高野和明のレビュー一覧

  • 犯人と二人きり

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    ネタバレ

     前作『踏切の幽霊』から約3年ぶりの新刊。『踏切の幽霊』は11年ぶりの新刊だったので、この方にしてはインターバルが短いなあと思って手に取ると、本作は短編集だった。各編初出時期は2002年~2015年と広範囲にわたっている。

     まずは短い「ゼロ」。高野作品には珍しいSF的設定。うまくやったはずなのに、何だよそのオチは…。「跫音(あしおと)」。オーソドックスながらなかなかのホラー。これでホラーの才覚に目覚め、後に『踏切の幽霊』が生まれたのだろうか。

     「死人に口あり」。刑事と犯人の車内での駆け引き。初出は『幽霊人命救助隊』の刊行と同時期か。幽霊ネタが好きなのか? 「二つの銃口」。閉鎖空間で、銃

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    2025年12月02日
  • 踏切の幽霊

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    下北沢にある踏切には女の幽霊が現れる。
    そんな嘘か誠かわからない話を雑誌のネタとして追うことになったのは元新聞記者の男。
     
    その男は妻との死別を機に生きる気力をなくしてしまっており、新聞社を辞めた後に拾ってもらった女性雑誌でも熱が入らず、この取材で熱意が戻らねば辞めてもらうと暗に仄めかされていた。
     
    とりあえず飯は食わねばなるまいと、しぶしぶホラーのための取材を始めるが、彼の身には不可解な現象が起き始める。
     
    と、いうように始まり方は王道のホラーのようであるが、その後の展開は驚嘆するほど。

    安直なホラーで終わってしまうかと思いきや、彼の人格と彼が求める人生への問いが幽霊は誰で、何があっ

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    2025年11月29日
  • 踏切の幽霊

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    踏切に現れだした幽霊の身元を探っていくうちに様々な真実が明らかになっていき、幽霊の存在がゾッとする怖さと哀しみから一人の壮絶な人生を感じた。

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    2025年11月28日
  • ジェノサイド 上

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    感想は下巻にて✎☡

    ✎︎____________

    親というのは、自分の死をもって、最後の、そして最大の教育を子供に施すのだろう。良くも悪くも。(p.73)

    正しいことだけを語ろうとする者は、口が重くなるんだ(p.112)

    狂った頭で戦争を言い出すのは、決まって国のリーダーなんです。国民じゃありません(p.179)

    権勢欲に取り憑かれ、あらゆる政治的闘争を勝ち抜いていく人間は、正常の範囲から逸脱した好戦的な資質を有しているはずだ。しかしその反面、民主主義国家では、そうした人間をリーダーとして選出するシステムが民意によって作り上げられているので、選ばれた人間こそが集団の意思を体現している

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    2025年11月21日
  • 踏切の幽霊

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    この小説において大きな嘘は「幽霊がいる」という一点のみであり、その周囲を徹底的に現実の社会描写で埋め尽くすことで、幽霊小説でありながらリアリティレベルの高い作品になっている。全体的に物哀しい孤独感にあふれた作品だが、「踏切の幽霊」という文字通り雲を掴むような話から、地道な取材を通してやがて巨大な疑惑にたどり着くという、ホラーと社会派ミステリーの読み味の融合した傑作と思う。解説でも触れられていたが、読んでいるときに想起したのは宮部みゆき「火車」。

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    2025年11月21日
  • ジェノサイド 下

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    なかなか残虐な描写に頭の中を支配されて不愉快でしたが。後半もノンストップでおもしろい!いったいこの壮大なドラマをどうやって完結させるのか!!

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    2025年11月01日
  • ジェノサイド 上

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    読み始めたら止まらないと勧められましたがその通り!引き込まれていく〜。日本、アメリカ、アフリカと舞台もスケールが大きく読み応えあり!

