大竹文雄のレビュー一覧

  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    昨今、医療現場ではアドバンス•ケア•プランニングの重要性が説かれている。これは自分で意思表示できなくなった時に希望に沿った治療が受けられるようになるという趣旨のものである。しかしそこで起こる「先延ばし」というのは人間が普遍的に持っている現象に過ぎない。そういった行動経済学の視点が医療に欠いていた意思決定に多様な視点をもたらし、患者自身も医療者自身も「よりよく合理的な意思決定」を促すきっかけになると考える。

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    2021年01月22日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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     行動経済学では、ヒトは合理的な存在ではなく、思考に一定のバイアスが存在すると考える。この本では、実臨床で遭遇する具体的な問題について、行動経済学的なアプローチから問題の原因をデータで証明しながら考察し、解決案を提示している。また、患者だけではなく、医師も思考のバイアスがあるとし、それにより生じる問題に対する解決案も提示している。行動経済学のそのような考え方は参考にすべきであり、臨床の場でも応用すべく行動経済学を一度しっかりと学びたいと感じた。
     本書では行動経済学についての説明は十分ではないため、行動経済学を一度触れてから本書を読んだ方がさらに理解は深まると予想される。
     本書は臨床の場に立

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    2020年11月10日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    国内医療業界の行動経済学的解説、というよりも、行動経済学的観点からみた医療業界という期待値で読まれた方がいいと思った。

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    2020年11月08日
  • 行動経済学の使い方

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    行動経済学、ナッジの実用場面が簡潔にまとめてある。
    他の参考書籍を読んでからだととても繋がりやすいし、コンパクトなので参照しやすいと思う。
    ここから入ってもいいけれど、どちらかというとまとめの本かなぁ、という感じ。

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    2020年10月16日
  • 行動経済学の使い方

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    とても学術的。理解するのに頭を使う。以前、行動経済学の本である「ヘンテコノミクス」を読んでいたので、何とか理解できた。文字数が多いので当たり前だが、ヘンテコノミクスより例が多い。

    初めて知ったものとしては、締め切りを細かく設定することで、現在バイアスから発生する先延ばしを防ぐ効果。

    例えば、学生にタイプミスを訂正する課題を与え、
    ①3週間後に3枚すべてを提出
    ②1週間ごとに1枚ずつ提出
    ③締め切りを自分で設定
    という3グループに分けた。

    最もミスが少なく、締め切りからの遅れもなかったのは、②のグループ。次に良かったのは③。成績が最も悪かったのは①。

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    2021年03月03日
  • データで見る行動経済学 全世界大規模調査で見えてきた「ナッジの真実」

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    ネタバレ

    ナッジを政策に取り入れる上で、大衆の合意が必要であり、政策立案者と大衆のより良い話し合いで、ナッジの導入を検討する必要がある。
    日本は他国と比べ、ナッジの賛成率が低く、これは政府への信頼が低いとの推測にはなるほどと思った。
    大半の人はシステム2のナッジを選好をするのは意外だった。自分で考えて選択することに大きな意味があるのだろう。
    途中、理解できない部分もあったので、いつか読み直したい。

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    2020年07月26日
  • データで見る行動経済学 全世界大規模調査で見えてきた「ナッジの真実」

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    教科書ではナッジの例として1-2ページで触れられるような点を1冊にまとめられている。
    類書とは全く違う視点を提供してくれるので5だが

    国際比較が主で、では実際に導入するときにどう設計したら良いのかにはあまり触れられていない。
    これ1冊ですべてが分かるわけではないので仕方がないのだが、データからもう少し理屈をまとめられるのではないかと思う。
    ので1点減点

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    2020年07月04日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    題名通り医療現場における行動経済学について触れた本
    前半の行動経済学に関する解説も簡潔でそれだけでも読む価値がある

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    2020年06月22日
  • 行動経済学の使い方

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    著者が又吉直樹のヘウレーカ!に出演しているのを観て行動経済学に興味を持ち購入。
    特に面白かった部分は
    自信過剰の男女差(文化や教育によって形成)、
    リスク愛好家、
    賢明な人・単純な人、
    意思決定に思考費用がかかる、
    平均への回帰、
    長時間労働は職場で感染してしまう
    といったところ。

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    2020年06月19日
  • 幼児教育の経済学

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    教育を経済学の観点から考えたことが全くなかったので、教育を利益を生み出すものして捉える視点が面白い。幼児教育への介入が重要であり、非認知能力を伸ばすことの重要性も分かった。じゃあどうすればよいんだ?←考えてみよう!

