鯨統一郎のレビュー一覧

  • 猿蟹 saru・kani

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    老人ホームに入居する為に、七十路の老体に鞭打ち、清掃の仕事をし、切り詰めて切り詰めて、爪に火を灯す思いで貯めた一千万円。
    しかし、詐欺グループに搾取されてしまう。
    蟹江の婆さんを助けるべく、主人公みちるは立ち上がる。老人ホームで働く若きみちる。かつて、伝説の詐欺師と呼ばれた。昔の詐欺仲間を集め、詐欺集団から詐欺して、分捕り返す。
    コンゲーム小説。
    うーん、鯨氏らしくないというか。スピード感はあるんだけど、本作はやや物足りなかったかな。

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    2019年07月15日
  • 鬼のすべて

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    長編推理小説ではあるが。書店の売り場には小説文庫にあるのはもちろんだが、人文書の歴史文化民族のコーナーにも置かれる。
    本書は、鬼に憑かれる殺人事件を紐解いてゆくミステリ。
    民間伝承上の鬼についての詳細がふんだんに盛り込まれているので、民俗学にも置かれるんだろな。
    鬼。子を亡くした母か...
    記紀神話、民謡、語り継がれる民間伝承は、とても物悲しいな。生きるためとは言え。
    口減らし、姥捨山、食人、歴史の中には現代の価値観では計り知れない生存方法があったわけだ。
    鯨氏の腕光る一冊でした。

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    2019年07月04日
  • タンタンの事件ファイル3 馬車道「斉藤さん」殺人事件

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    シリーズ3作目ですが、1作目、2作目を読んでいなくても問題ありませんでした。複数の関係者が「さいとう」さんというちょっと面白い設定。鯨さんの作品にしては、どんでん返し感が少ない感じ。なんどか見せ場があって、2時間の推理ドラマを文字化したような印象。

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    2019年05月12日
  • 九つの殺人メルヘン

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    なんとなく、こじつけのような気がする章もあったけど、全体的に、グリム童話の解釈は面白いし、辻褄があってて、好き!


    でも、最後の章だけはなんとなく、スッキリしないなぁ!

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    2019年01月29日
  • タイムメール

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    過去の自分に一度だけメールを送ることができると、突然言われたら?
    あなたは、どの時点の自分に送りますか?

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    2019年01月26日
  • 戦国武将殺人紀行 歴女美人探偵アルキメデス

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    このシリーズの持ち前とも言えそうな軽さが絶妙に気持ちよかった。実に個性的な3人の美女は、そのキャラクターがあっさりと描かれ、アクが強そうだけど、あとを引かないのが、これもまた心地よい。
    トラベル歴史ミステリーとうたわれている、そのトラベルの部分もしつこくなく、それでも名所にはそつなく触れて、当地に行ったら寄ってみようかな、という気にさせる。
    歴史部分は今回もまた、隙間をつくような、諸説あります、の諸説の部分をついてきて、思わずニヤリ。
    ミステリーはあまり悩むことなく、そうなんだー、と納得できる。
    ともかく、軽さが魅力のシリーズなので、その軽さを存分に味わいました。

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    2019年01月09日
  • KAIKETSU! 赤頭巾侍

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    推理小説として読むにはちょっと薄すぎる気がしますが、お馬鹿な本を読みたいときには丁度いい感じ。
    鯨にしてはちょっと異色か?

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    2018年11月12日
  • ただいま家事見習い中 ハウスワーク代行・亜美の日記

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    大学生の家事代行のアルバイト。家事が得意というほどではないが、嘘をつけない真面目で明るい人柄で行く先々の家庭で慕われる。日常の謎を解くのも人柄で押しきってる部分がかなりある。人間力って大事。

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    2018年10月28日
  • 幸せのコイン

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    煤けた五百円玉が渡り歩く連作的繋がりは薄めだけれど、最終話では各話の登場人物が少しずつ登場して嬉しい。飾り気のない文章はやや物足りない。父親との別れと花屋な社長令嬢、女子高生のカンニング疑惑、車内広告営業、離婚届け紛失、写生男児と恋、自殺未遂時の夢、社長だけが大切にする秘書とコンプレックスの七編。

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    2018年10月14日
  • ただいま家事見習い中 ハウスワーク代行・亜美の日記

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    久しぶりの鯨統一郎。日常の、ナゾ系。ちょっとミステリーが弱かったかな。最初の先輩の小ネタが一番面白かった。

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    2018年09月10日
  • 北京原人の日

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    ある日、唐突に銀座四丁目交差点の空から軍服を着た老人が落ちて来る。北京原人の化石をポケットに忍ばせて。
    鯨氏らしい史実を巧みに絡ませた歴史ミステリ。
    昭和16年の開戦前夜、忽然と姿を消した北京原人の化石、下山事件、太平洋戦争、真珠湾攻撃、そして、第二次世界大戦の真の目的。
    どれもこれも、完全に否定しきれない要素が、もしやとも思わせながらも、いやいやまさかとも。
    読者を飽きさせぬ、筆力はさすが。

