【感想・ネタバレ】幽霊人命救助隊のレビュー

あらすじ

僕たちが助けにいきます

浮かばれない4人の霊に、49日以内に自殺しようとする100人を救えとの神の命令が下る。笑いあり涙あり、怒涛の救助大作戦始動

浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。地上に戻った彼らが繰り広げる怒涛の救助作戦。傑作エンタテインメント!
解説・養老孟司

単行本 2004年4月 文藝春秋刊
文庫版 2007年4月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

高野和明さんの本はご多分に漏れず私も「ジェノサイド」と「13階段」は読んでいます。どちらも奥の深い内容で、読んでいた当初は物語に没頭して読みふけった覚えがあります。
そんな高野さんのこちらの本もなかなかいいよ、と教えてもらって読んでみることにしました。

まずは、え、高野さんってこんな軽妙な文章を書く人だったんだ、とびっくりです。内容がうつ病・自殺とヘビーながらも、全体に軽妙でユーモアもあり希望が持てる内容であることが私の評価が高い点です。

主人公の4人組の組み合わせもいい。現代の受験に失敗した浪人生のおにいちゃんに、ちょっと線が細い若くてイケてる風のきれいなおねえさん、家族もちの実直なサラリーマン中年男性、そして昭和の戦争にも赴いた任侠ヤクザ…と、時代も性別もバラバラの4人というのがそれぞれの時代背景なども忍ばされ、物語に奥行きが出ていると思います。
救った対象者のなかでは、将来ぜったいに大物指揮者になってほしい彼の話がいちばん記憶に残りました。

最後の希望がある終わり方も秀逸です。
人生、無責任すぎるくらいでちょうどいい。

====データベース====
浮かばれない4人の霊に、49日以内に自殺しようとする100人を救えとの神の命令が下る。
笑いあり涙あり、怒涛の救助大作戦始動

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◆覚書◆
P112
もう一度、男の中に入ってみた。責任問題。養育費の負担。慰謝料をめぐっての離婚訴訟。ところがそれだけではなかった。男は考えていた。最悪の場合、裸一貫から出直せばいい。失敗の責任は周りにも押し付けられるし、慰謝料や養育費は待ってもらえば済む話だ。
「どうなってます?」と市川が訊いた。
「心の奥底はすごく頑丈、というか、しなやかです。それに少し無責任ですね。この人は多分、苦しさに耐えるだけの柔軟な心の持ち主なんです」
「ほう」と八木が感嘆の声を上げて、会社員を眺めた。
「耐震建築のビルですね」続いてモニターに入った市川が言った。「グラグラ揺れるけど、決して崩れない」
祐一は思った。この世を生き抜くには、多少の狡さも必要だ。

P198
おそらく、西田と同じ窮地に立たされている勤め人は、どこの会社にもいるのだろう。そして、すでに多数の犠牲者を出していることだろう。
祐一は、さっき助けたばかりの女性部長、田原頼子を思い出した。彼女はうつ病だとわかった途端、いそいそと病院を目指した。手にあまる部長職の重責を、放りだせるのが嬉しかったのだろう。あの無責任さ、いや気軽さが重要なのではないか。要は、その加減だ。

P234
うつ病の人を応援するには、考え方を一八〇度変えなければならない。実直、勤勉、生真面目といった、古くから尊重されてきたこの国の価値観を逆転させなければならないのだ。
「がんばるな!」とエールを送るのが第一だ。「何事にも耐えるな! 仕事なんかどうでもいい! 休め! 巌の意志で、ぐうたらに徹するのだ!」
その上で家族や職番理解を求め、医療機関に誘う。

P341
この子は将来、気高く周囲を寄せ付けない、孤高の芸術家になるのだろうか。現在の環境がもっと明に優しかったなら、将来の人間像はどう変わっていたのだろう。しかし、考えても仕方のないことだ。この子はたった一つの人生しか歩めない。
(中略)
明が教室を出て、職員室に向かって歩き始めた。彼の真価を知らぬ大人に叱られるために。本物の暴力にさらされるために。
頑張れ、と祐一は夢を追う少年に語り掛けた。周りが何を言おうと、環境がどう変わろうと、君は立派な人間だ。心に残るその傷は、君が頑張り抜いた証なんだよ。君の人生は、これからもずっと、強くてやさしい音楽を奏で続けるよ。
明の小さな背中が、廊下の向こうへと消えていった。祐一が最後に見た少年の後ろ姿は、自尊心に溢れていた。

