【感想・ネタバレ】新・口中医桂助事件帖 シーボルト花のレビュー

あらすじ

歯科医療を考える桂助に事件解明の依頼!?

漢方から西洋医学への転換を行おうとする政府は、医師試験の実施を決定した。桂助は長与専斎の説得により、口中科部門の試験官を引き受ける。長与から虫歯削り機を進呈された桂助は、〈いしゃ・は・くち〉で働く求人をした。そこへ、桂助の下へ小幡英之助という若者が訪ねてきた。
英之助とは一緒に働くことになったが、悩みを抱えていることがわかった。患者の香里という娘のせいらしい。(第一話 シーボルト花)
一時、うさぎの飼育・販売が大ブームとなっていた。外来のうさぎが輸入され、人気のうさぎは高額な値段で取引されるようになった。大阪や東京でうさぎに税金が課せられ、うさぎの価格は暴落しつつあった。
大警視の川路利良から骸検視顧問に任命されてもいる桂助は、呼び出しを受ける。発端は、身分の高い人の飼っていたうさぎが盗まれたという。(第二話 うさぎ草)
人気の蘭方医である松永幸太郎が殺害された。桂助は、金五とともに事件の究明にあたる。(第三話 曼殊沙華)
警視庁本庁に届けられた投げ文には、亡くなった三人の富裕層の名前と「スノードロップ」の文字があった。桂助が、その真相に迫っていくと…。(第四話 待雪草)

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Posted by ブクログ

「口中医桂助」シリーズの”明治篇”、『新・口中医桂助事件帖』三作目。(通算だと十八作目)

口中治療所〈いしゃ・は・くち〉を開業している口中医・藤屋桂助が、遭遇する事件の謎を解明していく連作四話が収録されております。

腕利きの口中医としてただでさえ忙しいのに、前巻で打診された医師試験の口中科部門の試験官を半ば強引に引受させられたり、大警視の川路利良から骸検視顧問に任命されたりと、相変わらず引っ張りだこ状態の桂助先生。

さて、そんな超多忙な桂助先生の元に、試験官を引受させた長与専斎から新たな虫歯削り機が勝手に届けられた為、元々"歯削り師"として機械での治療をしていた鋼次と共に機械での治療ができる人材を急遽募集する羽目になるという・・。
と、またもや長与さんの強引さに振り回される桂助達ですが、おかげで小幡英之助という、やる気満々の若者が新たにスタッフとして〈いしゃ・は・くち〉に加わりましたね。
ただ、この英之助くんが向上心があるのは良いのですが、その"過ぎるやる気"が祟って後々、命の危機に瀕することになってしまうとは・・((((;゚Д゚))))。

第三話「 曼殊沙華」と第四話「 待雪草」は連続した話で、とある医師の殺人事件から始まり、前述の英之助くんも巻き込まれてしまう"スノードロップ"なる殺人請負人に行きつくまでの、桂助先生の推理力が光る謎解きを楽しませて頂きました。

因みに、当時流行った"うさぎ投機"に因んだ事件を描いた第二話「うさぎ草」の中で、
「雪乃さんとスタインバーグさん、捨てられたり殺されたりするうさぎが一羽でも多くならないようにって、うさぎが暮らすのに適した無人島を探して買って、うさぎ島にしてくださったのよ・・」
・・という台詞があったので、「"うさぎ島"ってあの〈大久野島〉の事?」と思って、検索してみたところ、由来的に全然違いました~!ミ(ノ_ _)ノ=3 ズコー‼︎
(あくまで、フィクションということですな(;'∀'))

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2025年05月16日

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