大竹文雄のレビュー一覧

  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    この本はドライかもしれませんが今の医療のあり方と社会保障のあり方の中で1つの処方箋を示すものになると思います。
    もちろん治すための医療は必要ですが身体に負担をかけてまで高度医療を続けるのか。
    社会保障の観点からも議論が必要です。

    サンクコストバイアス(返ってこないコストにこだわる)
    現状維持バイアス(明日も同じことが起こると思う)
    現在バイアス(先送り)
    利用可能性ヒューリスティック(身近で目立つ情報を優先)
    人の意思決定はいろいろバイアスがかかっており経済的に合理性のある決断をするわけではないということです。

    そういう意味で医療の適正化という目的に向けて有効な手段を取るにあたって人間の意

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    2019年12月15日
  • 幼児教育の経済学

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    5歳までの教育がその後の社会生活に大きな影響を与える、
    そしてその時期に行われる公的な教育への投資は、
    その後に行われるよりも遥かに効果を生む。

    40年に及ぶ就学前教育プログラムを受けた
    子ども達の追跡調査から明らかにされたこの事実を
    反論と共にコンパクトにまとめたこの本は、
    まさに子どもをこれから育てる私にとって、
    非常に示唆に富むものであった。

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    2019年12月01日
  • 医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者

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    「なぜ人は思い通りに行動してくれないのだろうか?」と思うことはないだろうか。

     全ての人が合理的に行動できるとは限らない。というよりもむしろ合理的に行動できる人の方が少ない。
     わかってはいるけれど、なかなかできない。それは行動経済学的に説明可能な人間の性である。

     行動しないその個人が悪いのではなく、仕方ないこと。そう理解することで、相手を許すことができる。そして「ではどう対応すればいいのか」と自分にできることに集中しやすくなる。

     人の行動原理を理解しやすくなった一冊だった。

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    2019年08月03日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

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    「競争社会」と聞くと、現在の格差社会を生み出している諸悪の根源のように
    言われますが、この本を読むと考え方を改めることになります。

    例えば運動会で徒競走の順位づけがされなかった教育を受けて育つと「利他性」
    が低くなり、他人を思いやる心がなく、やられたらやり返すという価値観を持つ
    傾向が高くなるそうです。

    競争の中でもしっかりとした「ルール」があり、そのルールの中で競えば健全な
    社会になるということを学べる本です。

    中でも印象的なのは、マイケルジョーダンはメジャーリーグの「競争」で敗れた
    がゆえに改めてバスケットボールという自分の居場所を見つけることができた
    というくだりです。
    これをを聞

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    2019年03月13日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

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    経済学者が、競争の重要性を説いた本。比較経済学を中心に現在の国内外の研究論文、データを基に、競争が経済力向上のみならず、社会性の向上、人格形成上においても重要であることを説明している。引用が多彩で、説得力ある面白い本であった。
    「競争は勝者と敗者を生み、厳しく辛い面もあるが、競争が繰り返された結果、自分が真に活躍できる場を見つけられる確率が高まる。誰にでも得意不得意がある。不得意な分野で消耗戦を続けるのは、本人にとっても社会全体にとっても不利益でしかない」v
    「(経済学者が批判する)非効率=無駄」p11
    「(他店対抗「他店より価格が高ければ対抗します」)経済学者は、この広告を出している家電量

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    2018年10月21日
  • 競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるには

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    激しい競争に身を置けば、自らの強みを発見できる可能性が高まる。というメリットがあるという。
    逆に言うと、自らの弱みに気づくこともあると思う。
    競争の無い世界に身を置いていると、茹でカエルのごとく、いつか戦えない身になってしまうのではないか、という危機感を抱いた。

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    2017年10月18日
  • 幼児教育の経済学

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    ノーベル経済学賞の著者が、就学前教育が成人して成功した生活を送る上でいかに重要であるかを説いた一冊です。
    就学前の子供に学力などの認知的能力はもちろん、社会において成功するためには、努力や忍耐力などの非認知的能力を高めることが、重要だと記されています。
    日本においても幼いころからの教育はとても重要で、健康を損なうことなく成長の手助けができれば、社会保障費の抑制にもつながるとの解説は納得がいくものでした。

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    2016年12月22日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

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    ★結婚やプロスポーツなど、身近な話題について考えるうちにインセンティブや因果関係といった経済学的思考が身に付くという良書である。
    しかし、章によってかなり趣が異なるため統一感がないように感じる。ただ章ごとの話は面白く、良書であることに変わりはない。

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    2014年10月26日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

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    経済学的思考によって身近にある様々な格差について述べた本著。論理的かつ物事に関する視野(選択肢)が広い。
    また、問題提起のみを行うというありがちな愚書とは異なり、問題視した上で筆者の具体的解決策も述べており、そのメリット・デメリットも曝け出している論法に好感がもてた。

    専門用語の羅列ではなく、身近にある事象を経済学ならびに論理的思考によって、分析している為、非常にわかりやすく楽しめた本であった。

    おススメ!

