高野和明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジェノサイド新装版の下巻読み終わりました!
例によって旧装版?をいい感じに忘れていたので楽しませてもらいました。
ドキドキハラハラ系で、次から次へピンチの事態発生なのですが、そのピンチの起き方、かわし方が一捻りされてて、え!?そうくるか!?とドキドキさせてもらいました。
新人類の能力の異次元さにビックリです。いわゆる計算能力が高いとか記憶力がいいとか、そんな話ではないんですね。コミュニケーションがとてもユニークで、1次元でしか語れない現在人類の我らの限界を感じました。。
作中で科学者ハイズマン氏が語った「現生人類は、誕生から二十万年を費やしても殺し合いを止められなかった(中略)そろそろ次の存在に、この星を譲ってもいい頃だ」のセリフが印象的でした。 -
Posted by ブクログ
ジェノサイド新装版、購入してしまいました!
そして再読。やっぱり面白い!!新装版になって表紙がガラッと変わりましたが、上巻は研人くんですね。帯を外すとイェーガー達と正勲さんですね。造りが凝ってます。
前回は初読だったので、このハラハラドキドキの展開に先へ先へと読み進めてたので、主人公格の研人くんとイェーガーをはじめとする4人の傭兵くらいしか記憶に残ってなかったですが、何気にホワイトハウス側のルーベンスや韓国人学生の正勲さんが脇を固める名キャラとして活躍されてましたね。特に正勲さんがクレバーでかつ倫理観もしっかりしててキャラ的には1番お近づきになりたいタイプです。
例によって大まかな筋くらいは覚えてるものの細かい展開はサッパリ忘れてるので、新鮮な気持ちで下巻に臨みたいと思います。
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Posted by ブクログ
上巻に引き続き、期待通り非常に良かった。
少年兵たちの出自回想シーン、そしてイエーガーたちとの戦闘シーンが壮絶すぎて強烈で、ずっと後味の悪さが残る。
ヌースは複雑系を瞬時に理解するという特性を持つ。
が、一応現実としては、変数が多いカオスは、時間の経過とともに指数的に可能性の空間が広がるため、この世では情報を保持しきれなくなる制約がある。
そのため、直前までは予測できても、遠い未来になるとどんなに高性能な計算機であろうとお手上げだ。ここの部分は創作作品ならではの疑似科学だろう。
本作だと海流の計算が当てはまる。タンパク質合成の部分も変数が多すぎる。
その点、政治的駆け引きはまだ変数が少ないため、現実味が大きい部類だ。
ヌースは、本作ではアキリとエマという姉弟が登場した。
実際にヌースたちをヌースたちたらしめている遺伝子が、どこまで顕性なのか、そして生殖遺伝子として残るかどうかが分からない。
ヌースは手足が短い、頭が重くてバランスが悪い、声帯の発達が遅いといったネガティブな部分もある描写があることから察するに、特定の病気など環境への適用にも何らかの脆弱性を持っていそうで、仮に彼ら2個体だけで種数を増やそうと思えば、近交弱性を避けられない。
彼らほどの知性があれば、遺伝子操作技術などもお手の物だろうから、十分な年齢まで生き延び、また現生人類の協力者がいればきっと遺伝子を拡大させられるだろう。
ホモサピエンス・サピエンスには、ネアンデルタール人の遺伝子も多く含まれている。
ここには数万年前にホモサピエンスとネアンデルタール人の間に交配があったことを示している。
また例えば日本人だけを見ても、縄文人の遺伝子と弥生人の遺伝子の両方を大勢が持っている。
となれば、ヌースの個体数から見ても、きっと現生人類(ホモサピエンス)とヌースの間にも交配はやがて行われ、一見には分からないような形で人類総体としての進化を伸ばしていくような未来になるんじゃなかろうか、と想像する。
本作でもゲーム理論でいうしっぺ返し戦略を取っていたし、多分直接対立するよりも程よく均衡をとるのを最適解として選んでいくんじゃないかな。
ホモサピエンスがどれだけ暴力性を素質として秘めているのか。理性で以てなんとか均衡を保っているだけで、システム1を開放すればどれだけ愚かな潰し合いに発展するかは目に見えている。
そこに目を向けさせるためにも、日本人読者を対象とした日本語の本であるからこそ、南京大虐殺、朝鮮支配時の様子、ミキヒコの狂乱と粛正、日本国内の工作員や公安警察の様子など、居心地の悪い描写を敢えてさしはさむことに意味があると思う。
単に独裁者が悪い、アメリカが悪い、武装勢力が悪いという構図にしてしまうと、敵の実態が遠くなってしまってメッセージが薄れてしまうからだ。
真摯に、自らを律する力を磨き続けることをたゆまぬようにしたいものだ。
