鯨統一郎のレビュー一覧

  • 文豪たちの怪しい宴

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    日本文学×新解釈=新視点!な1冊。

    大学時代、日本文学科で数々有名な作品を読んで考察をしてきた身としては、日本文学を少し王道から逸れた見方をすることで生まれた新解釈が面白い1冊でした。

    さらに、突拍子もない解釈を無理やり進めるのではなく、本文の中の一説や文豪自身の背景などを引き合いに出しながら順を追ってロジックを組み立てていく様にページを捲る手が止まりませんでした。

    個人的には「走れメロス」の回が面白かったです。中学で必ず触れる作品ながらも話が進む事に「確かにそういえば!」と思わされる箇所が随所にありました。

    続編も機会があれば読もうと思います。

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    2023年01月16日
  • まんだら探偵 空海 いろは歌に暗号

    購入済み

    あっ、そう言うこと

    史実に作者の想像が織り交ぜてあり、その想像が、歴史として本当にあったのではないかと思えてしまう楽しい本です。

    #深い #感動する

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    2022年11月18日
  • 文豪たちの怪しい宴

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    ネタバレ

    有名文学にこんな一面が?たら思うような説が盛り沢山。自分が無知なだけだけど、こんな読み方がどのくらいされているのだろう。鯨作品では、バーと談義の相性が良すぎる。バーテンダーのノリがいいことと、疑問が的を得ていることも。こういう視点でもう一度4作品を読むと、読みやすくなったり印象が変わったりして楽しいだろうなー。 『こころ』が百合小説って!と思ったけど、宮田説を聞いていると、そうかも…って思ってしまう。 これは作者の考え?凄いです。 鯨作品、読み返そう。『走れメロス』と『銀河鉄道な夜』、特に、『藪の中』!

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    2022年10月02日
  • Valentine Stories

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    ラブラブ甘々なものは全くなく、
    どれもどこか切ないのが小説って感じでした。

    やっぱりあんまり幸せすぎるのは
    ネタにならんのでしょうな。

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    2022年06月13日
  • タイムスリップ水戸黄門

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    好色な水戸黄門(という設定)が、山中で狼に襲われ絶体絶命なところを、時空移動機で石松が助け、結果21世紀にタイムスリップさせてしまうことから始まるひと騒動。今回は自家用車根絶を目指すテロリスト、無駄な高速道路建設を目論む政官財の癒着という社会派な展開を見せる。驚いたのは長良川河口堰や川辺川ダムという、国が強行した公共事業を非難する筆致だ。まるで野田知佑氏ではないか! そして2022年3月30日には諫早湾干拓に対する国側勝訴というニュースが……本書の爽快な結末とは違う、落胆する出来事だった。

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    2022年04月20日
  • タイムスリップ釈迦如来

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    中古本でしか入手できなかった。鯨氏の著作って読む人を選ぶのかな? 私は作品世界を面白いと感じる。前巻『明治維新』に続き、うららがタイムスリップ。なんと古代インドへ行き、新興教団を起ち上げたばかりのゴータマ・シッダルタと出会ってしまう。一緒にタイムスリップしたスキューバダイビングの先生と共に、悟りを開いた人・ブッダを頂点とした大教団へとのし上げていく。老子、ソクラテスを弟子にするハチャメチャな展開。オカマのブッダが、実は男女を超越した救世主というのが、なんだか深い(笑)

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    2022年03月23日
  • タイムスリップ明治維新

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    タイムスリップシリーズの2作目。私は1作目より2作目の方が好きだった。女子高生が幕末にタイムスリップしてしまい、桂小五郎や坂本竜馬など歴史上の人物に出会って明治維新の日まで奔走する。歴史はあまり得意じゃないけど、説明もあって問題なく読めた。もう一度歴史の勉強をしたくなった。

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    2022年03月12日
  • 金閣寺は燃えているか? 文豪たちの怪しい宴

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    ネタバレ

    文学ミステリー第2弾。
    原典を知らないこともあり「雪国」「檸檬」はすんなり納得させられました。雪国の冒頭で国境を越えて、長いトンネル、たどり着いたのが白い世界ですから異界感ありますし、檸檬はそのままなるほどと感心してしまいました。歴史ミステリーとも「ビブリオ」とも違った文学ミステリーでジャンルとしても新鮮でした。読み解き方はいろいろあるなと思う一方、著者の言いたいことや狙いが著しく外れた場合本人はどう思っているのだろう。自身のせい?読者の読解力のせい?

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    2022年02月05日
  • 金閣寺は燃えているか? 文豪たちの怪しい宴

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    鯨さんのバー談義もの。ついつい買っちゃうな。

    あっさり読めた。でも誰も考えなかった新解釈を披露するって大変だな。
    「雪国」「蒲団」は読んでいないな。そうか。掻い巻きなんだな。今の若い子は掻い巻き知らないだろうな。

    すれ違った美女はあの彼女だよね。次にはちゃんと登場するかな。

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    2022年01月31日
  • タイムスリップ明治維新

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    シリーズ第2弾は、うららが一人で幕末にタイムスリップ。きっかけは七海に激似の薔薇之介から貞操を奪われる瞬間だった。長州藩下屋敷に保護されたうららは、桂小五郎を振り出しに高杉晋作、坂本龍馬など幕末のそうそうたる人物と知り合っていく。それも、25世紀の統一執行部からやってきた政府のエージェント・石松や、お尋ね者の薔薇之介と、うららの住む時代に帰るための必死な働きのためだった。次元移動装置が三菱重工製というのも、有り得そうで笑ってしまう。本シリーズでも歴史が少しだけ変化した。さて、今後はどうなる?

