鯨統一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この物語は被害者を鬼に見立てた連続殺人事件を追うミステリーである。
同時に、「鬼」にまつわるさまざまな解釈、謂れ、考察が語られている民俗本のような一面もある。
知っているようで、誰も知らない「鬼」という存在。
ときに忌み嫌われ、畏怖され、まるで悪の象徴のように思われている存在。
物語は「鬼」の謎に迫りながら、ひとつの結論を提示している。
「鬼」とはいったい何だったのか?
ハルアキが導きだした答えは、あまりにも怖ろしいものだった。
怖いものはたくさんある。
けれど、この世で一番怖ろしいのは「人」だと思う。
誰でも、何かきっかけさえあれば奥底に眠っている狂気が目覚めるのでは?と。
ミステリーを楽しみながら、民俗学の分野である「鬼」に触れることもできる。
1冊で二度おいしい・・・そんな物語だった。 -
Posted by ブクログ
緑茶専門店、第二弾!
昔、江古田に住んでいたことがあったので非常に気になる作品である。
懐かしいなあ~江古田。
相変わらずゆるいミステリであり、乗りツッコミな文章が特長だが、読んでいてとても肩の力が抜ける。
次回も期待したい。
第一話 『監獄ロック』
妻の浮気を疑っていた税理士は…
良い話。
「ロックな人」の定義は何?
第二話 『ロックンロール・ウィドウ』
コンビニ違いかーーーーー!
どうしてこのタイトルなんでしょう?
私も山口百恵は好きですが。
第三話 『野良猫ロック』
それは、ちょっと八百屋お七な行動なのではないか…
でもあるよね、「また、あの場所に行けば会えるかも」
第四話 『ふられ気分でRock’n Roll』
第五話 『お化けのロック』
なるほど、な。
一番ミステリっぽい謎解きでした。
ところでね。
12頁で、「やや小柄だけど、顔だけはイケメンといっていい…」と言っていた主人公、
148頁で、「僕は冴えない見かけで」
…
どうなの!?
どっちなの!? -
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この著者に、タイムスリップ何々という作品群があることは知っていたけれど、それぞれ独立性が高いのかなあ、と思って、この本を読んでみた。
一条朝のころは、割と好きだからだ。
何とか大筋の話にはついていけるけど、やはりシリーズ前作を読まないと分からない部分もある。
一番不可解なのは、七海の存在。
主人公香葉子や、うらら同様に現代からタイムスリップしてきた、しかも友達なのに、平安時代では彼女だけ別行動。
薔薇という陰陽師は出てくるけど、ほかの時代でうらら達が遭っている薔薇之介って誰?とか。
シリーズの前作には出てくるんだろうけど、シリーズの第一作がどれかわからなくて...。
光源氏はほとんどの女性と、強引に性的な関係を持っているのはなぜか、という問題意識は面白かった。
最初に高校の古典の授業で源氏香の実習をしていて、何という不自然な設定なんだ!と思っていたら、ちゃんと伏線になっていたのね。 -
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鯨統一郎さんが、歴史ミステリをたくさん書かれているという事は知っていましたが、まだ読んだことはありませんでした。
“まだ”ということは、そのうち読みたいリストに入っているという事で…
なのに、その歴史ミステリを差し置いて、どうしてこの本を読んだのかというと…
江古田に住んだことがあるからです!
懐かしかったからです!
大学が3つあるのは、本の中にも書いてありますが、その学生たちはおおいに「見かけによる」感じで、見ただけでどこの学生か分かってしまうんですよ(例外もありますが)
そして、駅前の商店街も相変わらず賑わっているんですねえ~
さて、内容は、お茶らけミステリ(あ、ダジャレ?)
そして、最後にほんのり人情…という感じです。
登場人物が入れ替わり立ち替わり、いちいちていねいに年齢と外見を紹介してくれるので、内容(謎解き)に大きく関わってくるのかと思って、一生懸命メモをとりましたが、そうでもありませんでした。
それにしても、若い男性登場人物はやけに「イケメン」が多いですね。
おっさんはハゲでデブですね。
主人公・小林少年は、イケメンがきらいで、美人にすぐにヨロメク、そして、心の中でさんざん“ママ”の言動に突っ込みを入れながらも、いいように使われている…
頑張れ小林少年。 -
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ネタバレバカミスの大家、鯨統一郎による連作短篇集。第1章では本格ミステリの定義が語られ、それ以降も「トリック」「嵐の山荘」「密室講義」「アリバイ講義」「ダイイング・メッセージ講義」「意外な犯人」など、短篇ごとにミステリの要素をテーマにした物語が展開されていく。各章は独立した短篇ながら、登場人物にはつながりがあり、前の章で殺された人物がフィクションとして扱われるなど、独特なストーリー展開が特徴だ。ミステリアス学園のミステリ研究会のメンバーが、一人ずつ減っていくという「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせるプロットが進む中、途中でその仕掛けすら意表をついて変化する。
個々の短篇の完成度は高いとは言えないが、全体のプロットには感心させられる。特に、登場人物が徐々に減っていく構造が秀逸で、この作品の大きな魅力となっている。ただ、キャラクターの魅力はやや薄く、またバカミスとして狙った要素が散見される割に、短篇の結末や物語全体のオチがやや弱いと感じた部分が惜しい。
文章自体は稚拙ではなく、読者を引き込む力はあるため、テンポよく読み進められる。また、作中でさまざまなミステリが紹介されている点も楽しめた。しかし、最後のオチが期待外れで、もう少しパラドックスを活かした斬新な解決を期待していた。プロットの良さだけが際立つ作品だと感じる。
総じて、個々の短篇の出来や結末に改善の余地はあるものの、全体の構成とアイデアは魅力的。評価は★3とする。