高野和明のレビュー一覧
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あの十三階段を描いた高野和明。カバー絵とタイトルからしてさほど期待していなかったんだけど、一ページ目からもうぐんぐん惹きつけられた。もっと重い文章書く人かと思っていたんだけど、軽快でところどころ笑わせてくれてめちゃめちゃ面白い。
自殺した4人が、神様に命じられて自殺者を救うべく奮闘する。
それぞれの自殺志願者たちの背景がしっかり描かれていて、かなり濃厚。レスキュー隊の4人の中でヤクザの八木さんが最高におかしい。
最後は主人公のお父さんを救うところで、100人のノルマ達成。天に召されて、再び赤ちゃんとなってこの世に生まれたところで終わる。
笑あり、涙あり、最後は爽やかに感動これは今年の一番の作 -
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ネタバレ幽霊人命救助隊
13階段が異様におもしろかった高野氏の新作。自殺した4人の人間がポップな神様から100人の自殺者を49日間で救助しろと言われ、最初はぎこちなく、最後は抜群のチームワークでノルマを達成する。
自殺と言っても方法、いきさつは様々だが、いく通りかのパターンに分けてその背景から、救助に至るまでの様子が語られる。
非常に暗い話をエンターテイメントに昇華する技量はさすが。
また、自分たちの自殺によく似たシチュエーションで考え込んでしまう主人公達の表現も適切で納得感があった。
最後のエピローグはうますぎ。内容は読んでからのお楽しみ。
推薦の一冊です。
竹蔵 -
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ネタバレカウンセリングの効果について書かれている本。
「幽霊人命救助隊」という題名、養老孟司さんが巻末の解説でツッコミをいれている。確かにこの奇妙な題名を見て、よし読もう!という気持ちにはならない。しかし、読み始めると止まらない作品。
この本の4人の主人公たちは、それぞれに思い悩んで自死を選んでしまった結果、死後の世界でめぐり会った。そこに突如「神」が現れて、天国へ行く条件として「幽霊として現世に戻り、自死を選ぼうとしている人たちを救出せよ」という任務を与えられ、奮闘する物語。
幽霊となった彼らは、特殊な能力を持っており、幽体が人間と重なると、その人間の意識が流れ込んできて、考えや気持ちがわかる -
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ネタバレスケールが大きくて、まるでハリウッド映画みたい!
でも、映像化はできないだろうな……子ども兵の話とか、集落での虐殺のシーンがあまりにも酷すぎる。
息子のために戦うイェーガーのストーリーが一番好きだった。
アキリと出会い、ともに行動をしていくうちにアキリと息子を重ねて複雑な思いを抱いたりする姿が良くて、うおおイェーガー!死なないで!無事に家族の元へ帰って!!と応援せざるを得なかった。生き残ってくれて良かった〜。
今の人類に絶望するシーンも多いですが、だからこそこの物語では、自分以外の誰かや何かのために危険を冒してもがく人たちの姿が輝いて見えました。
終わり方はちょっと物足りなかったかも。 -
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ネタバレ薬学や軍事に関する専門用語が頻繁に出てくるが、その辺りを完全に理解出来なくとも読み進めることができた。一通り専門用語で説明したのち、読者にとって分かりやすい表現で言い換えてくれるような部分も多かったため、読み手に対する筆者の配慮を感じた。
私自身、ミステリー小説をあまり読んで来なかったのもあり、序盤の登場人物や世界観を述べるような展開は、少し冗長に感じてあまり面白さを感じれなかった。
しかし、上巻の中盤以降から物語が本格的に動き始め、そこからは怒涛の展開の連続で本当に読む手が止まらなかった。
敵味方問わず、進化した人類の知能に人間が翻弄され続けていたため、なんだか痛快な気持ちにもなった。
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読み応えのある本だった。
自殺をしてこの世を去った主人公は、天国にも地獄にも行けなかった。現れた神は自殺志願者を止めれば、天に行かせると約束した。
なぜ人間は自殺をしてしまうのか。
死のうとしている人を助けるために、主人公と共に学んでいる感覚だった。シリアスな展開の中にも笑いを誘う場面があり読んでいて飽きなかった。
自殺には、人とのつながり、社会、金が複雑に絡んでいて、解決するためのノウハウを知らないと対応できないことを知った。
高野和史さんの作品は、伏線が多くて綺麗な終わり方するので読み終えてスッキリした感覚になる。
これで本当に自殺志願者救えたの?って思う場面もあったので、神が -
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ネタバレ(自分用メモ)
死ぬほど面白かった。冒頭の物語の掴み、話の展開、構成全てにおいて完璧な作品だった。自分に合った本がようやく見つかった気がする。
起承転結が綺麗にできていて、気がついたら物語に瞬時に吸い込まれていく感覚があった。次の展開を予想するが的中せず、予想を裏切られた驚きと感心を同時に与えてくれる。伏線が散りばめられているため、まさかここが伏線だっだのかと思わせられる部分も多々あった。
バッドエンドで終わらないところがさらに魅力である。
6時間後に君は死ぬでは、誰が犯人なのかを予想しながら読むのが楽しかった。美緒のキャラクターがより物語を面白くさせてた。終わり方が本当に綺麗だった -
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高野和明の長篇ミステリ作品『グレイヴディッガー』を読みました。
高野和明の作品は、昨年6月に読んだ『13階段』以来ですね。
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『13階段』をしのぐ圧倒的迫力!
空前の疾走感で展開するノンストップ《サスペンス》大作
改心した悪党・八神は、骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。
だが移植を目前にして連続猟奇殺人事件が発生、巻き込まれた八神は白血病患者を救うべく、命がけの逃走を開始した。
首都全域で繰り広げられる決死の追跡劇。
謎の殺戮者、墓掘人(グレイヴディッガー)の正体は?
圧倒的なスピードで展開する傑作スリラー巨編!
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