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    2025年11月01日
  • ジェノサイド 下

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    ネタバレ

    グレゴリー・S・バーンズ
    合衆国大統領。

    サミュエル・ギブソン
    海軍中佐。

    メルヴィン・ガードナー
    初老の白人男性。科学技術担当大統領補佐官。博士。

    チャールズ・ワトキンス
    国家情報長官。

    ロバート・ホランド
    CIA長官。

    ジョナサン・“ホーク”・イエーガー
    ウエスタン・シールド社から要人警護の任務を割り振られた。“グリーンベレー”出身。

    マクファーソン
    護衛隊リーダー。

    リディア・イエーガー
    イエーガーの妻。リスボンで入院中の息子に付き添っている。

    ジャスティン・イエーガー
    イエーガーの息子。肺胞上皮細胞硬化症という難病を患う。余命一ヶ月。

    アル・ステファノ
    宿舎の管理責任

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    2025年10月29日
  • ジェノサイド 上

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    ネタバレ

    グレゴリー・S・バーンズ
    合衆国大統領。

    サミュエル・ギブソン
    海軍中佐。

    メルヴィン・ガードナー
    初老の白人男性。科学技術担当大統領補佐官。博士。

    チャールズ・ワトキンス
    国家情報長官。

    ロバート・ホランド
    CIA長官。

    ジョナサン・“ホーク”・イエーガー
    ウエスタン・シールド社から要人警護の任務を割り振られた。“グリーンベレー”出身。

    マクファーソン
    護衛隊リーダー。

    リディア・イエーガー
    イエーガーの妻。
    リスボンで入院中の息子に付き添っている。

    ジャスティン・イエーガー
    イエーガーの息子。肺胞上皮細胞硬化症という難病を患う。余命一ヶ月。

    アル・ステファノ
    宿舎の管理責

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    2025年10月28日
  • ジェノサイド 下

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    重厚な物語に引き込まれて一気読み。残酷描写が多いうえ必要以上にリアル。精神的に元気なときに読むのがおすすめ。私はインフルエンザで寝込んでいるときに暇つぶしに読んだので気分が悪くなりました‥。
    壮大なスケール。エンターテイメント。文句なしに面白いが、凄惨な描写が恐ろしくて、再読はできないと思う。
    ページをめくる手が止まらないのに、先が怖い。こんな本ははじめて。
    同作者の13階段も、事件の描写が細かくて怖かった。どうして作者は想像でこんなに現実味のあるシーンを書けるんだろう。
    世界の闇。一瞬で狙い撃ちしてくる爆撃機、拷問国、新人類‥。どこからフィクションでどこまで現実なのか境界線がわからなかった。

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    2025年10月18日
  • ジェノサイド 下

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    面白くてグイグイ読み進められる本!
    知性が極端に発達してるが、言葉を話すのが遅くてそのうえに頭が異様に大きくて目がデカい子供が産まれたらどうする? 障害児としこの世界に適応できないのにて育てる?障害児として間引く?

    父と子の絆とともに軍事、創薬、政治、権力といった視点でスピーディーに詳細に描く。素晴らしい!SFなんだろけどあり得そうな話。

    子供の人格形成は知識教育とは別の問題だよね。物語の中心の超知性生物と同じ3歳児を育てる父としても面白く読めました。

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    2025年10月17日
  • ジェノサイド 上

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    進化した人間が現れちゃった。っていうSFに分類されるだろう本。
    技術や歴史、戦闘、科学とくに医療と薬学がリアル。
    下巻に進む!

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    2025年10月11日
  • ジェノサイド 下

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    ジェノサイド下巻。ヌースと呼ばれる現生人類を超えた超人類の存在に対する興味と恐ろしさを感じました。ヌースは人間の上位に位置する存在として描かれており、本書の中では、人間が反抗しなければ何もしないと想定されていたが、現実でもAIの発展という事象に関連しているように思いました。ヌースはまだ共生の余地がありそうだが、AIの台頭でターミネーターのような世界を想像すると恐ろしくも感じます。

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    2025年10月06日
  • ジェノサイド 上

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    ネタバレ

    ジェノサイド上巻。これまでSFというジャンルを読んでこなかったので新鮮に感じました。タイトルにもある通り、初めは新型ウイルスの蔓延で人類滅亡という流れになると思いきや超人類という現生人類には到底理解に及ばない生物の出現により、国家のバランスが崩れるかもしれないといった壮大な物語でした。下巻に期待です。

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    2025年10月04日
  • 6時間後に君は死ぬ

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    【2025年121冊目】
    大都会の雑踏で原田美緒が出会ったのは、他人の非日常の未来が見えるという青年、圭史だった。「6時間後にナイフで刺されて君は死ぬ」と告げられた美緒は圭史と共に死を回避するべく行動するが、タイムリミットは刻一刻と迫ってきて――未来予知と運命を題材にした連作短編集。

