大竹文雄のレビュー一覧

  • いますぐできる実践行動経済学 ナッジを使ってよりよい意思決定を実現

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    初めて経済学を学ぶ人にはピッタリ。
    高校生との対話形式で書かれていたから、理解に苦しむことはなかった。
    経済学への興味を誘ってくれた一冊。

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    2026年10月02日
  • 経済学者のアタマの中

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    『経済学者のアタマの中』では、経済学が「お金儲けの学問」ではなく、人間や社会の仕組みを考えるための学問として描かれていたのが印象的だった。特にレモン市場の話は面白く、中古車だけでなく婚活市場や企業採用にも応用できると感じた。情報の非対称性によって「まともな人ほど離脱していく構造」が生まれるという視点は、現代社会の様々な場面に当てはまりそうだと思った。また、学歴や経験は能力そのものではなくシグナリングとして機能しているという説明にも納得感があった。

    経済合理人についても印象が変わった。従来は「人間はそんな合理的に動かないだろう」というイメージを持っていたが、本書では「どんな価値観も否定せず、その人なりの選好を前提に考える」という説明がされており、むしろ多様性を尊重する考え方に近いと感じた。経済学は特定の生き方を押し付けず、選択によって生じるトレードオフやコストを可視化する学問なのだと思うようになった。

    また、行動経済学や情報経済学が現代社会と非常に相性が良いことも印象に残った。デフォルト設定やナッジ、アンカリング、損失回避、サンクコスト、現状維持バイアスなど、人間の非合理さには一定のパターンがあり、それを前提として制度設計が行われている。企業年金の自動加入は望ましいナッジに見える一方、メルマガ登録などはスラッジ的にも感じられ、同じ仕組みでも使い方によって印象が変わることが興味深かった。エスカレーターの片側空けのように、一度浸透した社会規範を変える難しさにも行動経済学的な視点を感じた。

    経済学ではトレードオフや機会費用を重視する点も重要だと思った。最近は「何かを得る」ことばかりに意識が向き、「その代わりに何を失うか」が軽視されがちな気がする。コロナ対策についても、感染対策だけでなく経済的困窮や別の健康被害とのバランスを考える必要があるという視点は非常に冷静だと感じた。また、因果関係と相関関係を区別することの重要性も繰り返し語られており、感情的な議論や単純な物語に流されないための視点として大切だと思った。

    最後に印象に残ったのは、筆者自身が経済学的な考え方を生活にも落とし込んでいたことだった。ルール化された健康的な生活は一見自由が少なく見えるが、「人間は毎回合理的に選択できない」という前提に立つと非常に合理的でもある。選択肢が多すぎる現代だからこそ、あらかじめ決めておくことや習慣化することは、むしろ自分を助ける仕組みなのかもしれない。経済学は答えを与える学問というより、人間や社会を雑に理解しないための“思考のレンズ”なのだと感じた。

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    2026年05月24日
  • あなたを変える行動経済学

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    サンクコストが高くても捨てなきゃいけないときは捨てる
    これができなくて苦しいなと思う事が多い
    冒頭の方なのにあまりにも刺さりすぎて他印象に残らなかった…

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    2026年05月20日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

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    競争についてわかりやすく説明しており、競争のメリットなど考えが面白かった。
    特に日本は競争嫌いというものが、諸外国と比べて日本を孤立させているのかもしれない。

    私は大学で独占禁止法、経済法などを専門にしていたが、本書に書かれているような疑問を少なからず感じていた。
    競争は辛く苦しいが、結果として社会は公正でより良くなる。それなのに日本では規制が多くなり、自由な企業活動が制限される。

    個人的には、労働者に流動性がないからブラック労働が蔓延し、苦しむ人が多いのだと思う。自由な雇用によって、能力至上主義が台頭し、格差は拡大するだろうが、それは国が支援して新しい技術や知識を身につけさせ、新たに就職させれは良いのではないだろうか。

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    2026年03月26日
  • 経済学者のアタマの中

