池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書では、特に人間の思考プロセスを即決型の「ヒューリスティック」と熟考型の「システマティック」に分けて説明していました。ヒューリスティックは短時間で結論を導き出す思考法であり、日常の多くの場面で役立ちます。一方、システマティックは時間をかけて深く考える思考法で、慎重な判断が必要な場面で重宝されます。この二つの思考パターンは相互に補完し合い、人間の意思決定を支えています。
特に印象的だったのは、ヒューリスティックを論理的に理解することで、自分自身の行動を客観的に振り返ることができる、という点です。例えば、普段の買い物や仕事の選択において、なぜその決断をしたのかを分析するとき、ヒューリスティックの働きを知っていると、「本当に必要な決定だったのか」「無意識に影響を受けていたのか」を冷静に考える助けになります。
この本を通じて感じたのは、行動経済学は単なる学問ではなく、私たちがより良い選択をするための実用的なツールでもあるということです。日々の生活において、この知識をどう応用できるかをさらに掘り下げて考えてみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
かなり色んなことを学ばせて頂いた。
経営と宗教というものを、人間と組織、信じるものに向かって進むという現象を捉えるという共通視点に立って分析していく本書は示唆に富むことが多かった。
宗教から経営理論の理解を深める
経営理論を用いて宗教を理解する
国際社会のOSである宗教を理解することで、グローバル化する仕事やビジネスに役立てる
これらの目的が、明確に、わかりやすく、面白く提示されている。
今回扱ったのは、キリスト教とイスラム教のみだったので、日本的習合の宗教観や、世界にあるアニミズムなど、それぞれの社会にある、制度理論や無意識のバイアスから、その社会や経営というものを考えることもしてみたいと思う。
人と、集団、組織、社会が動く上での行動規範に宗教的なものが、どう影響するのかは、面白い視点だ。
恐らく、生理学や心理学、群集心理学、行動経済学、社会システム理論、自由意志などと合わせて、複合的に考えていくことが必要になるだろうが、一面としての経営理論と宗教学の関係をでそうした分析を見せてもらったのは、有意義だった。
今回学んだ中でも、両ききの経営、探究と深化の両方が必要というのは一番刺さった。自分は探究が好きだと改めて認識した。
そして、我が社は、日本社会でこの探究をサポートするというミッションを持てるのではないかと思った。
また、リアル書店の効用として、この探究を手助けしてくれるということが紹介されていた。百學連環てきなもの。セクト的な物から新しいものが生み出されるというはなしから、自身が好きなこと、力の入ることがよく見えてきた。
その他、学んだことがらは次のとおり。
センスメイキング理論
パーパスなど、腹落ちしていることが大事であること。それによってまた、組織の求心力と行動が進められる。次の探究を進める上でも重要。
センスメイキング、腹落ちをしてもらうには、
TOP自身が腹落ちするパーパス ビジョンを繰り返し語る
中間層は、それをよく理解して、現場の言葉に置き換えて腹落ちさせる
パーパス、ビジョンをきちんと言語化し、様々な形で残して、社員やステークホルダーにみせていく。
未来を描いた動画や絵を作るなど。
科学哲学の実証主義と相対主義のこと。
両ききの経営
探究と深化のバランスをとることの重要性。深化は、効率化。失敗が少なくなる。探究は、失敗も多いが、イノベーションを生み出す。イノベーションは異なるものの掛け合わせからしょうじる。
チャーチ セクト理論と進化理論
チャーチ、セクト、カルト、デノミネーション
セクトから、デノミネーションに行くには社会的正当性レジティマシーを得る必要がある。
社会的正当性を得る上で、ロビーイングが必要。LOOPは成功例
宗教組織がうまく機能するための三つの役割
共感性→センスメイキング
行動規範→センスメイキングに裏打ちされた行動指針
コミュニティ
→組織文化の視点として挙げられている価値観、ストーリー、ツールキット(組織文化を支える手立て)
社会学ベースの制度理論
いわゆる常識というもの。
利害やなんかとは関係なく、自動的に集団内で共有されている常識的行動
しがらみの強い組織では新しいものは生まれない
→出島的にやるのが良い
矛盾を抱えていることが強み
→両利きの経営も同じ
せめぎ合いがダイナミズムを生む。内田樹先生のいう葛藤の効果と通じる
これら、学んだことを、どう実践に落としていくか。これからの試行錯誤と探究が続く。
にしても、池上彰が、神道には経典がありますと言っているのは、正確ではない。そうして言ってるものもあるというところ、どの、神社系がいつ言い出したのかとか、そういうところまで書かないと、誤りとなる。こうしたことをしれっということは危ないし、それをそのまま書いてる文春新書もいかがなものかと思う。
俺も
ちょっと齧ってすぐ、こうだというのは、慎重になろう。
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Posted by ブクログ
実は原爆を開発していた日本。世界地図から見える領土の本音。日本国憲法は改正すべきか?紙切れを「お金」に変える力とは…。本書はあの池上彰氏が東京工業大学で行った講義を書籍化したものです。面白かったです。
東京工業大学といえば、僕の身近にも1人進学をした人がいて、彼はコンパスを使わずにフリーハンドで円を描くという特技の持ち主で、無論、理数系の分野ではものすごく優秀な人でありました。読みながら彼のことを思い出し、もう会うことはおそらくないだろうなと思いながらページをめくっておりました。
本書は僕も初めて知りましたが、あの池上彰氏が東京工業大学に教授として赴任し、リベラルアーツの講義を1年間に渡って行い。それを活字化、書籍化したものです。授業のはじめに
「頭はいいけど『世間』に弱い」
「『経済にうとくて』と言い放つ某首相を輩出した」
といって学生たちを笑わせつつも、将来研究に関する分野や、『ものづくり』の最先端を支えるであろう彼等を相手に「教養という名の世界地図」というものを示しており、世間というものがいったいどうなっているのか? 『教養』というものはどういうものか? ということについて縦横無尽に語られており、出来れば僕も聴講生として、授業を聞いてみたいなと思ってしまいました。
授業の中身は就職活動をする学生にはきになるであろう「悪い会社・優れた経営者の見分け方」やここ最近は特にこの問題が新聞などをにぎわせる「領土問題や反日運動にどう対処すべき?」さらには「年金には入ったほうがいいのか?」本当に多岐にわたっており。読んでいてとても面白かったです。
後半部にはいま、事件が風化し始めてこの問題を知らない世代が出始めたことに大変ショックを受けましたが、理系大学の最高峰だからこそ語られてほしかった「なぜ優秀な理系学生がオウム真理教に?」というお話や、即興のプレゼンテーション形式で賛否両論の活発な議論が行われた「君ならサムスンに移籍するか?」という技術者としての野心と『愛国心』に揺れる微妙なテーマを取り上げるくだりは『さすがだな』と思わずうなってしまいました。
僕はこれが日経新聞に連載されていたときは読み飛ばしていたのですが、これが今回書籍化されたことによって、その内容に触れることが出来ました。
それは本当にありがたいと思っていますし、ここに書かれていることが理解できればニュースなどを見ていても『あぁ、あのことを言っているんだな』
と納得できることが多いでしょう。
※追記
本書は2015年3月10日、文藝春秋より『この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 世界篇 (文春文庫 い 81-3)』として文庫化されました。