P453
凛とした老女の立ち姿に、救助隊員たちは皆、気圧されていた。節子の全身からは、生をやり遂げたものの誇りが、気品が、そしてやさしさがにじみ出ていた。神々しかった。天国に行く人は、みんなこんな笑顔を浮かべるのだろう。死は忌むべきものではなく、祝福されるべきものだと祐一は感じた。
(中略)
4人は言葉もなかった。しばらくしてから八木が、「格の違いを見せつけられたな」と感想を述べた。「俺たちも天国に行くときはあんなふうになれるんだろうな」
「ええ、きっと」と答える市川の声にも力がこもっていた。

P515
「生きている間には、どうしたって打ち勝つことのできない困難が何度も来るんです。そんな時は、逃げるのがいちばんの強さです。

P542
子供の頃、江戸時代生まれのじっちゃまによく言われたよ。何事も途中で投げだしてはいかん、結果はどうでもいい、最後までやり遂げろ、とね。今にして思うと、あれは人生そのものについていっていたような気がするんだ。わしらは最期まで生きるために生まれてきたんじゃないのかな。いつ往生するかは、神様が決めてくれる。そこまでわしらが責任を負う必要はないんだ。難しいことなんか考えず、ただ、この世に居ればいいんじゃないのかな。

P595
この子は、これからどんな人生を歩むんだろう。ちょっと線の細そうな女の子。頭は良さそうだ。運動は苦手かな。家庭と仕事の両立に悩む日も来るかもしれない。でも大丈夫。この子ならきっと乗り越えていける。
部屋に残された赤ちゃんは、しかし一人ではなかった。同じ日に生まれた三人の男の子たちが並んで寝ていた。
誕生して間もないのに、ふてぶてしい顔つきの赤ん坊がいた。
気弱そうな子もいた。
思いつめた感じの真面目そうな赤ちゃんもいた。
彼らがこの世に生を享けたのは、何かのご褒美なのかもしれなかった。
四人とも、苦労知らずのあどけない顔で、無垢の眠りについている。
これからの世界を支える四つの命は、戦いに出る前の、つかの間の安息の中にいた。

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2025年06月11日

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あの十三階段を描いた高野和明。カバー絵とタイトルからしてさほど期待していなかったんだけど、一ページ目からもうぐんぐん惹きつけられた。もっと重い文章書く人かと思っていたんだけど、軽快でところどころ笑わせてくれてめちゃめちゃ面白い。
自殺した4人が、神様に命じられて自殺者を救うべく奮闘する。
それぞれの自殺志願者たちの背景がしっかり描かれていて、かなり濃厚。レスキュー隊の4人の中でヤクザの八木さんが最高におかしい。
最後は主人公のお父さんを救うところで、100人のノルマ達成。天に召されて、再び赤ちゃんとなってこの世に生まれたところで終わる。
笑あり、涙あり、最後は爽やかに感動これは今年の一番の作品になりそう。
2011/7/10

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2024年12月15日

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自殺した四人の幽霊たちが、今から自殺しようとしている百人を助ける。そして助けていくうちに、ゆっくりと気づいていく。「自分は自殺なんて道を選ばなくてもよかったんだ。他にも道はあったんだ」

今こうして生きていること、命のあること。そんなことに自然と感謝したくなる一冊。挫けそうな時に読み返したい本。

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2024年12月08日

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想像以上に文章が重く、考えることが多い小説だった。

作者が高野和明といつことで多少覚悟して読んだが途中涙ぐんでしまうシーンが多々あり最後は色々な思いを感じることができた。

人生の中で読んでみてもいい本として人に紹介できる。

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2024年10月15日

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ネタバレ

面白かった。

ただ、死にたいと思った人が精神科の治療での薬で快復するのかな。
自死した人って心療内科に通院中の人はいないのかな。
助けた100人はみんな救われたのかな。

たしかに4人はいいことしたと思うけど
自分を殺すという殺人者なのに
来世も人間として生まれるなんて嫌だな。
自死した人は天国には行けない。地獄に行くかはわからないけど、天国に行った人とは会えない。
そうじゃないと
辛いことがあっても頑張ってる人が報われないや。

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2024年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幽霊人命救助隊

13階段が異様におもしろかった高野氏の新作。自殺した4人の人間がポップな神様から100人の自殺者を49日間で救助しろと言われ、最初はぎこちなく、最後は抜群のチームワークでノルマを達成する。
自殺と言っても方法、いきさつは様々だが、いく通りかのパターンに分けてその背景から、救助に至るまでの様子が語られる。
非常に暗い話をエンターテイメントに昇華する技量はさすが。
また、自分たちの自殺によく似たシチュエーションで考え込んでしまう主人公達の表現も適切で納得感があった。
最後のエピローグはうますぎ。内容は読んでからのお楽しみ。
推薦の一冊です。

