大竹文雄のレビュー一覧
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経済学と脳神経科学との接点、神経経済学の本。
人が経済的な選択を行う際に、脳のどの部分が活性化しているかなどを調べる研究。
他人が喜んだ時に自分もうれしく感じている時は、脳のある部分が活性化しているとか、逆に嫌いな人に罰を与えるときはどの部分で快感を感じているかなど、共感、信頼、同情、嫉妬などの感情と脳のはたらきをしらべている。
きちんとした理論化にはまだまだほど遠い印象だが、部分的には、人間の利己性や利他性の反応について説明原理が解明されていく可能性がある。
他人を喜ばせるとうれしいと感じるのはどんなメカニズムなのか。何割の人がそのように感じるのか。どういう人がそういう風に感じやすい -
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行動経済学×脳神経学。それぞれの分野でのここ数年くらいの動向は新書レベルでウォッチしていたけど、両方が一同に会してあーだこーだワイワイガヤガヤと論じられているのが楽しい。
人間は必ずしも経済合理的に行動するとは限らない、しかし、いつも同じように間違うのならそこに潜む法則性を脳神経学として見つけよう!など。
文部科学省のプロジェクトの一部を民間に還元する目的で出版されているとのこと。Good Jobでございます。
惜しむらくは、シンポジウムの書き起こしや聞き書きなので、文字量と比較して内容が少ないこと。普通の新書の1/3くらいの時間で読み終えてしまい物足りなさが残った。食後のデザートを単品で出さ -
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ネタバレ神経経済学の専門家により市民講座のようなものをまとめたものです。今日10000円もらえるのと、1週間後に10100円もらえるのの、どちらを選びますか?のような選択に関して、経済学、神経科学から解き明かしていきます。夏休みの宿題を計画的にできる人と、最終日に一気にやる人の違いは何?といった疑問を解き明かしていきます。非専門家向けに平易に書かれていて分かりやすいですが、逆に詳細は参考文献を読まなければ分かりません。取っ掛かりになると思います。serotonin不足になると、将来の利益より目先の利益を優先するようになることを示した実験や、オキシトシンによって、他者への信頼感が増すことを示した実験など
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Posted by ブクログ
本書は、日本人の資本主義及び競争と格差に対する感じ方の特徴に始まり、雇用、格差、貧困といった社会問題について、経済学的見地から分析し、問題の本質を明らかにしようとしている。こうした社会問題は、個別事例を強調した報道により、情緒的、感情的な議論が蔓延し、政治家も問題の本質に取り組まず、大衆迎合的かつ近視眼的な対応で世論の支持を集めようとしてきた。しかし、例えば雇用問題のように、規制強化による雇用保障や最低賃金の引き上げが、かえって雇用の選別を強め、二極化を助長することになり、政策目標と逆の効果を招いてしまうということが、経済学的には明らかであるにもかかわらず、政策レベルではこうした誤ったことが実
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Posted by ブクログ
経済学的思考のセンスとは「インセンティブの観点から社会を見る力と、因果関係を見つけ出す力」
なぜ風が吹いただけで桶屋が儲かったのかを見つけられるセンスのこと。読んでみると、いかに印象論でものを見ているのかがわかる。
僕らはネガティブな話題を好む傾向があるから、巷には印象論的な悲観論が流され、それが世論を作る。じゃあ、経済学的に考えればなにか変わるのかと思うと、好転する部分もあるけれど、悪化する部分もあるから結果はトントンな感じ。経済学的思考のセンスはもれなく、大きな声では言えないような事実も教えてくれる。例えば高身長の方が高所得だとか既婚者のほうが高所得だとか。後、別の本だけど、バカの子は -
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