大竹文雄のレビュー一覧

  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

    Posted by ブクログ

    世の中を経済学者の視点から眺めてみた!的な内容だが、すでに類書を読んでいることもありそれほど新しい発見はなかった。それでも最後まで楽しく読めたのは大竹先生の卓越した文章力と論理構成のおかげなのだろう。
     経済学者であるから競争の利点を説くのは理解できるが、それでも競争の負の側面を軽視しすぎているように思える。世の中は経済学者が想定するほど公正でなく、勝者ほどズルいことができる仕組みになっている。勝者が競争のルールを作るから当然だ。中でも弊害が大きいと思われるのは、勝ち負けの結果の差が大きすぎることと、一度負けると世代を超えてそれが維持されることにある。終章に描かれているように、日本が永続的に繁

    0
    2018年10月22日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

    Posted by ブクログ

    データから見る日本と社会と市場と経済。市場経済の話を軸に、関連する四方山話を取り揃えた一冊。祝日が増えると経済はどうなる?ワーカホリックの存在は経済にどう影響を与える?最低賃金引き上げの効果は?移民は?などなど。直近役に立つわけではないが、政治経済に関わる一般社会人としては抑えておきたい。

    0
    2018年10月20日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

    Posted by ブクログ

    ・競争が少ないと、自分の本当の長所を知ることが出来ない
    ・怒らせると協力しなくなる
    ・不十分な金額なら出さない方がまし
    ・デフォルトの設定方法の工夫(臓器移植ドナーの同意)
    ・正の互恵性を持っている人の方が年収は高い

    0
    2018年10月09日
  • 幼児教育の経済学

    Posted by ブクログ

    邦題はややズルい。このタイトルから読者の多くが期待するであろう「いつ、なにをするのが、教育において効率的・効果的なのか」については、中室牧子「学力の経済学」のほうが良書。
    ただ、学力の経済学も本書は参照・引用しており、本書の内容も興味深い。
    本書はどちらかというと論文である。いや、アメリカ世界における諸問題・格差が幼少期の教育の充実(より正確には教育への政府の介入)により縮小・改善できるとする政策提言である。ちなみに原題(そして第1章のタイトルでもある)は「子供達に公平なチャンスを与える」。まさにこういうことが書かれている政策提言なのである。

    著者は幼少期の教育的介入に関する実際に行われた二

    0
    2018年09月01日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

    Posted by ブクログ

    オイコノミアを見て大竹先生に興味を持ち読んでみた。同番組で取り上げていたトピックと被るテーマが多く、理解しやすかった。
    経済学者らしく競争に肯定的な態度だが、日本では敗者復活の道が限られている以上、全面的に競争社会を肯定する気にならない。ムダの排除が経済学の目的らしいが、経済効率と国民の幸福は相関しない、と思う。

    0
    2018年08月23日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

    Posted by ブクログ

    高齢者の年金定期便に、若者からの所得移転額(若者よりいくら多く貰えるのか)を記載することで、高齢者の意識が変わり世代間対立が和らぐかも(?)という提言をしているが、逆に炎上する気がする…。

    0
    2018年01月19日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

    Posted by ブクログ

    非常に読みやすい1冊であった。
    経済学という枠組みではあるが、一般向けということもあり知的な学びを得られる。

    0
    2017年10月28日
  • 幼児教育の経済学

    Posted by ブクログ

    就学前(6歳まで)までに、貧困層に対して、忍耐力や協調性といった、非認知能力を高める教育を実施することで、将来の所得向上、生活保護費低減、犯罪率低下など、経済的かつ社会的にメリットありますよ、というのを、実験を踏まえて証明したヘックマン教授の成果を、わかりやすくまとめた本。ちと読みにくかったが、内容は理解できた。

    公的資金への投入にフォーカスしているが、数十年単位の長期投資のため、なかなか資金投資しにくい問題がありますよねー。

    民間で小さなビジネスモデルを作り、公を交えて普及、高所得から利益を得て、低所得を実質無料、的なモデルが作れないかー、webの広告モデルみたいに、リアルな広告モデルが

    0
    2017年10月20日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

    Posted by ブクログ

    大竹の経済エッセイ?は、とても読みやすい。短い文のシーケンスだがきちんとロジカルに伝わるように書かれている。
    西加奈子『サラバ』と又吉『火花』は未読。懸案リストに登録しておく。
    怒っている人、凹んでいる人のリスクの取り方にバイアスがある可能性については、覚えておこう。

    0
    2018年10月20日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

    Posted by ブクログ

    タイトルがちょっとフィットしないような。そうはいってもこれからの社会を考えるにもってこいの好著です。それは競争社会というよりも格差社会の現状を広く優しく開設してくれていると理解したから。先日読んだ「コンピュータが仕事を奪う」(新井紀子著)とつながるような内容もあり。AIやマシンラーニングの台頭の中、これからの仕事の中身や枠組みが大きく変わる中、どのように日本でイノベーションを起こすかが避けて通れない課題だ。

