高野和明のレビュー一覧

  • ジェノサイド 上

    Posted by ブクログ

    人よりも進化した知能を持つ生物が現れたとしたら、人間の絶滅を危惧して、早いうちから排除しようとするんだろうなと、種の存続を第一優先に考えるのは、他の動物と変わらないなと、人の弱さをスリリングな冒険と共に学べました。
    肌の色や、生まれた土地が違うだけで争いが起こってしまうのだから、進化した生物なんてもってのほかでしょうね。

    0
    2025年12月06日
  • 犯人と二人きり

    Posted by ブクログ

    SF、ホラー、サスペンス… 様々なジャンルを丁寧な筆致で読ませるミステリー作品集 #犯人と二人きり

    ■きっと読みたくなるレビュー
    『13階段』『ジェノサイド』で有名な高野和明先生のミステリー作品集。

    幽霊を絡めたがホラー風な物語が多く、以前直木賞候補になった『踏切の幽霊』を思い出してしまいました。丁寧かつ巧妙な筆致で、読者をゾクゾクッとさせるのがお上手ですねー。あっという間に全部読んじゃいました。バラエティーに富んで楽しい作品ばかりですが、私がイチ推しなのは『天城の山荘』ですね。

    ■各短編の簡単レビュー
    ○ゼロ
    ある男が海岸で目を覚ます。過去の記憶がなくなっており…

    記憶喪失のSFミス

    0
    2025年12月05日
  • 犯人と二人きり

    Posted by ブクログ

    どれも面白くて、しかも怖さや不思議さなどさまざまな気持ちに陥る。
    安定した読みやすさもあって楽しめた。

    「ゼロ」〜いつの時代か、自分が何者かわからない世界をどう感じるのか…

    「跫音」〜自分の後から聞こえてくる靴音に悩まされる友人に助けを求められるが…

    「死人に口あり」〜逃げ切れると思っていたはずだったが…幽霊の正体を見るまでは。

    「二つの銃口」〜通り魔事件の犯人と遭遇したことで、いったい誰から逃げているんだ状態に陥る。

    「ハードボイルドな小学生」〜変なビラを入れた犯人を探すことで、見えてきたもの。

    「天城の山荘」〜その山荘に隠されていたものに驚愕する。

    「三人目の男」〜夢から始ま

    0
    2025年12月05日
  • 犯人と二人きり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     前作『踏切の幽霊』から約3年ぶりの新刊。『踏切の幽霊』は11年ぶりの新刊だったので、この方にしてはインターバルが短いなあと思って手に取ると、本作は短編集だった。各編初出時期は2002年~2015年と広範囲にわたっている。

     まずは短い「ゼロ」。高野作品には珍しいSF的設定。うまくやったはずなのに、何だよそのオチは…。「跫音(あしおと)」。オーソドックスながらなかなかのホラー。これでホラーの才覚に目覚め、後に『踏切の幽霊』が生まれたのだろうか。

     「死人に口あり」。刑事と犯人の車内での駆け引き。初出は『幽霊人命救助隊』の刊行と同時期か。幽霊ネタが好きなのか? 「二つの銃口」。閉鎖空間で、銃

    0
    2025年12月02日
  • 踏切の幽霊

    Posted by ブクログ

    下北沢にある踏切には女の幽霊が現れる。
    そんな嘘か誠かわからない話を雑誌のネタとして追うことになったのは元新聞記者の男。
     
    その男は妻との死別を機に生きる気力をなくしてしまっており、新聞社を辞めた後に拾ってもらった女性雑誌でも熱が入らず、この取材で熱意が戻らねば辞めてもらうと暗に仄めかされていた。
     
    とりあえず飯は食わねばなるまいと、しぶしぶホラーのための取材を始めるが、彼の身には不可解な現象が起き始める。
     
    と、いうように始まり方は王道のホラーのようであるが、その後の展開は驚嘆するほど。

    安直なホラーで終わってしまうかと思いきや、彼の人格と彼が求める人生への問いが幽霊は誰で、何があっ

    0
    2025年11月29日
  • 踏切の幽霊

    Posted by ブクログ

    踏切に現れだした幽霊の身元を探っていくうちに様々な真実が明らかになっていき、幽霊の存在がゾッとする怖さと哀しみから一人の壮絶な人生を感じた。

    0
    2025年11月28日
  • ジェノサイド 上

    Posted by ブクログ

    感想は下巻にて✎☡

    ✎︎____________

    親というのは、自分の死をもって、最後の、そして最大の教育を子供に施すのだろう。良くも悪くも。(p.73)