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    経済学とはお金儲けに関する学問じゃなくちゃんと世の中の役に立つことをしてますよ、という言ってみればよくある誤解だがあまりに初歩的なところから話を始めていて、ちゃんと初歩から誤解を解いているのでわかりやすい。

    今の経済学のいろんな分野もさらっと触れてはいるが、解説はもっぱら行動経済学とその実践的応用に割り振られている。得する行動に自然と誘導するための「ナッジ」というものがキーワード。

    行動経済学の知見は著者が実際にコロナ禍対策会議のメンバーだったときにも使われ、例えば「〇〇は禁止です」は反発を招くが「〇〇ならしていいです」なら受け入れられやすい、みたいな話が書いてある。そう、これも経済学なんですねえ。

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    2026年01月27日
  • いますぐできる実践行動経済学 ナッジを使ってよりよい意思決定を実現

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    サンクコストとは、その後の行動によって変化しない費用のことで、その場合には無視して行動した方が良い。
    損失回避は何度か繰り返されると途端に効果を失う。完全閉店セールとしてやっていたお店が、一ヶ月後も営業していて、またしばらくして閉店セールを実施したり。要はオオカミ少年?

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    2025年12月31日
  • 行動経済学の使い方

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    ブラジル出張時にコツコツと読んでいた。
    消費者の行動変容を促していくという点で、今後重要な理論であると思う。

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    2025年12月29日
  • 行動経済学の使い方

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    行動経済学の基礎から学べる本だった。心理学と経済学が掛け合わさっていてマーケティングに応用したいと思いこの本を読んだ。基礎から学べるとはいえ基本的な用語は知らないと読みづらい。

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    2025年08月21日
  • いますぐできる実践行動経済学 ナッジを使ってよりよい意思決定を実現

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    ネタバレ

    お金をついつい使ってしまう心理や行動を知りたくて、読み始めました。人間が望ましくない行動をとってしまう背景、意思決定の部分を学ぶことができてよかった。「バイアス」がかかっているかを知っているか知らないかで考え方が変わるんですね。

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    2025年03月19日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    行動経済学では人間は合理的な生き物ではないということが出発点として考えられていることに衝撃を受けた。また、立ち止まって考えると、人間は合理的ではないのが当然だと思う。ただ、医療の現場、特に医者や看護師から治療について説明を受けると、専門家としての意見として合理的正しい判断だと考えがちである。ただ、彼らにも間違いはあり、考え方のクセみたいなものはある。それは、僕らも同じだ。そのことに気づくきっかけを得られたことでは、この本を読んでよかった!

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    2025年02月17日
  • リーダーの教養書

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    冒頭の出口治明氏と楠木建氏の対談が面白かった。
    すぐ役立つ知識ほどすぐに役立たなくなる、ってのはその通りだと思う。教養が深まるからこそ判断力も鍛えられていくんですね。
    教養書120のうち興味深かった分野は、
    ・経済学
    ・進化生物学
    ・医学
    ・哲学
    ・宗教
    あたりかな。
    また読みたい本が増えてしまいました。

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    2024年10月09日
  • 行動経済学の使い方

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    経済学の知見を実社会に応用しようとしたら、かなりの場面で生活者の慣習と衝突したり、利害に影響を与えるので政治的決着を求められ玉虫色的になることが多い。

    行動経済学は政府や生産者側が消費者側(必ずしも一方的では無いだろうが政府、生産者側からのアプローチが多いだろうと思う)にこちらの意図に沿った行動を促すための知恵を与え、上記の問題の有効な解決方法を与えてくれる。

    それは厚生の向上へのコストを削減して社会全体の効用をあげることが出来るのだろうが、パレート改善に至るまでの調整過程に、人間行動の面白さを感じることができるとしたら、そこも法則が発見され理論化されていくと何か味気ないような気がする。

    また権力にとっては非常に有効な武器になり得るので、表面上は自由民主主義を標榜している国家が、実は巧妙な世論誘導により市民を恣意的に特定の層に有利になるように操作している、いわば操作された民主主義へと移行するのではという一抹の不安を感じる。

