あらすじ
埼玉県久喜市で新年早々、老夫婦とその長男夫妻の4人が惨殺された。10日後、再び市内で別の老夫婦の変死体が発見される。一方、池袋で万引きと傷害で逮捕された男の裁判が進められているが、男が黙秘を貫いたために、彼の名は一切明かされない。埼玉の事件と男の裁判、ふたつの流れが重なった末に展開する驚愕のストーリー。 叙述トリックの最高峰「――者」シリーズでしか味わえない“脳髄をかき回される快感”に酔うべし!
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はじめての折原一さん、するする読みやすかった。
2つの話がいい具合に絡み合って、どんどん引き込まれた。
ラストの種明かし?が一捻りふた捻りで最後の最後まで楽しめた。
しかし…自分の名前を明かさずに裁判、懲役、出所なんて出来るのかな?もし出来たら前科なしで社会復帰?この発想がすごいと思った。
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叙述テクニック(トリック)炸裂の一冊。
6人家族の内、孫である女子一人だけが生き残るがもう一人男子が失踪。
その一人が事件に関与していると見られるが・・・。
最後50ページほどは集中して読まないと頭が混乱してしまいます。
この作品は天井男の奇想より明らかに理解しやすいです。
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はやく犯人を知りたい一心で読み進めました。
読み終わったあとには、あぁ〜そうだったのかぁと感嘆させられる仕掛けが満載です。
結果を知ると、折原さんの頭の良さを垣間見れるというかなんというか、私なんかじゃ到底考えつかないトリックだなぁと思いました。
この犯人がわかったら本当にすごいなぁと思います。色々考えたんですが、私は全くの大外れでした?
でも、年明け早々良質ミステリーを発見できて満足です(笑)
また実際の事件や判例を参考にしているらしく、そういうのが好きな人には是非オススメしたいと思います。
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絶対に面白い。最後まで読んでも、あれ??ともう一度、復習するように、読み返して・・ああ。そうなんだ。あぁ、なるほどぉ。折原さんの作品は、そこが楽しい。最後の佐野洋さんの解説と、さらには、それに答える折原さんの手紙が載っているが。それも、興味深い。事実は小説より奇なり・・って、確かに。2007.6
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同じ町で同じ人物が第一発見者となる殺人事件が起きる。
片方の殺人事件で奇跡的に一人生き残った娘と、第一発見者が犯人探しを…
それに絡んで、万引きした少年が名前を言わなかったせいで実刑を受けることに。
二つの殺人事件につながりはあるのか。
万引き犯の正体は…
ラストに明かされる殺人事件の犯人と投獄された万引き犯のつながりに驚愕。
さすが折原一とうならせる作品。
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叙述トリックだと分かってはいても見事に騙され、最後まで息をつく暇がなかった。しかし、現実に照らして考えると無理がある場面が幾つか見られた。読書メーターの他の方が述べているように、沈黙者が名前を頑なに拒む動機が弱すぎる。そして、姉が留置所を訪ねた際に看守なり警察なりに自分の弟だと告げれば、彼は沈黙者から開放され、長い刑期を迎えることにならず、ひいては殺しを犯すこともなかったのではないか。
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叙述トリックの名手、折原一の長編ミステリー。「━者」シリーズの中の一冊。
このシリーズ、以前に「冤罪者」を読んでいて、なかなか良かったので今回も期待して読み始めた。
一家四人の惨殺事件に始まり、その後、発見される別の老夫婦の他殺体。一方、池袋で万引きで逮捕された男が、自分の名前も明かさないまま裁判が進められる。この沈黙者は何者なのか。二つの殺人事件と沈黙者の関係は・・・?