創薬、軍事、遺伝子学、国際政治など多様な要素が入り混じった非常に心沸き立つ作品だった。 -
Posted by ブクログ
大学生の頃の自分に読んで欲しい。
ちょうど、卒業論文を前に教授から言われた言葉
「過去の研究を踏襲し、そこに1つ自分のオリジナリティを付け足しなさい」
当時はその必要性・プロセスをよく理解できなかったし、自身の思いつきや閃きなど何の役にも立たないなどといじけていた思いがあった。
そんな時にこの終盤、先人への思いを馳せる研人と出逢っていたならば。そう思わずにはいられなかった。
この物語では、多くの人の(勿論人生を捧げたような先人達の努力が身を結んでいるところが多いが)積み重ねが「GIFT」という魔法を意味あるものにしました。
あの時の自分も、たとえ卒業までの間だとしても1人の研究者となっていたならば。そんな事を考えながら、研人を見守っていました。
また読み返したい。
再度このモンスター作品と対峙した時、私は何を感じ、何を思うのだろうか。
挙げたらキリが無いくらいに溢れる見せ場のオンパレードを共に楽しみましょう。
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Posted by ブクログ
圧倒的なスケールの中で展開されるストーリーに、終始夢中になる。と同時に、下巻では色んな場面で人類や世界に対する多くのメッセージ性も感じる。
イラク戦争の凄惨さ、米大統領の権力濫用、同じサピエンス同士での殺し合い、科学が生み出した核兵器という殺戮器、そして見返りを求めない善行…。知性を手にしたはずの「人類」がやってきたことの多面性を感じることができた。
なぜこのタイミングで新装版が刊行されたのか。戦争を辞められない人類に突きつける現実、1人の権力者の判断で何万人もの命が奪われる可能性、意思を持ったAIが登場するかもしれない未来(人類の知能を超えた存在)。どんな価値観で、どんな生き方をしていくのがいいのかすごく考えさせられた。
サピエンス全史で『認知革命』を起こしたことによって他の人類との争いに勝ったとされていたけど、それがサピエンス同士の争いにも発展して収拾がつかない状況に追い込まれてしまっていると思う。今後AIが意志を持って自律するようになった時、この本のように人類は支配される立場に成り下がってしまうのではないか?この本とここ最近で言われていることに対するバイアスがかなりかかっていると思うが、そんな可能性をも考えて向き合っていかなければいけないと思う。
そして、人類が他民族や非友好国に対して勝手に感じる「恐れ」という認知がいまの時代の再軍拡という方向につながってしまっているのではないか。様々な意思を持った人類の集合体である国家同士の対立を収束させることは簡単ではないけど、この本を通してそこに一石を投じる重要性をものすごく痛感させられた…。 -
Posted by ブクログ
以前読んだ『踏切の幽霊』が良かったので、読んでみました。
短編集。帯に書かれてる言葉が「ミステリーをベースに、ホラー、サスペンス、SF、ファンタジーなど、エンタテインメント小説のあらゆる要素を盛り込んだ、傑作短編の豪華詰め合わせ!」です。本当にお得な作品だと思いました。どれもどんでん返しの結末ががあり、心温まる結末もあったりとなかなか楽しめました。
やっぱり『踏切の幽霊』が良かったということで、幽霊がきっかけで事件の真相、犯人が分かるというのが、私は好きですね。でも今回私は、『ハードボイルドな小学生』という話が1番好きです。とにかく小学4年生が可愛い。主人公の男の子は、探偵です。タイトルどおりハードボイルドを気取っていて大人びたことを言ったりするんですよ。でも、小学生4年生。小学4年生の日常が合間に出てきます。お母さんに怒られたり、情報屋(もちろん小学4年生)に会う時はタバコチョコ、依頼の報酬はコーヒー牛乳、ランドセル背負って教室を出る、友情など。格好つけてても子供、っていうギャップが可愛くてしょうがない。 -
購入済み
面白かった!
重いテーマにもかかわらず、そしてじっくりと書かれているのに、スイスイと読み進めることができて(止められない!)、半日ほどで読み切った。
登場人物の多くに好感が持て(主人公のうちの一人は傷害致死で服役した前科者だが)応援したくなる気持ちになる。作者の力量か。デビュー作ですよ!?
なお、ミステリーでおなじみ?の某ネタがあります。こんなところで出すか?!(笑った)
ラストに向かって、二転三転する展開。とくに後半すごい。
五章の最後、ある人物の名を読んだとき戦慄しました…。
最後に、小説とはいえ登場する全ての人、特にあの人に心の平安が訪れることを願ってやみません。
読んだ人ならわかっていただけますよね…。
余韻が残る小説です。