    ただネガティブなことを言っても仕方がない。行動経済学は制約がある資源を有効に利用、配分方法を思考すると言う経済学の理念に沿っていると思う。

    消費者側からもこの理論を熟知する必要があるだろう。社会が我々にどう行動させようと動機付しているのかを理解することは政府や生産者側にとって必ずしも都合が悪い訳では無い。誠実なコミュニケーションを発生するきっかけを与え、市民社会の熟成が期待できるからだ。

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    2024年06月17日
  • あなたを変える行動経済学

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    行動経済学の類書を数冊読んだ中でダントツにわかりやすい本だった。高校生への講義がベースになっており、Q&Aも理解を深めるのに役立った。

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    2024年04月29日
  • 行動経済学の処方箋 働き方から日常生活の悩みまで

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    日本の時事的な話題や社会問題について、行動経済学を用いた考え方を知ることができる本。個人的に経済学というとなんとなく敬遠してきてしまっていたが、とても読みやすく、面白かった。
    特に、人文学や社会科学を税金を使って大学で教育・研究する意味については、こんなことまで行動経済学で説明するのか!という驚きと同時に非常に腑に落ちた。

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    2024年04月06日
  • 幼児教育の経済学

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    本書は、2000年にノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授(シカゴ大学)の著書で、日本では2015年に初版が発行されています。教授の専門は労働経済学ですが、非認知能力を高めるための幼児教育の重要性を説いていて、教育的な価値からも興味深く読むことができます。
    パート1ではヘックマン教授の理論、パート2では各分野の10人の専門家によるコメント(批判も多く含みます)、パート3ではその意見に対する反論も含むヘックマン教授によるまとめ、最後に日本人専門家による解説、という構成になっていました。40年にわたる研究が解説されていて、とても興味深かったです。

    【パート1子供たちに公平なチャンスを与える(ヘックマン)】
    アメリカでは、どんな環境下に生まれるかが不平等の主要な原因の一つになっている。しかし、幼少期の教育的介入によって、認知的スキルだけでなく社会的・情緒的スキルを向上させることができる。高校卒業率が一番高かったのは1970年代初めの約80%で、それ以降4~5%低下した。子供が小学校に入学する6歳の時点で既に格差は明白である。人間の発達は、遺伝子と環境の相互作用であると考えられており、環境への介入は大きな鍵となる。専門職の家庭で育つ家庭の3歳児の語彙は1100語、労働者の家庭では750語、生活保護受給世帯では500語と大きな開きがある。
    ペリー就学前プロジェクトは、1962年から1967年にミシガン州イプシランティにおいて、低所得でアフリカ系の58世帯の3歳から4歳の子供(IQ70~85)を対象に実施された。高校を卒業した親は17%。対照グループは65人。午前中に毎日2時間半ずつ教室で授業し、週に一度は教師が各家庭を訪問して90分間の指導をした。内容は、子供の年齢と能力に合わせた、自発性を大切にし、非認知的特性を育てることに重点を置いたものだった。これを30週続けた後、40歳まで追跡調査している。
    アべセダリアンプロジェクトは、1972年から1977年に生まれた、リスク指数の高い家庭の恵まれない子供57人、対照グループ54人(開始時平均4.4カ月~8歳)を対象に5歳まで毎日実施された。内容は徹底したもので、子ども3~6人に対して教師1人、鉄分強化の粉ミルクなども支給されたり、親の仕事や育児の支援もなされた。30歳まで追跡調査されている。
    ペリー就学前プロジェクトでは、子供のIQは最初高くなったが、介入終了後4年で効果はなくなった。しかし、14歳時点で通学率と成績はよかった。アベセダリアンプロジェクトでは、IQが高かった。両プロジェクトの最終的な追跡調査では、学力検査の成績が良く、学歴が高く、特支教育対象者が少なく、収入が多く、持ち家率が高く、生活保護受給率や逮捕率が低かった。スキルがスキルを生む相乗効果を考えると、幼少期の介入は経済的効率性を促進し、生涯にわたる不平等を低減すると考えられる。認知的スキルは幼少期に確立され、10代になってからの改善は難しいが、社会的・性格的スキルは20代のはじめまで発展可能である。ただ、学習を向上させることからも、幼少期に形成しておくのが最善策である。支援で貴重なのは金ではなく愛情と子育ての力であり、人生で成功するには学力以上のものが必要である。