竹蔵

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カウンセリングの効果について書かれている本。

「幽霊人命救助隊」という題名、養老孟司さんが巻末の解説でツッコミをいれている。確かにこの奇妙な題名を見て、よし読もう!という気持ちにはならない。しかし、読み始めると止まらない作品。

この本の4人の主人公たちは、それぞれに思い悩んで自死を選んでしまった結果、死後の世界でめぐり会った。そこに突如「神」が現れて、天国へ行く条件として「幽霊として現世に戻り、自死を選ぼうとしている人たちを救出せよ」という任務を与えられ、奮闘する物語。

幽霊となった彼らは、特殊な能力を持っており、幽体が人間と重なると、その人間の意識が流れ込んできて、考えや気持ちがわかる。加えて、救助に使う道具にメガホンがあり、メガホンをとって叫ぶと、思い詰めた人の心に少しだけ届く。

このファンタジーな設定が、自死という重いテーマでありながら、独特な世界観にハマってしまう。

彼らに与えられた能力「重なった相手の意識が流れ込んでくる能力」は共感力と言える。また、道具の「メガホン」は、相手を思いやる言葉。

これは、「相手の悩みを自分の事のように受け入れて、相手を思い、言葉をかける」。救助隊はカウンセリングをおこなっている。

救助しなければならないクライエントは100人。この中にはつい感情移入してしまうキャラがいる。

福原君や内村さんに感情移入すると、私まで怒りの感情が湧き上がる。しかし、少し落ち着くとフィクションであることを認識し、怒りの感情は消えてしまう。これは私の感情の動きだが、本の中でも語られている。

幽体が人間と重なり合ったときの主観と客観の違いを「人の悩みというものは本人にしかわからない」と気付かせる描写や、悩む人を傍から見て「死のうとする人たちの問題は心の中だけにある」という発言。

私はこれを、「共感」があった時、自分のつらさを共有するコトだけではなく、客観的な視点をもらえることによって、自分の主観と客観の認知のゆがみを正すことにより、成長できるのだと考える。

主人公の祐一は、自分を自死まで追い詰めた父親と相対することになる。物語では父親の気持ちを受け入れ、恨んでいた気持ちを手放して、父の幸せを願う気持ちに昇華させた。

難しい問題を祐一は成し遂げ、神と約束した天国へ行く条件をクリアする。エピローグで一人の女の子と3人の男の子が同じ病院で同じ日に生まれる。すやすやと寝ている赤ちゃん、戦いに出る前の、束の間の安息の中にいた。という言葉で締めくくられて物語は終わる。

あれ?神様は天国に行かせてあげる約束では?

読むと元気が出る本。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

読み応えのある本だった。

自殺をしてこの世を去った主人公は、天国にも地獄にも行けなかった。現れた神は自殺志願者を止めれば、天に行かせると約束した。

なぜ人間は自殺をしてしまうのか。

死のうとしている人を助けるために、主人公と共に学んでいる感覚だった。シリアスな展開の中にも笑いを誘う場面があり読んでいて飽きなかった。

自殺には、人とのつながり、社会、金が複雑に絡んでいて、解決するためのノウハウを知らないと対応できないことを知った。

高野和史さんの作品は、伏線が多くて綺麗な終わり方するので読み終えてスッキリした感覚になる。

これで本当に自殺志願者救えたの?って思う場面もあったので、神が救助隊に救った人のその後を諭して、再び救助するために下界に戻る話があればと感じた。

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2023年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

辛いことがありながらもなんとか踏ん張って生きている人たちの強さに勇気をもらった。
自分も含めて少しでも多くの人が、死ぬときまで生きられれば良いなと思った。

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2025年07月29日

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自殺志願者を幽霊4人が救っていく話し。

どんな感じの内容なのかすごく気になって手に取りました。

自殺志願者の思考だけ読んでいるととても重く、辛くなってくる。4人の幽霊たちが必死に懸命に助ける時の会話がとても面白くて、思わず吹き出してしまう。助ける時の作戦名もまた面白い。

