和田はつ子のレビュー一覧
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現代と同じく歯医者は金がかかり、庶民はおいそれと掛かることが出来ず、大道芸人に飛び入りして歯を抜いてもらったりして、むしばや歯槽膿漏が悪化して熱で衰弱して亡くなる人が多かったという江戸時代、呉服屋の長男にして少々変わりものの桂助は蘭学を修め庶民のために<いしゃ・は・くち>を開いています。幼馴染の志保が世話する薬草で熱さましや麻酔薬を調合し、親友のかざり職人鋼次の協力を得て昔の歯ブラシ<房楊枝>を子供用に工夫しています。ある日薬草の畑で女がこと切れているのが見つかり、、、。一話読み切りの連続短編集と思ったら通しで読むとバラバラの事件は裏で全て大奥につながっていて、、、。筋書きはもちろん、江戸時代
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内容(ブックデータベースより)
江戸日本橋は木原店にも、寒い冬がやってきたが、一膳飯屋「塩梅屋」からもれる灯はあたたかい。
主の季蔵は、今宵も常連客に腕をふるっている。
そんななか、下働きの三吉が、季蔵に内緒で副業をやっているらしい。
しかもその三吉に殺しの疑いがかかり──。絶体絶命の危機に季蔵は! ?
(「團十郎菓子」より)表題作他「干し牡蠣」「小羽いわし」「冬いちご」のバラエティーに富む四篇。
美味しい季節料理と驚きのミステリー、
人間の心の深奥を描き切る、平成、令和の大ベストセラーシリーズ、益々絶好調の第四二弾。
令和7年11月15日~21日 -
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和田はつ子『禁忌』ハルキ文庫。
『多重人格殺人』を加筆・訂正、改題、文庫再刊。
今でこそ時代小説を執筆している和田はつ子であるが、かつては猟奇殺人事件などを題材にしたホラー・ミステリー・サスペンス小説を執筆していたのだ。
親本の『多重人格殺人』は1996年に角川ホラー文庫から刊行されており、当時は猟奇殺人事件をテーマにしたサイコ・ホラー・ミステリー小説の全盛期であったことを思い出す。既読作ではないかと思ったのだが、どうやら未読のようだった。
この作品が刊行された1996年には、まだスマホが登場していなかったし、不同意性交という言葉も使われていなかったので、これらの描写が加筆されたのだろ -
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「口中医桂助」シリーズの”明治篇”、『新・口中医桂助事件帖』三作目。(通算だと十八作目)
口中治療所〈いしゃ・は・くち〉を開業している口中医・藤屋桂助が、遭遇する事件の謎を解明していく連作四話が収録されております。
腕利きの口中医としてただでさえ忙しいのに、前巻で打診された医師試験の口中科部門の試験官を半ば強引に引受させられたり、大警視の川路利良から骸検視顧問に任命されたりと、相変わらず引っ張りだこ状態の桂助先生。
さて、そんな超多忙な桂助先生の元に、試験官を引受させた長与専斎から新たな虫歯削り機が勝手に届けられた為、元々"歯削り師"として機械での治療をしていた鋼次と -
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「口中医桂助」シリーズのセカンドシリーズ”明治篇”・『新・口中医桂助事件帖』の二作目。(通算だと十七作目)
アメリカで最新の歯科医療を学んで帰国し、東京で〈いしゃ・は・くち〉を開業している藤屋桂助が、遭遇する事件の謎を解明する連作四話が収録されております。
・若い女性を狙った暴行事件と怪しい「金木犀屋敷」との関わりとは・・(第一話 「金木犀禍」)
・腹部を刺され、桂助の元に運び込まれた老爺と孤児の正太に因縁が?・・(第二話「バニラの花」)
・桂助と妻の志保、鋼次が招かれた実業家の晩餐会の最中に起こった、”毒入りワイン事件”の真相は?・・(第三話&表題作「 ほうれん草異聞」)
・落下死とされ