鯨統一郎のレビュー一覧
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著者のぶっ飛んだストーリー構成が冴えすぎて何だかわからないくらい独特な推理連作。
「邪馬台国はどこですか?」と雰囲気は似ているが、本書のモチーフはタイトルの通り「昔話」や「お伽話」。
主人公は探偵稼業を営む中年男性なのだか、本書の真の「探偵」役は、彼らが集うバーの常連である、うら若き女性である。いわゆる「安楽椅子探偵もの」の範疇だが…トリッキーな作風(芸風?)を特徴とする作者のこと、そんな表現では事足りないのだ。
彼女が、主人公の抱える事件を、昔話になぞらえて解き明かしていく(それが本当に真相かどうかはわからない)わけだが…なぜか前半は毎回、アニメやらスポーツやらラジオ番組やらの昭和ウンチクが長々と…(笑)。
かなり無理やりな展開ではあるが、これもお約束と思えばそれなりに…肝心の推理部分はほんの少しだし、なのにうっかり読んでしまう。
いずれにしろ、著者にしか書けない作品であることは間違いないだろうなあ。 -
Posted by ブクログ
「邪馬台国は何処ですか?」の作者 鯨統一郎さんの最新作。
「何処ですか?」読書時の衝撃が忘れられずに、今回もその衝撃を味わえないかと、手に取りました。
結果は、やや残念な感じになってしまいました・・・。
(まぁ、”殺人”がメインなんで、そんなに歴史は出てこないかなぁ、とはうすうす感じていましたけれども。)
ですが、面白い点は、邪馬台国に係る地域での殺人事件であるのに、短編が3話あること。
(世間的には、近畿説と九州説だけですが3編あります。)
あとは、別のシリーズで謎解きをしている2人のヒロインが共演しているところでしょうか。
なんとなく邪馬台国について知りたくて、なんとなく軽い気持ちで読んでみたい、という人にはお薦めです。
※早乙女さんは大分マルくなった様な気がします。 -
Posted by ブクログ
内容紹介に名探偵役らしき人物名と、
シリーズという文字を見つけて読むことにしました。
しかし、この名探偵さん・・・。
作家と言いつつデビュー作以後何にも書けないまま3年、
フリーターもどき、姉と同居する28歳。
初対面の新人編集者(年下)に弱音を吐き、
極めつけは推理の要所が無意識下の自動筆記で分かるという、
なんともいえない頼りなさ。
最終的には関係者を集めてきちんと説明できるまでになるとは言え、
あんまり探偵役という感じではなかったです。
「名探偵、皆を集めてさてと言い・・・」の場面がむしろ唐突な印象に。
ところでこれドラマ化されてませんか?
何か映像で見たような気がします。
という訳で結末が予想できてしまったので評価がちょっと低めですが、
民俗学的な話は大好きなので、
次作に期待したいと思います。 -
Posted by ブクログ
※(笑)←多用注意(笑)。
何かもう遊びの度が過ぎてきたんじゃありませんか鯨先生(笑)。
というわけで、今作も相変わらずです。「ライトな読み応えにも関わらず内実は骨太な謎解きうんたらかんたら」なんて言いません。言えません(笑)。「ライトな読み応え・ライトな謎」これぞ鯨ミステリの真骨頂ですよ(笑)。
今回のテーマは「ギリシャ神話」。各章に付された神々をモチーフに、お馬鹿度高めなワトソントリオと美人大学生ホームズが軽妙に掛け合います。
そして相変わらず、本筋に関係ない細部への薀蓄まぶしも健在ですね(笑)。今回は、「ワイン・チーズ・昔流行った食べ物やら遊びやら」が副菜です。同じトーンでよう引っ張るな〜(笑)。
解説で「バーで読みたい作品」って書かれてたけど、バーで〜?(笑)読みたいか本当に〜?(笑)
家のソファでダラダラしながら、ビールとツマミで軽くやりながら、が正解でしょう( ^ω^ )
◎ゼウスの末裔たち…資産家の若き妻が何者かに刺殺された。被害者は何故、家の中で靴を履いた姿で発見されたのか?
◎アリアドネの糸…自宅で焼死体となって発見された被害者の夫には、堅固なアリバイがあった。
◎トロイアの贈り物…何者かに殺害された男の死体から検出されたのは、数年前に死んだ女の指紋だった。
◎ヘラクレスの棺…体育館で教師が死体となって発見された。死体の傍にはダイイングメッセージが残されていたが…。
◎メデューサの呪い…新興宗教の幹部が教団の資金を盗んで失踪した。彼は一体どうやって姿を消したのか?
