大竹文雄のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
-
-
Posted by ブクログ
経済学の知見を実社会に応用しようとしたら、かなりの場面で生活者の慣習と衝突したり、利害に影響を与えるので政治的決着を求められ玉虫色的になることが多い。
行動経済学は政府や生産者側が消費者側(必ずしも一方的では無いだろうが政府、生産者側からのアプローチが多いだろうと思う)にこちらの意図に沿った行動を促すための知恵を与え、上記の問題の有効な解決方法を与えてくれる。
それは厚生の向上へのコストを削減して社会全体の効用をあげることが出来るのだろうが、パレート改善に至るまでの調整過程に、人間行動の面白さを感じることができるとしたら、そこも法則が発見され理論化されていくと何か味気ないような気がする。
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
本書は、2000年にノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授(シカゴ大学)の著書で、日本では2015年に初版が発行されています。教授の専門は労働経済学ですが、非認知能力を高めるための幼児教育の重要性を説いていて、教育的な価値からも興味深く読むことができます。
パート1ではヘックマン教授の理論、パート2では各分野の10人の専門家によるコメント(批判も多く含みます)、パート3ではその意見に対する反論も含むヘックマン教授によるまとめ、最後に日本人専門家による解説、という構成になっていました。40年にわたる研究が解説されていて、とても興味深かったです。
【パート1子供たちに公平なチャンスを与える(ヘ -
- カート
-
試し読み
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
これは面白い。早稲田塾の高校生向けの講義を母体とした具体例豊富な行動経済学入門。
対象が高校生ということで分かりやすいし具体例も豊富。勉強を続けるコツだったり、高校生の選んだ選択肢を解説するスタイルは実に良い。出版社が東京書籍なのも頷ける。
本書でもちょこっと言及しているが箱根駅伝の青学の目標設定も、行動経済学的には現在バイアスを減らすようにしていることが良く分かる。
筆者は新型インフルエンザ対策委員。行動経済学の視点からまん延防止の意見を出しているという。
まだまだ発展途上の行動経済学。どちらかというと現実的ではなかった経済学と人間の認知バイアスをうまく組み合わせた楽しいジャンル。そ -
Posted by ブクログ
医療に関する意思決定をする際に陥りやすい『思考のクセ』をわかりやすくまとめてくれた一冊。
行動経済学の枠組みを一通り説明したのちに、具体的によく見られる事例を紹介してくれていることで、すごく納得感があり、学びの多い内容となっていました。
患者目線では、陥りやすいバイアスを知っておくことで、より適切な意思決定に近づくことができると思われる。
また、医療従事者の目線では、患者及び医療者が陥りやすいバイアスのことを理解した上で、ターゲットになる行動と対象者に合わせた情報提供や行動について塾講する必要がある。
今回の気づきをまとめると以下の通り。
①インフォームドコンセントの時代からリバタリ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「行動経済学」とのタイトルではあるが、患者やその家族との医師の関わり方について、指針を示すことに紙面の多くを割いている。
患者とのコミュニケーション技術に関するノウハウを書き並べるのではなく、過去の論文や研究に基づいた書き方には非常に説得力があった。
盲目的・マニュアル的に患者及びその家族の診療にあたってはいけない、と再認識させられる内容であった。
特に終末期は、しばしば合理的とは思えない判断をしてしまうことは普通であり、むしろ当たり前かもしれない。
患者は合理的な判断をいつでも出来るわけではない、ということは全ての医療従事者が知っておくべきことであり、その点において行動経済学は医療(治療 -
Posted by ブクログ
日本人がなぜ資本主義なのに市場競争に拒否反応が強いのか。
たしかに市場経済の授業ってまともに受けたことなかったなあと。
慣れのない中で「負ける苦痛」もそうですが「勝ち続ける苦痛」も耐え続けるのがしんどいんやろなあと思います。
本書を読むと「生産性の低い人」は辛いことになるんやろなあと思います。
例えば残業規制が緩かった時は長時間労働で帳尻合わせてたのが時間内で結果を出さざるを得ないようになると仕事が追いつかなくなるんですよね。
仕事の持ち帰り規制があって長時間労働規制があって有給取得義務化につながるとますます「生産性」が仕事できる人になれるか否かに直結するようになるんやろなあと思います。
大 -
Posted by ブクログ
「お金がない人を助けるにはどうしたら良いですか?」
運や努力や能力によって様々な格差や不平等が生じます。
小学5年生の質問が大人に深く刺さります。
僕は福祉の世界からこの問題を見ていますが経済学からの視点を示唆してくれる本です。
マリッジプレミアム
「マトモな男は絶対結婚している」
のではなく
「結婚によって男は仕事ができるようになる」
良い男は結婚しているのではなく結婚して良い男になると神学論争に決着がついたように思います(笑)
著者の調査によると
日本人の7割を超える人が
「十分な格差がないと人々は努力しない」
過半数が
「所得は各人の選択や努力によって決まる」
と考えるとのこと
日本 -
Posted by ブクログ
「エビデンスかエピソードか」
今の社会の動きはまさにエピソード重視になっています。
僕自身仕事をしていく中でエピソードの方が説明しやすいのでやってしまいがちですが本当はエビデンスに裏付けされた説明にならないといけないと反省してます。
「社会還元の1つの方法が本を書くこと」
本を書くという大それたことではなく仕事の中で言語化されていない部分を言語化していくだけでも価値があるのかなと思います。
それを次代に繋ぐことができたら僕の目的の1つは達成されます。
「給付型奨学金の是非」
竹中先生は給付型に否定的で大竹先生は全て給付型にするのではないものの給付型のメリットを書かれていました。
前提として