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    2013年02月09日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

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    経済をインセンティブと因果関係の視点から考えるきっかけになる良書。「イイ男は結婚しているのか?」や「成果主義によって生産性は向上したか?」といった身近な話題を例にその経済学的な意味を解き明かしていく。

    特に後半の格差問題や年金制度に関する議論が興味深い。「こんな制度になったらいいな」という主観に終始せず、「人間はその制度のもとでどんなふうに行動するのか?」を豊富な統計データや研究結果に基づいて考えている。

    まもなく衆院選、東京都知事選である。「こうなったらいいな」だけでなく、「そうなったらいったい何が起こるのか?」まで深く考えるきっかけにぜひ読んでいただきたい。

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    2013年05月02日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

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     日本人はなぜ競争が嫌いなのかを経済学的観点から説明しています。身近な話題を取り上げて解説してくれるので読みやすいです。

     雇用問題で非正規社員が増加し、その結果、富裕層と貧困層の格差が大きくなったと言われています。世論では、格差が大きくなるのはよろしくない、格差を是正しろと声高々に論じられています。一方、経済学の視点から考えると、一番の目的は、市場で効率良く成果を上げて利益を最大化することです。

     経済学の視点から言えば、格差が生まれるのは至極当然のことであり、格差を問題と考えること自体おかしいとの考えです。本書では、経済学の観点で、日本中に蔓延している全員平等で公平の考えに一石を投じて

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    2012年10月10日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

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    今読み途中ですが凄く手につきやすい、読みやすい本。

    題名からして、凄く内容が難しそうなイメージがありましたが
    実際読んでみるとそうでもなく、学生の私でも十分理解できる内容でした。

    物事を色々な方面から見る事ができるようになるかもしれません。

    今まで読んできた経済学の本の中でも一番のオススメ

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    2012年08月16日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

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    非常に面白かった。
    あらゆる身近な話題を経済学的に説明している。
    人が何かアクションを起こす際には必ず何かのインセンティブが働いていることが理解できた。

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    2012年06月28日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

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    良書
    特に下記は参考になった

    野球監督の能力推定(計量経済学)
    年功序列から成果主義への転換の説明(長期的な成果主義から、より短期的な成果主義への変更)

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    2011年09月29日
  • 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

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    ネタバレ

    優れた経済学についての一般の入門書は、次の点を踏まえたものであると私は考える。

    1、金稼ぎを研究する学問=経済学というよくある誤解を解消する
    2、数式を使わない
    3、扱われているトピックが身近なものである
    4、これから主体的に経済学的思考で物事を捉えることを手助けする

    このように考えるならば、この本はすべての点をバランスよく取り入れている優れた入門書である。事実、著者の阪大教授である大竹文雄氏は実証的な研究のみならず様々な賞を頂くほど、一般書の執筆でも評判が高い。

    本書の内容については、20ページほどにまとめられたコラムを集めたもので、人々の関心事ともいえる「美男美女は本当に得か」につい

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    2011年06月18日
  • 競争と公平感 市場経済の本当のメリット

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    日本で市場経済が不人気な理由を行動経済学の視点で分析していて興味深いです。行動経済学が好きな人には超お勧めです。


    【以下、興味深かった記述を抜粋】※「?付きの文章」は自分の感想

    ・【定年層の育った社会環境】好況→失業率の低下(努力すれば職に就ける)→勤勉である事が重要→(市場)競争に積極的。
    【若年層の育った社会環境】不況→失業率の上昇(努力しても職に就けない)→運やコネが重要→(市場)競争に消極的→規制強化に賛成。
       →好況だと市場競争に賛成な人が増え、不況だと市場競争に反対(規制強化に賛成)な人が増える。最近の草食系ブームの原因は景気なのか?

    ・規制により、規制の枠内での格

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    2013年11月24日
  • 経済学者のアタマの中

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    行動経済学のメリットを発信している好著だ.一般に知られている経済学のイメージは伝統的経済学であり、人間の行動は理想的に行かないようだ.説明のためのさまざまな事例が出てきたが、囚人のジレンマゲームが面白かった.経済学者が社会に役立つ仕事をしていると考えている というのはあまり知れらていないことだと感じた.

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    2025年12月08日
  • 行動経済学の処方箋 働き方から日常生活の悩みまで

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    新型コロナウイルス感染症対策分科会に参加していた経済学者の方のご著書。文化人類学者の磯野真穂さんの「コロナ禍と出会い直す」にて紹介されており、興味を持って手に取った。内容は一般的な行動経済学の入門書といったもので、一部コロナ対策についても言及がある。コロナ禍における政府の対応および私たち市民の反応についての反省や振り返りにもう少し重きを置いていたほうが、より読み応えがあった様に思う。

    人々は自由にさせておけば放っておいても合理的な選択をするであろうと考える伝統的経済学と異なり、人々は様々なバイアスや計算能力の限界により非合理的な選択をしうると考える行動経済学は、合理的な行動をするためのアドバ

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    2025年11月03日
  • 行動経済学の使い方

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    誰しも自分が思っているより合理的でない行動することがわかる。それにもかかわらず、適切な対応をしないことが多い。それは我々の行動が合理的に行われていると心のどこかで信じているのではないかと思った。

    はじめにの部分で
    つまり、人間の意思決定は合理的なものから予測可能な形でずれる。逆に言えば、行動経済学的な特性を使って、私たちの意思決定をより合理的なものに近づけることができるかもしれない。ⅳ
    とある。

    確実なものと不確実なものでは、確実なものを強く好む傾向がある特性。利得よりも損失を大きく嫌う特性。これら二つの特性から同じ内容でも表現方法が異なるだけで、意思決定が異なってくる。このような特性を知

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    2025年10月30日
  • 経済学者のアタマの中

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    研究者のライフヒストリーとしてはそこまでの掘り下げはない。行動経済学の導入としては悪くないだろうが、そこだけなら他にも多くの書籍が出版されている。経済学を学ぶ理由、という面については直接的な言語化は本書のようにはなされないにせよ、数多の歴史上の経済学者がそういったスタイルで研究を進めていったことには改めて納得ができる。

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    2025年09月27日