井上章一のレビュー一覧
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大阪の地理を、野球的に語る。
なにこれ、全然知らない、
というか私は野球ファンでも何でもないので、セ・リーグとパ・リーグが何なのかも知らないレベルなのですが、
こういうふうに一つ具体的に考えさせられるとちょっと興味を持てました。
「阪神」は地元ですが阪神についてもあの奇抜なユニフォーム、ぐらいしか知らなかったなか、この本は著者の空想?敵なところも入っていて、SFフィクションみたいな話もあって、
結局私は事実を知ったのかどうかはよく分かりませんが、とにかく新たな視点を得ました。
第一部は、凱旋パレードのごとく関西圏では象徴的なイベントらしい、「御堂筋パレード」について。
第二部は、阪神ファンに始まる、道頓堀のダイビング行為について。
なんだか歴史小説っぽかったですがおもしろかったです。
地元民じゃないと少し詳しすぎるかな。 -
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ふんどしの近代史を風俗写真などから読み解いている。主に述べられているのは、近代になり男性の間では洋服を着るのがわりと一般的になっても、下着はふんどしという時代が1950年代くらいまでは続いていたこと。男性のふんどしは日本(男児)の魂を表すシンボリックな存在という位置づけだったのではないか。一方、女性のほうが和装から洋装に変化した時期は遅かったけど水着やズロースといった洋ものに移行した早かったようだといったこと。
何か決定的なふんどしの歴史を明かしてくれるのかと思いきや風俗写真をネタに考えや想像をめぐらす止まりという感じ。まあ、ふんどしが単なる下着ではない神聖なる存在らしきことは理解した。 -
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日本は戦後、利便性・個人の願望ばかりを追い求めて建築の美、都市景観を壊してきたという筆者の意見。
都内在住の人間として、街並みの汚さは感じるところがあるので納得。
パリを訪れた時も、繁華街であっても昔ながらの美しい街並みに驚いた。
日本はごちゃごちゃとして一つ一つの看板、広告も視覚的にうるさい。
都内では細長いペンシルハウス隣の住宅とほとんど隙間なく立ち並び、不動産の高騰から住宅の狭小化が止まらない。そんななかでも豊かな生活を求めて日本人は設計事務所に依頼をする。
一般人が小さな住宅に対して建築家に設計を求めることは世界では珍しいと書かれていた。
おそらく世界から見たら、庶民が狭小住宅に建築家を入れることなんかはちぐはぐで滑稽なことなのだろう…。
インスタとかを見てても、日本人って結構自己顕示欲強い人多い印象。景観・建築にもそれが現れているというのは思い至っていなかったけれど、色々と納得の内容だった。 -
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はじめに ではこんな文章がある。教科書で学ぶ歴史は「歴史のココを見ろ」と指定されたミカタ。ちょっと大人になって司馬遼太郎などの歴史小説を読むのは「団体バスツアー」の歴史のミカタ。歴史の本当のおもしろさはある程度歴史知識ができた時点で、大人の人生経験をもとに、自分のみたい歴史の部分を「自分のミカタ」で見るところにある。
井上章一と磯田道史の対談の本だったが、楽しく読めた。
日本は中継ぎとはいえ、女帝が多い(8人10代)というのは意外だった。
本当にさまざまな観点から歴史は捉えられるんだなと、いうのが感想。ただ、やっぱり対談形式は内容が薄い気がしてしまう。 -
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西洋を舞台にする小説を著する佐藤賢一と、国際日本文化研究センター教授の井上章一による対談方式の本。
まだまだ個人的には世界史的視点は、乏しいところであるが、二人の軽妙な語り口に、面白味と首肯けるところが多々あった。
話は神話から現代までと守備範囲は広く、特に第二章の、遊牧民という世界史に与えた影響、インパクトについては、今日の研究で少しずつ浮き出されつつあるも、一般的にはまだまだ西洋史と東洋史が主流なため、そういった異なった俯瞰はとても興味深かった。
果たして現代について、過去から学んでどのようにそれを活かせられるのか。結局は過去を学ぶことでしかそこに解決策を見出せないのか。それは一朝一夕には難しい。 -
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海外、特にイタリアと日本の都市の建築物を比較して日本人の景観に関する価値観について批判する本。エッセイ風で手軽に読める。「海外では」という論調になりがちなのと、読む人によっては不快な思いをするかも、とあらかじめ断わりながら書かれている。
言われてみれば、日本の建築は海外と比べて「昔からの建築様式」を捨て去り、逆に昔ながらの建物にはイベント性も伴うような懐かしさを感じてしまう。著者は日本の建築行政は安全性には事細かだが景観や文化の継承に関しては無頓着だと批判している。
お堅い話しばかりではなく、薬局の店頭のマスコットキャラ、日本独自のものらしいKFCのサンダースおじさん、ラブホテルの建築様式が「子供じみている」という言及をしているくだりは、批判を含みながらも色々気づかされることが多くて少し笑える。 -
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ネタバレあくまでネタとしてではあるが、京都の人は気位が高く、底意地が悪くて、排他的…というイメージがある。テレビでも他府県の人、特に大阪、滋賀あたりをバカにする演出を映像で良く見るし、その中では他府県の人側も「せやから京都は…」と対立構造を作ってネタにする。
この本も、その手のよくある「だから京都は…」的ネタ本だが、なんで学術系の親書で出したのだろう?これってミーツ当たりのエッセイで読み、量がまとまったら、しりあがり寿あたりのイラスト満載で薄手の単行本で出す類じゃないのかな?
本の体裁があるんで、文中によく出てくる「私の思い込みだが」的な記述に、そこを掘り下げてから書けよ!と思ってしまう。京都文化論を読むつもりで手に取れば失望するし、気軽に手にとるには体裁がハードルを上げてるし…残念やなぁと思う。