和田はつ子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
和田はつ子『禁忌』ハルキ文庫。
『多重人格殺人』を加筆・訂正、改題、文庫再刊。
今でこそ時代小説を執筆している和田はつ子であるが、かつては猟奇殺人事件などを題材にしたホラー・ミステリー・サスペンス小説を執筆していたのだ。
親本の『多重人格殺人』は1996年に角川ホラー文庫から刊行されており、当時は猟奇殺人事件をテーマにしたサイコ・ホラー・ミステリー小説の全盛期であったことを思い出す。既読作ではないかと思ったのだが、どうやら未読のようだった。
この作品が刊行された1996年には、まだスマホが登場していなかったし、不同意性交という言葉も使われていなかったので、これらの描写が加筆されたのだろう。
描かれるのは、若い女性が犠牲になったカニバリズムを示唆するような猟奇殺人事件である。恐ろしく冷たい雰囲気の警視庁捜査一課のキャリア刑事、水野薫が探偵役ではなく、文化人類学者の大学准教授、日下部遼が探偵役を務める。
明言はされていないが、犯人は既に冒頭から登場しており、その犯人の動機と犯人に迫る過程が描かれるのだが、どうにもしっくり来なかった。
恐らく、映画化されたトマス・ハリスのサイコ小説『レッド・ドラゴン』や『羊たちの沈黙』を意識しているのであろうが、そこまでの域には到達していない。
密かにモデルを目指しながら旅行会社に勤務する28歳の結城みちるという女性と幼女の遺体が横浜市、佐野市で次々と発見される。2人の頭からは脳がえぐり出され、手足からは肉がそぎ取られていた。
警視庁捜査一課の肩書きの無いキャリア刑事、水野薫は、最初の被害者となった結城みちるの交際相手である大学准教授の日下部遼の自宅を訪ねる。日下部は文化人類学者であり、水野に協力し、連続猟奇殺人鬼のプロファイリングを行う。
次第に明らかになる犯人の恐ろしい嗜好と正体……
本体価格720円
★★★ -
Posted by ブクログ
「口中医桂助」シリーズの”明治篇”、『新・口中医桂助事件帖』三作目。(通算だと十八作目)
口中治療所〈いしゃ・は・くち〉を開業している口中医・藤屋桂助が、遭遇する事件の謎を解明していく連作四話が収録されております。
腕利きの口中医としてただでさえ忙しいのに、前巻で打診された医師試験の口中科部門の試験官を半ば強引に引受させられたり、大警視の川路利良から骸検視顧問に任命されたりと、相変わらず引っ張りだこ状態の桂助先生。
さて、そんな超多忙な桂助先生の元に、試験官を引受させた長与専斎から新たな虫歯削り機が勝手に届けられた為、元々"歯削り師"として機械での治療をしていた鋼次と共に機械での治療ができる人材を急遽募集する羽目になるという・・。
と、またもや長与さんの強引さに振り回される桂助達ですが、おかげで小幡英之助という、やる気満々の若者が新たにスタッフとして〈いしゃ・は・くち〉に加わりましたね。
ただ、この英之助くんが向上心があるのは良いのですが、その"過ぎるやる気"が祟って後々、命の危機に瀕することになってしまうとは・・((((;゚Д゚))))。
第三話「 曼殊沙華」と第四話「 待雪草」は連続した話で、とある医師の殺人事件から始まり、前述の英之助くんも巻き込まれてしまう"スノードロップ"なる殺人請負人に行きつくまでの、桂助先生の推理力が光る謎解きを楽しませて頂きました。
因みに、当時流行った"うさぎ投機"に因んだ事件を描いた第二話「うさぎ草」の中で、
「雪乃さんとスタインバーグさん、捨てられたり殺されたりするうさぎが一羽でも多くならないようにって、うさぎが暮らすのに適した無人島を探して買って、うさぎ島にしてくださったのよ・・」
・・という台詞があったので、「"うさぎ島"ってあの〈大久野島〉の事?」と思って、検索してみたところ、由来的に全然違いました~!ミ(ノ_ _)ノ=3 ズコー‼︎
(あくまで、フィクションということですな(;'∀')) -
Posted by ブクログ
「口中医桂助」シリーズのセカンドシリーズ”明治篇”・『新・口中医桂助事件帖』の二作目。(通算だと十七作目)
アメリカで最新の歯科医療を学んで帰国し、東京で〈いしゃ・は・くち〉を開業している藤屋桂助が、遭遇する事件の謎を解明する連作四話が収録されております。
・若い女性を狙った暴行事件と怪しい「金木犀屋敷」との関わりとは・・(第一話 「金木犀禍」)
・腹部を刺され、桂助の元に運び込まれた老爺と孤児の正太に因縁が?・・(第二話「バニラの花」)
・桂助と妻の志保、鋼次が招かれた実業家の晩餐会の最中に起こった、”毒入りワイン事件”の真相は?・・(第三話&表題作「 ほうれん草異聞」)
・落下死とされた元・女盗賊の死の真相とは・・(第四話 「どんぐり巡査」)
前巻を読んだのが2021年・・せっかくセカンドシリーズが始動したものの、忘れた頃に二作目が刊行というのんびりペースの当シリーズ。
明治篇という事で、これまでの漢方医から西洋医への転換をはかる為の医師国家試験の実施が企画され、桂助先生がそれの口中科学の審査官を打診されたりと、〈いしゃ・は・くち〉を取り巻く環境も変化している様子です。
そんな腕利き口中医・桂助先生の洞察力と推理力が冴えわたる謎解き部分は”うん、これこれ!”という感じの安定感で楽しめました。
ただ、ちょっと気になったのが文体で、いきなり主語をすっ飛ばして誰が発したかわからん台詞がぶっこまれたりと、文体のクセというより文自体がおかしくね?って感じで、”こんなに独特な文体でしたっけ?"とモヤってしまった私です。
あと、モヤりついでに金吾のキャラがどうにも・・汗
特に第二話で、金五が孤児の正太を桂助と志保さん夫妻のところに押し付けようとする場面があるのですが、志保さんが「うちは診療をしているから、(正太を預かっても)相手ができない・・」と暗に断っているのに「かまう必要ないよ。あ、でも志保さん特製の美味しいお八つはあげてよね」と返す等、厚かましいにもほどがありますよね~。(ま、この時はさすがに"図々しすぎる"と鋼次に怒られていましたが)
・・と、文体やキャラ(てか、金五)にモヤつきながらも、久々に桂助先生の謎解きを楽しめたので、まぁ良しとしませう(超オマケの★3)。
次巻がいつ出るのかわかりませんが、気長に待ちたいと思います~。 -
ネタバレ 購入済み
不気味
珊瑚を巡る密貿易。実際に、有ったのか?無かったのか?桃色珊瑚の、木のように大きい物、見てみたい。今回の黒幕は、人心を繰る妖術使いの僧で、とても不気味だった。また、料理が、政治的な意味合いを持たせて作られていて、美味しそうに感じられなかったのが、残念。