読み始めてからグングン引き込まれた。謎の提示、様々な視点で語られる文章など、退屈させない進行でどんどんページが進んだ。「私」とは誰なのか?「沈黙者」はなぜ名前も住所も明かさないのか・・・?こんな謎を提示されたら、そりゃ睡眠時間を削ってでも読むのがミステリー好きの性だよな。
読み進めて半分を超えた辺りかな、ふと思ったんだが、もしかして殺人事件と沈黙者の時間軸はズレて描写されてるんじゃないか?結果的にこの予想は当たってたんだけど、細々した理由なんかは解るわけもなく、最後まで一気呵成に読破。
よく出来てる小説だと思う。
ただ、自分的にマイナス点も・・・。
・沈黙者が名前を明かさなかった理由が少し弱いように思う。
・2件の殺人事件の動機にしても、微妙・・・。
・犯人逮捕が、いささか唐突なきがする。
まぁ、ミステリーの分類でいくと本格でも社会派でもないし、この辺りは許容範囲になると思う。叙述トリックとしては上々の出来栄えの小説であることに間違いはないな。
背表紙~
埼玉県久喜市で新年早々、元校長の老夫婦とその長男夫妻の四人が惨殺された。十日後、再び同市内で老夫婦の変死体が発見される。そして一方、池袋で万引きと障害で逮捕された男が、自分の名前を一切明かさぬままに裁判が進められる、という奇妙な事件が語られていく、この男は何者か?巧緻を極める折原ミステリーの最高峰。
う~ん、最高峰ってのは褒めすぎじゃないかな。他にも面白い小説をたくさん書いてるし・・・。
「あとがき」にも書かれてるんだけど、作者は、いわゆるB級と呼ばれる事件が好きで、それをヒントに小説を書くことがあるそうだ。「冤罪者」と同じく本書にもモデルとなった事件があるそうだ。
☆4個
「━者」シリーズ、全作品を読破しようかな・・・。
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折原一「沈黙者」
ルポルタージュ形式で書かれた部分が合間に入って混乱を誘う、折原一お得意の感じ。「冤罪者」と比べテーマがわかりやすく一貫していて、すっきりと読みやすかった。
ミステリーだって、犯人を推理する以前にストーリーとして面白くなければならないと思うので、そういう意味では〇〇者シリーズでは今のところ一番面白かった気がします。
まだあと1タイトル残っているので、楽しみです。
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折原一さん。私が大学入っていろいろなミステリー読んでる時に出会いはまってしまった作家さんです♪
彼の本は本気で犯人がわからない!!私だけかもやけど・・・苦笑
これは2つの話が同時進行してて・・・と思いきや!!そうやったんや!!!っていう。最後のどんでん返しがいっつも好きです☆
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2つの一家惨殺事件と万引き犯として捕まり沈黙する少年。文章の構成からすればなんとなくトリックはわかってしまうね(笑)しかし物語自体は面白いから良かった(笑)
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折原氏の作品は今回が初。ミステリーだと思わずに読んでみた。全体を通してちょっと退屈してしまう。だいたい途中で止めてしまうんですが、この作品、なぜか最後までしっかりと読み終えたんです。不思議な余韻が残りました
Posted by ブクログ
2007/7/10〜7/15。万引きからの障害致傷でつかまった犯人が名前を名乗るのを拒否したことで行われる裁判と、2家族で起こった連続殺人事件をからませた内容。どのように締めをするのか?と思っていたら... なるほど、折原氏らしい結末でした。内容を書くわけにはいかないが、折原氏の作品を読むときにはいつも注意深く読まないといけない、誰の目線か?という部分にいつも以上に注意しないといけない作品であった。
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沈黙者が誰かって言うのは最初の方に伏線があるんだけど、でも家族構成と時間が、結末を分かりづらくしてる。
気付けば昨日今日の数時間で読み終わってた。
うーん。面白かった。
冒頭にこの前読んだばかりの「歯と爪」が引用されていて、私にとってはタイムリーで良かった。
それに初の作家さんなのに、読みづらさがなかったのも良い。
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タイトルを見た時に少し前に騒がれていた「本名を明かさないまま判決の下った裁判」のことを思い出しておりましたら、やはり、それがベースとなっておりました。
うっすらと感じるものがあります。
読み応え、ありますよー^^
Posted by ブクログ
沈黙者が誰なのか考えながら読んでいたけど、最後まで読んでみて「なるほど!そういうことねー」と声が出た。
折原さんの作品なので、どんな叙述トリックがあるかと覚悟しながら読んでいたけど今作はあまりびっくりする展開ではなかったかなあ?
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沈黙者が一体何者なのかと想像しながらよみすすめていく。どうしてそうなるのかと納得出来ずに読み終えていく。しかし、犯罪とは誰もが納得出来なくても起きるものだ。
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比較的軽い罪で逮捕された男は、なぜ頑なに素性を隠すのか?
同時進行していく一家惨殺事件との関連はあるのか?
