大竹文雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルになぜか興味を持った。
そもそも「経済学」もよくわかっていないのに。
行動経済学が「分かっていてもできない」ことについての学問だとは、全く知らなかった。
これは楽しそう。
サンクコストは大体わかるけれど、「損失回避」の具体例や「現在バイアス」、「アンカリング」など、他にも様々な特性でボトルネックを引き起こされているようだ。
そこで、「自由に行動できるけれど、できればいい方を選びやすくさせてあげるよ」というナッジを組み込めば暮らしやすくなる。
紹介されている「コミットメント」や「デフォルト」は、他のビジネス書などで書かれている手法のもととなる考えだった。
ナッジ…とまではいかなく -
Posted by ブクログ
メモ用
怒りは不確実な事でも、より確実に生じるように感じ、周囲の事を自分で統制できるように感じる。未知の危険や恐ろしい危険を感じなくなる。その結果リスクのあるものを受け入れてるようになる。
※問題の責任が他人にあるように感じる傾向にあるように感じる。
利益傾向志向に落ち入る。
恐怖の感情
不確実性を大きく感じ、自分で統制している感覚が減少する。その為、リスクに対して、回避的な行動を取る。直感的な感情ではなく理論的意思決定を用いる傾向にある。
悲しみ
自分で統制する感覚を減らすうえ、利益志向的になり、短期的視野を持つようになる。他人を信頼しなくなり他者との協力も減ってしまう。 -
Posted by ブクログ
前作『医療現場の行動経済学』の続編として、様々な医療の現場での行動経済学の”実践”的な事例を示した一冊。2018年に出版された前作から今作への大きな変化といえば新型コロナウイルス感染症の猛威と、編者である大阪大学 大竹教授が政府の新型コロナウイルス感染症対策部会に行動経済学の専門家として招集された点であろう。行動経済学を用いた行動変容への期待が高まっているこのタイミングで、様々な領域での実践事例が紹介される意義は大きい。
前作でも様々な領域での実践事例が紹介されていたが、本書ではその領域の広がりを感じられる構成となっている。
例えば、40歳以上の国民に受診が義務付けられている特定健診の受診 -
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Posted by ブクログ
私は行動経済学に基づくナッジ理論を用いて人々の行動変容によって健康状態を改善させるスタートアップ企業で働いているので、もとより行動経済学には触れているものの、一通りの書籍には目を通すようにしている。そうした日本語で書かれた書籍の中で、もっとも分かりやすさ・実践性に富む示唆を与えてくれるのがこの著者、大竹氏であると感じている。
本作は新書という極めてコンパクトな中に、行動経済学を実務で応用するためのエッセンスが詰まっている良書である。良い点として、
・行動経済学はなかなか理論的な全体像/ユニバースを把握するのが難しい中で、そのベースにある人間心理のバグを4つに整理して示している(1.プロスペク -
Posted by ブクログ
医学、公衆衛生学、心理学、行動経済学などの分野の研究者が集まり、行動経済学の医療への応用について研究を進めてきたその集大成といえる本。
第1部で行動経済学の枠組みから入り、医療行動経済学的研究を紹介する。第2部では、主に患者と家族の意思決定のバイアスについて議論する。がん治療における適切な意思決定支援、がん検診受診率を上げるために行動変容を起こさせるナッジ、高齢患者への意思決定支援、デフォルトによる臓器提供意思表示の変容などについて論じている。
また、第3部では医療者側にも様々な意思決定におけるバイアスがあることを紹介する。生命維持治療の「差し控え」と「中止」の倫理的違い、ガイドラインの行動経 -
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2017年のノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーなど、経済学の中でも近年注目を集める行動経済学。行動経済学の良さの一つは、経済的インセンティブだけで動くのではないという人間の非合理性を明らかにすることで、特定の人々を動かすための有意味なアプローチを我々に与えてくれる点にある。
こうした行動経済学が実際に活用され、効果が出始めており、更なる実践が期待される領域、それが医療である。本書は医療現場における行動経済学の実践例などをまとめた一冊であるが、その対象は患者もしくは患者予備軍(”病気にならないように健康に配慮した生活”を送らせる)だけではなく、医者に最適な行動を取らせるにはどうすべ -
Posted by ブクログ
人間の様々な意志決定には、伝統的な経済学からずれるというバイアスがあり、それを前提とした行動経済学が1980年代から発展してきた。
本書では、行動経済学的な特性を使い、人の意志決定をより合理的なものに近づけるため、主にナッジと呼ばれる知恵と工夫、その具体的な活用について解説する。
損失回避、現在バイアス、サンク(埋没)コスト、ヒューリスティックス(直感)、アンカリング(係留)効果、ピア(同僚)効果、デフォルト(初期値設定)そしてナッジといった専門用語がこれでもかと出てくるが、いずれも具体例が示され、分かりやすく説明されている。
公私両面で時々の判断や相手との折衝の場面で応用できればと思いながら -