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    2018年07月22日
  • 幸せのコイン

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    「自分のポケットの小銭は、他人のポケットの大金にまさる。」-セルバンテス-
    よくある何気ないお話。ではあるが、ふと思いを馳せるという行為は悪くない。
    一つのコインを通して数々の人間のドラマが垣間見える。
    ある親子が仲違いし、父が他界。手元に残った遺産が一枚の500円玉。それある時、自動販売機を通じて、ある小学生へ。友達の金を盗んだ嫌疑をかけられ、そのコインは、またある自殺を図る男の元へ、そして、また...やがて、あの時のコインが...
    ふと、手元の小銭を見てみる。もしかしたら、その小銭は貴方が子供の頃に拾った500円玉かもしれない。
    移ろいゆく時の中で、あの時と貴方は何が変わって何が変わら

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    2018年05月20日
  • タイムスリップ明治維新

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    ネタバレ

    ストーリー面白かったです。
    今風の乙女ゲームを思わせる展開でした。
    主人公の女高生の濡れ場は抵抗がありますが。

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    2018年02月20日
  • タイムスリップ信長vs三国志

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    ネタバレ

    タイムスリップシリーズ、女子高生のうららが、歴史の中へタイムスリップして大冒険。
    結構、楽しく読めて好きだったのですが、三国志時代に馴染みがないためか、漢の名前が覚えにくいためか、今作は今ひとつ入り込めませんでした。

    三国志の時代に信長が行って戦う、っていうのは面白い設定だったと思うのですが‥‥やはり、漢の時代をよく知らないのがネックでした。

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    2017年12月06日
  • タイムスリップ水戸黄門

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    鯨氏のタイムスリップシリーズ。
    今回は21世紀に現れた水戸光圀。
    政官財の癒着による、不要な公共事業をバッサバッサと斬ってゆく。

    黄門様のように、政治屋を斬ってくれたのなら、さぞ気持ち良いだろうな。

    痛快。

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    2017年09月28日
  • 九つの殺人メルヘン

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     表紙のイラストが『・・・殺人メルヘン』という題名の不気味さを醸し出している。それぞれの事件を9つの童話に当てはめて、上手に謎解きしてみせる。一話ごとにお酒についての講釈も嫌味じゃないし、バーカウンターで語られる雰囲気がとても楽しげで好ましい

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    2017年09月19日
  • 富士山大噴火

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    災害サスペンスってのは、その通りだけども江戸以来噴火していない信仰の対象にもなった霊峰富士の噴火を題材にした一冊。
    東日本大地震を経験した後に読むと、予想だにしないまさかの事態というのは、正に事実は小説よりも奇なり。
    えてして、人間の慣れとは悍ましいものですね。
    喉元過ぎれば熱さは何とやら。
    自然の力は、人の想像力を超越してゆくね。

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    2017年08月07日
  • 鬼のすべて

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    この物語は被害者を鬼に見立てた連続殺人事件を追うミステリーである。
    同時に、「鬼」にまつわるさまざまな解釈、謂れ、考察が語られている民俗本のような一面もある。
    知っているようで、誰も知らない「鬼」という存在。
    ときに忌み嫌われ、畏怖され、まるで悪の象徴のように思われている存在。
    物語は「鬼」の謎に迫りながら、ひとつの結論を提示している。
    「鬼」とはいったい何だったのか?
    ハルアキが導きだした答えは、あまりにも怖ろしいものだった。
    怖いものはたくさんある。
    けれど、この世で一番怖ろしいのは「人」だと思う。
    誰でも、何かきっかけさえあれば奥底に眠っている狂気が目覚めるのでは?と。
    ミステリーを楽し

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    2017年03月13日
  • 江古田ロック 喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿2

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    緑茶専門店、第二弾!
    昔、江古田に住んでいたことがあったので非常に気になる作品である。
    懐かしいなあ~江古田。
    相変わらずゆるいミステリであり、乗りツッコミな文章が特長だが、読んでいてとても肩の力が抜ける。
    次回も期待したい。

    第一話 『監獄ロック』
    妻の浮気を疑っていた税理士は…
    良い話。
    「ロックな人」の定義は何?

    第二話 『ロックンロール・ウィドウ』
    コンビニ違いかーーーーー!
    どうしてこのタイトルなんでしょう?
    私も山口百恵は好きですが。

    第三話 『野良猫ロック』
    それは、ちょっと八百屋お七な行動なのではないか…
    でもあるよね、「また、あの場所に行けば会えるかも」

    第四話 『ふ

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    2017年03月06日
  • 江古田ロック 喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿2

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    なかなかバイト君とバイトさんの仲が進展しないのがイライラするけど、やうやく少し。
    ほのぼの系の日常の謎なのだけど、ミステリ色は薄い。

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    2016年12月27日