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    2022年01月23日
  • 金閣寺は燃えているか? 文豪たちの怪しい宴

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    ネタバレ

     スリーバレーといえば、鯨統一郎の出世作『邪馬台国はどこですか?』の舞台になった店ではないか。同書を何度も読み返した自分としては、否が応でも期待が高まる。
     バーテンダーが松永からミサキ嬢に交替したのは、早乙女静香を欠いてヒロイン成分が不足したせいだろう。
     『雪国』は未読なのでピンと来なかった。それでも冒頭の一節は暗唱できるのだから、名作の波及力は凄い。
     田山花袋が日本のラノベの原点という指摘は、解決も含めて面白い。自分も『電波女と青春男』を、純文学まであと一歩の設定、と感じたものだ。
     梶井基次郎の『檸檬』が文壇に投じられた爆弾というのは、ちょっと苦しい気がした。強引な力技を楽しむべきな

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    2022年01月11日
  • 鬼のすべて

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    作者お得意の、歴史や民俗学の謎に切り込む長編ミステリ。さらには今作では殺人事件も絡んでくる。意外にも由来のはっきりしない「鬼」という概念について様々な視点から解説され、読み応えがある。リーダビリティが高いのも好印象。近頃NHKでも「ダークサイドミステリー」や「トーキング ウィズ 松尾堂」で取り上げられるなど鬼に関する関心が高まっているようだ。記憶ではNHKと本書で取り上げられた解釈にはそれほど差異はないように思われるため、それなりに堅実な鬼・民俗学入門書としてもおすすめできる。

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    2021年09月26日
  • 幸せのコイン

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    短編だけど、繋がりのある作品。ほっこりする心が癒される作品だった。タイムスリップ〜のイメージがあったのでこのような作品もあるんだなと意外だった。

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    2021年07月07日
  • 文豪たちの怪しい宴

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    邪馬台国はどこですか?の著者の日本文学の珍解釈版。ちょっと無理があるかな、という解釈もありますが、なかなか面白い本でした。

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    2021年01月31日
  • 幸せのコイン

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    500円のコインが巡り、そこにある様々な人間模様を描いた短編集。
    総じて心温まる話が多かったかな。
    人間模様を見守ったようなその500円玉は、巡り巡って…。
    自分的には第4話「ハシバミ色の瞳」と第6話の「ミソサザイの翼」が特に印象に残ったかな。

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    2020年12月03日
  • 歴史はバーで作られる

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    バーカウンターで繰り広げられる歴史の新解釈謎解きミステリーの連作短篇集。『邪馬台国はどこですか?』に始まる鯨統一郎のお得意の設定は安定のエンタメ性。うら若き女性バーテンダーのバーに集う、新進気鋭の歴史学者とその弟子、老齢の歴史研究家の4人で繰り広げられる歴史討論がメイン。鯨氏はとにかくサービス精神旺盛で、本作も、テーマに沿ったオリジナルカクテルや、手際よく出される料理の描写、それぞれのキャラクターのお約束事が毎回話の解決の伏線になっていたり、更に各章のタイトルが有名な小説等のもじりになっていたりと盛り沢山。
    だだし『論理の八艘飛び〜源義経異譚〜』の元ネタが判らず悶々としてます。

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    2020年11月13日
  • 歴史はバーで作られる

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    5編の連作歴史ミステリ小説。
    新解釈の歴史推理合戦を繰り返し、歴史を覆すディベートを物語。
    私の読み方のせいで気を抜くと誰の意見かが分からなくなることもあるが、誰にどのセリフをしゃへらせるかを振り分けるのは難しそう。
    しかし、鯨さんはバーがお好きですね。

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    2020年10月17日
  • 文豪たちの怪しい宴

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    名著の珍妙な新解釈を語るお話

    夏目漱石「こころ」は百合小説
    太宰治「走れメロス」はセリヌンティウスの夢
    宮沢賢治「銀河鉄道の夜」と父親の関係が投影されている
    芥川龍之介「藪の中」の真犯人は誰か?


    「こころ」の百合小説という解釈は「ねーよ」と思うけど、他のに関しては「確かに」と頷ける部分もある

    ってか、「こころ」の「遺書分厚すぎ問題」は僕も思ってたし
    先生と外国人の関係は腐った方々が喜びそうだなぁとか思った記憶があるけど、さらに百合まで妄想するのはやりすぎっしょ
    ってか、女性の登場人物なんてお嬢さんとそのお母さんくらいしか思い浮かばなかったけど、「そんな人いたなぁ」ってキャラを絡みに入れ

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    2020年09月28日
  • 冷たい太陽

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    鯨統一郎さんの作品は、飛び道具というか、意外性があって好きだ。

    以前はよく読む作者だったが、意外性になれると、驚きも少なくなる。

    そんなわけでしばらく(3、4年)読んでいなかったが、たまたま手にして読んでみたら、、、やはり意外性があって面白い。

    本格的なロジックよりも、エンタメ的なミステリ。

    堅い推理モノの合間に読むといい。

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    2020年05月15日
  • 文豪たちの怪しい宴

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     最後の「藪の中」は良いんだけど(推理小説的な論証のルールに従っていて)、他のネタはちょっと論証が苦しくないか?

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    2020年04月11日