    【パート2各分野の専門家によるコメント】
    ・母親の役割を奇妙なほどに重要視している。(ロビン・ウエスト)
    ・サンプル数が少ない。介入グループ377人、対照グループ608人の低体重出生児に、3歳になるまで毎日アベセダリアンプロジェクト的な介入をしたが、2歳、3歳の調査では順調だったものの、5歳になるまでには成果の大半は消えてしまった。18歳の調査では差がなくなっていた。(チャールズ・マレー)
    ・思春期の子供に介入実験をしたところ、学習スキルだけを学んだ対照グループより、介入グループの意欲が大きく向上し、成績が急激に反転した。ストレスレベルや素行、健康にも変化が見られ、それは学年を通して続いた。最低の生活をしている生徒にとっては、幼少期を過ぎてからの非認知的要素への介入は、驚くべき効率ですばらしい成果をもたらした。(キャロル・S・ドウェック)
    ・ペリー就学前プロジェクトの介入者は40歳時点で29%が2000ドルの月収を得ており対象者を上回っていたというが、当時の平均所得34000ドルに比べるとかなり少ない。介入者の29%が成人後に生活保護を受けていないというが、逆に言うと71%が生活保護を受けていた。アべセダリアンプロジェクト介入者の23%が4年制大学を卒業。全国平均32%と比べてまずまず。しかし、27%が犯罪を犯しており、全国平均5%をはるかに超えている。プロジェクト費用は、公立学校の生徒一人の平均年間経費より47%も高い。カリフォルニアは学級人数削減に取り組んだが、優秀な教師が大幅に不足して失敗に終わった。(ニール・マクラスキー)
    ・子供の人生の可能性を形作るのは、両親だけでなく、多くの社会的機関(保育所・学校・福祉事務所・医療・警察・裁判所…)も重要であるが、ヘックマンはそちらに重きを置いていない。(アネット・ラロー)
    ・恵まれた層のコミュニティと貧困層のコミュニティの間に平等な場所を作ることが大切。(ジェフリー・カナダ)

    【パート3ライフサイクルを支援する(ヘックマン)】
    ・親への介入は、その就労や教育を推進する。
    ・性格的スキルに着目した思春期への介入もまた利益をもたらす。思春期の介入と幼少期の介入はたがいに対抗するものではなく、補完的なものである。

    【解説(大竹文雄)】
    社会的に成功するためには、非認知能力が十分に形成されていることが重要であり、それが就学前教育で重要な点である。例えば自制心が高かった子どもは大人になっても健康度が高く、30年後の社会的地位、所得、財務計画性が高い。
    日本の貧困率は、1980年代では60歳以上の高齢者で高かったが、2000年代では5歳未満の子供たちである。若年の非正規雇用労働者の増加と、離婚率の上昇によるものであると考えられる。一人親家庭の貧困率は50%を超えている。小学校に入る前から学力格差はついている。就学前教育への支援、とりわけ貧困層への支援に対して税金を投入することは投資効果が高いと考えられる。

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    2023年09月18日
  • あなたを変える行動経済学

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    そうなんだよね。サンクコストは無視できないんだよね。人って弱いよね。と改めて実感する本。
    アンカーとかナッジとか損失回避とか、実践できれば、もっと賢くなると気付かされる本。

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    2023年06月19日
  • あなたを変える行動経済学

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    これは面白い。早稲田塾の高校生向けの講義を母体とした具体例豊富な行動経済学入門。