◎スピンクスの問い…愛人の住むマンションから男が飛び降りて死亡した。彼を殺したのは妻か、それとも愛人か? -
Posted by ブクログ
鯨氏お得意の「歴史上の人物が探偵役になる」
ミステリのひとつ。
一応「ミステリ」にカテゴライズしてみましたが、
歴史物であり、パロディ成分もあり、
ジャンル分けが難しい(^ ^;
タイトルにある通り、山内一豊とその妻が主人公。
一豊の出世に合わせて起きる様々な事件を、
妻の千枝が「安楽椅子探偵」となって解決する。
...というより、事件の解決をきっかけに、
その褒美として一豊が出世していくという図式。
登場人物は、信長、秀吉、家康などをはじめ
歴史上の実在の人物がぞろぞろ。
要所要所に出てくるトピックも史実が多いので、
歴史の勉強にもなる...と思う(^ ^;
何せ作者はあの奇書「邪馬台国はどこですか」
でデビューした鯨 統一郎氏である(^ ^;
しれっとした顔でとんでもない引っかけを
盛り込んでいるかも知れません(^ ^;
足軽からスタートした一豊が、徐々に出世し
ついには一国一城の主になるまでを、
時間軸を追って七つの作品でたどる連作集。
これまた鯨氏お得意の「パターンの美学」で
色々な事件が起こるのを「おなじみの展開」で解決。
テレビの水戸黄門のように、慣れるとハマる(^ ^
一つ一つの作品が短いためか、人物描写が
やや「分かりやす過ぎる」きらいはあるが、
描かれている全ての出来事が伏線になっている
アイディアと構成の緻密さはお見事(^ ^
エンタテインメントとして
気軽に楽しめる作品です(^ ^ -
Posted by ブクログ
事件は日本酒バーで解決される!ってな感じ?
登場人物はたった4人。
バーのマスターと、店の常連である刑事の工藤と犯罪心理学者の山内。
そして毎週金曜日の夜にやってくる桜川東子(はるこ)。
メルヘンを専攻しているお嬢様女子大生である。
日本酒バーで、薀蓄というよりはプチ雑学で盛り上がり
そこから解決できていない事件の話へとスライドしていって
その話を聞いている東子が事件を推理する。
グリム童話の新解釈とプチ雑学が披露され、事件の登場人物や
関係者の行動を当てはめて犯人をあぶり出す。
毎回同じようなシチュエーションで話が始まり終わるのだが
9つ目のお話では、それまでの話が手がかりになる。
これは予想外でした。
プチ雑学が本当に楽しくて日本酒が飲みたくなります。 -
Posted by ブクログ
鯨 統一郎氏の元へ、
アメリカの無名作家の作品が送られてきて、
それを翻訳して出版してみた、という設定の
かなり実験的な作風の一冊。
文体がかなり変な感じなので、
はっきり言って読みにくい(^ ^;
セリフの前に、誰が喋ってるのかいちいち書いてあったり、
「心の動き」を括弧書きで全部説明しちゃったり、
何とも言えない変な感じ(^ ^;
取り上げているテーマはかなり壮大で、
「眠りとは何か」。
かなり荒唐無稽でご都合主義なエンディングは、
ある意味アメリカのベストセラーっぽいか(^ ^;
もしや壮大な何かのパロディーなのかも、
と思わせるような不思議な一冊(^ ^; -
Posted by ブクログ
ようやくクロニクルオブダンジョンメーカーの罠から逃れ、本の世界に帰ってこれた。
ただ、久しぶりすぎるからか短編だからか、はたまた内容かは分からないけど、そこまで良くはなかった。
クロニクルやりたいのを堪えて読んだって感じ。クロニクルを忘れるくらい没頭するかと思ったのに。
ミステリアス学園のミステリ研部員が紡ぐ短篇集をつないだ長編、フィクションと見せかけてノンフィクション。というか、作中作と見せかけて実話を元にしてるって、あくまで本の中の設定だから、現実の世界から見ればまだフィクションなんだけど・・・って感じで、あれよ!マトリョーシカよ。
で、最後はその「ミステリアス学園のある世界」と「現実世界」がリンクして、作者=ミステリアス学園のある世界の神、なんてメタメタミステリまで関わってくるんだけど、何より読みどころはミステリー用語とミステリー史の解説部分だと思う。
なにせクロニクルに心を奪われつつも必死に没頭しようとして読んだだけだから、用語のほうは「真面目に読むと役に立つんだろうなぁ」としかインプットされず、未だにこんな稚拙な感想文を書いています。
ただ、ミステリー史の方は役にたった!というか、感動した。
巨匠の域に達してる赤川次郎や吉村達也が実はほんの30年前の作家だったとか、母絶賛の折原一がちょうど彼女が30代前後の時にデビューしてるからとか、自分の評価と周りの評価がずれてる理由がすごくクリックした。
そして自分がいかに名作と呼ばれる本を読んでないかも実感。海外の作家はともかく、「趣味は読書、好きなジャンルはミステリーです」なんて言うなら、作中に出てきたタイトル8割くらいは読んでるかと思った。ショック。
前に茂にも言われたけど、年間ウン万作と小説が発表されてるんだもんね。厳選して話題作だけ読んだってKeep upできないわ。
なのに私の本棚を埋めるタイトル買いした本たち・・・そしてあるもの全て読みたい貧乏性の私・・・
今後は、「趣味は読書」っていうのやめます。
最後のミステリーマップに乙一とか伊坂が入ってるのが嬉しかったわ。
8/16/2012