鯨統一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本文学×新解釈=新視点!な1冊。
大学時代、日本文学科で数々有名な作品を読んで考察をしてきた身としては、日本文学を少し王道から逸れた見方をすることで生まれた新解釈が面白い1冊でした。
さらに、突拍子もない解釈を無理やり進めるのではなく、本文の中の一説や文豪自身の背景などを引き合いに出しながら順を追ってロジックを組み立てていく様にページを捲る手が止まりませんでした。
個人的には「走れメロス」の回が面白かったです。中学で必ず触れる作品ながらも話が進む事に「確かにそういえば!」と思わされる箇所が随所にありました。
続編も機会があれば読もうと思います。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレスリーバレーといえば、鯨統一郎の出世作『邪馬台国はどこですか?』の舞台になった店ではないか。同書を何度も読み返した自分としては、否が応でも期待が高まる。
バーテンダーが松永からミサキ嬢に交替したのは、早乙女静香を欠いてヒロイン成分が不足したせいだろう。
『雪国』は未読なのでピンと来なかった。それでも冒頭の一節は暗唱できるのだから、名作の波及力は凄い。
田山花袋が日本のラノベの原点という指摘は、解決も含めて面白い。自分も『電波女と青春男』を、純文学まであと一歩の設定、と感じたものだ。
梶井基次郎の『檸檬』が文壇に投じられた爆弾というのは、ちょっと苦しい気がした。強引な力技を楽しむべきな -
Posted by ブクログ
バーカウンターで繰り広げられる歴史の新解釈謎解きミステリーの連作短篇集。『邪馬台国はどこですか?』に始まる鯨統一郎のお得意の設定は安定のエンタメ性。うら若き女性バーテンダーのバーに集う、新進気鋭の歴史学者とその弟子、老齢の歴史研究家の4人で繰り広げられる歴史討論がメイン。鯨氏はとにかくサービス精神旺盛で、本作も、テーマに沿ったオリジナルカクテルや、手際よく出される料理の描写、それぞれのキャラクターのお約束事が毎回話の解決の伏線になっていたり、更に各章のタイトルが有名な小説等のもじりになっていたりと盛り沢山。
だだし『論理の八艘飛び〜源義経異譚〜』の元ネタが判らず悶々としてます。
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Posted by ブクログ
名著の珍妙な新解釈を語るお話
夏目漱石「こころ」は百合小説
太宰治「走れメロス」はセリヌンティウスの夢
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」と父親の関係が投影されている
芥川龍之介「藪の中」の真犯人は誰か?
「こころ」の百合小説という解釈は「ねーよ」と思うけど、他のに関しては「確かに」と頷ける部分もある
ってか、「こころ」の「遺書分厚すぎ問題」は僕も思ってたし
先生と外国人の関係は腐った方々が喜びそうだなぁとか思った記憶があるけど、さらに百合まで妄想するのはやりすぎっしょ
ってか、女性の登場人物なんてお嬢さんとそのお母さんくらいしか思い浮かばなかったけど、「そんな人いたなぁ」ってキャラを絡みに入れ