読み進めていく間になんだか自分も救われたようなそんな感覚になりました。

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2025年05月01日

Posted by ブクログ

うつ病社畜、いじめられっ子、メンヘラ女、などなど…自殺しそうな人間を自殺した4人が幽霊となって救助する。そんな重めの話を、時にコミカルに深みにハマらせた作品。ページ数の関係でなかなか読むのを躊躇っていたが、読んでよかった。
むしろ裕一以外の3人の話を更に深掘りして読みたい。

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2025年04月04日

Posted by ブクログ

お下がり本

まず、養老孟司さんの解説が面白い

500ページ越えなのに、スラスラ読める
ただ、内容は軽くはない
自殺を止める4人の幽霊
所々、日本の今を内部から伝えてくる
いかに税金が無駄に使われているかなど

読み進めるうちに、キャラクターたちに愛着が湧く
自尊心の大切さをテーマにしたのかな
感じた


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2025年01月09日

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ネタバレ

浮かばれない4人の霊に、49日以内に自殺しようとする100人を救えとの神の命令が下る。笑いあり涙あり、怒涛の救助大作戦

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2024年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公祐一
東大受験がうまくいかず追い込まれ自殺した少年

八木
元ヤクザの組長
市川
クレーバーな少し弱気な真面目な人
美晴
人を信じれないタイプの斜めの考え方する美人

主人公と3人の仲間たちが神様から自殺しようとする人たちを100人助ければ天国に行かせてやるといわれ現代社会に戻され、奮闘する話
自殺に至った動機が自分と重なり、救助しつつ自分たち自身も救われていく話。

鬱、金、健康、過度のプレッシャー
色々あるけど、近くで親身になってくれる人がいかに重要かとわかった。

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2024年07月22日

Posted by ブクログ

「この世は、無責任な人ほど楽に生きられる」という文章が心に残っている。思い返すと、自分の周りの心を病んでしまった人たちはみんな責任感が強く真面目な人だった。
逃げることを選ぶことは強さである事を知った。自分の周りの人は、自身が思っていたより遥かに強い人間だった。
心を病むことは必ずしもその人の弱さの証明では無いことを再度認識した。また、そこから立ち直るには他者の介入が必須であることを感じた。せめて自分の周りの人間だけでも塞ぎ込んだ中に手を差し伸べられるように、繋がりをこれからも大切にしたいと思った。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終わったが、なんとも感想を書きづらい。感じたことを文章にするのが難しい。
最初は少し斜に構えて読んでいたところは否めない。
しかしとても長い話なので、段々と登場人物に感情移入した。ヤクザの八木さんも好きになってしまった。人は共に過ごした時間が長いほど相手を好きになるのかもしれない。
原因の大抵は鬱だと最初から想定していたが、それが原因なのか結果なのかは別として、やはり切っては切れないものなのだろう。
私は人と関わるのが苦手で一人を好む。いくら他人の助けを借りるのが大切と言われても…と思っているが、そう思っている限りはこのような事態を避けることはできないのだろうな。
ラストはすごく良かった。読んで良かったと思える作品だった。長いけど。
これからも生きていたくないと思う瞬間が訪れると思うけれど、そんな時はこの本のことを思い出そうと思う。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

幽霊の4人が自殺志願者たちを救っていくお話です。自殺をテーマに扱いながらもユーモアに溢れた作品でした。4人の掛け合いが絶妙でオススメです♪

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2024年02月02日

Posted by ブクログ

重いテーマだが重すぎない雰囲気で話が進んでいき、さくさく読めた。
歯科助手の女の子は、こんな子実際にいるのか。。と思ったけど、現代にも通じる傷つきやすい人の心情がすこーし理解できて良かった。

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2023年09月21日

Posted by ブクログ

ブックリストで紹介されてる方がいて、面白そうだと思って読んでみました!
あの世とこの世の中間で、生きていた年代も享年も様々な4人が出会う。
4人の共通点は、生前自ら命を絶ってしたまった魂だということ。
現世で同じようにこの世を去ろうとする人を100人引き止めるミッションを神から受けるお話。

テーマは重い。自殺、人生、人間関係、経済事情。
でも、きっと重さをなるべく軽減しながら気軽に読めるように工夫された小説なんだろうなと思いました。
主人公たちの掛け合いがコミカルで面白かったです。テーマはしっかり捉えているけど、説教くさくなくて読みやすかったのも良かった。
人の数だけドラマがあるよね。

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2023年09月13日

Posted by ブクログ

自殺して幽霊となった4人組が、これから自殺をしようとしている人間たちを救っていくストーリー。とても重い題材のはずなのにどこかコミカルでテンポが良く、4人のチームがいいバランスをとっているのでどんどん読み進められた。

