高野和明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高野和明の長篇ミステリ作品『グレイヴディッガー』を読みました。
高野和明の作品は、昨年6月に読んだ『13階段』以来ですね。
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『13階段』をしのぐ圧倒的迫力!
空前の疾走感で展開するノンストップ《サスペンス》大作
改心した悪党・八神は、骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。
だが移植を目前にして連続猟奇殺人事件が発生、巻き込まれた八神は白血病患者を救うべく、命がけの逃走を開始した。
首都全域で繰り広げられる決死の追跡劇。
謎の殺戮者、墓掘人(グレイヴディッガー)の正体は?
圧倒的なスピードで展開する傑作スリラー巨編!
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2002年(平成14年)に刊行された高野和明の第2作… 凶悪犯罪の日常化している現代を舞台にした、ホラー味の強いスリルとサスペンスの長篇です。
■プロローグ
■第一部 提供者
■第二部 墓掘人
■エピローグ
■解説 西上心太
都会の闇を生きてきた悪党・八神俊彦は、運命の一日を迎えるはずだった… 生き方を改めるため、自ら骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていたのだ、、、
ところがその日、都内で世の魔女裁判期に登場した殺人鬼「グレイヴディッガー(=墓堀人)」をまねた大量殺人事件が発生… 煮えたぎった浴槽に浮かぶ変死体、偶然にもそれを発見してしまった八神は、謎の集団に追われることになる。
今までの悪行をかえりみて挑もうとしている、人生初の人助け「骨髄提供」を全うするため八神の必死の逃走劇が始まった… 警察、謎の集団、正体不明の殺戮者から逃げ切らなければ、八神の骨髄を待つ白血病患者が死ぬ、、、
八神は生き残れるのか? 謎の殺戮者・グレイヴディッガーの正体とは? 著者渾身のスリラー巨編が、ついにその全貌を現す!
1960年代にアメリカで大ヒットして、何度もリメイクされている『逃亡者』のような逃亡モノ… 追う者の執念と追われる者の恐怖や焦燥等、追撃と逃走を描いたサスペンス、、、
面白かったー どんどん先が読みたくて、ページを捲る手が止まらない… そんな展開の作品でした。
八神の逃避行と警察の捜査が交互に描かれていて、あらゆる手段を使って逃亡を続けるアクションと謎解きがお互いに響き合いながらクライマックスに向かう展開や、公安部と刑事部という警察内部の対立の構図、小悪党の八神と政治にも絡む巨悪… 様々なテーマが浮かび上がる一昼夜の逃避行を愉しめました、、、
伏線の回収も満足いくものだったし、ちょっとミステリアスな結末も納得できたな… 至福の読書時間を過ごせました。 -
Posted by ブクログ
凄く良かったです。
若い夫婦、旦那の夏樹修平はベストセラーを出したライター。お祝いを兼ねて夫婦の披露宴が行われる。
印税で豪華なマンションを購入したが、これからのローンの支払いも大変なときに、妻の果波の妊娠がわかる。
修平は、自分の収入では、ローンの支払いも危うくとても子どもを育てていくことができないと判断し、果波に中絶を勧める。果波も同意し中絶手術を受ける段階で果波の体に変化が起きる。
それは幼い時の友人、中村久美が憑依したかのようだった。中村久美は3年前に恋人との間に出来た子どもを常位胎盤早期剥離で久美とともに亡くなっていたのだ。
精神科医で以前は産婦人科医だった磯貝が果波を診ることになるが、磯貝は以前、不妊治療の患者を目の前で自殺未遂から救えなかったことがあり躊躇したが、受けることにした。
その後も果波と久美との人格が入れ替わるように、中絶をさせなかった。
その後の展開まで書いてしまうとこれから読み方に申し訳ないので書きませんが、最近読んだ本の中でダントツと言ってもいいです。
ストーリーの意外さと、医学と心霊現象との葛藤を見ているようで、後半はストーリーがどうなっていくのかが楽しみで、読み切ってしまいました。
おすすめの一冊です! -
Posted by ブクログ
死刑制度に反対するのは簡単だが、相応の罰を与えないと報復が横行するという答えのない難しい問題を、こうして面白い物語として読めるのはうれしい。
刑務官という死刑を執行する立場から死刑制度について考えさせられたのが新鮮だった。同情の余地もない犯罪者が多くいる一方で、死刑制度について考えるときには常に冤罪の可能性を考えないといけないと思う。
純一が10年前の家出で何を経験したのか、2年前に起きた事件の真相、樹原が失った記憶など、気になる謎が同時に複数存在して、全て気になり続けるのがミステリーとしてすごくいいストーリーだと思った。
テーマも真相も重く読後に余韻が残るが、装丁やタイトルから想像していたよりもキャラクターが立っていて展開も多く読みやすかった。 -
Posted by ブクログ
『ジェノサイド』とはまったく違うテーマで、同じ作者とは思えないくらい印象の違う作品だった。
法や死刑制度についてかなり丁寧に調べられていて、単純にミステリとして面白いだけではなく、人が人を裁くことの難しさや、冤罪の可能性がある中で取り返しのつかない刑を執行する怖さまで考えさせられた。
特に印象に残ったのは、死刑制度を死刑囚だけの問題として描いていないところ。刑を執行する刑務官もまた、その制度の中にいる一人の人間なんだと強く感じた。死刑執行の場面は他の作品でも見たことがあるけれど、ここまで生々しく、臨場感を持って読んだことはなかった。刑務官に感情移入して、自分も同じ場所からその死刑囚を見ているような感覚になった。
また、罪を犯した人間をその罪だけで決めてしまっていいのか、償うということは何なのか、裁判で確定したことと本当の真実は必ずしも同じなのか、という部分もこの作品の重要なテーマだったと思う。
死刑制度の是非について単純な答えを出すのではなく、その制度に関わる人たちを描くことで、「人間が人間を裁くとはどういうことなのか」を読者自身に考えさせる作品だった。
派手さでは『ジェノサイド』とは全然違うけれど、現実の制度をここまで物語として読ませて、しかも人間の感情まで強く残すのは、やっぱり高野和明の文章力だと思った。
10段階評価: 8点