    正しいことだけを語ろうとする者は、口が重くなるんだ(p.112)

    狂った頭で戦争を言い出すのは、決まって国のリーダーなんです。国民じゃありません(p.179)

    権勢欲に取り憑かれ、あらゆる政治的闘争を勝ち抜いていく人間は、正常の範囲から逸脱した好戦的な資質を有しているはずだ。しかしその反面、民主主義国家では、そうした人間をリーダーとして選出するシステムが民意によって作り上げられているので、選ばれた人間こそが集団の意思を体現している

    0
    2025年11月21日
  • 踏切の幽霊

    Posted by ブクログ

    この小説において大きな嘘は「幽霊がいる」という一点のみであり、その周囲を徹底的に現実の社会描写で埋め尽くすことで、幽霊小説でありながらリアリティレベルの高い作品になっている。全体的に物哀しい孤独感にあふれた作品だが、「踏切の幽霊」という文字通り雲を掴むような話から、地道な取材を通してやがて巨大な疑惑にたどり着くという、ホラーと社会派ミステリーの読み味の融合した傑作と思う。解説でも触れられていたが、読んでいるときに想起したのは宮部みゆき「火車」。

    0
    2025年11月21日
  • 犯人と二人きり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    それぞれ全く雰囲気が異なる、7つの怪事件短編集。
    ミステリーというよりは、オカルトが中心となる短編が多かった。
    個人的には「死人に口あり」と「三人目の男」がお気に入り。
    前者は、警察と容疑者それぞれの視点が交互に描かれながら結末へと向かう展開が面白かった。言葉で説明できない霊的な正体の存在は、生きているものに恐怖を抱かせるのだろう。
    後者は、非現実的なようで、どこかにありそうなストーリー。他と特に雰囲気が異なっていて、許されない事件の真相があったけれど、息子の最期の言葉が母親に伝わった時は、哀しくも少し救われた気持ちになった。

    0
    2025年11月18日
  • 踏切の幽霊

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ホラーではありながらも現実味があり、一人の記者と、一人の女性の人生が詰まっていた。
    面白く扱われるような心霊ネタから始まったものが、失望の中にいた記者の心を動かし、人生をかけて一人の人間と向き合う仕事をして、誇りを持って仕事を終える。その中で、胸が苦しくなる場面は数え切れないほどあった。笑い方を知らない女の子、という言葉が、とてつもなく哀しいもので、深く心に突き刺さった。
    どのように物語が締め括られるのかと読み進めていたが、唯一明らかにされた、彼女が踏切に向かった理由を知ることができて、哀しくも、やるせなさも感じた。

    0
    2025年11月11日
  • ジェノサイド 下

    Posted by ブクログ

    なかなか残虐な描写に頭の中を支配されて不愉快でしたが。後半もノンストップでおもしろい!いったいこの壮大なドラマをどうやって完結させるのか!!

    0
    2025年11月01日
  • ジェノサイド 上

    Posted by ブクログ

    読み始めたら止まらないと勧められましたがその通り!引き込まれていく〜。日本、アメリカ、アフリカと舞台もスケールが大きく読み応えあり!

    0
    2025年11月01日
  • ジェノサイド 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    グレゴリー・S・バーンズ
    合衆国大統領。

    サミュエル・ギブソン
    海軍中佐。

    メルヴィン・ガードナー
    初老の白人男性。科学技術担当大統領補佐官。博士。

    チャールズ・ワトキンス
    国家情報長官。

    ロバート・ホランド
    CIA長官。

    ジョナサン・“ホーク”・イエーガー
    ウエスタン・シールド社から要人警護の任務を割り振られた。“グリーンベレー”出身。

    マクファーソン
    護衛隊リーダー。

    リディア・イエーガー
    イエーガーの妻。リスボンで入院中の息子に付き添っている。

    ジャスティン・イエーガー
    イエーガーの息子。肺胞上皮細胞硬化症という難病を患う。余命一ヶ月。

    アル・ステファノ
    宿舎の管理責任

    0
    2025年10月29日
  • ジェノサイド 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    グレゴリー・S・バーンズ
    合衆国大統領。

