高野和明のレビュー一覧
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人類絶滅の危機が描かれたお話
以下、公式のあらすじ
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急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争 -
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ネタバレ高野和明さんの本はご多分に漏れず私も「ジェノサイド」と「13階段」は読んでいます。どちらも奥の深い内容で、読んでいた当初は物語に没頭して読みふけった覚えがあります。
そんな高野さんのこちらの本もなかなかいいよ、と教えてもらって読んでみることにしました。
まずは、え、高野さんってこんな軽妙な文章を書く人だったんだ、とびっくりです。内容がうつ病・自殺とヘビーながらも、全体に軽妙でユーモアもあり希望が持てる内容であることが私の評価が高い点です。
主人公の4人組の組み合わせもいい。現代の受験に失敗した浪人生のおにいちゃんに、ちょっと線が細い若くてイケてる風のきれいなおねえさん、家族もちの実直なサラ -
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2013年(発出2011年) 432ページ
作品全体の感想です。
おもしろかった‼︎ スケールの大きいSFアクションストーリーでした。
アフリカと日本を舞台に、視点が交互に入れ替わりながら進むストーリーは、海外小説のような感じで、飽きさせない、違和感もさほど感じさせない。上下巻というボリュームですが、あっという間にに読み終わること間違いなし。
そして、ジェノサイドというタイトルが示すとおり、読者は人類の虐殺の歴史について考えざるを得なくなるでしょう。
イェーガーたちがコンゴから脱出するシーンのなかでは、残虐でグロいシーン、子どもたちが戦争のために利用され犠牲になるシーンもあり、心情的に辛い -
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アメリカ人傭兵と日本人薬学生は肺胞上皮細胞硬化症(父の研究)ではなく、たった1人のジェノサイド(新人類)で運命が繋がっていたのだ。
ハイズマンレポート
(50億年後太陽が燃え尽きることによって起こる地球の終焉、Y染色体が消滅して生殖が不可能になる数十万年後の未来は言及しない)
①宇宙規模の災害〜他天体の地球への衝突など
②地球規模の環境変動〜地磁気の南北逆転現象
③核戦争
④疫病〜遺伝的多様性があるので基本可能性は皆無であると言って良い。
生物兵器が実験施設から漏洩し、感染拡大はコロナのことを予言しているように思えてゾッとした。
⑤人類の進化 -
Posted by ブクログ
上下巻でだいぶ長かったが、ほぼ満点に近いぐらい面白かった!!途中、薄々感じてはいたが、新人類は、まさかこんな切り札があったとは!!
途中のコンゴの戦闘のくだりは生々しく、特に少年兵の話は鬼畜の所業としか思えない内容だったが、これが現実で行われている事かと想像すると吐き気した。
そして、日本パート。こちらはまさに手に汗握る逃亡劇。色々な作品で公安警察の恐ろしさにより、緊迫感は増し増しの内容だった。
個人的にミックの件だけがモヤモヤしてしまっていたが、最後まで中弛みする事なく、一気通貫で楽しませてくれた。これは映画化されてたら是非、見てみたい!! -
Posted by ブクログ
すごく面白かった!びっくりする程面白かった!
この物語は、アメリカ政治や人類文明への批判的な内容を含むが、純粋にエンタメとして楽しめる至高の作品だと思った。
アメリカと日本とコンゴで物語の舞台が細かく入れ替わり、それぞれ最初は全く違うように見える物語がどんどん加速し、相互に関係性を帯びていき、最後に繋がる。
ドキドキハラハラと、ページを捲る手が止まらない。
コンゴでの戦争の場面は本当に悲惨で残酷で、人間なんかに生まれなければ良かったと絶望する子ども兵のシーンは、本当に読んでいて辛かった。
ただ、終始リズミカルで、展開が早く、驚きとワクワクを与えてくれるこの作品はとても読みやすく、上下巻を