北方謙三のレビュー一覧

  • 絶海にあらず(下)

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    瀬戸内の海賊となって乱をおこした藤原純友の事蹟を描く。
    同時期に乱を起こした平将門に比してやや知名度はおちるが、当時の政治の中心の藤原一門からなぜ、反乱がと不思議に思っていた。
    著者は、純友をものに捕われない自由な心の持ち主として、その勇躍する姿を描いている。同著者の「破軍の星」では、清冽なる天皇中心の人民国家のあり方を主人公は追い求めていたが、本作品では、海の自由を求めて純友は戦っている。高麗などとの海外の交易を独占しようとして、海に生きる民を抑圧する藤原宗家との壮大な戦いに挑む藤原純友の勇姿には胸躍らされた、痛快な物語である。
    本作品のエピローグでは、戦い終えた「純友」は、海上の貿易商人と

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    2011年04月07日
  • 絶海にあらず(上)

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    中央集権を進める藤原政権に対し、土地に縛られずに生きる海の民の生きる様を描いた作品。おもしろかった。海賊だけでなく、山賊も出てきて、政治の表舞台に登場しない少数民をよく描けていた。世界とつながる海の民のあり方、貿易のもたらす富のあり方についての中央集権政府と藤原純友の考え方の違いや、平将門の叛乱と藤原純友のそれとの違いなど、よく研究されていて厚みがあった。
    ところどころに、「男なら!」という無茶苦茶論理が出てくるのは、まあ、北方謙三氏だからしかたないか。その部分は、あんまり物語とは関係なかったので、そんなに気にならずに、海賊の物語を楽しめた。

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    2011年03月05日
  • 草莽枯れ行く

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    幕末,幕府にも薩長の官軍にも属さない関東草莽の志士達が日本を変えて行く流れを作ろうとしていた。それが相良総三,後の赤報隊の総長である。本書では,そこに清水の次郎長が登場し,やくざという,政治的なことではなく,仁義にのみ生き・死ぬという達観した観点から幕末の動乱を見つめている。総三は官軍に先駆け,東山道の先方隊として江戸城を目指すが,幕末動乱の中,巨大な陰謀の中に沈んでゆく。このような血と死が万々累々と重なり,維新が進んでいったのだろう。これ一つを取って善悪を判断すると,総三を葬ったことは当然”悪”となるが,明治維新の中で,総三は無駄な死であったのかといえばそうではなく,それもこれも含めて近代が

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    2011年02月03日
  • 草莽枯れ行く

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    作中土方度は2ってところでしょうか(何この表現)
    でもチラチラしか出ないのに妙に格好良いんです。なんかこう"振り返ったら奴がいる"的な登場がやたら多かったような。この土方さん超ハードボイルドなんで、格好良いけどリアルに振り返って後ろにいたら「ひぃ!殺さんで!」って条件反射で言っちゃいそうです。
    北方さんきっと土方歳三好きなんでしょうねー。…名前も似ているし。

    相楽総三はるろうに剣心で、次郎長の親分はさくらももこのエッセイでいずれもチラッとだけ知っていたんですが、ああこんな人達だったのかと興味深かった。幕末のヤクザさんの動向ってのも中々面白いもので。

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    2010年11月20日
  • 破軍の星

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     以前に読んだことを忘れて再読(以前の感想は下記)

     主人公である北畠顕家に興味を持ったのは、大河ドラマ「太平記」だろう。あまり戦闘シーンは描かれなかったが、女優が演じたこともあり印象に残った。そして先日東北に旅行したこともあり、妙に気になるようになった。もともと北方謙三の文章は好きだったので、ちょっとした息抜きのつもりで手に取った。

     年若い主人公の活躍は爽快だった。また戦いとは何か、国とは何か、武士とは何かという問いかけが繰り返され、それは普遍性を持つ力強いものに感じられた。いくさになると、完全に無双になってしまう強さが、時に不自然に感じさせられるほどでもあり、いろんな点で理想化されす