現代日本の問題提起がしっかり入ってくるあたり高野さんらしい気がした。

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2023年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何名かの感想にもあるように
確かに幽霊が人の命を守る話が繰り返されてるだけと
言ってはそれだけの繰り返しの物語。
しかし、100つのケースがあるからこそ、
自分自身と近い状況があった時に、思い知らされるのではないだろうか。

今のわたしには未来なんかわかんない。
なんなら明日さえどうなってるかわかんない。
今日の夜いつも通り暖かい部屋でふかふかのベットで
寝れているかなんてわかんない。
いつも通りの毎日だろうなんて思うのは、
今の私が怠惰で想像力が乏しいだけ

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2023年07月23日

Posted by ブクログ

いい話ではあったが、途中の中弛み感は否めない。
自殺によってどれだけ周りの人が苦しむのか、様々なエピソードがあってよかった。今を大事に生きよう。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

面白かったし、終わり方も良かった。
漫画のストーリーっぽいな、と思ってたら解説でも同じことが書いてあった。

途中は少し同じ展開が続いて中弛みな感じがあったかも。

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

自殺しそうな人を助ける感動ものの話ではあるのだが、鬱の人の心理描写や、そうなるに至る経緯がかなり生々しく書かれており、精神的に不安定な時は控えたほうがいいかもと思った。物理的にグロテスクな表現も多く、食前後には読みたくないような表現も多々あった。

感動に溢れる気持ちというよりは、かなり辛い思いをして読んだというのご正直なところ。

ただ、それでもこの本を買ったことは後悔してないし読んだ時間も無駄ではなかったと思える。色々な辛い人生があるが、それでも生きる意味について考えるきっかけを与えてくれた。

心に余裕がある人にはお勧めします。

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

『13階段』『ジェノサイド』『踏切の幽霊』と高野さんの作品を読んできて4作目。
お気に入りの作家さんだったので楽しみに読んでみて、過去に読んだ3作とは趣きが違ったけど、こちらはこちらで面白かった!
自殺を題材にしながらもコミカル…だけど社会の暗い部分を表現し…だけど読んでて心が軽くなる作品だと感じました。

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2024年12月11日

Posted by ブクログ

非現実的な設定だが、何度も人を助けていくごとに現実のような錯覚が生まれた。特に最終章は当たり前のように非現実的なことが行われているが、全く違和感なく読み終えた後は不思議な感覚さえした。
約20年前の小説だが、今の現代社会の問題や環境と何ら変わりない問題であり、そのことは一個人として悲しくもなった。
だからこそ、今を生きる。命がある私達、皆さんにも読んでほしい作品でした。

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

自殺した登場人物達が自殺志願者を100人救い、天国行きを目指す!!

「自殺」のキーワードからは想像できないようなコミカルな表現が多くて、読み始めは軽め。
ひとり、またひとりとレスキューしていく中で少しづつ登場人物の孤独や苦悩もほどけていく。

鬱病=精神科に繋げればOK!な空気には、そんな簡単なことじゃないとムッとしたけど…
最終的には感情移入でティッシュ必須。

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2024年01月01日

Posted by ブクログ

自殺した4人が天国に行くため自殺志願者100人を救う話。命が大切、っていうのは当然やと思うんやけど、命や生活を守るための制度をもっと知る機会があればなぁ、と読んでて思った。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

とにかく分厚い、600ページ超え
読みやすく上下巻に分けて欲しかった
自殺した4人が天国に行くために100人の自殺志願者を救う話

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2023年07月21日

Posted by ブクログ

主人公を含めた4人は自殺をした幽霊。
自らの手で命を粗末にした彼らが天国へ行くために与えられたミッションは、自殺志願者を100人救出することであった。

うつや借金等様々な理由で頭の片隅に自殺を考えている要救助者たちを見えない触れない幽霊たちがあらゆる手段で救い出すのが見物。

生きた時代の違う主人公たちの時代ズレした会話や幽霊ジョークが面白くて『自殺』という深刻なテーマでも読み切れた。


自殺は元を返せば寂しさが関係していることもあり、何気ない声掛けや挨拶などで自殺の信号が消える要救助者が何人かいた。

「未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである」

自分たちは取り返しのつかないことをしてしまった分、今生きている人達には同じ過ちを犯して欲しくないと懸命に救助活動を行う主人公のたちに胸が熱くなる。

生きているということは、未来があるということなんだ。

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2023年06月17日

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