    0
    2017年10月04日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

    Posted by ブクログ

    一般向けに経済学の考え方を紹介する新書。知的な喜び、経済学、学問のワクワク感を味わえる。行動経済学の内容も多め。一般的信頼、正の互恵性や利他性に学校教育のスタイルが影響を与えるという研究が面白かった。

    0
    2017年09月29日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これからの競争社会をどのように歩いていくべきかという内容ではなく、現代の社会課題を経済学の視点から見るとどうなのか、また、経済学的な考え方をビルトインした制度設計にする可能性等について論じられている。
    臓器移植のドナーの同意のところは、同意をデフォルトにすれば提供者が増えるところはそうなのだろうが、同意をデフォルトにしてよいか、というところで大きな議論があることには全く触れられていないのが個人的には気になった。
    手に取った動機とは異なる中身ではあったものの、経済学の考え方が身近に感じられ、勉強になった。

    0
    2017年09月25日
  • 幼児教育の経済学

    Posted by ブクログ

    朝日新聞の天声人語に掲載されていたので読んだ。短くわかりやすく書かれていた内容に、反論もいれて構成された本である。
     読んで損はない本。

    0
    2017年07月13日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

    Posted by ブクログ

    『ヤバイ経済学』をちょっと固くした感じ。取り扱う内容は経済学とは本来関係なさそうな分野が多く、よんで興味を持つ人も多いと思う。

    時間をおいて再読したい

    0
    2016年12月14日
  • 幼児教育の経済学

    Posted by ブクログ

    ・高学歴の女性を母親として、安定した結婚生活を営む過程に生まれ育つ子供は有利
     -読み聞かせに時間をかけ、一緒にテレビ見るのは少ない

    ・アベセダリアンプロジェクト&ペリー就学前プロジェクト

    ・認識的スキルは10歳までにある程度決まってしまう。しかし非認知すきるは20代の初めまで発展可能だが、学習を向上させることから、幼少期に形成しておくのが最善策
     -特に、3,4歳の時期の適切な教育が大切

    ・6歳までの就学前教育が重要
     -認知だけでなく、非認知が重要

    0
    2016年11月27日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

    Posted by ブクログ

    ■書評というのは好きじゃないので、読後の収穫。
     社会的に関心がもたれるトピックに対して、経済学の基本的な視座であるインセンティブと因果関係を通じて眺める癖をつける良いきっかけを得た。また、経済学と行動経済学のブリッジにもなるような気付きを得られた点が良い。

    0
    2016年01月07日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

    Posted by ブクログ

    市場経済と格差についての考察。

    まず、日本人が世界各国から見ていかに自由主義や市場経済、格差についての意識が特殊かというのがデータとともに論じられている。

    単純に市場経済と言っても最低賃金や働き方、移民問題など、今の政党の政策等に照らして考えても、面白い。幅広く経済学的な問題を取り上げているので、知識のベースアップにはちょうど良い本と思う。著者の言うとおり日本人の金融リテラシーは低いと思われるが、それに加えて客観的なデータを基に考える、生活行動様式を選択できるようになるのが良い。

    また、行動経済学の考え方は今や広く知れ渡ってきているが、これが4年程前の文章ということを考えると、興味深い。

    0
    2015年10月20日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

    Posted by ブクログ

    「日本の不平等」の著者、大竹先生の近著。
    身近なもの(ちょっとそうでないものもあるが)を少し違った切り口で捉えて、大変興味深い。
    すべて世の中の出来事は経済とつながっていることの雰囲気は感じられる。

    0
    2014年09月16日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

    Posted by ブクログ

    身近な題材を通して、学問的な水準を維持しつつ、経済学的分析を試みた本。結果が極めて興味深い。

    ・身長プレミアム。16才時点の身長が決め手か。
    ・男性のマリッジ・プレミアム:1.分業仮説。2.労働意欲仮説。3.シグナル仮説。4.差別仮説。
    ・まともな男は結婚しているではなく、結婚によって男は仕事ができるようになる。
    ・成果型賃金制度は、1.評価制度の整備と過程の公平性。2.従業員の裁量権が増えることが重要。3.従業員の能力開発の機会が増えることが重要。
    ・能力の劣った教員から解雇するよりも、組織そのものを解散する方が望ましい。
    ・2004年の日本の一般政府総支出の対GDP比は37%でアメリカの

    0
    2014年02月25日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

    Posted by ブクログ

    著者曰く、「市場競争も政府も嫌いな日本人に向けて書きました」とのこと。全編通して、市場競争のメリットが展開されていく経済エッセイです。

    「アメリカで大企業主義と市場主義が峻別された理由」「不況が人々の価値観にもたらす影響」「ウィキを使って社会問題を解決する方法」などなど、興味深いテーマが多々取り上げられていました。

    0
    2021年09月25日