大竹文雄のレビュー一覧
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プロスペクト理論=確実性効果と損失回避。
フレーミング効果。保有効果。現在バイアス=先延ばし行動=コミットメントの利用。
互恵性と利他性=社会的選好
ヒューリスティック=近道による意思決定、サンクコスト、意志力の枯渇、選択過剰負荷と情報過剰負荷、平均への回帰。
メンタルアカウンティング、利用可能性ヒューリスティックと代表性ヒューリスティック、アンカリング効果、極端回避性、社会規範と同調効果、プロジェクションバイアス。
ナッジ=軽く肘でつつく。ナッジは簡単で魅力的で社会規範を利用しタイムリーなものがよい。
稼げる日のほうが、労働時間は短い。バーディーパットはショートしやすい。ピア効果=同僚効果。
年功賃金の説明は、現在バイアスのために無駄遣いするから。
参照点=最初に提示された条件に引きずられる。
金銭より、モノで感謝を表されたほうが満足度が高い。
昇給は最初は満足するが、長続きしない=少しずつ昇給するほうがいい。
多数派の行動を強調すると、避けてほしい行動を減らせる。
現在パイアス=現在の決定は、易きに流れやすい。
実行計画を紙に書きだすと、コミットメントしやすい。
習慣化できるルールを作る。
デフォルトの利用。
所得税20%と消費税25%は同じ負担。消費税のほうが重く感じる。消費税のほうが課税時期が遅いので抵抗が少ない。
軽減税率は、補助金と同じ。高額所得者のほうが多く受け取る補助金。
保険が民間だけだと機能しない理由。
伝統的経済学では、情報の非対称性やモラルハザードが問題になる。
行動経済学的には、現在バイアスや損失回避が問題となる。
渡されたお金の名称の違い。払い戻しとボーナス所得では、払い戻し、のほうが貯蓄が増えた。
O型の人が献血が多いのは、同じ負担でもより貢献できる度合いが高いから。貢献度合いが多いという理由で、寄付が増える可能性がある。 -
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担当業務がこれまでの領域とあまりにも異なったので、ハウツーばかり読んでいて、最近古典など読めていなかったが、久しぶりに読もうという気持ちになれた。
しかし、まだまだ学ぶべきことが多いと自分の無学を恥ずかしく思う。がんばらねば。
経営の意思決定をする際に、例えばオプションA、B、Cがあったとする。当たり前の話ですが、どの選択肢が一番優れているかは事前には分からない。どんなに分析して予測しても、実際にやってみなければ分からない面がある。だとすれば、事前に最も強固な拠りどころとなるのは、その人の中にある「論理的な確信」しかない。
それは、具体的なレベルで仮定に仮定を重ねて、各オプションの期待値を計算してくような作業ではなく、物事を単純化して「要するにこういうことだ」と本質をつかみ、自らの確信に基づいて決断するということです。
この「論理的な確信」の淵源となるものが教養なのだと思います。教養のない人には重大な意思決定は任せられません。 -
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◯行動経済学を医療現場で実践している本。しかし、実践の統計データがないため、事例集になっている。
◯とはいえ、行動経済学のエッセンスは医療や業務など、パターナリズムを要する分野にマッチするため、関係者は読むと参考になると思う。
◯しかし読んでて気になるのは、医療行為の差し控えと中止など、ともすれば相手の行動を操る可能性を秘めている点である。その点は丁寧な説明がそれぞれ前提となっているのでいいのかもしれないが、行政で活用する場合、それぞれ活用した意味について、深く考えておく必要があるかもしれない。
◯本筋とは離れるが、マスコミの影響力には辟易とした。 -
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有名なペリー就学前プロジェクトやアブシディ?実験などによると、就学前に非認知スキル(成績を上げるための勉強ではなく、生活力的な忍耐力、対人スキルなどの能力)を上げるような教育を施すことにより、成人後の逮捕率、各種依存症率、離婚率、就業率、持ち家率などに有意な差が生まれるとされている。これをベースに、最も社会的なリターンの大きい教育投資は、就学前に非認知スキルなどを上げることであると説く。
二章ではこれに対して他の識者が見落としている点などを指摘。特に非認知スキル教育はややもするとその時点で優位な集団の(≒白人の)規範を押し付け再生産しかねないという指摘が興味深かった。また、こうした実験と結果の測定が仮説の提唱者によって行われることから、妥当性を疑問視する意見もあった。
どの説が正しいのか判断しかねたが、成長過程にある人間を対象として社会実験を行うことの困難さはよくわかった。 -
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経済学者による市場経済と平等について書かれたもの。直接、本論について書かれている箇所は少なく、日本人、男女、教育、身体機能等、さまざまなことをトピック的にあるいはコラムとして記載し、素人でもわかりやすく、興味深く読めた。印象的な箇所を記す。
「市場競争の格差対策には2つある。第一は、政府による社会保障を通じた再配分政策によって格差を解消することであり、第二は、低所得の人たちに技能を身につけさせる教育・訓練を充実することである」
「若年層ほど、勤勉よりも運やコネが人生の成功で重要だと答える割合が高い」
