あらすじ
日本には三つの国があった、武士を動かす「おねえさん力」、日本最初の絶対王政・室町幕府、寺は租税回避地、明治維新の陰のスポンサー……などなど、これまでの常識を覆し、日本史の新たな見方を提供する本格対談。京都史観の井上教授と関東史観の本郷教授がユーモアを交えながら時に対立、時に協調。ヘトヘトになるまで語り尽くした。語り口はやわらかく、おもしろいけれどかなり深いところまで掘り下げる。歴史ファンにはたまらない!
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Posted by ブクログ
それぞれ一家言ある井上・本郷両先生の対談本。鎌倉期から幕末まで流れる経済の底流や、実体的な力を失った後の朝廷の生き残り戦略、 など参考になる切り口が多かったです。井上先生の発言が要所要所関西弁なのが面白い。
Posted by ブクログ
神話と伝統、日本国意識など論題はいくつかありますが、天皇家と武士を中心に扱っているイメージです。東京出身と京都出身の教授が論じ合う。
明治維新の成功は商人たちによる力添えがあったからこそだったと言う論や、豊臣秀吉や徳川家康を対比して家康は秀吉時代より大きな大阪城を建てたけど、大きいだけで派手さがないと評する。
武力を持たない天皇家が常に生き残る術を探してきたという話は面白かったです。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 日本史はひとつではない
序章 ここだけの話
第1章 神話と統治
第2章 祭り上げの政治技術
第3章 武士と武芸の源流
第4章 「日本国」意識
第5章 絶対王政・室町幕府
第6章 朝廷は下剋上で輝く
第7章 鎖国と米本位制
第8章 明治維新はブルジョワ革命だった
終章 日本人と天皇
<内容>
最近露出の多い、東大の本郷和人と京都大出身の井上章一(本職は建築史だが、世界史に造詣が深く、『京都ぎらい』で一躍有名に)の日本史対談集。やや暴走気味に歴史の妄想を語る京都史観の井上氏に、東京史観の本郷氏が斬り返す(ただ、後半はかなり押され気味)。井上氏の発想の豊かさに感服し、日本史の常識がたびたび覆されるのが、本書のポイント!
Posted by ブクログ
対談を通して日本史学者の名前が沢山出てくるのでその学者がどんな事を言っているのかが分かるのが良かった。
正直なところ、よくわからない点もあったが、官職一覧や家格表など補足してくれているのはありがたい。
Posted by ブクログ
読まずに見て、気になったところだけを読みました。全部読むには自分の歴史観が追いついていないので。
面白いと思ったのは、テレビドラマで武士が方言を喋らせるのはいかがか?というところ。方言を使うのは大概が荒くれものの武士で、その方言を使うことはその地方は荒くれものがいるというイメージにならないか、という視点は自分にはなかった。住んでいる場所が違うのだなと説明なしに理解できるから方言を使うのは手法としてありだと思ってたけど、たしかにその方言にマイナスイメージを植えつけてしまうか。