    サミュエル・ギブソン
    海軍中佐。

    メルヴィン・ガードナー
    初老の白人男性。科学技術担当大統領補佐官。博士。

    チャールズ・ワトキンス
    国家情報長官。

    ロバート・ホランド
    CIA長官。

    ジョナサン・“ホーク”・イエーガー
    ウエスタン・シールド社から要人警護の任務を割り振られた。“グリーンベレー”出身。

    マクファーソン
    護衛隊リーダー。

    リディア・イエーガー
    イエーガーの妻。
    リスボンで入院中の息子に付き添っている。

    ジャスティン・イエーガー
    イエーガーの息子。肺胞上皮細胞硬化症という難病を患う。余命一ヶ月。

    アル・ステファノ
    宿舎の管理責

    0
    2025年10月28日
  • ジェノサイド 下

    Posted by ブクログ

    重厚な物語に引き込まれて一気読み。残酷描写が多いうえ必要以上にリアル。精神的に元気なときに読むのがおすすめ。私はインフルエンザで寝込んでいるときに暇つぶしに読んだので気分が悪くなりました‥。
    壮大なスケール。エンターテイメント。文句なしに面白いが、凄惨な描写が恐ろしくて、再読はできないと思う。
    ページをめくる手が止まらないのに、先が怖い。こんな本ははじめて。
    同作者の13階段も、事件の描写が細かくて怖かった。どうして作者は想像でこんなに現実味のあるシーンを書けるんだろう。
    世界の闇。一瞬で狙い撃ちしてくる爆撃機、拷問国、新人類‥。どこからフィクションでどこまで現実なのか境界線がわからなかった。

    0
    2025年10月18日
  • ジェノサイド 下

    Posted by ブクログ

    面白くてグイグイ読み進められる本!
    知性が極端に発達してるが、言葉を話すのが遅くてそのうえに頭が異様に大きくて目がデカい子供が産まれたらどうする? 障害児としこの世界に適応できないのにて育てる?障害児として間引く?

    父と子の絆とともに軍事、創薬、政治、権力といった視点でスピーディーに詳細に描く。素晴らしい!SFなんだろけどあり得そうな話。

    子供の人格形成は知識教育とは別の問題だよね。物語の中心の超知性生物と同じ3歳児を育てる父としても面白く読めました。

    0
    2025年10月17日
  • ジェノサイド 上

    Posted by ブクログ

    進化した人間が現れちゃった。っていうSFに分類されるだろう本。
    技術や歴史、戦闘、科学とくに医療と薬学がリアル。
    下巻に進む!

    0
    2025年10月11日
  • ジェノサイド 下

    Posted by ブクログ

    ジェノサイド下巻。ヌースと呼ばれる現生人類を超えた超人類の存在に対する興味と恐ろしさを感じました。ヌースは人間の上位に位置する存在として描かれており、本書の中では、人間が反抗しなければ何もしないと想定されていたが、現実でもAIの発展という事象に関連しているように思いました。ヌースはまだ共生の余地がありそうだが、AIの台頭でターミネーターのような世界を想像すると恐ろしくも感じます。

    0
    2025年10月06日
  • ジェノサイド 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ジェノサイド上巻。これまでSFというジャンルを読んでこなかったので新鮮に感じました。タイトルにもある通り、初めは新型ウイルスの蔓延で人類滅亡という流れになると思いきや超人類という現生人類には到底理解に及ばない生物の出現により、国家のバランスが崩れるかもしれないといった壮大な物語でした。下巻に期待です。

    0
    2025年10月04日
  • 6時間後に君は死ぬ

    Posted by ブクログ

    【2025年121冊目】
    大都会の雑踏で原田美緒が出会ったのは、他人の非日常の未来が見えるという青年、圭史だった。「6時間後にナイフで刺されて君は死ぬ」と告げられた美緒は圭史と共に死を回避するべく行動するが、タイムリミットは刻一刻と迫ってきて――未来予知と運命を題材にした連作短編集。

    最初は短編集かと思ったら未来のことがわかる「圭史」が軸となった連作短編集でした。しかし、初対面の人に「6時間後に君は死ぬ」なんて告げられたらとりあえずなんかの宗教かと疑うし、そもそも不躾過ぎて怖すぎる。

    どう足掻いても運命に翻弄されて変えられないという事実になんとか抗おうとしたり、わかっていながらも良心に従っ

    0
    2025年10月01日