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    2020年06月01日
  • 行動経済学の使い方

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    プロスペクト理論=確実性効果と損失回避。
    フレーミング効果。保有効果。現在バイアス=先延ばし行動=コミットメントの利用。
    互恵性と利他性=社会的選好
    ヒューリスティック=近道による意思決定、サンクコスト、意志力の枯渇、選択過剰負荷と情報過剰負荷、平均への回帰。
    メンタルアカウンティング、利用可能性ヒューリスティックと代表性ヒューリスティック、アンカリング効果、極端回避性、社会規範と同調効果、プロジェクションバイアス。

    ナッジ=軽く肘でつつく。ナッジは簡単で魅力的で社会規範を利用しタイムリーなものがよい。

    稼げる日のほうが、労働時間は短い。バーディーパットはショートしやすい。ピア効果=同僚効

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    2021年01月24日
  • リーダーの教養書

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    担当業務がこれまでの領域とあまりにも異なったので、ハウツーばかり読んでいて、最近古典など読めていなかったが、久しぶりに読もうという気持ちになれた。
    しかし、まだまだ学ぶべきことが多いと自分の無学を恥ずかしく思う。がんばらねば。

     経営の意思決定をする際に、例えばオプションA、B、Cがあったとする。当たり前の話ですが、どの選択肢が一番優れているかは事前には分からない。どんなに分析して予測しても、実際にやってみなければ分からない面がある。だとすれば、事前に最も強固な拠りどころとなるのは、その人の中にある「論理的な確信」しかない。
     それは、具体的なレベルで仮定に仮定を重ねて、各オプションの期待値

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    2020年03月07日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    ◯行動経済学を医療現場で実践している本。しかし、実践の統計データがないため、事例集になっている。
    ◯とはいえ、行動経済学のエッセンスは医療や業務など、パターナリズムを要する分野にマッチするため、関係者は読むと参考になると思う。
    ◯しかし読んでて気になるのは、医療行為の差し控えと中止など、ともすれば相手の行動を操る可能性を秘めている点である。その点は丁寧な説明がそれぞれ前提となっているのでいいのかもしれないが、行政で活用する場合、それぞれ活用した意味について、深く考えておく必要があるかもしれない。
    ◯本筋とは離れるが、マスコミの影響力には辟易とした。

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    2020年02月19日
  • リーダーの教養書

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    本を読もう!っていう話。

    各分野の専門家がこの本良いよというのをたくさん紹介してくれているので、読みたい本がまた大量に増えた。

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    2020年01月17日
  • 幼児教育の経済学

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    古市さんの幼児教育義務教育化からこちらにたどり着きました。

    世界ではペリー就学前プロジェクトという大きな研究があったことに驚きました。

    6歳までの教育がいかに将来に影響を与えるかということだが、各分野の専門家などの多方面からの賛否の意見もありました。

    教育といっても特に非認知能力が重要と言うとともに、富裕層、貧困層への支援を呼び掛けてもいる

    ただ、子育てした人が、この教育がいいとか根拠なくいっているものではないので説得力感じる論文みたいです

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    2019年12月14日
  • 幼児教育の経済学

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    有名なペリー就学前プロジェクトやアブシディ?実験などによると、就学前に非認知スキル(成績を上げるための勉強ではなく、生活力的な忍耐力、対人スキルなどの能力)を上げるような教育を施すことにより、成人後の逮捕率、各種依存症率、離婚率、就業率、持ち家率などに有意な差が生まれるとされている。これをベースに、最も社会的なリターンの大きい教育投資は、就学前に非認知スキルなどを上げることであると説く。
    二章ではこれに対して他の識者が見落としている点などを指摘。特に非認知スキル教育はややもするとその時点で優位な集団の(≒白人の)規範を押し付け再生産しかねないという指摘が興味深かった。また、こうした実験と結果の

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    2019年10月09日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

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    人間とは合理的な意識を持つことがいかに難しいかがよくわかる本である。
    本書は言う。「日本は市場経済への期待も国の役割への期待も最低というとても変わった国である」。とても驚いた。目から鱗である。
    経済学者は普遍的な定理を主張するのものと思っていたが、本書では国民文化の違いから考察が始まる。なるほどこれが「応用経済学」と言うものか。
    本書を読むと、縦割りの狭い領域を超える知見こそが新たな発見をもたらしてくれることを感じさせてくれる。まさに知性には限界が無いと思えた。

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    2019年06月05日
  • 幼児教育の経済学

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    面白かった!幼少期の教育プログラムに財源を割くことは、幼い頃の貧困を後から矯正しようとするプログラムに投資するよりも効果が得られるとする主張。反論にもきっちりページが割かれていて、勉強になった。ヘックマンは母親による子育ての質ばかり注目しているのは奇妙という反論は面白かった。

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    2019年05月16日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

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    大竹先生の著書はもう3冊目になるので、書かれている内容はすんなり理解できた。競争万歳の経済学者なのに、その必然的な帰結である格差について否定的なのは意外だった。
    最後に経済学的思考とはインセンティブと因果関係の正しい理解であると大胆に総括されていたが、大竹先生の専攻分野は広い経済学の極一部分であり、さすがにそんな狭い定義に経済学は収まらないだろうと思われる。

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    2018年11月27日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

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    経済学者による市場経済と平等について書かれたもの。直接、本論について書かれている箇所は少なく、日本人、男女、教育、身体機能等、さまざまなことをトピック的にあるいはコラムとして記載し、素人でもわかりやすく、興味深く読めた。印象的な箇所を記す。
    「市場競争の格差対策には2つある。第一は、政府による社会保障を通じた再配分政策によって格差を解消することであり、第二は、低所得の人たちに技能を身につけさせる教育・訓練を充実することである」
    「若年層ほど、勤勉よりも運やコネが人生の成功で重要だと答える割合が高い」
    「(薬指が長い人は能力が高いことについて)十両や前頭下位で引退した力士よりも、横綱や大関

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    2018年11月14日