斗和子、沙良。本作は女性キャラも人間臭くて好きなんですよねー

艶めかしかったり、ずる賢こかったり、そうかと思えば無邪気で素直だったり… 本作はコテコテの男臭い物語だとは思うんですが、背後には女性への慈しさを感じるんですよね。

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2025年12月07日

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