    最初は短編集かと思ったら未来のことがわかる「圭史」が軸となった連作短編集でした。しかし、初対面の人に「6時間後に君は死ぬ」なんて告げられたらとりあえずなんかの宗教かと疑うし、そもそも不躾過ぎて怖すぎる。

    どう足掻いても運命に翻弄されて変えられないという事実になんとか抗おうとしたり、わかっていながらも良心に従っ

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    2025年10月01日
  • ジェノサイド 下

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    ネタバレ

    上巻で主要な謎は解き明かされ、下巻では物語をどのように結末へと収束させるかが焦点となる。そのため、物語全体の推進力はやや落ち、上巻ほどの勢いは感じられなかった。
    イェーガーたちのアフリカ脱出は成功の見通しがほとんど立たない状況で進むため、それなりに緊張感を持って読み進められた。ただし、メタンハイドレートによって航空機やミサイルが次々に炎上する場面については、演出としては迫力がある一方で、現実的には少し大げさに感じられた。
    一方、研人の創薬パートは一本道で淡々と進み、結末も読めているため、ちょっと退屈だったかな。

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    2025年09月26日
  • ジェノサイド 下

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    日本、アフリカ、アメリカを渡る壮大なスケールの物語。こんな物語を創作できる作者は本当にすごいと脱帽です。

    ・アフリカ少年兵の件はエグい。しかし、現実的にあるとしたら看過できない。平和な日本では想像すらできない世界だった。

    ・ハイズマンの言葉が印象的
    →「すべての生物種の中で、人間だけが同種間の大量虐殺(ジェノサイド)を行なう唯一の動物だ。それがヒトという生き物の定義だよ。人間性とは残虐性なのさ。かつて地球上にいた別種の人類、原人やネアンデルタール人も、現生人類によって滅ぼされたと私は見ている。(ジョゼフ・ハイズマン)」

    ・すごく説得力のある見解だった。こうやって人類はヌースやエマのような

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    2025年09月24日
  • ジェノサイド 下

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    上巻に引き続き下巻もテンポよくストーリーが進んで、次はどんな展開が待ち受けているんだろう…?と、時間も忘れてページをめくる手が止まらなかった。

    こんなに高揚した気分で読書をするのは物凄く久しぶりな気がする。

    なんだこの緻密に作り上げられたストーリーは。この物語を作り上げるために、どれだけの労力を費やしたんだろう。


    人間は残酷で、作中では目を背けたくなるような出来事が容赦無く描写されているけれど、これは他人事なんかじゃなくて、自分を含めた全ての人間にかかわることが描かれていると感じる瞬間が何度かあって、だから余計にこの本に夢中になったのかも。(夢に見るくらいに)


    面白かった

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    2025年09月23日
  • ジェノサイド 下

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    ネタバレ

    13階段は既に読んでいましたが、
    また違った方向性の作品で驚いたと共に、
    それにも関わらず
    スリリングに展開していく冒険劇に引き込まれ
    スピードを落とさず読み切ることができました。

    最近SF要素のある話を引き当てる機会が増えました。自分からはなかなか手を出せないSFですが、こういう形で触れられて、読書の幅がちょっと広がったかも。

    以下は印象に残ったシーンについてや考えたこと。

    オネカをはじめとした現地村人虐殺のシーンは残虐でトラウマになりそう。
    子どもにあんなことさせたり、
    ◯した人の身体の一部をペンダントにしたり…
    でも、これはフィクションとも言い切れないと思うと、すごく心が締め付けら

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    2025年09月23日
  • グレイヴディッガー

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    【2025年116冊目】
    善行を積む前に借金をしよう、そう思い立った八神が発見したのは、アパートの浴槽で釜茹でにされた男の死体だった。直後、見知らぬ男たちに追いかけられ、やむなく八神は逃亡を開始する。男を殺したのは誰か?なぜ見知らぬ男たちが追いかけてくるのか?骨髄移植のドナーとしての役目を果たすため、八神の東京を駆け巡る逃走劇が始まった。

    最初は登場人物も多いし、事件も複雑だし、というか次々に事件起こるしでついて行くのに必死でしたが、だんだんと真相がわかるに連れて、ページをめくるスピードも加速していきました。お、面白い。謎が謎を呼ぶ展開、複雑怪奇に絡み合う因果関係の糸が解かれていき、真相がわ

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    2025年09月22日