「(薬指が長い人は能力が高いことについて)十両や前頭下位で引退した力士よりも、横綱や大関といった上位に昇進した力士の方が、薬指が人差し指より相対的に長いことがわかった。瞬間的な判断力を必要とする職種では、テストステロンの量が重要な資質として機能するようだ。(シカゴ大学、ケンブリッジ大学の研究結果も同じ。薬指の長さは、テストステロンの量と相関があることが知られている)」
「(市場競争のメリット)市場経済に任せると、最も効率的にさまざまな商品やサービスが人々の間に分配される。つまり、売れ残りや品不足が発生しないという意味で、無駄がなくなるということだ。無駄がなくなるということは、同じだけの資源をもっている場合に、私たちの生活は最も豊かになるということである」
「簡単にいえば、市場経済のメリットとは「市場で厳しく競争して、国全体が豊かになって、その豊かさを再分配政策で全員に分け与えることができる」ということだ」
「教科書は、「競争環境をうまく設定すれば、市場競争によって私たちは豊かになれる」という一番大事なメッセージを伝えることに成功していない。それは、市場の失敗と独占の弊害ばかりを強調しているためである」
「(出産時の低体重児は、健康障害及び教育水準低下と関連性があるとの研究について)栄養状態の悪い妊婦から低体重児が生まれ、その子どもが育っても健康状態が悪く、所得が低くなって、子どもを生むと低体重の子どもが生まれる」
「中学生の時に、夏休みの宿題を夏休みの最後の方にやった人は、たばこを吸いやすく、ギャンブルをしていることが多く、借金を背負う確率も高い」
「非正規労働者が、労働者への配分が減ったものの多くを負担している。このことは正社員の雇用を守り、企業の労務コストを削減するという意味で、正社員と企業経営者にとって短期的には合理的である」
「(競争否定論者に対して)オリンピックから競争がなくなって、金メダルが廃止され、単に参加賞しか出なくなったとすれば、オリンピックを楽しむ人は激減するだろう」 -
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世の中を経済学者の視点から眺めてみた!的な内容だが、すでに類書を読んでいることもありそれほど新しい発見はなかった。それでも最後まで楽しく読めたのは大竹先生の卓越した文章力と論理構成のおかげなのだろう。
経済学者であるから競争の利点を説くのは理解できるが、それでも競争の負の側面を軽視しすぎているように思える。世の中は経済学者が想定するほど公正でなく、勝者ほどズルいことができる仕組みになっている。勝者が競争のルールを作るから当然だ。中でも弊害が大きいと思われるのは、勝ち負けの結果の差が大きすぎることと、一度負けると世代を超えてそれが維持されることにある。終章に描かれているように、日本が永続的に繁栄を続けていくには絶え間ないイノベーションが不可欠だが、残念ながら貧乏人の子弟は高等教育を受けることが難しくなっている。しかもその仕掛けが益々巧妙になっていて、すべてが自己責任に帰されるように仕向けられている。これも競争社会の必然的な帰結であるように思われる。競争と正義は相容れないのだ。 -
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邦題はややズルい。このタイトルから読者の多くが期待するであろう「いつ、なにをするのが、教育において効率的・効果的なのか」については、中室牧子「学力の経済学」のほうが良書。
ただ、学力の経済学も本書は参照・引用しており、本書の内容も興味深い。
本書はどちらかというと論文である。いや、アメリカ世界における諸問題・格差が幼少期の教育の充実(より正確には教育への政府の介入)により縮小・改善できるとする政策提言である。ちなみに原題(そして第1章のタイトルでもある)は「子供達に公平なチャンスを与える」。まさにこういうことが書かれている政策提言なのである。
著者は幼少期の教育的介入に関する実際に行われた二つのプログラムを論拠に、その効果・効率を論ずる。
第2章では各分野の専門家が、これについて評しており、第3章はそれへの著者のレスポンスだ。
著者の提言には理はあるが、第3章における自分への批評的意見への反駁(というか、ともすればやや感情的とも取れる反発)と肯定的意見への賛辞を見ると、正直やや冷める。論文の客観性が揺らぐ気がする。その点が惜しいので-1。
繰り返すが、多くの乳幼児を持つ保護者が、子の幼少期の教育について、学術的・統計的に有意な方策を知りたいのであれば、冒頭で紹介した他書をお勧めする。 -
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就学前(6歳まで)までに、貧困層に対して、忍耐力や協調性といった、非認知能力を高める教育を実施することで、将来の所得向上、生活保護費低減、犯罪率低下など、経済的かつ社会的にメリットありますよ、というのを、実験を踏まえて証明したヘックマン教授の成果を、わかりやすくまとめた本。ちと読みにくかったが、内容は理解できた。
公的資金への投入にフォーカスしているが、数十年単位の長期投資のため、なかなか資金投資しにくい問題がありますよねー。
民間で小さなビジネスモデルを作り、公を交えて普及、高所得から利益を得て、低所得を実質無料、的なモデルが作れないかー、webの広告モデルみたいに、リアルな広告モデルが作れないかなー、と最近思っております。
本書を読んで、ターゲットを絞れば、経済効果を高められ、試算もできるようにすれば、始められるきっかけになるかもですね。難しそうですが‥ 追跡40年やし