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    2026年07月05日
  • 夜が傷つけた

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    2010年09月 02/72
    未体験だった北方さんの普通のハードボイルド作品。
    それなりに楽しめたが、前作からの続きであった模様。
    雰囲気はいいですよね。酔います。
    でもやはり歴史物だ。

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    2010年09月10日
  • 絶海にあらず(上)

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    900年ごろ。藤原純友の話。藤原北家の出であるが,生母の身分が低く,自由奔放に育った純友だが,自分の一族の氏の長者であり時の摂政である藤原忠平が海上の交易の自由を奪うやり方に納得がいかず,海の開放を目指し戦う物語。忠平も決して私利私欲に走るのではなく,あくまでも自分の一族が政治をとり仕切り,日本を磐石にしようと志していたようで,忠平,純友のどちらもある意味正しいと言える。伊予に伊予丞という官職に就いた純友は海に自分の生きる道を見出し,近郊の水師達と交わり,やがて九州の水師たちとも交流が出来き,水師の親分のような存在にまでなる事になる。水師は,忠平の命により海上が自由に通行できないことに腹を立て

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    2010年08月11日
  • 替天行道/北方水滸伝読本

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    【~小説とは何かと考えると、小説はだれもがわからなければいけない、中学生が読んでもわからなければいけない、中学生が読んでも面白いと思わなければいけない。でも、どこかに誰にもわからない部分がある。それが小説、物語なんだ~】

    いろいろな作家の批評、連載中の各メディアに載せた本人のメッセージなど。後日談的なものも。
    ひどくいうことはないけどちょっと偏ってるかな。
    登場人物ひとりひとりの紹介は良かった。
    やっぱり北方水滸伝にはまったのは、ストーリーがマンネリにならないところは大きい。これだけ長いのに同じような話になってない!

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    2010年06月10日
  • 絶海にあらず(上)

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    平安時代の藤原純友が主人公です。
    史実では平将門と同時期に反乱をしたとなっていますが、
    この作品では、特に連携して乱を起こしたという説は取っていないです。
    平安時代末期の時代背景が分かって面白かったです。

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    2010年04月30日
  • 杖下に死す

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    2009年05月 4/42

    大塩平八郎と格之介の乱の話。
    決意後の格之介の姿が神々しくも痛々しく、せつなさがとまりません。
    大きな渦の流れに抗う個人の姿を描くことが多い北方小説。
    その中でも、それを主人公が第三者的に見ているという設定のため、いつも以上に主人公の視点が読者視点に近く、距離感があるが故の感情移入のしやすさを感じた。

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    2009年10月07日
  • 絶海にあらず(上)

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    2009年05月 1/39

    藤原純友の話。
    太宰府が出てくるので妙な親近感が沸いた。
    己が住む場所、生活が具体的に書いてあるのでとてもイメージしやすい。
    生活に根付いた小さな世界と朝廷などの大きな世界の関係性が描かれていておもしろい。

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    2009年10月07日
  • 灼光 神尾シリーズ2

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    アフリカでした。
    最初ッから最後まで・・・
    解説にもあるように、横浜で腰を落ち着けるんじゃなかったのか神尾!
    と、誰もが突っ込みたくなる・・・
    しかしその突っ込みもすぐに収められ、神尾の動きに引き込まれるのだ。

    まず、神尾は何をしようとしているのか、何をしにアフリカくんだりまで出てきてるのか。
    神尾は横浜で探偵を初めて、半年間はどうでもいいような仕事をして、今回初めて、仕事をした、と言えるものをしているらしい。
    それも、神尾の住んでいる家の大家・水町夫人の息子をアフリカから連れ戻す仕事だ。
    黒い肌の国で日本人かー、と思ったらこの息子・俊、黒人アメリカ人とのハーフで肌が黒色・・・!
    なんか面白