    対象が高校生ということで分かりやすいし具体例も豊富。勉強を続けるコツだったり、高校生の選んだ選択肢を解説するスタイルは実に良い。出版社が東京書籍なのも頷ける。

    本書でもちょこっと言及しているが箱根駅伝の青学の目標設定も、行動経済学的には現在バイアスを減らすようにしていることが良く分かる。

    筆者は新型インフルエンザ対策委員。行動経済学の視点からまん延防止の意見を出しているという。

    まだまだ発展途上の行動経済学。どちらかというと現実的ではなかった経済学と人間の認知バイアスをうまく組み合わせた楽しいジャンル。その入門として最適な一冊。

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    2022年05月05日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    医療に関する意思決定をする際に陥りやすい『思考のクセ』をわかりやすくまとめてくれた一冊。

    行動経済学の枠組みを一通り説明したのちに、具体的によく見られる事例を紹介してくれていることで、すごく納得感があり、学びの多い内容となっていました。

    患者目線では、陥りやすいバイアスを知っておくことで、より適切な意思決定に近づくことができると思われる。

    また、医療従事者の目線では、患者及び医療者が陥りやすいバイアスのことを理解した上で、ターゲットになる行動と対象者に合わせた情報提供や行動について塾講する必要がある。

    今回の気づきをまとめると以下の通り。

    ①インフォームドコンセントの時代からリバタリアンパターナリズムやシェアードディシジョンメーキングの時代へ。

    ②特に無関心層に行動変容を促すことが喫緊の課題である。ターゲットの特徴を理解した上で、ナッジ活用を検討する。

    ③アドバンスディレクションやアドバンスケアプランニングについて考えておく。

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    2020年10月24日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    ネタバレ

    「行動経済学」とのタイトルではあるが、患者やその家族との医師の関わり方について、指針を示すことに紙面の多くを割いている。
    患者とのコミュニケーション技術に関するノウハウを書き並べるのではなく、過去の論文や研究に基づいた書き方には非常に説得力があった。

    盲目的・マニュアル的に患者及びその家族の診療にあたってはいけない、と再認識させられる内容であった。
    特に終末期は、しばしば合理的とは思えない判断をしてしまうことは普通であり、むしろ当たり前かもしれない。

    患者は合理的な判断をいつでも出来るわけではない、ということは全ての医療従事者が知っておくべきことであり、その点において行動経済学は医療(治療方針決定や予防行動など)との親和性は高いと言える。

    そして、患者の判断は常に合理的ではないという事実は、ともすれば医師のパターナリズムに逆戻りする危険性を示しており、活用も悪用もできると感じた。

    コミュニケーションがうまくいかなかった場合に、どこに原因があったのかをチェックする意味でも、この本に取り上げられている行動経済学的特性は、頭に入れておいて損はない。
    大事なのは、そういった特性を誰しも持っているのだと、知ることなのだろう。

    ヒューリスティックスをうまく使えるのはソーシャルワーカーや看護師の方かもしれない、と言う説は、本当にそうだよなと思ったし、尚更コメディカルとの連携が必要だと感じた。

    公衆衛生を整備するためには、内容云々よりも、啓発をいかにうまくやるかにかかっていると感じた。
    やるのは、政府か?インフルエンサーか?企業か?
    栄養士や看護師、医療職は対個人のアプローチはできるが、全体的な促進には、大規模な取り組み方が必要で、真に健康を目指すのであれば、所持しているコンテンツだけでなく、「伝える力」も必要であろう。

    その点において、メディアはいい意味でも悪い意味でも強大で、協力していきたい存在だ。


    人間の「あるある」を分析し、定義しているのが行動経済学なのだろうか。「ライフハック」を「ナッジ」と呼び、学問的に捉えている。

    GRID(やりぬく力)というのは、行動経済学的に大多数の人が持っている現在バイアスを克服してコミットメントするためのテクニックだ。であれば、裏技的な本は売れるに決まっている。

    参照点を変えることで、見方が変わる、と知っていれば、今の自分の判断を、参照点を変えて捉え直す過程を追加し、合理性を上げられるかもしれない。

    全体的に、再読したい書籍だった。

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    2020年07月31日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    医療における患者の意思決定については、日々の仕事の中でなぜこうなってしまうのか?と悩まない日はない。経験則にすがって自己解決してしまうことが殆どだった。行動経済学のアプローチからこのことに挑んだ本書は一読の価値があると思う。

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    2020年07月08日