物語は事件をノンフィクション作家が取材しているといった形で進行しているので、作家自身の視点もあり、インタビュー相手の視点の場合もあり、そのときどきによって視点が変わっていく。
折原さんの物語ということで伏線や仕掛けがあることを承知しながら読み進んだ。
終盤まで読者を振り回す筆致力といい、展開の妙といい、物語に引き込まれていった。
だからこそ思う。
「これが動機?」と。
意外な結末を期待していたが、まさかこんな残念なものだったとは。
あまりに弱すぎる動機に到底納得できず、表向きはこの動機になっているけれど本当は別の意味が隠されているのでは?などと思ってしまった。
より折原さんらしい物語を読みたくなる・・・そんな一冊だった。
Posted by ブクログ
冒頭にバリンジャーの「歯と爪」からの引用が掲げられている。折原一の作品ということもあって,叙述トリックを駆使した作品であろうことは想像に難くない。
内容は,五十嵐友也というノンフィクション作家による作品という想定。五十嵐友也の視点,アルバイトの新聞配達員の視点,万引き現場から捜査中,取り調べ,裁判から刑に服するまで,氏名を名乗らなかった「沈黙者」についての描写,殺人者の視点といった視点から描かれている。
校長先生の家である「田沼家」で,一家のうち4人が惨殺される事件,同じ町内で起こった「吉岡家」の夫婦惨殺事件という二つの事件が描かれる。二つの事件の描写と,田沼家の生き残りである田沼ありさと立花洋輔による捜査が描かれ,その最中に名前を名乗らない万引き犯である「沈黙者」についての話が描かれる。
終盤に一気に真相が明らかになる。真相は,沈黙者は,田沼家で行方不明になっていた「ありさ」の弟ではなく,「ありさ」の父の田沼繁だった。田沼家事件と吉岡家事件の間に挟むことで時制を混乱させるが,実際は二つの殺人事件より遥か昔の事件という時制を誤認させる叙述トリックが使われている。
そして,吉岡家惨殺事件の犯人は,田沼繁だった。田沼繁が,かつて,自分の捜査をした警察官だった吉岡に復讐をし,吉岡家の長男である吉岡弘が,その復讐として田沼家を惨殺したのだ。田沼繁が,懲役6年の実刑を受けてまで,氏名を明らかにしなかったのは,自分の祖母に辛い思いをさせないためだった。
折原一が実際に裁判を傍聴し,知った氏名を黙秘した男の事件をベースに描かれた小説とのことだが,田沼繁が,氏名について沈黙を守った動機が,おばあちゃんのためというもので,イマイチ腑に落ちない。二つの惨殺事件の真相が犯人が別々でそれぞれが復讐だったというのは,衝撃的ではある。ただ,やや動機が弱いという気もしてしまう…。読んでいる途中は,どういった真相なんだ?とワクワクしたが,オチが途中の盛り上がりほどではなかった。折原一の作品はこういう傾向が強い。駄作ではないし,★3かな。
Posted by ブクログ
ニ家族惨殺事件と、決して名を名乗らない万引き犯の話が同時進行する。せっかく面白い内容なのに無駄に長くしすぎた気がする。中だるみが過ぎて真相にたどり着いた時には退屈してしまっていた。残念。
Posted by ブクログ
冒頭から引き込まれる内容で、
あっという間に読み終えてしまいました。
実は途中から
「なんかこれ、前にも読んだ気が...」と気づき、
中盤になり
「やっぱり読んでるわ...」となり、
ちょっと気持ちがペースダウンしたのですが、
幸いにも(?)ラストを全然おぼえてなかったので
そのまま突っ走りました。。
2度目なのにとっても意外なラストでした。
沈黙を守った理由が
あまりに平凡というか、なんのひねりもなかったことが
ちょっと残念。
でもぐいぐい引っ張っていく力、読ませる力はすごいです。
Posted by ブクログ
本当に久しぶりに折原氏の作品を読む。倒錯のロンド以来かも・・。叙述物なので、つい最後が知りたく、読み進めてしまう。途中、沈黙者にいらいらしつつ、最後まで読ませるリーダビリティはさすが。最後は別段のサプライズを感じなかった。ストーリーはつながったが、沈黙の理由がコレ?懲役を食らう理由として、弱くない?という感じ。