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    2009年10月04日
  • 逢うには、遠すぎる

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    カメラマン・上杉の元妻・杏子が行方不明だと現夫・佐伯が上杉のところへ来る。
    杏子の行方を追ってロスへ向かう。
    暴力の場面は痛そうだがとても我慢強く苦しさは感じられない。
    背中を追う感じだがなかなか杏子の姿がみえてこない。
    元カノとはどうなんだ!?
    進展しない関係が気になる。
    濡れ場はあっちゃいけないのかな。
    2008/9/12

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    2009年10月04日
  • 絶海にあらず(上)

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    北方さんの日本の歴史物と言えば、南北朝を舞台にした北方太平記シリーズですが、これはさらに平安時代まで歴史を先登った物語。
    とはいえ、西国を舞台に水師(海賊)を描いたというところでは、太平記シリーズの『波王の秋』を思い起こします。
    しかし、残念なことに『波王の秋』の方がはるかに躍動感を感じます。
    純友という人物像が掴めないのが一因かと。何故彼が「自由な海」を望むようになるのかが判り難いのです。その結果、どうも熱さが伝わってこないのです。上下二冊という分量もあいまって、少々冗長に過ぎる感じがします。

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    2016年08月07日
  • 行きどまり

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    主人公の二人が若くて青くて可愛い。。そして切ない。。
    北方先生の作品はブラッディ・ドールシリーズや、歴史モノは拝読していますが、この作品はそれらとはまたちょっと違った雰囲気で楽しめました。

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    2009年10月04日
  • コースアゲイン

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    短編、しかも北方流の私小説風(純)文学かな。

    文体はハードボイルドだが、一連のエンターテイメント作品と趣向は異なる。

    「風の中の少女」「カウンター」「ヒラメ」など良作多し。

    ただ、文庫本の表紙カバーは解釈に困る。
    解いたボータイだったら、格好よかったのに。

    ついでに言うと、私が買った文庫本の帯には
    「集英社文庫ミステリーフェア」が付いていて、
    さらに解釈に困ってしまったよ。
    その帯をつけること自体が、ミステリーだよ。

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    2009年10月04日
  • 楊家将(ようかしょう)(上)

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    北漢の武将 楊業とその子供たちの話。
    前半の、楊業の武人らしさは、もどかしい部分もあるが格好いい。
    子供たちに関しては、それぞれの成長について書かれている。

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    2013年04月20日
  • 檻

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    過去のあるスーパーの店長が元同僚の頼みから深みにはまっていく。これがハードボイルドなんだな。’08.1.10

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    2009年10月04日
  • 夜の眼

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    購入者:治
    昔、ミュージックライフとホットドッグプレスを毎週購読していたころ恋愛相談をしていたのがこの本の作者の北方謙三である 
    購読者の悩みに答えていくといったページで
    男子には○ー○に行けといい
    女子には時間が解決すると言う答えばかりだったような気がします
    この夜の眼は少し強烈な官能小説に付きまして
    FK文庫に寄付をしません
    読みたい男子の方は私まで
    決して女子の方は読まないで下さい

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    2009年10月07日
  • 煤煙

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    破戒裁判とおなじ棚にあったのでいでに購入した本です(えええ!そんな理由?)
     弁護士が主人公のハードボイルド小説。
     ただし法廷シーンは一切出てきません。
     この手の小説をわたしは巧く説明できないのですが、たとえば人間の中に存在するニヒリズム・破滅願望・破壊衝動が論理的な思考・社会的地位と組み合わさったときにそれを持つ人間の漕ぎ出して行くさきはどこなのか?ということを書いている小説?なのかな??

     説明のつかない衝動に付随する言動を描写していくとこうなるのかもしれないですね。

     ただしハードボイルドが好きだという方ならある程度面白く読めるかなあと思います。わたし自身は楽しめました(が個人

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    2009年10月04日