鯨統一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「邪馬台国はどこですか」のデビュー作に
いたるまでの鯨さんの、悪戦苦闘の日々。
タイトルとは大違いの内容です。
投稿するも、いつも落選(しのぎを削っていた
ライバルの名前、著名な方々。みんな、デビューまでは
同じような日々をすごしていたのですね)。
働きながら、夜は執筆。
気づいたことがあれば、宴会中でもメモ(この
メモをめぐって、会社までやめてしまう)。
そしてそんな夫を支える奥さんが、
漫画のような素晴らしいお方。
貧乏な生活にも耐え、一度作家をあきらめた旦那
さんを支えて、家族一緒に豆腐料理でしのぐ。
こんな支えがあってのデビュー、ラストは感動します。
あと、鯨さんの原稿を持ち込んだ -
Posted by ブクログ
4
六波羅シリーズ1作目。著者の作品にしては、意外なほどオーソドックスな謎解き探偵小説。ぐるぐると場面が変わるプロローグ・第一章から技巧を凝らした描写で、これが後々効いてくる上手いミスディレクションとなっている。因習の残る山村を舞台にしたシリアスな物語で、著者の他作に見られるようなユーモアは控えめだが、情景描写をできるだけ削ぎ落とし、軽妙なテンポを紡ぎだす筆致はここでも健在で、幸か不幸かあまり陰鬱な印象は残らない。会話文には著者お得意の“お約束”的なやりとりなどもありニヤリ。終盤には『邪馬台国〜』や『〜メルヘン』のような“〜説”も飛び出してきて鯨要素てんこ盛り。
作中ではフーダニットよりハ -
Posted by ブクログ
4+ → 4
美貌の毒舌歴史学者・早乙女静香、飲めば飲むほど推理が冴えるお嬢様大学生・桜川東子、鯨作品の二大ヒロイン夢の競演。
少なくとも『邪馬台国はどこですか?』と『九つの殺人メルヘン』を事前に読んでおくと、ニヤニヤ度が増してより一層楽しめる。特に序盤、機内のシーンで静香が読んでいる本が『マジックミラー』なのが印象的。ファンには堪らない一作である。
《以下微バレ》
飲めば飲むほど推理が冴える・・・まるで“酔拳”だな、いや拳法じゃないから・・・何て言えばいいんだろう? そんなことをぼんやり考えながらクライマックスを読んでいたところで、タイミングよく、しかもさりげなく登場した“酔推(すい -
Posted by ブクログ
やっぱり鯨統一郎はおもしろい。なにこの、無駄にキレと面白みのある会話。メインストーリー関係なしに笑えるわ。
「きっとそうだわ。ありがとう、萩原さん。これで胸のつかえが取れました。」
「それは良かった。」
朔太郎は頷いた。
「今度は僕の胸のつかえを取ってくれませんか?」
「ありがとうございました」
とか!!
朔太郎も笑えるけど、女性いいねー!
実在した詩人が探偵役の、しかもその詩に関連付けた軽めのミステリー。
内容やトリックも決して手抜きじゃないし、会話は面白いし、話はテンポがいいし、最高のエンターテインメント小説だと思う。
実在人物たちを知っていてもよし、知らなくても一キャラとして読み進めら